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第14話 悪意は続く

【R&R】が国際大会の開会式の演出をするのはカゼだったんじゃないか? と、全く動きのない【R&R】に関係者は焦りだしていた この時になって初めて【R&R】はプロモーターを間に入れ直接的な連絡は一切取る事なく、全てプロモーターを通して行う事にしたのに気付いた 関係者は開会式はどんな風にやるのか?構図は解りますか?とか問い掛けて来る回数も増えた 烈はボツにした構図をプロモーターに渡して、そんな風にしようと考えていると、説明させた 書類を取りに来た者が何処の誰なのか? 【R&R】企業調査事務所を動かして調べさせる事にした 暦也はノリノリで「よし!解った!とことん調べてやる!だから有栖の事………頼む!」と言って来た やはり子が生まれれば、有栖との相性は最悪で、有栖が弾かれしまう運命なのだと理解した 仲が悪いとか、喧嘩してるとか、冷遇してるとか、無視してとかそんなレベルの話ではなく 生まれた子と有栖が一緒にいるのを極端に嫌うのだ 有栖の気配を感じるだけで赤ん坊は、火の付いた様に泣き、有栖は落ち着きをなくして自分の部屋に閉じ籠もる様に過ごしていた 相性が最悪過ぎて互いが互いを警戒して近寄らないのだ 有栖がギスギスした感じを抱いて日々過ごしているのを、暦也は見ていて堪えられなくなり、烈に有栖を頼んだのだ 有栖が楽に息ができる場にいさせてくれ! そう言われ引き取られた有栖は、一目見た瞬間に神威が引き取った その子は絶対に俺の後継者にする! 絶対に引き取る引き取る! と名乗りを上げたから、取り敢えず様子見で預けてある 有栖は生き生きとした顔で日々楽しそうにしていた そんな事もあり、暦也は烈に感謝して全力で仕事を片付けようとしていた 暦也が腕によりをかけて調べた結果、やはり国際大会の関係者は氷室エンターテイメントと繋がっていた 癒着の証拠を粛々と集め、制裁してやるつもりだった 閉会式を手掛けるのは、氷室エンターテインメントに所属しているパフォーマンス集団だった 【R&R】の名を穢し地に落とす為だけに、対抗馬に【R&R】を持って来ているのだ 多分、開会式の構図を手に入れ、開会式に併せて、そのパフォーマンス集団の特集でも組み、その光景を流し、絶対の条件を作った上で、イメージが似てると盗作疑惑をかける気なのかも知れないと烈は考えていた 【R&R】は国際大会の契約書をホームページに載せた! 今度倭の国で行われる国際大会の開会式こ仕事を引き受けたから、行う事になったよ! 契約書はコレだよ!す 此処に載せたのは後で契約書を捏造されて難癖付けられない為の保険でもある!と言い載せた 運営側からは契約違反だと文句が入ったが宗右衛門が「それは何項目に明記してあるのじゃ? 顧問弁護士に確認したけど、その様な項目は入ってはおらぬではないか!なにか文句でもあるのか?」と一喝して電話を切った 神野や相賀、須賀の事務所からは嘘の情報が流されパフォーマンス集団は【R&R】に勝てると思っているであろう だがそうは問屋が卸さない! 兎にも角にも氷室エンターテインメントを追い詰めて潰す気満々だった 康太は「罠に嵌めようとしたんだし、慰謝料取れるよな?」と神威に問い掛ける 神威は「立証されれば、【R&R】はハメられたと謂う事になるから、ぶんだくり潰してやるしか無いな!」とやる気になっていた 暦也からの身辺調で氷室エンターテインメントの代表は氷室灰音と謂う男らしかった 家族の系図は、大学教授 氷室喬二を父に持ちに持ち バイオリン奏者 氷室シルビアを母に持つ 俳優の氷室陵一を兄に持ち謂わば、サラブレッド家系だった そしてその家庭の内情は父親は妻には内緒で女子大生を愛人に囲い 母は若手ピアニストと半同棲して家を顧みず そして兄は女癖が悪く☓3だった 表舞台には家族揃って姿を現し円満を演じている仮面家族だった 烈はそんな中、氷室の名前が気になった 「灰音……って灰被りの音しか紡げない……とかの意味なのかにゃ〜!」