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第3話 絆

烈はある程度 体力が回復すると、退院の許可を貰った 入院中に使ったモノを前日に持ち帰って貰い、その日着るスーツを持って来て貰った 烈の支度が整った頃、康太と榊原がレイを連れてやって来た そこには田代の姿もあり、病院の支払いをして来たと告げた 烈の退院前日に瑛太は田代に電話をしていた 瑛太は田代に「明日烈が退院します、なので支払いに病院まで来て下さいね! 康太が烈と話し合った結果、康太から入院費はやっぱ戸浪に支払わせねぇとな!瑛兄 田代に連絡取って支払わせてくれ!と伝言を言付かったのでお願いしますね!」と電話を入れた 瑛太は唖然となり「許されるのですか?」と問い質した 瑛太とて許せるか?と聞かれれば許せぬ想いは強い だが、康太はあの日宗右衛門が言った言葉を伝えた 「『儂は許せぬ想いはある あの日あの時呼び寄せ殺されかけたのじゃからな 巫山戯るな!と謂う想いはあるが、そんな想いを抱き続けるのは疲れる故、切り捨てるが一番じゃ 儂はな真贋、既に先に進んでおる! 1000年先へ繋げた飛鳥井を盤石なモノにせねばならぬ! 立ち止まってなどおれぬのじゃ! ならば逝くしかあるまいて! 立ち止まっておる奴は飛び蹴りかまして動かせる! それしかあるまいて!』 宗右衛門はそう言ったんだよ 許すとか許さないとかの範疇をとっくの昔に越えて、前へ進んでいると宗右衛門が言った 我等はその場には留まれはしない! ならば我等は先に進むしかない! 宗右衛門が切り開く1000年続く果てへと逝かねばならない!って事だ瑛兄 それにはやはり遺恨は遺さねぇってのが鉄則だかんな!」 と言われれば、瑛太は謂う事を聞かねばならなくて、即座に田代に電話して 「烈の病院の支払いに来なさい! 君達が烈の入院費を支払うのは当然の事ですよね? ならば、サクサク入院費を支払いにすぐに来ない!」と謂った 田代は『瑛太………我等は許されねぇ事をした 幾ら烈が退院したとしても、それは許されちゃいけない事だと…周りの反応で痛感させられたんだよ!』と謂うが瑛太は笑い飛ばした 「飛鳥井家宗右衛門は、もうその場には留まってはいないと謂われたと康太が言った ならば我等は宗右衛門が目指す1000年続く果てへと逝かねばならないのです! と謂う事で、入院費を支払いに来なさい! でなくば、烈は退院出来ません! それに烈は足に後遺症が遺りました 今後のリハビリ代を考えたら、此処で入院費を支払わせねば採算が取れません」 と瑛太は言い切った 田代は腹を括り『ならば即座に社長と話して入院費を用意させる 今後のリハビリ代も我等が持つべきなのは重々承知している 烈、足に後遺症遺ったか……本当に済まなかった!』と謝罪した 「謝罪は本人にして下さい! 烈はまだナイフに刺された時の神経系の毒で手の震えが取れてないのに、足を引き摺る様になったそうです これから、かなり長い間、烈のリハビリが始まります………ですが烈はもう歩み出している 我等もその場には留まれません! なので話をしていると理解出来ましたか?」 そうして田代が入院費を支払いに来て、烈は退院となった その日烈は竜馬とお揃いのアルマーニのスーツをビシッと着ていた 烈のネクタイの歪みを竜馬が直しタイピンで止める 烈は戸浪に逢った足でイギリスに立つから、竜馬も共にいるのだった レイは本当に飛び蹴り要員として康太が連れて来たのだった 田代はレイを目にするのは初めてだった だから「この子は誰の子なんですか?」と一応聞いてみた 容姿からすると兵藤貴史のコピーのような顔だけど………金髪にオーシャンブルーの瞳に明らかに外人である事を理解して問い掛けた すると烈が「ぼくのこよ!」とニコニコして言った 康太が「烈が成人したら後見人となる子なので、あながち『ぼくのこよ』と謂うのは嘘ではない!」と教えた 「何故?この子を?」 田代が聞くと康太は笑って 「それは烈の変わりに飛び蹴りかまさせる為だよ!」と言った 烈はズルズルと足を引き摺り歩いていた 手はまだ震え、満身創痍なのが伺えれた 竜馬が烈を抱き上げると 「それでは逝きましょう!」と言った 病室を後にして1階まで降りて、外の駐車場まで進む 烈は竜馬の車に乗せて、榊原は康太とレイを乗せて、田代は会社の車に乗り込みトナミ海運へと走って逝く 竜馬は「本当に許すのか?烈」と問い掛けた 「ゆるすとかのれべるじゃにゃいのよ」と烈は言った 竜馬は絶対に自分なら許しはしない! そう想うのだった やられたら倍返し!それしかない!と思って来た 「りゅーま、しごとよ!」 