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第6話 忙し過ぎて……

飛鳥井の家族は繁忙期に突入して大忙しだった 睡眠時間を削って、溜まった仕事を上げて 入社試験の応募者の履歴書を見て、選考する それと併用して残留試験を行う 目が回る程の忙しさだった イライラが募る ついでに欲求不満も募る この日 烈は副社長室で今後の打ち合わせをしていた 烈は父の焦燥感を感じ取っていた 休憩時間に携帯で何処かへ電話する あっちこっちに電話する 烈がいては休憩時間に康太を抱き締める訳にもいかず、榊原は只管仕事をして気をまぎらわしていた そこへ副社長のドアがノックされた 康太がドアを開けに行くと、そこには竜馬とサムエル・ウォーカーと兵藤と凛太郎と一生が立っていた 兵藤は煮詰まった榊原を目にして 「一生、仕事だぜ!」と告げた 一生は榊原の肩をポンッと叩くと 「烈はまだお子様なんだよ、解ってるか?旦那」と謂われた 「解ってますが?」 と座った目で何を謂うんだ!と、一生を睨んだ 相当煮詰まったその顔に一生は解ってないですがな……と想う 凛太郎は「拙者はパスで!」と早々にリタイアした 兵藤は「伊織……」と言い掛けると サムエルは「Go have sex!」とド直球に謂う 榊原は唖然とした顔をサムエルに向けた サムエルは「boiled face!」とサラッと謂う 烈は、そうそう!と頷いた サムエルに煮詰まった顔!と謂われた まぁ自覚はあるが……セックスして来い!とド直球に謂われるとは… 榊原はニコッと嗤うと「ならば、君達が仕事をしてくれると謂うのですね?」と言った 兵藤が「だろ?だから烈に招集されたんだならな!」と言った 「ならば、後はお願いしますね!」と言い、榊原は康太の手を掴むとズンズンと歩いて行った 「おい!伊織!」と康太は慌てたが、榊原は逃がすか!とばかりに康太を離さなかった 二人が出て行って烈は、ふうぅ〜と息を吐きソファーに座った 「かじゅ とうしゃん めがすわってて、こわかったのよ!」と告げた 一生は烈の横に座ると、よしよしと頭を撫でた 兵藤はその自然な行動に二人は完全に和解したのだと理解した 兵藤は笑って「欲求不満かよ?」とボヤいた サムエルは「烈の為にスッキリして貰わねば!」と上手な日本語で言った 凛太郎は「……拙者の前で色事の話は辞めて下され!」と顔を赤くして謂う サムエルは「NINJA BOY!」と言った 兵藤は爆笑した そして「サクサク片付けるぞ!」と言った 烈は「そのまえに…おにゃかへった」と謂うと食堂に行き定食を頼み腹拵えをした そして昼からはせっせと榊原が貯めに貯めた仕事を片付け始めた 康太の手を掴むんで、地下駐車場まで行き自分の車に乗り込んだ榊原は飛鳥井の家に帰り寝室に連れ込んだ ベッドに康太を推し倒し榊原は口吻た その口吻は執拗に口腔を貪り、康太は酸素を求めて仰いだ 「君は僕が欲しくなりませんでしたか?」 そう言い手が康太の乳首を摘む 「欲しいに決まってるやん! でもただでさえクソ忙しいのに、タイミングが掴めなかったんだよ!」 と言い榊原の背を搔き抱いた 股間が熱を持ち熱り立っていた 互いを抱き締めて唇を貪る 「伊織……痛いって……」 ズボンを押し上げて隙間もなく窮屈な想いをしている性器が痛みを伴う だが痛いって……と謂いつつも股間を押し当て腰が動いて止まらない どれだけ互いが不足していたのか? 