と呟いた 康太はそれを聞いて「シンデレラかよ!」とボヤいた 榊原は「その名前を子に着けるのは、愛がありませんね、この家族の写真ありませんか?」と問い掛けた 竜馬は即座に調べてPCを康太に渡した 康太は家族写真を見て「やっぱりか…………」と言った 他の者もPCを覗き込み、納得した 「父はどこから見ても倭の国の人間で、兄は母の血を引きハーフだが母と同じ金髪だった 母はアメリカ人と謂うだけあって金髪なのに、灰音は銀髪……明らかにDNAが違うとしか想えない 竜馬が「託卵とか?」と問うと康太は 「託卵と謂うより世間体を考慮して実子として戸籍に入れてあるんだろ?」と言い捨てた 胸糞悪い話だ………… だからと言って闘いの火蓋は切って落とされたのだ もう引き返す道はなかった 相賀は須賀と神野と共にお金を出し合い、売り出されていた物件を購入した 購入者の代表に相賀がなり、ビルを正式に購入し、全ての手続きを終えた 康太と烈とレイは相賀と共に、その物件にやって来ていた 外観を目にした時から「悲惨にゃ物件にゃのね」とボヤく程に、ウヨウヨと霊の気配が解るのだ 相賀が恐る恐る鍵を開けてビルの中へと入る レイはスタスタと階段を上がり最上階まで上がる 烈もその後を追い最上階を目指した もう足を引き摺る事もないから、レイを追う事も楽勝だった 宗右衛門は「レイ、どうであった?」と問い掛けるとレイはニブルヘイムの声で 「楽勝ですね、其れ程に強い霊もいないので、炎帝 霊の昇華お願いします 私は貴方が昇華した後に浄化の霧で各部屋の浄化に当たります!」と言った 康太は「うし!ならば全部の部屋の昇華に当たるわ!」と言い紅蓮の焔を出して部屋に炎を走らせた その焔は部屋を焦がしたりせず部屋の壁を走り全体を焔に包み昇華の呪文を唱えた 相賀とレイと烈は焔から避けて、他の部屋で焔が落ち着くの待ち、炎が消えたらレイがその部屋を浄化の霧で清めて行った 部屋の空気が変わると相賀は「おぉ!部屋が透き通る様に綺麗に感じます!」と言い喜んだ 烈は何処かへ電話を掛けていた 全ての部屋の昇華をすると康太は最上階の部屋に戻って来た 康太は相賀に「フルリフォーム、オレも少しは協力出来るし、【R&R】が好意的だからセキュリティーの方は頼んでおけば良い!」と話していると、其処へ飛鳥井凛太郎がやって来て、康太と相賀に会釈をして烈の横に立った 凛太郎は「このビルの内装の仕方をYou Tubeで流すのですか?」と問い掛けた 宗右衛門は「今回は壁のプロの技を見せる時が来たのじゃ!内装工事って一言で言っても知られてはおらぬからな! 我が飛鳥井施工株式会社の底力を見せてやらねばな!どうじゃ?出来そうか?」と問い掛けた 「材料費は宗右衛門の配当金で賄うと謂う事ですか?」 「そうじゃ!配当金が出たからそれで賄えるじゃろ!」 「まぁ我が社は建築を追い越す勢いで日々努力しておりますから! 先の株式総会も純利益を上げて株主をそれはそれは喜ばせられましたからね!」 と凛太郎が言うと康太も「ならば飛鳥井の会社が保持してる株の配当金でこのビル全部の改装工事は可能かよ?」と問い掛けた 凛太郎はタブレットを操作して計算して行く 「少し足が出ますが、その分はどうします?」 「その分は3等分して相賀、須賀、神野に請求してやれ!そんなに対した金額にはならねぇだろ?」 「はい、一人100万行くか行かないか、ですね! 内装工事として壁紙の全取替だけじゃないので、かなり費用は上回ります ここビルの水道管の入れ替えや排水や漏水を調べて事務所として機能させる為に空調設備もやらねばならないですからね! ですからこの金額となります!」