と烈は竜馬に謂う 竜馬は「解ってるよ烈!」と答えた 本当に烈を見てると何もかも全てを超越している神の様な存在だと想う まぁ烈に言ったら「それおいしいにょ?」と謂われそうだが……… トナミ海運に竜馬の車が到着すると榊原のベンツが既に到着していた 烈は車から降りるとレイの傍へと向かった 歩きにくそうに歩く烈を見付けてレイは即座に烈に近寄った 「れちゅ」 「れいたん、がんばってとびげりかましてね!」と笑う レイは笑って「ぎゃんばる」と言った 竜馬は烈を抱き上げると、田代と共に会社の中へ入って行った 受付嬢は烈の姿を目にして 「もう宜しいのですか?」と尋ねた 烈は竜馬の腕から下りると、足を引き摺りながらも笑顔で「だいじょうぶよ!」と答えた 受付嬢は深々と頭を下げ見送った トナミ海運ではニュースの報道と飛鳥井家真贋の記者会見を受けて、総ての事情を把握していた もう飛鳥井との縁が切れたも同然だと想った なのに飛鳥井烈 自ら会社に来ているのだ 受付嬢は信じられない想いで烈を見送ったのだった 田代は最上階へと向かい、到着すると全員をエレベーターから下りるのを待ち、社長室の前へと向かう ドアをノックすると戸浪の声で「どうぞ!」と入室を許可する 「たしろ、れいをなげとばすのよ!」と謂うとレイを抱き上げて、社長へ向かってレイを投げ飛ばした レイは見事に戸浪を蹴り飛ばし、戸浪は投げ飛ばされたレイを慌てて腕に抱き締めた 戸浪は「え?この子は誰ですか?」と戸浪は慌てた レイは「れい なのよ」と言った 「レイ……君は女の子なのかな?男の子なのかな?」と性別の分からぬ顔に躊躇した だが、何処から見てもその顔は………見覚えがある顔だった 「君は貴史の………痛いって、どうしたの?」 と、戸浪がその顔から推測した事を口にすると、レイが戸浪にパンチを入れた 「れいたん やめるにょよ!」と烈が姿を現すと、戸浪は息を飲んだ 「おろちて!」と謂うレイを下に下ろすとレイは烈の傍へと走った 烈は不敵に嗤うと「ぼくのこの、あすかいれいよ!」と紹介した ズリズリ足を引き摺りながら歩く烈を、竜馬は抱き上げてソファーに座った そしてその横にレイを座らせて自分も座る 「わかだんな、ここは、おちゃもでないにょ?」 と小姑ばりの事を謂うと竜馬が 「烈は薄めのリンゴジュースでお願いします レイは薄めないリンゴジュースで! 俺と伊織さんは珈琲で、康太さんは紅茶をお願いします!」とちゃっかり注文を謂う 戸浪は慌てて田代に頼むと、田代は女性の秘書にそれらを頼んだ 戸浪は震える手を押さえつけ 「それではご要件を伺いましょうか?」と問い掛けた 烈は「ようけん?ようけんあるにょは、わかだんなじゃにゃいの?」と言った 戸浪は言葉を失った 康太と榊原は何一つ謂わずにソファーに座っていた 戸浪は自分を立て直すと 「我等の謝罪をお聞き入れして下さると?」と問い掛けた 「ぼくね、こういしょう のこったのよ」 「え?………」 「てもまだふるえてるにょに、こんどはあしよ!」 「足をどうされたのですか?」 と戸浪が問い掛けると竜馬がそれには答えた 首を絞められ、十分な酸素が脳に行き届かなかったから前頭葉の運動を司る器官がダメージを受け、足を引き摺る……と伝えた 「それはね、りはびりで にゃんとかなるのよ!」 戸浪は深々と頭を下げ 「本当にすみませんでした!」と謝罪した 「あのね、それ聞きたくてきたわけじゃにゃいのよ!」 「治療費に加えてリハビリも此方が持ちます! 迷惑料もお支払いします!」 「それだともぉ、ゆすりやたかりよ! ね、りゅーま、ぼく それねがってにゃいよね?」 竜馬はその言葉を受け 「烈の両親は飛鳥井康太さんと伊織さんなので、リハビリの支払いは両親が支払います! そんなチンケな事を求めているとお想いですか?」 と辛辣な言葉を吐く 戸浪は言葉もなかった 烈は携帯をポチポチして何処かへ連絡を入れていた それが解るのは暫く経って、戸浪の妻の沙羅が社長室にやって来たから理解出来た 「さら!」 烈が言うと沙羅は「もう大丈夫なのですか?」と問い掛けた 烈が手が伸ばすと沙羅はそれが当たり前の様に烈を抱き上げた それは常にやっていねば、出来ない行動だった 「さら、やつれてるにゃよ! だめよ、ねないと、びょうのたいてきよ!」 「烈、私は……」 烈は沙羅の唇に人差し指を当て、しーっとさせると 「わらってて、さら こうせいとうみが ふあんがるのよ!」 「解りました、また我が子と遊んで下さいね、烈」 「あたりまえにゃのよ!」 烈はそう言い笑った 沙羅の腕から下りると烈は、沙羅を戸浪の横に座らせた 「つかれたにょよ りゅーま」 「ならば俺に全部やらせる気ですか?」 「ほれ、やるのよ!