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第7話 共同宣戦 ➊
烈は傷が開く事がなくなり、玲香も喉の傷が定着し開く心配がなくなり退院した
竜馬や他のメンバー達も経過は良好で
ヘンリー・オブライエン以外は退院して大丈夫と謂われて、退院した
ヘンリーも一時は危なかったが、今はバイタルも正常になり個室に移され、メンバーが順番に寝泊まりして付き添っていた
それプラス、飛鳥井と榊原の家族や仲間が全面的に支援してくれ付き添ってくれていた
テレビでは連日 リムジンバスに激突して事故を如何に無謀で愚かな行為か検証を交えて流していた
キャデラックに突っ込まれた席に座っていた老夫婦は先日 亡くなった
死亡者多負傷者多数出した事故を、放置したら世論や国際情勢にヒビが入ると上からの圧力もかなりあり、城南総合病院のバカ息子 南城滋利は逮捕された
逮捕された事により今までは有耶無耶に揉み消したりした事件も表に引き摺り出され、親も問題を問われ、一気に経営がヤバくなり倒産した
南城総合病院の院長達家族は夜逃げする様に消えていなくなった
裁判を始める前に病院が倒産し家族は失踪となり、南城滋利に支配能力があるのか?が焦点となった
神威達は病院が倒産する前に病院の権利を押さえた
賠償金の確保の為に病院を抑えたが、それだけでは足らず資産総てを差し押さえにした
そうしないと賠償請求すら出来ないし、支払う能力がなきゃ、泣き寝入りするしかないからだ
車が好きな一族なのか?
車庫には貴重な車が何台も停まっていた
其れ等を競売に掛けて賠償金を捻出する
全ての資産を掻き集めて被害者で等分に割り支払う手続きを実行する
被害者の中には神威や天宮達がリムジンバスの弁護士だと誤解して悪態を付いて来る者もいた
だが自分達も被害者側の顧問弁護士だと告げると、押し黙りリムジンバス側の顧問弁護士に悪態をついた
リムジンバス側の顧問弁護士は経験も名声と乏しいそれなりの弁護士だったから、目立つ事なく神威達の後ろに隠れて目立たぬように、そこにいるだけだった
その内被害者の方から不平不満が爆発する
保証がちゃとされるのか?
解らぬ長い長い裁判が始まろうとしていた
飛鳥井建設は大々的にメディアを使い、社員改革を打ち出して残留試験を行う事を告げた
残留試験を行った後は、中途入社試験を行う
それらをメディアに出て告知したのは飛鳥井 烈だった!
飛鳥井チャンネルなるモノを期間限定でYou Tubeを立ち上げて、建築会社の行う仕事の説明や様子を流した
それに伴い施工会社の様子も流す
匠の技と称して棟梁の持てる限りの技を流す
同じ建築屋がそれを見て、その技術はかなりレベルが高く熟練度が必要な仕事だとコメントが入る
勿論荒らしもやって来るが、竜馬が喜んで理詰めで論破して、荒らしの枠を超えたら即座に警察に通報!
そうして中途入社試験を終えるまで、You Tubeは続けられ、物凄い再生数を叩き出した
そしてその収益はリムジンバスの遺族や被害者へと分配すると告げると偽善者だのなんだと物凄い叩きを受けた
だが純粋に転職を考えている者や、技術の習得をしようか?と悩んでる者達からは、批判は邪魔と一蹴された
また建築会社がこんな風に仕事の工程や、何に使う道具かを詳しく説明してくれるチャンネルなく、興味がある者や子供達が興味津々で見ていた
九頭竜遼一のヘルメットにカメラを付けて足場を組みながら上がる映像は、かなりの再生数を稼いだ
怖い!とか、尊敬します!とか純粋な声も上がる様になって来た
そんな中、飛鳥井は残留試験を行った
皆 相当頑張ったのか?
基準値をかなり上げて、殆どの社員の残留が決定した
また基準値に達しなかった者達は、真贋が面接して果てを詠み配置する事になっていた
社内での不安要素は総て取り除く為に頭打ちする意味を込めての残留試験でもあった
中途入社する社員を除外する事なく同じ土俵に立たせる必要がある事を竜馬が指摘して、打ち出した策でもあった
人は後から入った成績が自分よりも優れた人間は排除しようと空気のようにいなかったモノとして扱う事が多々とある
だがらこそ、残留試験を先に行い、遺った者達が次のステップへと進むのだ
用意されたステージに上がり、中途入社した者と共に切磋琢磨して行くのだ
飛鳥井は年に一度残留試験を行うと決定し伝令を流した
そして進級試験、資格試験、多様な試験を受けてレベルアップを図れるシステムを構築する
たた、会社に来て仕事を難なくして帰る
そんな社員をなくす為のスキルアップのシステムなのだ!