とタブレットを康太に渡した 相賀はその金額を目にして、卒倒しそうになった 凛太郎はそんな相賀の気持ちを知ってか知らずか……… 「此処エレベーター有りましたよ! 使われてないので作動するか怪しいですが、ワイヤーや箱を新しくしてやれば使えると思います それも込みで入れてあるので、その値段は妥当、いやかなり値切ってあります!」と伝えた 康太は「あぁ、かなり安く算出したんだな?って想ったぜ!本当ならばこの倍の値段は叩き出すだろうからな!」とサラッと言った 相賀は「借金してでも支払います!」と言ったが 宗右衛門が「相賀、これ+セキュリティーとなると1億は下らぬぞ! まぁ今は支払いは考えず、事務所の存続に力を注ぐのじゃ! 清四郎と真矢が所属する事務所がなくなるなんて、冗談でもあってはならぬ! 烈の大好きな祖父母を苦しめる事は何としてでも阻止せねばならなのじゃ!」と言った 相賀は「解ってます、私が引退したら継がせねばならぬ存在がいます! 柘植恭二が社長に座する為に………繋げなければならないのだ!」と渾身の力を込めて言った 宗右衛門は「何時から工事に入れるのじゃ?」と問い掛けた 「明日から予定に入れてあります!」 と謂うと宗右衛門は相賀に 「この者達に、このビルの鍵を渡すか? それともスタッフを此方の専属に配置するか? 決めてもらえわねば、工事が出来ぬ!」と問い質した 相賀は「ならば工事には柘植を立ち会わせ、完成するまでこの現場から動かぬ様に伝えよう!」と言った 「工事は朝早いから、そのつもりで頼む! 凛太郎、柘植と密に連絡を取り合い、工事を勧めるのじゃ!」と謂うと凛太郎は相賀に名刺を渡した 裏に凛太郎の携帯番号とラインのIDも載せてあった 相賀は「必ず柘植に渡します!」と言った 凛太郎は忙しいのか?名刺を渡すと直ぐに還って行った 浄霊も終わったし、もう帰るだけになったから、烈は「おーが、母しゃんがこの近くの市場で魚買うから、おーがはお酒をお願いね!」とちゃっかり謂う 康太は「おっ!解ってるな!烈!」と言い近くの市場でマグロを塊で買って、車に積んである保冷バックを取り出して氷を買って来て冷やした 相賀は飛鳥井の近くのお酒のディスカウントで、ビールを箱買いした そしてウキウキと飛鳥井に帰ると、飛鳥井の五芒星の結界を引く時に怪我をした慎一が退院していたから康太は「慎一、大丈夫なのかよ?」と問い掛けた 「大丈夫です、久遠先生が通院レベルで良いだろう!と許可してくれくれたので退院しました」 康太はホッと安堵の息を吐いた 慎一とニックの傷は案外深く、即入院となったのだった 「無理だけはするなよ!」と康太が言うと慎一は 「はい、無理はしません!」と答えた 康太は一生にマグロの入った保冷バッグを託すと、隼人と聡一郎を連れて地下に降り、箱買いしたビールを5ケース運び入れた 烈は「えーちゃん 宴会よぉ〜!」とラインを入れた すると直ぐに瑛太から電話があった 直ぐに通話ボタンを押すと 『烈、今宵は宴会なのですか?』と嬉しそうな瑛太の声が聞こえた 烈は母に携帯を差し出すと、その携帯を受け取り 「そうだぜ!瑛兄!新鮮なマグロの塊を買って来たんだよ! そして相賀がビールをケース買いしてくれて5ケースあるかんな!飲み放題だぜ!」 『それは残業なんてしてられませんね! 父さんと母さんと京香には私から連絡を入れておきます!』 烈は携帯を受け取ると、今度は清四郎に 「じいたん 今夜暇?」とラインした 『今夜は仕事は入ってません!なので暇です!』 とラインがすぐに返って来た 「にゃらばぁたんとしょうたん達を誘って飛鳥井に来るにょよ! 今夜はマグロで宴会よぉ〜!」 『マグロ!!それは凄いです! 直ぐに行きます!』と返信が来たから、烈は笑顔で次は兵藤へラインした 「兵藤きゅん、今夜ひま?」 『おー!今夜は暇だぜ烈! どうした、【R&R】で大きなイベントがあると聞いたぜ!手伝って欲しいのかよ?』 