りゅーま!」 「解りましたよ!本当に人遣い荒いんだから!」 竜馬はボヤきつつも、鞄から書類を取り出すと戸浪の前に置いた 「此れは?」戸浪は不安そうな顔で問い掛けた 烈は「みるにょよ!」と謂うと、薄めたリンゴジュースに口を付けた 「かあしゃん そーちゃん むこうにいるにょ?」 「あぁ、向こうでの生活の面倒は聡一郎が見てくれる!」 「そーちゃん おりょうり できにゃいのに?」 「え?嘘……お前の食事位なら作れねぇか?」 「むりよ、ねぇりゅーま」 話を振られて竜馬は「あの人総てデリバリーです まぁ烈のはヘルシーなのをチョイスしてますが、余程イギリスの食べ物が気に入ったのかメンバーと美味しい物食べ歩きツアーなるものを開いて食べ歩きしてます」と話した 康太は、あちゃぁーと頭を抱えた 榊原は「一生を送るので、少し待ってなさい! 勝手に食べたら久遠先生に怒られますからね!」と釘を差しておく 烈はうんうん!と頷いていた 戸浪は竜馬が渡して来た者類を見ていた そして全部目を通すと「これは?」と問い掛けた 竜馬は不敵に嗤うと「ですから商談です!無論忖度はしないで下さいね!」と言った 「此れを……売ってくれるのかい?」 「ええ、八神が作っていたのより、数段とレベルを上げて制度も上げました イギリスの研究室に来てくれるならば、その研究室を見学出来ます 中にはその道のプロもいますからね 一度来られてはどうです?」 「……これは商談と謂う事なのかい?」 「ですね、リーダーがトナミに下ろさせてたレーダーや船舶機器を駄目にしたから、その変わりを作る様に言いましたからね! 今回はお試しと謂う事で、研究費と材料費だけで入れて差し上げます! ですが、我が社の精密機器はローデンハイムを始めとして、スーダン社とかにも人気なので、製造には時間が掛かります なので最低でも一年は覚悟して下さい!」 「会社の名前………本当に間違いないのかね? R・ウッズスタン社……と謂うのは間違いではなく?」 「ええ、俺の作家の方のペンネームがアーノルド・ウッズスタンなので烈のRと俺のペンネームを重ねてRウッズスタンと名付けたのです!」 沙羅は鞄の中からカニパンを出すと 「今日はもう1個食べてしまいましたか?」と問い掛けた 「まだにゃのよ!さら」と謂うとカニパンの封を開けて烈に渡した そして烈の頭を撫でて愛しそうに抱き締めた 「さら、またすういおちゃしようね!」 「それは楽しみね! 煌星と海も喜びます! 竜馬さんもその時はご一緒しましょいね! 勿論 レイちゃんもね」 と謂うと沙羅はレイを抱きげで膝の上に乗せた 戸浪は少しだけ心に余裕が出来て、田代に 「物凄い好条件じゃないかな?」と問い掛けた 田代も「八神の所とは格段にレベルが違います ローデンハイム家とかに下ろしているならば、その性能は保証されたも同然! 社長!お願いしましょうよ!」と言った 烈は沙羅とレイと楽しげに話して、その話はする気がないみたいで、竜馬は諦めた 「れつーう!」と名を呼ぶと「おためしやれば いいにょよ!それからきめればいいにょよ! ねっ、さら、さらもそーおもうにょよね」 「そうね、貴方お試しなら遠慮なく試せるではありませんか! そしてそれが良いならば即座に注文するのよ! そしたら1年後にはそれが届けられるのよね? メンテナンスとかは、どうなっているのかしら?」 「メンテナンスは提携した会社が出向いてしてくれます! その為にメンテナンスする職員は研修を受けプロの仕事をしなければ仕事が出来ないシステムになってるので、メンテナンスの事は不安材料にはなりませんよ!」 「ならば、良いじゃない!貴方! 此れは忖度の話ではなく、商談なのです! 今返事せずとも田代や役員と会議を開いて決めれば良いじゃない!」 沙羅は助け舟を出してやる 戸浪は「ならばこの書類は役員を通して会議をして決めます! 決まったら何処に電話をすれば良いですか?」と問い掛けた 「1週間後には倭の国に還ってるので、その時なら俺の電話で構いません!」 と言い書類の裏の電話番号を指差し言った 「にゃら はなしはおわりね! ぼくはしゃざいはききたくにゃいの! だから、わかだんなは さらにしょうじんして、すすんでください! それではなしはおわりです!」 と宣言するように烈は言った レイは烈に抱き着いて離れなかった 此の後イギリスへ行っちゃうのを解ってるから、離れたくなくて抱き着いていた 烈はレイの頭を撫でると 「れいたん、すぐにかえるにょよ! そのあいだ、ちゃとごはんたべるやくそく、ちゃんとまもるにょよ!」と言った レイは何度も何度も頷いていた 戸浪は立ち上がると烈に深々と頭を下げた そして姿勢を正すと 「ありがとう烈君!」