中途入社試験は近くの公会堂を借りて大々的に行われた
大々的に告知した成果が出すぎて嬉しい悲鳴を上げる事となった
200希望枠の応募に1000を超える応募数があり、書類選考で篩にかけて600まで削って中途入社試験を実行した
筆記テストの後は面談を行う予定になっていた
その両方で今度は加算の採点方式で満点が100点
合格のボーダラインの点数が80点たった
筆記テストは一般教養、常識問題が30門知能テストが30門建築に関するテストが40門の計100門だった
この日烈は面接に参加する為に公会堂へ竜馬とSPと共に来ていた
「ボクといれにいくにょよ!」と面接を遣る前にトイレに行きスッキリして、面接に挑む
トイレで用を足してスッキリして、待っててくれるケントと竜馬の傍へ走る
走っていると、突然 壁に突き飛ばされ烈は何が起きたか解らす痛みに蹲った
ケント・マクガイヤーが駆け付けて、烈を突き飛ばした男の腕を捩じ上げ確保すると竜馬は警察に電話を入れた
竜馬は「烈!大丈夫か!」と慌てて駆け付けて抱き上げる
「いたいにょよ、りゅーま」と言った
「何処が痛いんだ!烈」
「かた、いたいにょよ!」
と烈が謂う
竜馬は肩を撫でてオロオロするから仕方なく、宗右衛門は
「突き飛ばされたショックで肩が外れたのじゃ!
久遠の所へ乗せて行き嵌めて貰ってくれ!」と告げた
竜馬は烈を抱き上げて走ろうとすると、宗右衛門はケントに
「直ぐに戻るから真贋には何も告げずともよい!」と言い病院へと走った
竜馬は飛鳥井記念病院に車を停めると慌てて病院の中へと入る
そして駆け付けた看護師に「肩が外れたので嵌めて下さい!」と告げた
直ちに烈は久遠の所へ連れられ、肩を嵌めて貰った
そしてテーピングで固定すると「レントゲン撮って調べるぞ!」と謂う久遠に「めんせつなのよ!いかなきゃ!」と伝えた
側にいる竜馬が説明する
直ぐに戻らないと時間がないと告げると
「なら終わったら即座に来い!」と言いキツめにテーピングして包帯巻いた
久遠は「かなり痛いのに大丈夫なのか?」と心配する
宗右衛門が「ならば痛み止めを打つがよい!儂は絶対に面接をせねばならぬのじゃ!」と告げた
その気迫に久遠は肩に痛み止めのを注射した
そして大急ぎで公会堂まで走る
会場に行くと休憩中で、康太と榊原はニックから既に報告を貰い心配して待っていたのだった
康太は「烈!どうしたんだよ!」と問い掛けた
榊原もまだバス事故で頭の傷が完全に癒えてないのに……と心配する
宗右衛門は「面接じゃ!儂の果ては誰にも狂わせたりなどせぬ!」と物凄い気迫を見せた
康太と榊原は立ち上がると深々と頭を下げた
ケント・マクガイヤーが烈を突き飛ばした奴を警察に突き出し、神威に傷害罪として訴えてくれ!と伝えた
面接会場には子供だけど、誰よりも鬼気迫る表情で座る烈の存在に、受験者達はビビりまくり、それでも気を引き締め受験番号順に並んだ
肩から包帯をぐるぐる巻にされている子供は哀れな雰囲気は一切感じさせず、じーっと視られる眼に畏怖さえ覚えていた
面接は会長 社長 副社長 真贋 宗右衛門と一人が移動して五人に面接をされる不思議な形式で成り立っていた
会長の面接を終えても次は社長、副社長、真贋、そして宗右衛門
宗右衛門の眼に、受験者は緊張して畏怖を覚える
宗右衛門の声で「主の志望動機には矛盾がある!」とズバッと謂うと本音がポロポロ溢れる
装っていた殻がボロボロ崩れ落ちて気付いたら本音で話していた
その本音の部分を拾い上げ、採点して行く
面接は4時間掛かり、一人ずつ烈と対話して採点して行った
勿論、会長 社長 副社長 真贋も採点して卒なく終わらせて行く
昼から始めた中途入社試験は午後6時を迎える頃、全工程を終了させた!
榊原がマイクを持ち「面接の合否は応募された住所に送付さて戴きます!
今回は我が社の会社を逃したとしても、貴方達は何処へ行かれても通用する方達ばかりだと思っております
どうかより精進され高みを目指して下さい
本日は飛鳥井建設 中途入社試験にお越し下さりありがとう御座いました!」と告げ試験は終わった
採点用紙はジェラルミンケースに入れてSPが持ち警備員も配置して会社へ持ち運ぶ
烈の件があったから尚更警戒がされた
烈は面接を終えると榊原が抱き上げて、康太を乗せて病院へと急いだ
烈は相当痛いのか、丸くなって寝ていた
病院へ到着すると、久遠がレントゲンを取りに行かせ、処置をした
「今回は入院はしなくて良いが、相当なスピードで壁に叩き付けられた見てぇだから、肩が脱臼した、脱臼は癖になると何度も外れるから、此処でちゃんと治療しねぇとならねぇ!