「違うにょよ!母しゃんがマグロの塊を買って来たきゃら、宴会にゃのよ!」 『おっ!それは行かねぇとな!  烈に話もあるし丁度良かったぜ!』 そう言い兵藤はラインを終えた 康太は会社で仕事している榊原に「今夜はマグロで宴会だぜ!」とラインした 即座に榊原からラインが入り 『直ぐに帰ります!君が不足しています!』と還って来て康太は幸せそうに笑っていた 烈はこの日別行動だった竜馬に「何処いるにょ?」とラインした 『源右衛門の部屋で爆睡してた 烈は何処にいるんだ?迎えに行くよ!』 「ボクね応接間にいるし」と返すとドタバタと足音が聞こえた 「烈!帰っていたなら声くらい掛けてよぉ!」 と竜馬が烈を探して走って来る 烈は「りゅーま、オバケ駄目だから置いて行ったにょよ!」と謂う 竜馬は「それは誰でも駄目なんだってば!」と弱音を吐く 烈は笑って「だから置いて言ったにょよ!」と言った 瑛太が家族と共に帰宅した そこには榊原の姿もあった 其処へ清四郎が家族を連れてやって来た 一生が玄関を開けて招き入れると、笙はとても上機嫌だった 烈は「須賀と神野も呼ぶのよ、たかなちもね!」と謂うと相賀は須賀と神野に電話を入れた 須賀は喜んで行くと言ってくれ、神野と小鳥遊は近くにいたのか?直ぐに来た 笙が烈に「今度の国際大会開会式に僕も出してくれてありがとう!」と嬉しそうに言う 「しょーたん スケボー出来たにょね?」 「出来るよ!」 「にゃらスポーツのお兄さんばりに頑張って貰うかにゃ〜」と呟いた 笙は「え?僕はもうスポーツのおじさんだから!」と笑った 「あ、しょーたんが仕事にゃいのは、おっさん全面に出してるからにゃのよ!」とボヤいた 康太は爆笑し 「あ~そう謂えば最近若々しくねぇよな?」 と言う 「え!僕……輝いてない?」 「全然輝いてにゃいのよ!」と烈が言う 神野と小鳥遊はハッとして顔を見合わせた 小鳥遊は「何か笙の起用が減ってて、それはオッサン化してからなのですね!」と改めて再確認したとばかりに言う 笙はショックで立ち直れそうになかった そんな笙に玲香は「嫌ならば輝くのじゃ!笙」と、エールを送った 笙の妻の明日菜は肩を震わせて笑っていた そう謂えば最近は少々オッサン臭いわ、この人 と改めて想う 烈は「りゅーま、チェックして!」と謂うと竜馬は笙の前に行き、タブレットを取り出すと最近若者の間で流行っている言葉を表示して笙に渡した タブレットの画面には 【⦿好ハオ ⦿てぇてぇ ⦿ユザネ ⦿ちょえ ⦿羽ばたいている ⦿限界オタク ⦿プルい ⦿蛙化現象 ⦿かわちぃ(かわちい)】と書かれていた 笙はそれを見て「これは何かの呪文ですか?」と言った 玲香はそれを聞いて爆笑した 「笙、我だとて⦿かわちぃは解るぞよ? 主の家の子はちいかわは見ておらぬのか?」 「ちいかわなの? 見てるよ、美智留が耳が青い子が好きでぬいぐるみも持っているよ なんで素直にちいかわって言えないかなぁ……」とボヤいた 竜馬は「笙さんヤバいですよ!このままではオッサン俳優にしかなれませんよ! 今からオッサンでは清四郎さんの様な俳優は夢のまた夢に終わりますよ! 清四郎さんは流行に敏感ですよ! そして常に若々しくあり続けようと日々努力されてます! ダンディな清四郎さんの様な年の取り方をなさって下さい!」とトドメを刺した 笙はガ〜ンと衝撃を受けていた 烈は「しょーたん、スケボー乗るのよ!絶対に! だから今から特訓よ!じぃたんやばぁたんもボイトレ頑張るにょよ! しょーたんがくすぶってて、どーするにょよ!」と発破を掛けた 笙は「烈、僕は絶対に輝きますから! 特訓します!そして今後は日々ジムに通い鍛えて流行を知ります!」と宣言した 宴会の準備が整うと、須賀も飛鳥井にやって来て、皆 客間に移して新鮮なマグロの刺し身や慎一が冷蔵庫の中からササッと作った料理を並べた 烈は山盛りのサラダを食べていた その上にはヘルシーなサラダチキンが乗せられていた 竜馬が烈にマグロを取ってやる 兄達が烈、凛、レイ、椋の世話を焼く 大空は「烈、野菜も良いけど、マグロ食べなよ!」