互いを手にすれば理解する 康太は榊原の唇を貪りつつも自分の服を脱ぎ始めた 少しの瞬間も離れていたくなくて、口吻る ズボンを脱ごうとすると榊原は康太の足首を持ち、ズボン脱がせた そして榊原もズボンを下着ごと脱ぎ捨てると、太くて硬くて凛々しく生い茂った叢から熱り立つ血管が浮き出て赤黒くなった榊原の性器を見せ付ける様に 「僕のを舐めなさい そした君のを舐めるので一緒に一度イキましょう!」と言った 康太は榊原の性器を目にしてゴクッと喉が鳴った 欲しい………凄く欲しい…… そう想うとお尻の穴が戦慄いた 口を開き…物欲しげに蠢くはしたない穴を見られるのは恥ずかしかった でも見て指……いや、榊原の猛々しい性器で穿いて欲しかった 榊原は康太の脚を左右に開くと上に四つん這いになり、康太の顔に自分の性器を押し付けた 榊原は康太のお尻の穴をペロペロと舐めて、指を差し込む 指をグネグネ動かし腸壁をなぞる 蠢く腸壁はそんなんじゃ足らない!と咀嚼を始める すると榊原は指を抜きシワを伸ばす様に舐めて、玉筋を這うように舐めた 康太と榊原の血管が浮き出た性器を舐め始めた エラが開きエラ下のイボイボを逆なでするように舐めると、榊原の性器は震えた パックリと開いた鈴口を開くように舌を差し込み吸うと、榊原は応酬だとばかりに指を増やして腸壁を掻き回した 喘ぎを飲み込み陰嚢を揉む 「康太っ……イキます…飲んでっ…ぁ……」 榊原の腹筋がギューッと引き締まると、亀頭の口から一気に精液が溢れ出た 康太も同時に射精して力が抜けると、榊原は康太の脚を持ち上げてお尻を付き出す様にすると、穴に康太の精液を吐き出した そしてまだ力が衰えてない性器をお尻の穴の中へ挿入した 張り出したエラが通り過ぎると、エラが康太の腸壁を掻き回し始めた すると快感が襲って来て、康太は榊原の背を搔き抱いた 腰に脚を絡めて動きを同調させる、後は互いを求めてガシガシ腰をグラインドさせる 静かな部屋に互いの息遣いとパンパンと叩き付ける音が響く 「あっ……あぁぁぁ……んっ……イクッ……またイッちまう……」 絶頂が近付くと康太の悲鳴に似た声が上がった 榊原は康太の性器の根本を握り締め 「後少し……互いを楽しみましょう……」と言い榊原は、康太の喉元を舐めて堪える そして大きく仰け反る康太の乳首に吸い付くと、手を離した すると康太の性器は精液を静かに垂らして……力なく萎えた 精液を飛ばすだけの元気はもうなかった 榊原は康太の腸壁を掻き分ける様に膨張して熱い精液を飛ばした 意識が朦朧となる康太の身体を、榊原の尽きぬ性欲が求めて貪る 10代の頃の性欲は流石にないが、それでも今は油が乗り切ってる20代後半 溢れる性欲は尽きる事などなかったのだ 康太が意識を飛ばしても、榊原は康太を求めて何度も何度も康太の中に熱い飛沫を飛ばした そして満足すると、康太の中の精液を掻き出して、康太を胸の上に乗せて抱き締めた 満たされた時を噛み締めて、榊原は康太の温もりを抱き締めていた 結局 昼前に去った二人は就業時間内に姿を表す事はなかった 副社長室ではヘロヘロになり仕事する兵藤、一生、凛太郎、サムエルの鬼気迫る姿に… 秘書は裸足で逃げ出し、社員はその場で失神した 会長、社長は言葉もなく……仕事を終えたら食事に誘おうと決めたのだった 二人も榊原が煮詰まっていたのは解っていた 解っていたが、だから犯って来いよ!とは言えず見守るしかないと想っていた サムエルが「Go have sex!」と言ったと知り、二人は…たらーんとなった 会長の清隆はキリのつく所まで仕事をした兵藤達を、誘って食事へと向かった 少し良いお酒の出るレストランへと向かい食事をする 烈はヘルシーなコースで、他の者はガッツリ食べられるコースを注文しお酒を飲んだ とても楽しい時間だった 清隆も瑛太も癒やされて過ごせた時間となった 翌日 榊原はスッキリした顔をして会社に出勤して行った その日から2週間 烈は大きなイベントがあるからイギリスへと行っていた 粗方仕事を片付けて貰い、スッキリした榊原は兵藤と一生、凛太郎にお礼を言い、サムエルが帰国したら飛鳥井の家で宴会しましょう!