2、3日はかなり痛いから入院しても良い!
どうする?」
「帰るにょね、ばあしゃん心配しゅるし」
烈がそう謂うと「なら毎日病院へ来い!」と言った
烈は頷いた
どの道、毎日消毒に来てるのだ、変わらない
ケントが警察がらの連絡を久遠に伝えた
「目の前をウロウロ歩いていたから邪魔だったから突き飛ばした!との事でした!」
榊原はビシッと青筋を浮かべ「康太、貴史に頼んで裏がないか調べさせて下さい!」と言った
康太は診察室を出ると兵藤へ電話をしに向かった
診察を終えると烈は飛鳥井の家に還った
応接間に入るとレイが、ピキッと怒った顔になった
「れちゅ いたい?」
「レイたん だいじょうびよ!」
「ゆるちゃにゃい!」
ゴォォォォォォォォォ!と怒りのオーラを纏い、レイはブツブツ呪文を唱え始める
康太はその呪文を耳にして慌ててレイの口を押さえた
「やべぇ!レイ止めるんだ!」と口を押さえたまま言った
そこへ兵藤がやって来て、レイが口を押さえられてるのを見て「離してやれよ!」と謂う
康太は「手を離したら死神呼びやがるぜ!」と言った
兵藤は「死神?そんなの本当にいるのかよ?」と呟いた
「いるんだよ!そしてソイツ等は必ずや其の者の命を狩るんだよ!」
兵藤は何故そんな恐ろしい事をするのよ?と想った
康太は「んとに油断すると破滅の序章を唱えるわ、死神は呼び寄せようとするわ!
んとに、目が離せねぇじゃねぇかよ!」とボヤいた
兵藤は創世記の神の一柱だったな、と今更ながらに痛感する
兵藤はレイを康太の手から貰い受けると
「呪文は唱えるな、んな事しても烈は喜ばねぇぞ!」と釘を差した
レイは頷いた
そして烈に抱き着いて泣いていた
「レイたん 今度にょ休みにしゅいぞくかん、行きたいにょよ!
レイたんもいきゅ?」
「いきゅ!れいも いきゅ!」
「なら、クジラしゃん 見にゃいとだから、へんにゃの唱えたらダメなんにゃんだよ!」
レイはうんうん!と何度も頷いた
兄達は修行から還って来て烈の包帯姿にビックリして、烈の心配をした
兵藤は携帯が振動すると、取り出して開いて見た
それを康太へと渡すと、康太はそれを榊原と共に見た
康太はそれを見て、ゴォォォォォォォォォォォ!と怒りのオーラに包まれ何やら唱え始めた
榊原は慌てて康太の口を押さえた
「康太、レイじゃないんですから!」
康太はメソメソと、涙を流して泣き始めた
榊原は口から手を離した
「だって…伊織……」
「僕も腹が立って来ました!」
とゴォォォォォォォォォォォォ!と、怒りの蒼い焔を立ち上らせ呪文を唱え始めた
一生が慌てて榊原の口に烈のカニパンを突っ込んだ
烈が「あ!ボクのカニパン!」と悲しげに謂うと大空がポケットからカニパンを取り出して烈のお口に入れてやった
「にーに!」
大空は烈とレイの頭を撫でる
「にーに、しゅいぞくかん、行きゅのね!」
「うん、じぃちゃんとばぁちゃんが連れて行ってくれるからね!」と言った
兄弟仲良くレイと凛と椋の面倒も見る
北斗がまた包帯を巻いてる烈を目にして
「今夜は添い寝して星座の本読んであげるね」と言った
「ほくちょ!」
烈が喜ぶとレイも「れいも!」と謂う
烈は「レイたんはこんや、ボクの横にお布団しくにょよ」と謂うと北斗は「なら二人に読んで上げるね!」と言った
烈はレイを前に立たせままPCを開くと、試験の採点を始めた
「きょれ らめよ!」
レイが謂うと烈は「どこらへん?」と問い掛けた
「ふき よー わ おんににゃる」
レイが謂うと康太と榊原もPCを覗き込んだ
成績はトップクラス、面談も卒なく熟す
完璧過ぎて嘘くさくはあるが、成績は優秀なのだ
どうしょう?と考えていた
手が動かないからレイにページを送らせようとしたら、レイから意外な言葉を聞き康太と榊原は顔を見合わせた
榊原は鞄から履歴書を取り出すと 、レイに「見て、判断してくれませんか?」と問い掛けた
烈はレイに履歴書を見せて弾かせた
半分位で烈が眠そうになり、履歴書を取り上げると「明日は続きをお願いしますね!」と言った
榊原は烈に軽い食事をレイと共に食べさせると薬を飲ませ、部屋に連れて行き寝させた
烈のベッドの下にレイのお布団を敷いて、この日は一緒に眠る事にした
北斗は二人に星のお話を眠るまで聞かせた
そして二人が眠ると烈の上にいる猫を持ち上げて 「烈は痛いから、今日は僕と寝ようね!」と謂う
虎之助は大人しく北斗に連れらへて寝に行った
烈とレイがいなくなると、兵藤は
「本当に呪文とか辞めてくれよ!」とボヤいた
康太は「理不尽過ぎたんだもんよ〜!」とボヤき
榊原は「烈と同じ目に合わせてやろうかと……」と言った
兵藤が二人に見せたのは、烈を突き飛ばした男の供述だった
男は破産した城南総合病院の医者 漆原糖衣だった
南城滋利に取り入って甘い汁を吸っていたが、それも敵わなくなり失業した
被害者リストに烈の名前を見付け、調べたら中途入社試験をしていると謂う
運良く逢えたから仕返しの為に突き飛ばした
そう言った
だが警官にあの事故は飛鳥井烈が引き起こした事故ではなく、南城滋利が起こした事故だと解っているか?と問い返された
それに対して漆原は、そんなのは百も承知だが、この不景気に景気よく中途入社試験を行う飛鳥井が気に食わなかった!と答えた
理不尽な難癖だった
その事件はニュースとなり、またまた康太と榊原の携帯が鳴り響き、二人は電源を落とした
まだまだレイに見させて、篩いにかけねばならないのだ!