と謂う 「にーに!食べるのよ! にーにも食べにゃいと良い男ににゃれないのよ!」 「食べてるよ、それに僕は別に良い男になれなくても良いのよ!」 「にーに!」 烈は大空に抱き着いた 大空は烈の頭を撫でた こうしてると落ち着く……それて少しヤサグレた心が癒やされるのを感じた 竜馬はこのまま兄に抱き着いていたら、絶対に寝ると察して烈に「サラダ残ってるよ烈!ノルマ分食べないと久遠先生に言いつけますからね!」と脅した 烈は大空から離れるとサラダを食べ始めた 「最近お野菜高いにょよ!」と言いながら烈はサラダを食べる 康太は「何処ぞの主婦よ!」とボヤいた さかは妻の背を擦りボヤかないのとばかりに、宥めていた 真矢と清四郎は笑っていた  匠は烈の傍に行くと「今月は学校に来ないの?」と問い掛けた 烈は「やる事多いからね、中々行けにゃいのよ!」と答えた 「淋しいよ……烈」 「淋しいにゃら会いに来てくれれば良いにょに、来ないのは、たっくんじゃにゃい?」 匠はハッとした顔をした 「遊びに来ても良いの?」 「家にいるにゃら、一緒にちいかわ見れるよ」 匠は嬉しそうな顔をした 美智留も烈に「烈、今何をしてるの?」と問い掛けた 「ボクはね、にーに達の進むべき明日をつくってるにょよ! レールを敷かにゃと走れにゃいから、今は確かな明日を築いているのね でね、1000年続く果てへと繋げる為に日々動いているにょよ! らからね、時間が足らにゃいのよね」 と世間話するみたいに大変なことを口にした 竜胆が「宗右衛門、明日 家に行き家族に話をするから!」と謂う 宗右衛門は「もう目星は付けたのかぇ?」と問い掛けた 「瑛兄さんと鴉と東矢のダウンジングで場所と、家と妊娠してる人物を確認した」 「今 妊娠何ヶ月なのじゃ?」 宗右衛門が問い掛けると、瑛太が「来月出産です!」と謂う 宗右衛門は竜胆に「出産して3ヶ月は待つがよい!」と謂う 竜胆は「何でだよ……やっと見つけたのに……」と唖然となった 「主は母親の気持ちを考えた事があるか? その腹の子は紫雲龍騎の跡を継ぐべき存在だから寄越せ!と謂うも同然の事をせねばならぬのじゃ!今話せばショックで流産とかになったらどうするのじゃ!取り返しが付かなくなるぞ!」 「………宗右衛門は過去に一度も結婚してないのに、そう謂う気遣いが出来るんだな! 俺は………妻がいたのに……気付けなかった……」 「儂には遥か昔には愛した人はいたし、その人との間には子もいたのじゃから、子を孕んだ親の気持ちは………解るのじゃよ………奪われる悔しさ哀しさ………そう謂うのは取られた者にしか解らぬからな………そう謂う事じゃ!」 康太は信じられない気持ちで、その話を聞いていた 宗右衛門は決して過去の話はしなかった 愛した女や………この手の話なんて一切しなかった…… どう謂う気持ちの変化があったのか?と康太は想っていた 竜胆は「解った……この世に生を成して落ち着いた頃、切り出す事にするわ!」と言った 「それがよいじゃろ! じゃがどんなおなごが生むか?家庭環境は調べねばならぬぞ! 歪められた果て故に何が起きるか? 油断をしたらそこから足元が掬われるのだからな!」と注意喚起をした 竜胆は頷いた 宗右衛門は「出産が無事される様に鴉に見晴らせ、何か在れば即座に動ける体制だけは取っておいた方が良いし、来月出産なればもう病院に入れて用心を重ねた方がよいな! 飛鳥井は妨害にあっておるから、総代 手筈を頼む!」と謂うと瑛太は「承知しました!即座に鴉を動かし警備に当たらせます!」と返した それから後はもう楽しくお酒を飲み交わし、マグロを食べて話に花を咲かせた 兵藤が客間にやって来た頃には、既にそこは酔っ払いの巣窟となっていた 兵藤はマグロと刺し身と煮付けとおかずを前に出され、ビールと冷えたコップを貰い、一気に飲み干した 「上手い!