と言った 兵藤と一生は「それは楽しみだな!」と言い 凛太郎は「恐縮です!」とやはり堅苦しく言ったのだった サムエルにラインを入れると「ならば、メンバー全員お願いします!」と返って来て、帰国したら宴会の予定に入れた 烈が帰国して来るまでは、目の回る程に忙しかった だが兵藤と一生は煮詰まる前に程々にガス抜きならぬ、性欲抜きさせて馬車馬の様に榊原を走らせて来た それは烈の指示で、榊原の星を詠み社員に危害を加える前に「ダメよ!きけんよ!」と手を打って!とラインが来るから性欲抜き!をさせていたのだと聞き、榊原は恐るべし烈!と想った だが的確過ぎてある意味怖かった 康太曰く「今の烈はオレよりも星詠みのプロだぜ!ホロスコープや占いなんかはもっと的確で凄いぜ! 何たって賢者ラルゴに直々に教わり、弟子と認定して貰い教わっているんだからよぉ!」と謂れ納得した そして【R&R】はイギリスで大きなイベントを成功させ、更にその名を世界に轟かせた 【R&R】はヨニー©イギリスのマネージメント会社と契約し、正式にマネージメントされる事となった 一人一人にマネジャーも着いて、仕事する それでスポンサーも少しは黙らせ、ゆっくりと仕事を選べる状況を作った だが日々、あまりにも忙し過ぎて、烈はイギリスの空を見上げ 「にゃんかね、こいわずらいだわ」と言った 竜馬は「誰にだよ!俺の知らない内に誰かを見初めたって謂うのかよ?」と嫉妬丸出しの夫ばりの台詞を謂う 「かにぱん……いぎりすには、ないなのよ!」 と烈が悲しそうに謂う 竜馬はスーツケース一杯にカニパンを詰め込み、入国しようとして空港で足止めされた日を想う 本当に悔しくて堪らない 何故イギリスにカニパンがないんだ! 今回、烈の食事のお世話の為に同行していた玲香が、笑ってそんな光景を見ていた そして烈は「ボクね、こんご一ヶ月はしごと、出来にゃいと想うにょよ!」とマネジャーに謂い、スケジュールを調整させた 竜馬は「何かあるのか?」と問い掛けた だが烈は「果てはゆえにゃいのよ!」と返した 竜馬は一生に烈がこんな事を言っている!と伝えると、一生は康太にその事を伝えた 康太は何かある?と察したが何かが解らなければ動けないから、用心だけはする事にした ある程度、イギリスでの仕事を片付け倭の国へと帰国する 空港に到着し入国審査を受けて、荷物の受け取りをして税関を通って、やっとこさ倭の国へ帰って来て、烈やメンバーはリムジンバス目指してバス乗り場へと向かう 事前の予約してチケット代を払っているから、バスに乗り横浜へと向かう 最初は車で移動していたが、案外リムジンバスの乗り心地が快適で、今は帰国したら横浜まではリムジンバスに乗り移動していた リムジンバスに乗り、烈はワクワクと外を見ていた メンバーや玲香はウトウトと眠りについていた どれ位走ったのかは解らないが、突然、キキキキキキキーッ!ドカァァァァァ〜ンと爆音が鳴り響き………あっと言う間にバスは横転していた 咄嗟に竜馬は烈を庇って抱き締めたが、ひっくり返るバスの窓ガラスが割れ地面に叩きつけられた 竜馬は地面に叩きつけられ、割れたガラスが突き刺さり真っ赤な血で染まっていた 烈も頭や顔をガラスで切っていた 烈は「ばあしゃん!みんなー!」と叫んだ メンバーは【大丈夫だ!】と返してくれた 大丈夫と言いつつも、皆 あっちこっち怪我をしていた 玲香も「烈は大丈夫なのかえ?」