そうして子会社も軌道に乗せ逝かねばならないのだ!
だから烈は痛み止めの注射を打ってでも面接に出たのだ!
兵藤は「これに裏がないか、調べるとするわ!
烈と出会したタイミングが良過ぎだからな」と言った
「ヨニーの残党は烈をかなり恨んでいるらしいからな………」と康太は呟いた
「ヨニー、あぁ自爆した元ヨニーな
逆恨みじゃねぇかよ!
まぁ逆恨みで戸浪の若旦那抱き込んで烈を殺そうとしたもんな!」
「そうなんだよ!
しかも、今回リムジンバスに乗ってるのに事故だぜ?
オレは本当にまだ黒豹野郎の仕業かと思っちゃったぜ!」
「脅威は減らしたが、完全消滅してねぇんだよな?」
「あぁ、しかも烈の事故した場所は完璧に飛鳥井の五芒星の外で起きたからな!」
康太がボヤくと兵藤は「公会堂は範囲内じゃねぇのかよ?」と疑問を投げかけた
「範囲内だから脱臼で済んだんだよ
でなきゃ頭を直撃して頭割れてたかもな……
其れ位強い力で押されたって久遠が言ってた」
兵藤は言葉をなくした
榊原は「神聖を剥奪出来なかったんですかね?」と問い掛けた
「剥奪してたとしても、それを拝む奴がいたら同じ事となる
だからニブルヘイムがボヤいていたんやないか!
5年の猶予しかオレ等にはねぇんだよ!
今は力のない存在だとしても、日々力を付けて必ず創世記の神にトドメを刺しにくるからな!」
康太が謂うと応接間の入り口から
「そしたら何度もでも創世記の泉の雨を降らしてやります!
次はもっと純度の高い雨を、その次は………終焉の盃を降らせてやります!
そしてその次は………」と謂う答えがした
振り返るとレイが立っていた
康太は「ニブルヘイム………」と呟いた
レイは兵藤の前に行くと「逢わせて、烈を傷付けた男に………」と言った
兵藤は「嫌だ!」と言った
「なら勝手に逢いに行く!」
「辞めとけ!レイ!
そんな事……烈は望んでねぇぞ!」
レイは「にゃんで………にゃんで……れちゅ……ばっかし……」と泣いた
兵藤はレイを抱き締めて「昔は康太は何時だって怪我をしていた
康太だって無傷じゃなかった………あ!アイツ、ひょっとして……」と康太を見た
康太はハッとした顔をして
「オレの災厄被ってるのか?」と言った
そう謂えば最近は本当に穏やかな日々だった
何時もナイフを突き付けられるのは康太の方だった
榊原は「そんな事出来るのですか?」と問い質した
「アイツは星詠みもホロスコープも占いも運命の輪も賢者ラルゴによって教えられたと言ったやんか!
その中に運命を引き寄せる輪があるんだよ
多分烈はそれをやったんだと想う………春頃の額の怪我はあれは不幸な偶然だが、ナイフとかは多分烈が軸をズラシたんだと想う!」と思い当たる節を言った
レイは泣き疲れて兵藤の腕の中で眠っていた
兵藤はレイを腕に抱いて
「最近、俺 レイの泣き顔しか見てねぇ気がする
そして俺の腕の中で泣いて寝るレイしか抱っこしてないわ!」と言った
康太は「なら三連休あるやんか、その日父ちゃんと母ちゃんが子供達を水族館へ連れて行くんだよ
それに同行したらどうよ?」と言った
だが兵藤は「俺はまた魔界に行かねぇとならねぇからな……」と謂うと康太が笑って
「それは烈が張り切って片付けに行こうと言ってるからな、会社の中途入社試験の結果を出して、区切りを付けたら行くと言ってたから少し待てよ!」と言った
兵藤は驚いた顔をして
「烈、片付けに来てくれるのか?」と問い掛けた
康太は烈が冥府の闇に堕ちた話をした
輪廻転生が悪意で狂わされ、消されかけた話をした
ヘルメースが助けに来たと話したら、兵藤は「そんな奇跡は二度とねぇぞ!」と言った
「ヘルメース………消滅してなかったのかよ?
