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エール7-3
好きな人に服を脱がされるという行為は、密紀が想像していたよりも遥かに淫らで、触れる手の感触や、床に落ちるシャツや、最後に、ファスナーを下げる音が、耳を通して身体に大きな刺激を与える。それだけでもう、反応するのには十分だった。
「よかった、密紀嫌じゃなないって身体が教えてくれてる」
既に張り詰めて、下着を膨らませている密紀の中心を、千秋がそっと撫でた。
「うあっ…!」
あまりの快感に密紀の身体が跳ねた。全身をピンク色に染めて羞恥に耐える密紀の耳元に千秋が顔を寄せる。
「かわいい…」
囁いて耳にキスを落とす千秋の身体も密紀に触れる。同じように固く熱くなったものを感じて、密紀も千秋が本気で自分を求めてくれていることを感じる。
男はそこに嘘をつけないから。
例えば女の人を前にすれば反射的に反応するかもしれない。でも今お互いに想っているのは男で、目の前にあるのは男の身体で、これは本当に心から欲しないと、こんな風にならないだろうと密紀は思う。
かわいいと言われて嬉しい。触られて嬉しい。
千秋先輩が、欲しいと思える。
耳元から頬へ、そして唇へとキスを繰り返し、千秋が至近距離で密紀の目を見つめる。千秋の目に自分が映っている。
こんな、愛しそうな顔をしているのか、自分は…。
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