と烈を心配して謂う 「ばあしゃん!みんにゃ!」 烈は軽くパニックを起こして叫び続けた 窓の外では厳つい外車がバスに突き刺さっていた 運転手が即座に警察と救急車に連絡すると、パトカーと救急車が何台も駆け付けて来ていた 烈は救急隊員により、救急車に乗せようとしたが、「しゅじい いるから!」と頑なに乗ろうとはしなかった! 救急隊員が飛鳥井記念病院に連絡を取ると医院長に『即座に連れて来い!』と謂れ烈と竜馬と玲香とメンバー達を3台の救急車に乗せて飛鳥井記念病院へと向かった 救急車の中で応急処置をされる 烈は久遠以外には絶対に触らせなかった タラタラと血が流れるからタオルを渡すと、竜馬が烈の傷を押さえた 飛鳥井記念病院へ到着し久遠が患者を引き受ける 救急車の中から烈や玲香の姿を確認すると、眉を顰めた 久遠は受け入れた患者の傷の度合いを見て、即座に処置せねばならぬ者から医師達にレントゲンを撮りに行かせた! 事故と謂う事もあり、体内にガラスが突き刺さっている可能性を考え、レントゲンで体内にガラスが残って無いか確かめてからしか縫う事も出来ず、先にレントゲンへ行かせた 烈は竜馬に抱き締められていただけあって、体の怪我はあまり見受けられなかったが、顔や頭はガラスを突き刺していた メンバーも何処がこっかにガラスが突き刺さったり切ったりしていた 久遠は玲香に「バスが横転したって……どんな状況でなんですか?」と尋ねた 玲香は寝ていて詳しくは解らぬと謂うから、救急隊員に詳しく話を聞いた 救急隊員も救助優先にしたから、詳しく話は説明は出来なかった 久遠は即座に飛鳥井の家族に連絡を取った 連絡を貰い駆け付けて来た家族は何が起こったのか?解らずにいた 康太が兵藤に連絡をして烈が事故にあった事を伝え、事故の詳細を聞いてもらえねぇか?と尋ねた 兵藤は即座に警視総監をしている叔父を動かして詳細を手に入れた 兵藤は康太に「キャデラックを150キロ近くで飛ばしていた運転手が、掛かってきた電話に出ようとして、運転を誤ってリムジンバスの土手っ腹を突き破って横転させた、ってのが調書らしい!」と事故の詳細を掻い摘んで話した 康太は「烈達はリムジンバスに乗ってたのかよ?」と問い掛けると 一生が「烈達は行きは羽田まで直通の電車に乗り、帰りはリムジンバスで横浜までは帰るのが定番だったんだよ!」と伝えた 「リムジンバスだろ? それが横転って………まぁ150キロで走る車が突っ込んで来たなら横転しても当たり前か……」と納得した 兵藤は更に続ける 「で、キャデラックを運転してたのが城南総合病院の跡取りで、次期医院長らしい……根っからの遊び人らしいぜ!」 「アメ車……病院の跡取りで、遊び人……それって夏頃聞いた話に近いな……アメ車で燃費悪い久遠の付き合いのない同級生か?」 康太に言われて兵藤は資料を見る 「久遠と同い年かよ?案外若いからビックリやな!」 と謂うと「悪かったな!フケ顔で!」と謂う声がして振り返ると久遠だった 久遠は兵藤の手から資料を奪うと目を通し 「だな、永久に目にも耳にも入れたくなかったバカ息子だわ!」とボヤいた 康太は「未だにアメ車かよ!」とボヤいた 「ソイツは自己主張が強いからな、存在感のある車にしか乗らねぇだろ?」 「リムジンバスの土手っ腹を突き破って横転させ以上は怪我人出してるんだから、それなりに警察も動くんだろうな」 とバカ息子を抱えたバカ親が手を回したりしないか?不安になり康太は呟いた 兵藤が「警視総監の耳に入ったのに揉み消すのは流石に無理だろ?」と呟いた それでも心配で兵藤は叔父に電話を掛けに行った 「叔父貴、事故を有耶無耶に揉み消したりしねぇよな?」