創造神が?それとも………ニブルヘイムがか?」
「それはオレも解らねぇけど、多分ニブルヘイムが何かを動かし聖神の魂を救ったんだと想う」
「ならば尚更…そんな奇跡天変地異が起きても起こらねぇよ!
だからこその改革なんだよな……悔しいけど俺の力では何ともならぬのが現実だ!
烈があんなに実行しやすい書類を上げてくれたのに………全然進めさせられねぇんだよ」とボヤいた
「ならば尚更、大歳神呼んで、親子3代鞭打って働かせるしかねぇだろうが!」
「頼めるか?」
「俺に頼まなくても、烈は行くと決めている!
決めた事は覆らない、それが宗右衛門なんだよ!
そして聖神なんだよ!
オレ等は儚げな聖神しか見て来なかった
復讐の為に死ぬ聖神しか見て来なかった
だがアイツの中には不屈の闘志 不屈の精神 を抱く素盞嗚尊の魂を受け継いでいるんだよ!
ちょっとやそっとで怯むと想うなよ!」
康太はそう言い、笑った
そして一生を呼ぶとレイを烈の部屋に連れて寝かせてくれ!と頼んだ
一生はレイを抱っこして烈の部屋へと連れて行った
烈の部屋に行くと、烈は苦しそうに唸っていた
額に手を当てると熱が出ていて、一生は氷嚢を用意して烈を冷やした
額に冷えピタを貼っても烈は起きなかった
きっと薬で眠っているのだろう
一生は応接間に行くと烈が熱を出している事を伝えた
もう夜も遅いし起こして連れて行く方が、具合が悪化しかねないから様子見しようと話し合い決めた
慎一と交代して烈の具合を見ているとレイが烈の頭を撫で撫でしていた
一生は「レイ寝ないと体壊すぞ!そしたら烈が悲しむけど、それでも良いのかよ?」と謂うとレイはお布団に入って目を瞑った
その晩兵藤は泊まって行った
久し振りに悩みのない眠りに落ちて眠れた
翌朝 烈はスーツを着てキッチンに下りて来た
家族は心配して「大丈夫なのかい?」と問い掛けた
「今日はレイたんお休みにゃのね!
かあしゃん かたじゅけてしまおうね!」と言った
烈の朝食は小さなおにぎりとサラダ、そして熱々のお茶だった
昔は玉露だがカフェイン強すぎと麦茶まで落として飲んでいた
レイは烈と同じメニューを食べたいが、アメリカ生まれのレイには朝からそれは無理だから半分のトーストとサラダとミルクティーだった
ワクワク烈と一緒に朝を食べる
全部食べると烈に撫でられるから、レイは頑張って食べていた
朝からご飯と味噌汁と漬物をガツガツ食べるのは凛だった
翔も同じメニューを食べていたが、ご飯は少なめだった
朝 皆でご飯を食べる
キッチンも子供が増えた分広くして椅子も買い足した
清隆は皆で食べる朝食を嬉しそうな顔をして食べていた
玲香もそんな夫の優しい顔を見て嬉しそうだった
烈が「ばぁしゃん じぃしゃん すいじょくかんよ!」と謂う
玲香は「肩は大丈夫なのかえ?」と心配して謂う
「大丈夫にゃのよ!」
包帯で固定して動かせずにいて大丈夫もないのだけど………
烈は器用に脱臼して動かない反対の手を駆使して朝を食べていた
ちっちゃなおにぎりはその為なのだろう
朝食を終えると烈は薬を飲み、レイと共に応接間に行き、初等科へ行く前の兄達と仲良くワン達といた
レイはワン達が大好きだった
ワン達もレイが大好きだった
この日レイは烈と共に行けるから、嬉しそうだった
「れちゅ いたくにゃいの?」
「レイたん やる事あるにょね
らから無理ちてでも、やらにゃいとね!」
「れちゅ……」
「れいたん!」と無事な方の手を手ないでいた
この日烈は榊原の車の後部座席に座って父と母と共に会社へと向かった
レイと烈は会社の正面玄関から入り、階段で上まで上がって行く
社内を見て社員を視て、上がって行く
すれ違いざま「化け物!」と蔑む声が掛けられるが、その人間を烈は何も言わずに視ていた
烈を罵ったのは女性社員だった
じーっと視られて女性社員はたじろいだ
「何よ!本当の事じゃない!」
と女性社員が叫ぶと統括本部長の栗田と副部長の城田が駆け付けて来た
それと同時に榊原と康太も烈とレイに追い付いた所だった
栗田と城田が駆け付けていたから榊原は
「何がありましたか?」と問い掛けた
栗田は「そこの女性社員が叫んでいたので……」と謂うと女性社員は「化け物を化け物と言って何が悪いのよ!クビにする?クビにすれば良いじゃない!」と叫んでいた
榊原は眉を顰めた
「何を言ってるんですか?この社員は?」と訝しんだ
烈は何も言わずその場を離れて歩き出した
康太が女性社員をジィーっと視ると
「クビにするも何も残留試験で弾かれ堕ちた社員なんだから、生き残る道なんてねぇだろ?