と礼を言った 烈は笑って何も答えなかった 烈は「りゅーま いぎりすにいくにょよ!」と謂うと竜馬は立ち上がり烈の横に立った 「にゃら とうしゃん かあしゃん ぼくはいきりすにいってきます! れいのことたのみましゅ!」 烈の言葉に康太は「おー!任せとけ!食わねぇなら久遠に痛い点滴頼むだけだしな!」と謂うとレイは泣きそうな顔になった 榊原が「康太、レイが泣きます!」と謂うと 「心配するな烈!行って来い!」と言い送り出した 烈が足を引き摺り歩くと、竜馬が抱き上げてスタスタと社長室を出て行った 戸浪は「烈君の足……酷いのかい?」と尋ねた 「烈の事は久遠が治してくれる! それに悪化したなら車椅子もあるし、んな心配もしてねぇよ! でもな運動会は何時治るか解らないから休ませねぇとな………」と言った 「私は克己さんに心酔していた…あの人があんな暴挙に出るとは夢にも想わなかった………」 とショック未だに醒めやらぬ感じで言葉にした 康太は「今日はオレは付き添いだ!そしてレイは烈の変わりに若旦那に蹴りをかましに来ただけなので、それ以上の話はしたくねぇんだよ! 飛鳥井 宗右衛門は果てへと逝くしかあるまいて!と申された、なので我等も1000年続く果てへと逝くと決めている 若旦那も我が子に託すのならば、こんな所で立ち止まっていたら駄目だと、烈がレイを飛ばしたのです!」とクスッと笑って言った 戸浪は「レイ君に再び蹴り飛ばされない様に……踏ん張って我が子達の果てへと繋ぐと誓うよ!」と言った その顔にはもう後悔や苦悩の表情は消えていた 榊原はレイを抱き上げて立つと「行きますか?康太!」と言った 康太も立ち上がると「と謂う訳だ、オレは還るとするわ!ならな若旦那、またな!」と言い社長室を出て行った 遺された戸浪は知らないうちに消えている妻の痕跡を感じて、心の奥底に隠していた本音を吐露する 「物凄く……許されない想いを抱いていたよ それがレイ君を投げ飛ばされ蹴り飛ばされて、憑き物が総て落ちてしまった! 綺麗サッパリ落ちたので、今後はより一層飛鳥井との絆を深めて精進しょうと想う」 田代は笑って 「ですね、全部レイに持って行かれましたね あの顔……物凄く見覚えがあるんですが、烈の子供なんですね!」 「私もね見覚えがあるんだけど、それは言ってはならぬ事なんだろうね…… さてと、田代、会議を開くから重役や役職は会議室に集めてくれ!」 指示する戸浪の顔は精気に満ち溢れ、前を向いていた 榊原は康太とレイを連れて飛鳥井建設へと向かって走って行った 後部座席にはレイが寂しそうに座っていた 駐車場に車を停め、エレベーターに乗り込み最上階へと向かう 最上階に到着して、副社長室に逝くと秘書の西村が「社長がお呼びです!来て下さい!」と告げた 社長室に入ると南雲建設の社長が険しい顔をして座っていた 南雲社長は康太を見ると「烈は?どうなりました?」と心配した顔で問い掛けられた 「烈は今朝退院してイギリスに向かいました」 「大丈夫なの?」 「後遺症は遺りました 足を引き摺ってしか歩けませんが、命には別状はありません!」 「本当にね、ニュースを見た時腸が煮えくり返る程の怒りを覚えました!」 「………貴方もトナミ海運を許せないとか謂うのですか?」 「あら、そんな事は謂わないわよ! 私は烈に危害を加えた奴が許せないだけ! トナミ海運を恨んでどうなるの? しかも私、沙羅とは親友ですのよ! 親友のご亭主を悪く謂う気は皆無です! まぁ沙羅も私の可愛いぷりちぃ〜な烈を!と怒っていたから、私の可愛い烈よ!と取り合いにはなりますがね」 と言い南雲社長は笑った 榊原は苦笑して「烈は人気者ですね」と言った 「烈はフェミニストですもの 好きだと謂う御婦人は多いのよ!」 そう言えば烈は食堂のおばちゃん達からも絶大な人気を得ていたっけ?と榊原は想う 南雲社長は立ち上がると「烈の無事が解ったので帰りますね!」と言った 本当に烈の確認の為だけに来たのが良く解る サクサクと還る南雲社長を見送り、瑛太は 「烈はイギリスに行きましたか?」と問い掛けた 「おー!竜馬と共に行ったぜ!」 「大丈夫なのですか? まだ歩くの不自由しているんじゃ……」 「そうなんだけどよぉ、向こうでも大変そうで行かせねぇ訳には行かなかったんだよ!」 「ゆっくり寝てもいられませんね でも向こうには聡一郎がいてくれるんですよね?」 「………瑛兄……それなんだけど……どうやら人選間違えたみてぇなんだよ!」とボヤいた 「え?……それはどう謂う事なんですか?」 「聡一郎、食事とか作れねぇそうなんだよ!」 「え!!ならば行っても戦力にならないじゃないですか!」 「そうなんだよ! 