と問い掛けた 『そのバスにはオブライエン家のご子息が乗車されていたとか? 有耶無耶にしたら国際情勢にヒビが入ると、総理側近から連絡が入った所だ! それでなくとも世界に名だたる建築家も2名乗車されていたと謂うし………トンプソン創業者も乗っていたと謂う以上、とことん調べて罪に処すつもりだ 其の為に警部を数名配置する事にした 今までは有耶無耶に出来たかも知れぬが、それは無理な話となっている」と説明した 兵藤はそう謂えばオブライエン家のご子息乗っていたやんか!と想う その他にも有名な建築家とトンプソン創業者も乗っていたわな……… そんな名家のお坊ちゃんと著名人を、本人達を見てると忘れてしまう時がある 烈達が飛鳥井記念病院に運ばれた一時間後には警察が病院まで来た それ同時に三木繁雄が我が子の為に駆け付けて来ていた そこには堂嶋正義も同行していた 正義は康太を目にすると「康太、烈、バスに乗っていたんだって?」と問い掛けた 警察も康太に深々と頭を下げると、状況検分の報告や事故の詳細を家族に伝えた 康太と榊原はそれを黙って聞き 「犯人は即逮捕されたんだろうな?」と問い掛けた 警察は「………今は調べている所ですので……」と口篭った 堂嶋は「今までは揉み消したり有耶無耶に出来たかも知れないが、リムジンバスに乗車していた面子がそれは許しはしないだろう! たかが、病院の理事程度の人間が有耶無耶に出来るとは想わぬから、政治家でも飼ってるのも知れないが、我等を相手にする気か?」と嗤った そこへ警視総監から派遣された警部がやって来て、現場の一切を取り仕切る事を告げた 警部は「後日 警部クラスの者が必ずや同席して調書を取らさせて戴きます! この後主治医の方に容態をお聞きしてから帰ります!」と言い残してその場を去った わざわざ来ていた警官は慌ててその場を去った 久遠は「本当に胸糞悪いぜ!」と嫌悪感を露わにしてボヤいて警部に皆の容態を詳細に説明し今日は事情聴取は無理だと告げた こんな嫌悪感顕な久遠と謂うのは滅多となく珍しかった 警部達はまた連絡してから来ます!と告げて帰って行った 久遠は三木に「そうだった、竜馬はガラスで怪我をし過ぎだ、様子を見ねぇとならねぇから入院な!」と言い次は康太に 「飛鳥井玲香は切った場所が悪すぎた 暫く入院となる!」と告げた 「え?母ちゃん、どんな状態なんだよ!」と問い掛けた 「首を切ってるんだよ それで当分は点滴と流動食とで、傷を完全に引っ付けたいんだよ! 声帯とかは損傷してないから喋れるが、首だから無理はできねぇんだよ! それと烈、竜馬が庇ったから体の怪我はあんりねぇけど、顔やら頭はガラスが突き刺さっていやがった 目にガラスが入らなかった事だけが救いだ! 烈は皮膚が赤ん坊の様に弱いからな、少し様子を見たいから入院な 後 烈の仲間、腹を窓ガラスで切り裂いて腸出ていた奴もいた! あんな状態で良くもこの病院まで来られたな!と感心するぜ俺は!」 「【R&R】のメンバー結構酷いのかよ?」 「地面に叩きつけられた時に割れた窓ガラスで殆どの奴が怪我してるからな…… 一番酷いのがヘンリー・オブライエンとか言う奴だな!」 堂嶋は………っ!!と息を飲んだ 「ヘンリーがその腸た出してたってヤツが?」 「そうだ!」 堂嶋は即座に安曇へと電話を掛けに行った 三木は「息子には逢えませんか?」と問い掛けた 康太も「烈に逢えねぇのかよ?」と問い掛けた 「今日は全員面会謝絶だ! 明日容態が良くなった奴から面会を許してやる!」 久遠はそう言い、その場を離れた 康太は動けずにいた 榊原は康太を抱き締めた 兵藤が「取り敢えず家に帰り榊原の家族に伝えねぇとだろ?」