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エール6-2

 タブレットにサッカー部の入場場面が映し出された。 「そろそろ準備」 「はい!」  団長の声に団員が返事をする。密紀は白のグローブと腕章をはめ、白のハチマキとタスキを着けた。後ろに立った千秋が形良く直してくれる。  初めて公の場で着る新しい団服。  団長の水野以外は襟に白のライン、裏地も白だ。腕章には黒で描かれた校章。団長の長ランだけがグローブ以外、他の部員の白の部分が赤で作られており、校章は金色だ。  フル装備の団員がすっと背筋を伸ばす。顔つきが変わる。  ヤバイくらいにかっこいい!  密紀はこの中に自分が混じっていいのか今更心配になる。  聖院学園の制服はブレザーで、ネクタイをしていなかったり、ジャケットでなくベストだったり、応援団員も普段は割とラフな格好をしているのだが、いざ団服を着けると表情まで変わる。 「舞台袖に移動の指示来ました」  タブレットに受信した文字を確認しながら二階堂が水野に告げる。 「よし、移動」 「はい!」  さっきまで緩い態度で密紀をからかっていた鳥越も、凛とした顔つきで先に行きドアを開けると、先輩三人を先に外へと促す。  更衣室と体育館は隣接していて外に出ればすぐに体育館の入り口が有る。応援団は普段生徒はほとんど使うことがない舞台に直通しているドアから入る。

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