一応ヘルシーなのをデリバリーしてくれるらしいけど、食べ歩きツアーしたりしてイギリスを堪能してるそうなんだよ!」 瑛太は言葉もなかった 即座に一生に連絡する ワンコールで出た一生に「聡一郎がご飯を作れないのは本当なのですか?」と尋ねる 『え?聡一郎、なぁ慎一、聡一郎って飯作れねぇのか?瑛兄さんが聞いてるんだけど?」と傍にいる慎一に問い掛けた 電話を変わると慎一は 『そう言えば聡一郎が何か作ってる所は見た事ありません 手伝いは誰よりも率先してやってくれますが、料理は見た事ないですね 紅茶は誰よりも上手く淹れられますが、食事は作ってる所を見た事がないので解りません』と答えた 瑛太は言葉を失った 康太が瑛太の電話を奪うと 「オレ、聡一郎に烈の食事の世話頼んだやないか!作れねぇなら帰国した時また久遠に怒られるやんか!」とボヤいた 一生が『ならばオレが向こうに行って烈の食事の世話をやるわ!』と言った 「頼めるか?一生 お前が到着したら即座に追い返してやれ!」 『多分帰らねぇだろ? アイツはイギリスのグルメツアーに執心だもんな』 「飯作れねぇのに率先して行きたがっていたのは、その為かよ!」 文句を謂う康太に一生が苦笑して 『支度してチケット取って向こうに向かうわ!』と告げた 「頼むな、ヘルシーなデリバリーだと言っても、自分が食べたい物をチョイスされたらおしまいだかんな! 聡一郎が飯を全く作れねぇなんて知らなかったよ」と文句を謂う 知っていたら頼まなかったのだ! 康太は「近いうちに烈のイギリスで世話してくれる奴を一族の中から出すから、それまでは頼むわ」と言った 『俺の都合が着く時は俺が行って世話をするわ! なら、支度して家を出るわ!』 と言って電話を切った 康太は瑛太に「一族の中で烈の世話係出さねぇとな!」と言った 瑛太もそれに同意して「探しておきます!」と言った その日 烈がトナミ海運に現れた話は何処から伝わったのか? かなり大きな噂になり、それを聞いた相賀達が康太の所へ確認の電話をしたりして、ひきりなしに電話が鳴り響いていた イギリスに旅立った烈は竜馬と共にイギリスの地に降り立つと、直ぐにオブライエン家からの迎えの車に乗った クリストファー・オブライエンは息子の友を、我が子の様に可愛がり大切にしていた 息子がある時を境に変わったのを知る父は、【R&R】の活動を生き生きする我が子を見て来て息子の活動を応援して来た また引き篭もりみたいな生活をしていた我が子オリヴァーも、弟に刺激を受けたみたいに変わって行っていた 話を聞くと素晴らしく頑固で漢気のあるリーダーがいて、オリヴァーはその子に飛び蹴りをかまされ、一晩中説教され生き方を変えたと謂う クリストファーは【R&R】のリーダーに逢うのを楽しみにしていた そして紹介された子は………とても小さい子供だった 子供の癖にやけに貫禄があり、その眼は何もかも見透かす様に鋭く、物凄く上質なクイーンズ・イングリッシュで話していたのも驚きだった だがよく見ていれば、リーダーに相応しい人間で、人をよく見ているから、衝突する前に見た手が打てるのだと想った そして何よりリーダーは転生前の記憶を持つと謂う まるで女王の様だなと想っていたら、妻が飛鳥井と謂う名なら不思議ではない!と言った 妻は女王の妹だけあって、そう謂うのを間近で見て来たと謂う それで一目見て気に入りイギリスで住むマンションまで買い与えたりと、クリストファーは烈をそれは大切にしていた その烈が殺されかけたと聞いて、クリストファーは怒りを露わにして記者会見を開いたと謂う訳だった だから顔を見せねば、国際関係にヒビを入れてしまう!と堂嶋に頼まれて烈はイギリスへと向かったのだった 勿論 旅費は堂嶋に出させた 竜馬と二人分の旅費を出させてイギリスへと来たのだった 烈はオブライエン家へと向かう お迎えの車の中で烈は寝ていた 飛行機の旅はまだ早かったのか?烈の体力を削って行った クリストファーに逢う前に体力を温存しておく 竜馬は「烈、大丈夫か?」と寝てばかりの烈を心配して名を呼ぶ それでもすやすや烈は寝ていた 寝ている烈の髪を梳きながら、竜馬は痛々しくなった烈を想う それでも立ち上がり前へ前へと立ち向かう姿に、竜馬は涙が止まらなくなる時があるのだ もう立ち上がらなくても大丈夫だから!と言いたい だけど言えない それは烈が飛鳥井宗右衛門だから! 烈と出逢ってから竜馬は如何に自分が未熟な男だったのかと、突き付けられた 3秒で蹴り飛ばされる程に嫌な奴だったんだろうな……と己を思う 烈と出逢ったからこそ解る日々は辛くて…それでも楽しい最高の日々だった これからも共に生きて行き、烈の果てに立つ政治家になろうと心に決めている 車はオブライエン家の敷地に入り走って逝くと 門から玄関までがまた長いのだ 烈曰く無駄な敷地なのよ!