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*エール・エピローグ1*
聖堂の地下演舞場に、聖院学園応援団全員がフル装備で集まっている。
「保科、前へ」
静粛な雰囲気の中、副団長の二階堂が密紀に向かって命令した。
「はい!」
密紀は一歩前に出る。
実はリハーサル通りだ。
『団員任命式』と呼ばれるそれは、応援団員だけで行われる大事な儀式だった。この式を経て、初めて正式メンバーと言える。
水野団長が密紀の前に立つ。密紀は緊張の面持ちで背筋を伸ばした。
壮行会の時にも思ったが、団服を着た水野の存在感はハンパない。他の団員には無い特別なオーラが放たれているように思える。それが団長たる由縁なのだろうが。
「保科密紀、聖院学園応援団、正式団員に任命する」
簡潔な言葉が述べられ、誓書が密紀に渡される。学内外問わず、聖院学園応援団を必要とする全ての人物、団体に貢献すること、というような内容が書かれてある。後日直筆で名前を書き入れて、団長に提出することになっている。
二階堂が水野の横に立ち、持っている盆の上に乗っているものを渡す。
「聖堂の鍵だ、応援団員は持つことを許される。退団時に要返却」
「はい!」
ずっと固いままの密紀の後ろ姿が可愛くて、千秋はクスッと笑った。可南が気付いて咳払いをすると、千秋が真面目な顔を作った。
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