と言った 清隆は妻と烈の様子が心配過ぎて倒れそうになっていた ガクンッと膝から崩れ落ちる清隆を慎一が支えた 一生が久遠の所へ走り「外からでも一目見れねぇのか?」と問い掛けた 久遠は「外からなら見れなくないが………絶対に大声は出すなよ!」と念を押した 慎一は清隆を支えICUへと向かった 康太と榊原と瑛太は一生達と共にICUへと向かう 三木も戻った堂嶋もICUへと向かった ICUには全員ベッドを並べて処置され寝ていた 一番小さい烈とその横に眠る玲香を見付けると康太は「烈…母ちゃん……」と涙を流した 【R&R】のメンバーも竜馬も包帯だらけだった ヘンリー・オブライエンは別室なのか?姿は見えなかった それだけ酷いと謂う事なのだろう……… その時、ICUの廊下の向こうからペタペタと謂う子供の足音がして、康太や家族はひっぃ……と息を飲んだ だが近くづく影は蛍光灯に照らされると誰だか解り、皆 息を吐き出した ペタペタと素足で歩いて来たのはレイだった どうやら烈の異変に病院まで飛んで来たのだろう 兵藤はレイを抱き上げると「飛んで来たのか?」と尋ねた するとレイはコクッと頷いた 「烈は大丈夫だ!」 兵藤はそう言いギュッとレイを抱き締めた 泣き腫らしたレイの目に、康太も「大丈夫だから帰ろうな!」と言った 「れちゅ……しんらら、ぼきゅもちぬ!」 とレイが泣きながら謂う 榊原がレイを兵藤から渡して貰い抱き上げると 「烈は死にません! 明日の飛鳥井がまだ軌道に乗ってもいないのに、死んだりする訳がない!」と言った レイは「うわぁぁぁぁぁん………」と泣いた 兵藤がレイを受け取り慰める うぇっ うえっと鼻を啜りレイは泣き疲れて眠った 眠っても、すすんすすんと鼻を啜って、レイにとって烈の存在は自分の命も同様なのだと解る 慎一が「取り敢えず帰りますか?」と謂うと清隆は「玲香の、側にいたい……」と言った 一生は「個室取って来るわ!」と言い早足で久遠の元へと向かった 個室を取って来た一生は一旦清隆を連れて個室へと向かった 暫くすると久遠がやって来て清隆に注射を打つと、清隆は眠りに落ちた 一生は清隆のスーツを脱がすとベッドに寝かせた その日は聡一郎が付き添い、他は飛鳥井の家へと還った 堂嶋達は安曇に話があるからと還って行った 飛鳥井の家に還ると榊原の家に連絡を入れた 真矢と清四郎はニュースを見て被害者の欄に烈と玲香の名が載っていて焦って電話していたと伝えた 面会謝絶だと伝えると、真矢と清四郎は飛鳥井へ兎に角行くから!と言い飛鳥井へやって来た 真矢は「烈と姉さんの名が載ってたんですけど?どうなんですか?」と問い掛けると、烈は顔と頭、首を切ったから傷が引っ付くまで入院となる、と伝えた 真矢は顔を覆い泣いていた 清四郎は「カニパン3個目前だってラインくれたんだよ……またカニパン遠退いてしまうね そして玲香さんの傷も深そうだ……看病、我等も協力するから!」と言った 康太が「今回は烈よりも烈を庇って抱き締めた竜馬の方が傷は深いんだよ」と伝えた 真矢は「【R&R】のメンバーも入院してるのよね!皆纏めて看病するわよ!」と言った 康太は「父ちゃんの憔悴が酷くて離れたくないって謂うから……個室取って久遠に頼んで眠らせて来たんだよ」と謂うと清四郎は妻が怪我したのだ、離れたくなどないだろう………と想った 「ならば今夜は私が清隆に付き添うよ 妻を想う気持ちは一緒だからね、私も真矢が怪我したら離れたくないと泣いてしまうよ……」 清四郎が言うと真矢が「あなた…」と言い涙した 康太は「バス事故ニュースでやってたのかよ?」