と謂う程に長いのだ やっと正門玄関に到着すると車止めにはクリストファー・オブライエンが出迎えをして待っていた 車から降りるとクリストファーは烈を抱き上げた そして竜馬を抱き締めて家の中へと連れて逝く オブライエン家の応接室はホテルのロビーばりの広さで、豪華絢爛な調度品が嫌味なく備えられ貴族の名に相応しい部屋構えだった クリストファーは烈を抱き締めて泣いていた イギリスにいる間は屋敷を用意するから、そちらに移りメイドも何人か用意するから、そこで生活したらどうだい?と謂われた それを烈は断った 「【R&R】は己の事は己でやる!をモットーに活動している集団故、そのリーダーが至れり尽くせりの環境に身を置けぬ故、それは辞退する!」 そんな高待遇な状況を与えると言われたらならば、普通は飛び付くモノなのに、烈は己を突き通す! クリストファーはそんな所が気に入っていた だが少し食らい甘えてくれても、と想う なのに、烈はクリストファーを説教する! 幾ら息子が可愛いと言っても世界に向けて喧嘩を売るのは当主としての自覚が足らないからだ! と説教される 天下のクリストファー・オブライエンに説教出来るのは飛鳥井 烈位のモノだった クリストファーは烈の的確な言葉をちゃんと聞く この世の誰よりも本人を慮って謂う言葉だと理解しているから聞く そして説教の後はこの世で一番ヘルシーなディナーを取り、楽しい時間を過ごす メンバーもそこにはずっといて、笑っていた オリヴァーも【R&R】の裏方だがメンバーの一員だと謂われて、生まれて始めて仲間と謂う存在を持った クリストファーは眠そうな烈を膝に乗せて眠らせていた 愛しげに烈を抱くクリストファーの顔は自愛に満ちていて、妻のロザリーは夫のそんな顔は久しぶりだなと想った 静かに夜は更けて………大人は愉しげにお酒を飲み過ごした 烈はメイドに預けられ、寝室へと連れられ眠る事となった 烈の到着を待つ聡一郎は、ちゃっかりメンバーと共にオブライエン家でメンバーに混ざり楽しい時間を過ごしていた 翌朝、烈はクリストファーから貰ったマンションへと向かう 竜馬は隣の部屋を貰っていたが、殆どの時間を烈の部屋で過ごしていた 一生がイギリスに到着して、マンションへと来ると買い物に出向き烈の食事の世話をする 一生は聡一郎に「お前 デリバリーばかりだったんだって?」とボヤいて言うと 「僕は紅茶は誰よりも美味しく淹れられるんですがね、料理はやった事がないので出来ません!」とキッパリ言った 「なら帰れよ!」 と一生が謂うが聡一郎はイギリスに残り、イギリスを満喫していた 【R&R】は夏に行う大掛かりなイベントの準備で余念がなかった 皆が一斉に自分の案が一番だと謂う それを烈が「皆の案は目を通すからファイルで出さんか!」と宗右衛門で怒る そしてよりグレードの高い世界を創ろうと躍起になる 今回はクリストファーのご機嫌と説教の為だけにイギリスに来た訳で、どうせなら仕事して還るか!の部屋に集まり頑張っていたのだ その合間にオリヴァーと会社の状況について話す オリヴァーはヨニーの会社の全権を手中に収めたと言った 社長や重役や役職付きは総て解雇にして、社員は入社試験を再び受けさせて残留を図った そうして新たに社員を投入して始動させる だが世界に誇るヨニーの【名】は遺して全勢力を集結した方が1からのスタートよりも何歩も先に出られる! との言葉に買収した子会社を合わせて【ヨニー】として再生させる事にした 【世界に誇るヨニーは再びイギリスで蘇り世界へ発信する ヨニー©イギリス】 コンセプトを決めてCMを流し世界に周知させる そのCMは【R&R】が手掛け、話題になった 精密機器メーカーはヨニーRウッズスタンと正式名称で始動した 正式名称はヨニー©イギリスと登記した 記者会見はイギリスで開かれた 新社長 オリヴァー・オブライエン 副社長 飛鳥井烈 三木竜馬 専務 フレディ・ホワイト ヘンリー・オブライエン サムエル・ウォーカー ダニエル・ジョーンズ イーサン・オルデス デービッド・トンプソン 彼等はアルマーニのお揃いのスーツとネクタイを着けて記者会見を行った 殆どが新社長 オリヴァー・オブライエンの独壇場となった 厳しい眼をした子供の姿は、記者をざわつかせたが、彼こそがクリストファー・オブライエンが言っていた存在だと知らされ下手な事は言えないと沈黙を護った その記者会見の場には今枝浩二がタベロイド社の記者として参加していた 烈は今枝の生き生きした姿を目にして笑っていた そのニュースは倭の国でも流され、そのニュースを見た者は皆 言葉を無くしていた 真矢は「あら、烈………」と烈を目にして言葉をなくした 相賀、須賀、神野もそのニュースを目にして、何だか烈が遠くへ行ってしまった気分になった それは飛鳥井の会社の社員達も同じ気持ちだった だが帰国した烈は前よりも精力的に会社に顔を出していた 朝 会社の受付から階段でリハビリの為に上がって行く 足を引き摺り歩く烈に社員は声を掛ける 「おはよう御座います、烈さん!」 