みんな生き残りを賭けて勉強して来たのに、実力も伴わない存在が、烈に八つ当たりするな!
化け物だって?だから?どうだって謂うんだ?」
女にスンッと詰め寄ると女は後退りをして、尻餅をついた
康太は栗田に「即座に解雇処分としろ!」と吐き捨ててその場を去った
栗田は「解雇だ!今直ぐに会社から出て行きなさい!八つ当たりするにしても、宗右衛門に当たるなんて馬鹿だな………あんな子供に目くじらを立ててどう成るって謂うんだ?」と吐き捨てた
女は崩れ落ちて泣いていた
即座に警備員に連れられて会社を出て行った
城田は即座に女性社員の番号を削除して、パスを持っていたとしても通用しなくした
レイが泣きそうな顔で「れちゅ」と言った
烈は「レイたん、お仕事にゃのよ!」と言った
「きに……ちにゃいにょ?」
「しないよ!どうでも良いにょよ!」
「れちゅ……」
「ボクはね、本当にどうでもいいにょよ
気にならにゃいし、気にもしにゃいのよ」
榊原と康太が追い付くと、榊原はレイを抱き上げた
烈は足を引き摺りながらも、少しずつ階段を上がっていた
副社長室に行くと早速、レイに履歴書を見せる
昨日の続きだった
午前中掛けてじっくりと視て選別する
榊原はマークシートを機械に通して弾き出させた試験結果を自分の目で確かめて見ていた
お昼を食べてからは、会長 社長 副社長 真贋 宗右衛門の面接の点数を見比べて話し合う
そして600人の応募者の中から300名を厳選なる審査の上決めて行く
ある程度 見通しを立てたら、各部署から責任者を呼び、自分の部署にはどんな人間を入れるかで話し合い、後日 300名の中から選抜した者との面接を決める
そして更に100名近く篩にかけて、200名の合格発表を決める
400名には不合格の結果を送付する
まだ工程はその半分位だった
休憩中になると、烈とレイはトイレへと向かう
康太は先程の話を清隆と瑛太に話した
清隆と瑛太は驚いてその話を聞いていた
榊原は「女は即座は解雇としましたが、それは解決策ではありません!
不平不満が吹き出したら?我等はどう対処するべきか?
それを考えねばならぬ時が来ました!」と現実を口にした
残留試験で残れる者、退職せざるもの
選別で篩いにかけられた者は弱い者に牙を剥くのか?
明日へ繋げる果てへと進む道途中で大きな壁にぶつかったも同然となった
社員を押さえ付ければ、それは恐怖政治となる
独裁国家じゃあるまいし、それは避けねばならぬ
清隆は出口の見えぬ答えを求めて考えた
瑛太も直面すべき問題点を考えていた
康太は「烈 トイレ遅いな、役員しかいねぇトイレだから問題はねぇだろうけど、遅くねぇか?」とトイレから戻らぬ我が子を想う
榊原も「そう言えば……少し遅いですね」と立ち上がろうとした時、ドアがノックされた
榊原はドアを上げに行くと秘書の西村が
「会議室へどうぞ!」と言い一番大きな会議室への移動を口にした
康太は立ち上がり会議室へ向かうと、榊原も清隆と瑛太も会議室へと向かった
会議室のドアを開けると………そこには【R&R】のメンバーが揃っていた
会議室に入って行くと少しだけ焦げ臭い匂いがした
だがそれよりもヘンリー・オブライエンの姿に唖然となった
何時退院したのか、ヘンリーは揃いのアルマーニのスーツを着て座っていた
その横には顧問弁護士の飛鳥井神威の姿もあった
竜馬は立ち上がると「共同戦線、此処でも張りませんか?」と口火を切った
会長 社長 副社長 真贋は席に座ると「共同戦線?」と問い質した
サムエル・ウォーカーが「私が受け持つ会社にも是正は必要となる!
徹底的な社員教育 講習 資格試験 其れ等をプログラムに入れて徹底的な教育をするのです!
宗右衛門に楯突く奴など我が社にも不要!
社員の意識もレベルも低いんですよ、この会社は!」と吐き捨てた
烈は何も言わず、黙ってその光景を見ていた
デービッド・トンプソンが「共同戦線張れるぬならば、我等は一切手を引く!