おっ!マグロも新鮮じゃねぇかよ!」 と上機嫌で飲み始めた 兵藤は烈に「【R&R】って国際大会の開会式のイベントに携わっているって本当か?」と問い掛けた 烈はコクっと頷いた 「やっぱりそうか……ならば気を付けるんだな! 政治屋を動かして完全に倭の国で活動出来なくさせてやる!と息巻いている政治屋がいるって正義から伝言だ!」 兵藤が言うと康太は一連の出来事を話した 事は【R&R】だけじゃなく、相賀、須賀、神野の事務所にも打撃があり、仕事を取られている事や、閉会式はその黒幕と言っても良い氷室エンターテイメントが一枚噛んでて、開会式の構図を手に入れ全く同じ様に創る予定だと話した その上で盗作疑惑を出して契約違反を全面に出して【R&R】を葬り去るつもりなのだと伝えた 【R&R】のリーダーは烈なのを知っているからこそ、飛鳥井もダメージを受ける様に仕組まれているから警戒している所だ、と話した 兵藤は「聞いている以上にクソな話だな!全部潰そうぜ康太!そしたら国会の風通しも良くなりそうだしな!」と嗤って謂う 「だな、元よりそのつもりだ!貴史! 【R&R】が自分達のHPに契約書を載せたのは、そんな不戦を張ったからだ! 横槍入りまくるのは、元より承知! だがそこに政治屋が介入して来るならば、話は違うからな、それこそ正さねぇと倭の国の常識を疑われるぜ! だから政治屋が口を挟めねぇ様に正義と繁雄に頑張って貰わねぇとな!」 「だな!この話を伝えてくれって言って来た、正義と繁雄はやる気満々だったぜ! ついでに勝也さんもやる気で二階堂氏を全面的に出して増渕派をおちょくってやがるって正義がボヤいていたな!」 「おっ!勝也らしいな! 曲がった事をするならば、とことん絶望を味あわせてやる!をモットーに貫いた政治家だからな 皆の目には増渕派が曲がってるって映るだろ? そして何故か……増渕派の黒幕の鴻池の翁が亡くっなったらしいからな、分裂は避けられねぇだろうし、国会は荒れるぜ!」 「あれな、100を超えてもしぶとく生きそうだったのに、って正義が笑って言ってたぜ! 呪術でも掛けられたのか?って政治屋の間では、その噂で持ちきりらしいぜ! まぁ今の俺は政治家ですら無いからな、蚊帳の外の話だがな! 俺が政治家になるまでに、どんどん邪魔なのは消してって行って貰いたいもんだ!」 兵藤はそう言い嗤った 康太は竜馬に「竜馬、喧嘩売りに行こうぜ!徹底的に叩きのめす為に頑張ろうぜ!」と言った 竜馬は「良いですね!メンバーは喜んで喧嘩を買いに行きますから!共に行きましょう!康太さん!」と言い嗤った クソ生意気な顔になるのを兵藤は見逃さなかった 兵藤も「俺も協力してやるよ!」と謂うと竜馬は 「足だけは引っ張らないで下さいね!」と嗤った やはりコイツ食えねぇ!と兵藤は想った 兵藤は「誰にモノを言ってる!」と返した 「好敵手(ライバル)に言ってます!」と竜馬が言うと兵藤は意外な顔で竜馬を見た 「俺を好敵手と認めるのかよ?」 「当たり前じゃないですか! 俺は絶対に駒にはなりませんが、貴方と高め合い頂点に逝くと決めているんですから!」 「俺に並ぶのは100年早い!」 兵藤はそう言い嗤った 「直ぐに追い越しますから!」 と竜馬は挑発に乗る 二人の間にはバチバチ火花が飛び散る 流れ弾に当たる前に烈は「りゅーま!」と呼ぶと竜馬は笑顔で 「何?烈!どうしたの?」と問い掛けた その顔にクソ生意気な影は微塵もなかった 「もう寝りゅのよ! 源右衛門の部屋で雑魚寝しゅるのよ!」と謂うと竜馬はレイを抱き上げて烈と共に客間を出て行った 康太はその光景を見て「妻に尻に敷かれた夫かよ!」とボヤく 兵藤は康太の言い分が的確過ぎて爆笑した! 