皆が声を掛け烈の心配をする 栗田が想わず烈を抱き上げると「くりた、おはよう!」と謂う 「階段は俺が抱き上げて上がりましょうか?」 「それはうれしいにょね!」と烈が笑う すると城田が「俺の方が若いので俺がお連れしますよ!」と買って出てくれるのだ 全フロアの社員に挨拶をする それが烈の日課になっていた そして学校へと向かう 朝礼とか長時間立つ事は無理として、一限目に間に合う様に学校へと通っていた 飛鳥井建設の社内は宗右衛門が来てくれるから、活気付いていた 社員の意識とレベルも前とは格段に違う 格段に違うから新入社員のレベルも上がって来ていた この日は体力測定があるから烈は休みを取った だから会社へと来ていた 烈の部屋が与えられ秘書が着いた 康太は烈の部屋で紅茶を飲みながら 「烈、おめぇの死の影ってどうなったのよ?」と尋ねた 「あれね、ぼくのいきがとまったでしょ? いちどしんだからなのか、きえたのよ!」 「今は影はねぇのか?」 「いまはないのよ でないと、これいじょうはこまるのよ ぼくもね、たいりょくそくていやりたかったのよ はやく、なおらないかにゃー!」 「前よりも歩ける様になってるやんか! 地道に治すしかねぇかんな! リハビリ頑張ろうな!」 烈は頷いた 烈は未だに毒の後遺症で手の痺れが微かに遺っていた 足も大分動く様にはなったが、まだ引き摺る 久遠が烈を治してやるから!と完全に管理して治療をしていた 最近は数値も安定してカニパンは2個まで復活していた イギリスでも食生活を管理したのが効いた結果だった イギリスに世話係を用意しようと想ったが、聡一郎はならばプロに管理させるのでイギリスへ行かせて下さい!と謂うから順番で烈の世話に行っていた それが良い息抜きになっているのか? 玲香と真矢と京香もそれに加わりイギリスへと行っていた 皆で何時誰が行くか、決めてスケジュールを調整する 最近は康太と榊󠄀原も行ってみるか?と言い出す様になり、瑛太と清隆も行きたがっていた 家族全員で烈を支え応援すると決めていた 家族の絆も会社の社員達との絆も深まり 後は一族の絆を深めるだけとなっていた 烈はこの日 宗右衛門の着物を着ていた 一族の絆を確かにする為に竜胆と真贋と共に是正すると決めて動く事にしたのだ この日抜き打ちでチェックを入れる会社は3件 鴉からの報告で企業向け調査事務所に依頼して本格的な調査をして裏付けを取り決定的な証拠を手にした後に動くと決めていた 宗右衛門は康太に 「一族の絆を絶対なモノにする為に、一族を増やしたのじゃ! 真贋が半分の50世帯に減らした一族を70世帯まで増やした これで20世帯は入れ替えも可能じゃろ! 私利私欲に塗れた一族など要らぬ! 今一度、我等は一族の在り方を考えねばならぬ時が来たのじゃ!」と告げた それは康太も考えていた事だった それで半分減らして一族を篩に掛けたのだ 「やっぱ源右衛門が高齢だったってのもあって一族は腐っちゃっていたな オレが源右衛門から引き継いだ時には、飛鳥井の本家なるモノが出来てたり、んとに苦労したかんな!」 と康太はボヤいた 宗右衛門は「飛鳥井の本家?それは遥か昔に真贋が潰されたのではないのか?」と謎だと呟いた 「潰したよ!でもオレが引き継いだ時には、また本家なるモノが出来てて、本家ごと一族を半分に削ったんだよ!」 「……本当に目を光らせておらぬと、ロクな事をせぬな! 今世は絶対の絆を結ばねばならぬ! それは血でも縁者でもなく、一族の敷いたレールの上を直走る者だけでよいのじゃ!」 「だな、宗右衛門、1000年続く果てへと逝こうぜ!」 「おー!逝くしかあるまいて! 竜胆、覚悟は出来ておるか?」 宗右衛門は竜胆に声を掛けた 竜胆は薄い青紫の竜胆の花の色をした着物を着ていた 「当たり前の事を謂うなよ!宗右衛門! 俺はその為に転生して来たんだ! 1000年続く果てへと逝く為にオレは転生して来たんだからな! 気合い入れて逝くぜ!真贋、宗右衛門!」 竜胆は何処まで行っても竜胆で、暑苦しかった 一族の店を一店舗ずつ回る そして責任者を呼び出し、稀代の真贋と宗右衛門と竜胆が来たと伝えろ!