と問い掛けると一生が検索してニュースをタブレットで流して見せた 「これが最新のニュースだ!」 と言われ見ていると被害者の名前がテロップで、流れていた そこには烈の名前や玲香の名前もあった リムジンバスは乗る前に個人情報を提示して乗るだっけあって、乗客の名前はバス会社の方もちゃんも把握していた そして警察が被害者の容態を問い合わせ被害者リストを報道各社に流したのだろう 【R&R】のメンバーの名前もそこに在った 清四郎は清隆を支える為に病院へと出向き 遺った真矢は客間に布団を敷き、兵藤とレイと共に眠る事にした 真矢の横には京香が寄り添い、4人で眠る事にした 客間にレイのすんすんと寝ながらも泣いている声が響いた 兵藤はレイを抱き締めて、頭を撫でて眠る 真矢も傷付いた烈と玲香を想い眠りに着く事にした 不安に染まり夜は更けて行った 翌朝 レイは幼稚舎に行くのを拒んだ どうしても病院に行き烈をこの目で見るまでは行かない覚悟を感じていた 凛と椋は幼稚舎へと向かった 自分達が出来る事などたかが知れているのだ 心配しつつも自分がやる事をやると決めていた 烈の休みを学校に報告しようとすると、その前に神楽四季自ら電話を掛けてきた 『康太、今話せますか?』 「おー!四季か、電話しようと想っていたんだよ 烈が入院してるから学校は休むわ!」 『昨夜ニュースを見ました、被害者の名前の中に烈と玲香さんの名前がありました ビックリして何度か電話しましたが繋がらなかったので、朝イチで電話しました 烈、酷いのですか?』 「烈は皮膚が弱いからな様子を見る為に入院しているんだよ 今回は護られて怪我自体は酷くはねぇんだけどな……」 『解りました、個室に移った頃一度お見舞いに向かいます 個室に移ったらライン下さい !』 と言い神楽は電話を切った それを皮切りに戸浪や相賀達から電話が入り、康太は面倒臭くなって電源を落とした 遣らねばならぬ事があるのだ! それは烈が怪我をしたからと言っても、避けては通れぬ事だった 残留試験を行い、中途入社試験を行った 烈はちゃんとメンバー達に試験を作成させ竜馬が手を加えた試験用紙を用意していたのだった 残留試験用と中途入社試験用ちゃんと用意して、準備万端整えていた 面接は必ずや出るつもりなのだろう だから帰国して、いっかげつは休み取る言って竜馬を動揺させ護らせたのだろう……と康太は想った 総ては飛鳥井の明日の為、違える事が出来ない明日の為なのだ 烈を心配しつつも、烈が敷いたレールの上を直走る 烈はやはり体力が戻らぬと、今後の為に眠り身体を治そうとして起きずにいた 竜馬達は怪我は酷いが意識はハッキリしていて、烈の心配をしていた 玲香も安静にして入院していたが、家族や真矢や清四郎の想い、そして何より夫の想いに支えられ、何とか流動食からお粥まで治していた 首の傷が完全に引っ付くまでは、退院は出来ないと謂われたが、烈もメンバーもまだ退院出来ない現状に、皆の心配ばかりしていた バスの横転の時、ヘンリーが玲香を庇ったから、傷があそこまで酷かったのだと玲香が説明した 「ヘンリーがおらねば我は窓ガラスの大きな破片が直撃じゃった ある意味喉だけで済む怪我ではなかった」 と謂われれば、家族はヘンリーに感謝した だがヘンリーが一番重症で未だに面会謝絶だった 烈は面会に来たレイの窶れ具合に、自分のベッドに入れて久遠に点滴を頼んだ程だった 竜馬も結構酷かったが、若さゆえか傷の治りは久遠を驚かせる程だった 烈と玲香と竜馬は3人部屋に入っていた 他のメンバーもヘンリー以外は3人部屋に入っていた 一週間 入院して後は消毒に通院となった頃 城南総合病院の顧問弁護士がやって来て、謝罪する事なく示談の提示をして来た 烈は即座に両親と神威に連絡を取った 病院にやって来た康太と榊原は天宮と神威を連れて、ついでに堂嶋正義と三木繁雄も引き連れてやって来た 神威は城南総合病院の顧問弁護士を目にして 「示談だと?