我等がリーダーを貶されて黙っていては男が廃るねん!」と謂う
会長は烈に「それが宗右衛門の意思なのですか?」と問い掛けた
烈は「ぎょめん……今ボク……倒れしょーだから…メンバー呼んだにょよ」と謂うと机に突っ伏した
榊原が立ち上がり烈に触れると、烈は熱を出していた
榊原は烈を抱き上げると「治るまで入院させて来ます!竜馬達はリーダーの不在を埋める為だと想って大丈夫なのですか?」と問い掛けた
イーサン・アルデスは珍しく口を開くと
「そうだ、我等はリーダーの為にしか動かない!
世界に誇る建築家として私とフレディがアドバイスする
竜馬が社員の意識を少しずつ改革して行く!
リーダーの不在の間は我等が先頭に立ち皆を導く!
だからこその、共同戦線を張ろうと謂うお誘いだ!」と言った
フレディ・ホワイトも「我等は己の意思を捻じ曲げる事なく今の建築家としての立場を確立した
私とイーサンが共同で製図を引いてやるから、これから建てる子会社のビルを楽しみにしてると良い!我等は誰にも屈指はしない!
その製図は変だと謂れようとも、我等は最高傑作を叩き出してやる決意の元にそれを生業にして来た!だから敢えて我等がこの会社に評価をつけるならばCランクだと言おう!
それをAランクまで引き上げる!
その為の共同宣戦だと言っておこう!」
その言葉を聞き、榊原は烈を抱き上げレイを連れて病院へと向かった
久遠に連絡すると『早く連れて来い!』と言った
そして連れて行き烈を渡すと検査に向かい
「入院させた方が無理しなくて良いだろうが!」と言った
熱は40度近く出ていたと謂う
無理したから限界を超えて熱を出したのだと、久遠は言った
榊原は一生に烈の入院を告げて、入院の用意と付き添いを頼んだ
そしてくれぐれもレイには気を付ける様に言った
一生は苦笑して頼まれた
レイは呪文を唱えると姿を消した
一生はレイを気をつけねぇとなと振り返った一瞬の出来事だった
「あ~マジかよ~」とボヤき、取り上げず一通り病院の中を確かめるがレイは何処にもいなかった
レイが何処へ飛んだのかは、暫く待つと解った
大天使ガブリエルを引き連れて、烈の病室に姿を現したからだった
一生は唖然となり「レイ……」と名を呼んだ
ガブリエルは創世記の一柱だった存在に逆らえず、況してや創造神まて引き連れて来られては謂う事を聞くしか出来ず、共に来るしかなかった、と一生に話した
一生は「創造神ってレイの声にも反応するのかよ?」と問い掛けた
ガブリエルは「創世記の一柱なればら、聞くしかないのでしょうね
あの方はニブルヘイムの為に骨身を惜しまず動いてやってくれ!と仰り頼まれました」と言った
レイは「はやきゅ!」と言った
一生は「何するのよ?」と問い掛けた
ガブリエルは「聖神の傷付いた神聖をヒーリングで治せと申しつかりました!」と答えた
ガブリエルは癒やしの光で烈を包み込み癒やしの呪文を唱えた
そして癒やしの卵を創り烈を包み込むと、ふうっーっと息を吐き出した
ガブリエルは「貴方程の方ならば、癒やしの力はないのですか?」と問い掛けた
ニブルヘイムは「僕は皇帝炎帝と正反対の力を持つ者!其の為だけに転生され更に性能の良い力を与えられた存在
なのでヒーリングなどは使えない
僕は闇を祓い人の中に救う闇を消し去る存在
だから天使の様な癒やしの力は持たぬ存在!