榊原は苦笑して妻を抱き締め……怒り狂って暴れ出さないように背中を撫でた 飛鳥井の夜は楽しげに更けて行った この日烈と竜馬は須賀の事務所のタレントを面接する為に、ホテルに来ていた 竜馬はホテルの部屋を前日から借りして部屋に隠しカメラを設置した 面接する人数は20人 レイが選出した人員だった 烈と竜馬とメンバーは別室でその光景を見ていた その場にはレイも同席していた 竜馬は須賀に説明を始めた 「俺等の面接は普通の面接とは違います  人の本質、裏表、人間の内面を観察し決めます それは後々絶対に失敗しない為の行程だとご理解下さい!」 須賀は「この面接で何が見たいのですか?」と問い掛けた 「人の本質、裏表、人間の内面を見るのです、表の顔が良いだけの人間は絶対に誰かの足を引っ張り自分がその場にいようと画策します 後、どのポジションに配置したら映えるか、まぁ人を観察し配置し使うのが我ら【R&R】なので御了承下さい!」 そこまて謂われたら納得せざるを得なかった 部屋に通されたタレントを須賀は、【R&R】のメンバー達と共に観察していた 「呼びに来るまで此処で待機して下さい!」とその部屋に通したタレントには伝えた 呼びに来る時派ドアをノックされる筈だと、その部屋に通された者は、その場で理解する するの人の本性と謂うのは、案外簡単に出て来るものなのだ その時を完璧に熟して自分を魅せれば良い そう想う者は弱い者を扱き使おうと命令を始めた 寡黙にソファーに座って携帯を見て時間を潰す者 演技を見せられるように準備体操をしている者 烈はその中でストレッチをしている物凄く体の柔らかな女性に目を止めた 「この子内面も綺麗にゃのね」と謂う するの須賀はその子の名前を告げた 竜馬は「この子は通す?」と問い掛けた 「そうね、もう少し見て決めるにょよ」 するとレイが「だいじょうびよ!このこは」と言った 「本当に?」 レイは頷いた 「りゅーま、この子通してね」 烈が言うと名簿にチェックを入れた ダニエルが「あのルービックキューブやってる子は?レイ」と尋ねた 竜馬位の青年が目にも止まらぬ速さでルービックキューブを全面揃える メンバーはその早業に【すげぇー!】と感嘆した レイは「だいじょうびよ!」と謂うとダニエルが 「僕はあの子通します!」と言った メンバーは名を上げた子達を見て納得して頷いていた モニターには面接を待つ者達が、それぞれに過ごしていた その中で女王様ばりに弱い者を扱き使おうとしている女が待たされてイライラを弱い子にぶつけて見ていて不愉快になって来た 宗右衛門は「この子は使えぬな、今この中で多分自分が一番売れていると思っているのじゃろ? だから偉そうに人を顎で使おうとするのじゃ 他の者は面接に向けて前向きなのに、この子は今誰よりも己を誇示して人を見下しておる! こう謂う子は頭打ちされて終わりになるじゃろ! 直させねば、天狗の鼻はポキっと折れてしまう事になるじゃろ! 不愉快じゃ、この子は今直ぐに帰すがよい!」と言った 須賀は今一番売れしているタレントがこんな一面を持っていたのか?と唖然となった 自分はタレントの表面しか見て来なかったと謂うのか? 唖然となっている須賀を横目に宗右衛門は 「あの子光っておるな! チャンスさえ与えてやれば、果ては榊原真矢も夢ではない女優になれるじゃろ!」と指差す子に、正気に戻った須賀はその子を見た 地味に椅子に腰掛けて本を読む女性は、売れていない女優だった 何をやっても花開かない女優は、今年で契約が切れる、須賀は更新しないつもりだった 「この子………何故選考に上がったのかも解らぬ子でした! 地味で花のない子で、どうやっても花開かない子ですよ?」 「それは主達の使い方が悪いのじゃろ! あの子は信念をちゃんと持っておる その信念は売れない日々でも折れる事はなく咲き続けておる 日々研究して心が折れる だが朝になり、もう少し自分を信じてみようと生きておる その生き様が花開く時が来たのじゃ! 