笑わせるな!」と吐き捨てた 病院側の弁護士は幾度も訴訟で敗訴させられた弁護士の登場に顔を青褪めさせた そこへ満身創痍ながらもビシッとアルマーニの【R&R】の衣装とも言えるスーツを着てデービッド・トンプソンが姿を現した 「私は国際弁護士もしてるデービッド・トンプソンです! 貴方は国際情勢を鑑みて発言せねばならぬ事を理解して来ているのですか?」と小馬鹿にした様に言い捨てた 病院側の弁護士は更に青褪め言葉を無くしていた デービッドは「オブライエン一族、果ては我がトンプソンブランドを敵に回して何分持ちますかね?」と揶揄する 神威も「事故した奴が直接謝罪に来るのが礼儀だろうが!」と話にならん!と一蹴する 病院側の弁護士は何処かへ電話をして、チャラそうな男を連れて来た そこへ久遠が病状の説明しに来たら チャラ男は「あ、お前久遠だろ?こんなチンケな病院に使われているのかよ? どうだ?同級生のよしみで俺の病院で使ってやろうか?」と久遠を見て自分より下と判断して謂う 康太はこんなクソ地獄に落としてやる!とブチ切れ 「飛鳥井家真贋 飛鳥井康太だ! 事故の場には我が母と、宗右衛門がバスに乗っていた! 我等は宗右衛門を傷付けられたのだ黙ってなどいない!」と宣戦布告した デービッドも「オブライエン家とトンプソンを敵に回したと想うが良い! 我等盟友が傷付いたのだ! ダニエルが動けばお前の病院など3秒も持たぬと保証しよう!」と吐き捨てた チャラ男はフンッと鼻で笑い飛ばし 「飛鳥井が何が出来るって謂うんだよ? そこの外人も偉そうな顔する前に国に帰れよ!」と毒づいた チャラ男は「おい、久遠、お前こんなに煩い奴等に使われているのか?可哀想な奴だな 母子家庭だったもんな、お前んち、仕方ないか」と久遠の鋒を向けた 神威は「久遠医師はこの病院の院長だ! 実績も腕も周囲に認められた名医だ! お前とは違うと気付いた方が賢明だぞ! 医療裁判掛け過ぎて、経営も傾き始めているんだろ? この事故でトドメとならぬと良いけどな!」と加害者側の弁護士をチラッと見た 加害者側の弁護士は連れて来て失敗だと察した そして慌てて「謝罪は後ほど!」と言いバカ息子を連れて還って行った 久遠は「相変わらずの馬鹿ぶりに頭痛がする!」と吐き捨てた デービッドはポケットから「Dr.久遠!」と言いルンケルを渡した 久遠はルンケルを貰い「こう謂うのにあんまり頼るなよ!」と言った デービッドは「解ったねん!今後は辞めるわ!」と言い笑った 神威は「此れより天宮と協議して共同で訴訟の準備を始める!」と謂うとデービッドも 「なら我等【R&R】も怪我させられたからフンダクル準備をするねん! 出来るなら共同宣戦入れて貰えますか?」と謂う 神威は「国際弁護士だったよな?デービッドは?」と謂うと「そうですねん!」と返した 最近は倭の国にいる時は時々、ガード下の屋台で一緒に飲む機会もあるのだった 良く見ればあっちこっち怪我して包帯が巻かれていた 天宮は「大丈夫なのですか?」と問い掛けた 「ヘンリー まだ 寝てるから、メンバーは闘う決意したよ!」 神威は「ならば共同宣戦張るぜ!」と言いガハハハハッと笑った 飛鳥井、【R&R】VS 城南総合病院の闘いの火蓋が今 切って落とされた

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