多分君のヒーリングの呪文を唱えたとしても、僕にはその呪文は発動出来ない
鏖殺や鏖殺滅法の呪文はよーく効くと想うんだよ
破滅の序章なんて、それはそれは効きが良いと想うんだけどね、ヒーリングは使えない
それが悔しいな……烈を癒やしてやれないのが悔しいな」と本当に悔しそうに謂う
烈はそんな悲しそうなレイの声を聞き
「レイたん………おいで……なかにゃくていいにょよ!」と言った
意識はないのに、レイの心配をする
レイは烈の傍へ行くと椅子に乗り烈を抱き締めた
ガブリエルは冥府の地下に棲むニブルヘイムと謂う孤独な神の存在は知っていた
永遠とも言える時間を唯一人で孤独に闇を浄化して来た神の存在は知っていた
だが、唯それだけだった
今 まさにニブルヘイムを目にして、烈の為にだけ存在する神を目にして………一人でなくて良かったと思った
友を亡くした自分とリンクして想う
ガブリエルは烈を癒やして神聖を元に戻すと、レイを抱き締めて、姿を消した
烈に抱き締められて眠るレイを、烈のベッドの中に押し込み、一生は康太に報告した
康太がそのメールを目に出来たのは、かなり遅く夜が明けかけた時だった
烈が病室に行ってから、会議室に役職を呼んで議論し合った
榊原が戻ってからは、もっと激しく時には英語を交えて議論し合った
共同戦線張るなれば、互いの考えをより近くまで詰めて、共に行かねばならない
其の為の作業をする
会長も社長も久しぶりの英語に実践で使えて良かったと胸を撫で下ろした
英語の激論は深夜になり続いた
そして互いを知り互いの考えを共有出来た所で会議は終了した
皆疲れ果てて飛鳥井へと帰りデリバリーを頼み食事をする、そして軽く酒を酌み交わす
竜馬達【R&R】は客間に泊まり、瑛太も清隆と客間で雑魚寝する事にした
康太は寝室に戻り、携帯を開くと一生のラインに目をやった
そしてガブリエルを連れて来た下りを目にして、康太は扱き使われた創造神を想った
「ガブリエルも 相手がニブルヘイムじゃ謂う事聞くしかなかったか」と言いラインを榊原に見せた
榊原は恐るべしレイと想った
烈の為ならば大天使でも呼びに行っちゃうのね……
だが、自分も直面したならば、呼びに行くかも知れない
使えるモノ総てを使い助けたいと想うだろう
唯一無二の存在ならば尚更
亡くせばこの世の果てまで続く孤独に堕ちて行くしかないのならば、同じ事をするだろう、と想った
ニブルヘイムの理解し難い孤独の上に唯一見付けた光ならば……亡くしたくなんかないのだろう……
翌朝 【R&R】のメンバーは慎一に謂れ朝食を取ると「着替えに行くねん!」と伝えた
一生は「皆は何処に住んでるのよ?」と問い掛けた
すると竜馬が代表して「メンバーは皆 俺の住むマンションを買って、そこへ住居を移しています
そして皆………それはそれは嵩張る外車を売り飛ばして小回りが利く車に買い替えて普通に地味な生活をしています!」と言った
慎一が「食事とかどうしてるの?」と聞くと
「皆、悪戦苦闘しながらも自炊してます!」と伝えた
そして竜馬は「俺も三木の家では母さんが全てしてくれてたので、何も出来ませんでした
メンバーも同じです、妻のいた者とかは妻に全て任せていたりしたので、本当に日々闘いでした」と悲しそうに言う
一生は「今はその妻どうしてるのよ?」と問い掛けると「…………亡くしてます、末期の癌で失って自暴自棄になってる時俺と出会ったのです」と謂う
それ以上は聞けなくて、困っていると竜馬が分厚い封筒を慎一に渡した
慎一が「これは?」と問い掛けると「食費です!お世話になりました!」と答えた
メンバーはうんうん!と頷いた
慎一はそのお金を突き返した
「君達は烈の為にいてくれる客だ!
客からはお金は受け取れない!」
慎一が言うと竜馬は「ならば、これから世話になる分はそこから出して行って下さい!
俺等は本当に食うから、その分多く買って来て下さい!」と謂うと慎一はやっと受け取った
「解りました、君達が来るなら事前にライン下さい!その分多めに作っておきますから!」と言った
ヘンリーは「たまには何もなくても来ても良いか?」と尋ねた
慎一は「当たり前じゃないですか!自炊に飽きたらラインして下さい!夕飯作っておきますから!」と言った
ヘンリーは嬉しそうに笑った
皆 慌ただしく家を出て着替えに行く
そして車2台で飛鳥井建設へと向かう
竜馬は烈から預かっている鍵を使って良いか?と康太に尋ねると「烈が許可したなら俺に聞くまでもないんだよ!」と言った
共同戦線を張った日から、忙しく日々は動いて行った
烈は脱臼の肩が安定するまで入院となった
熱も下がり再び会社に顔を出すまで1週間掛かった
退院した日から烈は学校に半日だけ通い始めた
学校に通い半日で帰り会社へと向かう
【R&R】のメンバーは宗右衛門の部屋で過ごす事が多くなった
だが宗右衛門盧部屋は狭いから隣の真贋の部屋まで開放して使わせる事にした
時には会議室で行う時もあった
この日烈は学校を半日で終えて、会社へとやって来た
面接で最終選考まで遺った者達から資格保持の証明書を提示させた
その資格保持の証明書が偽物なのか本物なのか、を調査する
そしてその書類は直ちに【R&R】企業系調査事務所へと送られ、正式に飛鳥井建設から依頼され調査を開始させた
資格保持の証明書の確認は副社長と真贋、そして施工会社の副社長が立ち会い確認をしに行った
東神奈川の現場にいた監督の資格も戸籍も総て嘘の上塗りだった事を鑑みて、調査をして裏のない人間だけを選び入れるつもりだった
裏や偽造を鑑みての200雇用を300キープしてあるのは其の為のだった
用心に用心を重ねて日々を紡ぐ
1000年続く果てへと逝く為に、日々の積み重ねは大切な行程だった!
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