と謂うと責任者は青褪めた顔をしてやって来た その場には烈の顧問弁護士の飛鳥井神威と、康太の顧問弁護士の天宮東青も同席していた 言い逃れも誤魔化しも逃げ道も総て通用しない場となり、経営者はアッサリ認める者と逆上する者とに分かれ、それでも抵抗を続けようとする 1件目は使い込み 2件目は裏帳簿が発覚 3件目は卸業者との癒着だった そこを指摘すると、一族から抜けて好きにやる!と結論に達し真贋は 「ならば以後お前等は飛鳥井の一族の轍から消えられよ! 飛鳥井家真贋として今後は一切、お前の会社に関わる事はない!」も宣言する 顧問弁護士は書類を提示する 今後は飛鳥井の一族から抜ける事 今後は真贋の見立ては一切行われる事はない 飛鳥井の一族から抜けた後、一族を語る事は許さない! その時は法律に則って対処する! と書かれた者類にサインさせ、轍から外す この日は3件もと一族から抜けさせた 一族の中から新しく轍に加わった者に、その業種を引き継がせ継続させる 一族から抜けた者は今後の真贋からの果てを見てサポートは受けられなくなるが、商売は続けて逝く事は出来た 宗右衛門は過去も現在も私利私欲に塗れた者は愚かだし話しが通じないと痛感させられる 後々苦しむ事になり泣き付いて来るのに、その時の判断が出ていないのが現実だった 宗右衛門は飛鳥井一族のホームページを作った そのページに入るのは一族に配布した専用コードを持つ者のみが見れるページとなっていた そのホームページに摘発され、除名された一族の様子を事細かく載せる そして企業名 一族名 追放理由を総て明記して皆に知らせた そのページの管理者は稀代の真贋 宗右衛門 竜胆 稀代の真贋の伴侶 そして次代の真贋 そして総代が管理者として載せていた 烈は飛鳥井建設の社員向けのホームページも作成した 社員の直の声を聞く為に作ったホームページだった このホームページも社員コードを入れねば見られぬ仕組みとなっていた 今後の予定やイベントをそのページでお知らせする そのホームページの管理人は飛鳥井 翔 流生 音弥 太陽 大空だった 兄達が管理して運営してくれると言った 唯 【宗右衛門の一言 】は毎日烈のその時の気分が綴られる事となり、社員達には好評だった 【宗右衛門の一言】 りはびりがつらいにょよ! にゃんでこうも、いたいにょかな? とその時の想いが綴られる それが社員に親近感を与えていた 翔も次代の真贋として社員達と交流を持ち、活動的に動いていた 流生達も社員に顔を売り、身近にいる存在なっていた 烈はよりクオリティーの高い、それでいて絶対のセキュリティーのホームページを作成する為にオリヴァー・オブライエンの弟子を紹介して貰い真贋の持つ力とオリヴァーの弟子のアンソニー・クルーガーの力を集結させ鉄壁のガードを作らせた 康太も久し振りのセキュリティー作成に燃え上がり、アンソニーの存在が更にライバル心を刺激して良い出来となっていた 会社の体制を盤石な明日へと繋ぐ その為に使える時間全て掛けて作った 絶対の絆 それを一族に知ら示す為に一族大集会を開く事にした その後は会社に移行して全社員を集めて社員大集会を開く事を飛鳥井 宗右衛門が告知する予定だった 絶対の絆 絶対の信頼 1000年続く果てを刻む その為に飛鳥井家真贋は宗右衛門と共に動き始めたのだった 宗右衛門は「ここいらで一発どデカい花火を打ち上げとかねばならぬ!」と康太に言った 康太は「それは一族大集会でも、ぶっ放すつもりかよ?」と問い掛けた 竜胆は「それは良いな!ここいらで転生者の存在や役割を知ら示しとかねぇとな!」と言った 康太は「ならば何時やるよ?」と聞く 宗右衛門は「来月1日、公会堂を貸し切ってやる!」と言った 竜胆は「そこまで謂うならば、もう借りてるのかよ?宗右衛門!」とやる気になって謂う 宗右衛門は「総代に言って公会堂を抑えて貰った故 準備は万端! そしてその後は会社じゃ! 当分は着物を着る日々じゃな!」 竜胆は「畜生!着物は好きじゃねぇが、サクサク片付けろ!宗右衛門!」とやる気満々だった たが竜胆は「まだ次代の陰陽師は見つかってねぇからな、俺はそっちもやらねぇとならねぇんだよ!」とボヤいた 康太は「大丈夫だろ?そのうちヒョコッと見つかるさ!」と何でも無さげに謂う 「本当だろうな!真贋!! 嘘ついたら井筒屋の羊羹寄越しやがれ!」 「まぁ、そのうちだ、竜胆!」 「おめぇの謂うのは遥か昔から嘘臭せぇんだよ!」 「そんな怒ると血圧上がるぜ竜胆」 言い合いをしてると宗右衛門が「五月蝿いぞ!」と叱るのだ そこからはサクサク動く事になるのだ 一族大集会を開くと決めた日から題目の調整に入り一族に知ら示て迎える事となった

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