切っ掛けさえ与えてスポットライトの下に出してやれば、観衆はあの子の芯の通った美しさに気付くじゃろ!」 「………うちの事務所から榊原真矢クラスの女優が現れると申すのですか? それになる子があの子だと申すのですか?」   「そうじゃ!」 「ならばアドバイスをお願いします! 私はこんな所でくたばってられないのです! 君の母上から繋げて貰った命なんですから! …この命が続く限り私は踏ん張って果てへと逝くと約束します!」 「ならば須賀、儂の申す通りにするのじゃ! さすれば開会式のセレモニーをチャンスにし花開き大輪の花を咲かせる機会となり、明日へと繋げてくれるじゃろ! じゃが、あの様な女王様気質の者を入れておけば、働き蜂化させられて衰退の一途を辿るしかないと申しておこう! 自分より下を見下し何時かトラブルを巻き起こす事となる! そうなりたくなければ、切る事じゃ!」 「解りました!直ちに実行いたします!」 デービッドは「あのボーッとしてる青年、背が高いね、何cmあるんですか?」と須賀に尋ねた 須賀は資料を見て「180センチあります!」と答えた 「モデル?」 「違います、彼は何をやってもパッとしないので、脇役ばかりやってます!」   「モデルにすれば花開くのに、見る目がないね あの無駄のない肉付きや歩き方に癖にないからね、ランウェイ歩かせたら絶対に目立つよ!」 須賀は信じられない想いで一杯だった 「こう謂うのを宝の持ち腐れ言いますねん!」とデービッドは怒っていた 「彼はそんなに凄いんですか?」   「トンプソンで引き抜こうか? 絶対にトップモデルになるよ!」 「引き抜かれては困りますが、彼を生かすアドバイスを下さい!」  「それは開会式に絶対に花開かせてるねん! 待ってれば大丈夫!」 と有り難い言葉を貰い須賀はホッと安堵の息を吐いた 烈は一人の青年に目を止めた 「りゅーま!」 「烈も気付いた?」 「あの子の名前は?」  須賀は指差された子の名前を告げた 「杜野恭平です」 「名が悪いな!」宗右衛門は唸る 竜馬は「ならば俺は杜野恭平で!これで面接は終わりだ!宗右衛門、名が悪過ぎる、改名してやれよ!」と言った 「了解した!ではこの者達をこの部屋に、他の者は還って貰ってくれ!」 宗右衛門が言うと須賀は「このイベントではなくても良いので、使えそうな子視て貰えませんか?」とお願いした 「ならば、今から指差す者を別の機会に合いアドバイスしようぞ!」と言った 宗右衛門は5人の男女を指差した 須賀は名前を書き留めると、部屋を出て解散を告げた そして合格した者を烈のいる部屋に通した 部屋に通された者達は何故自分達が別室に通されたのか?理解出来ずにいた 宗右衛門が「合格者は全部で5名じゃ!これは最大のチャンスじゃ!掴み取らねば二度とチャンスなど降って湧いたりはせぬ! 開会式のイベントに出るに当たって改名や生活を変えて貰う事となる! 同意書にサインした者だけ、合宿をする事となる! 合宿の場は倭の国ではない! 今からイギリスに飛び帰国は開会式2日前となる それに当たり一切の口外は無用じゃ! 守れぬのなら今直ぐに帰るがよい!」と告げた 合格した者達は目の前で子供が大人の小声で喋る光景に驚きつつも、少し前に騒がれていた子だな………と想っていた 烈は「りゅーま!」と呼ぶと、竜馬は同意書を5人に渡した 皆が同意書を見る   ⦿合宿中は携帯は須賀に渡し持ち込む事は一切してはならない! ⦿【R&R】の活動は一切他言無用 話したと見做した瞬間、離脱、そして損害賠償請求される事となるので注意して下さい! ⦿今何処にいるか?何をしているか?等の私生活が解る事は一切漏らしてはならない そして開会式が終わるまで、人と逢うのは一切禁止となる 此れ等を守れなかった場合、即座に離脱、そして損害賠償請求をさせて戴きます! ヘンリーは「コレはまだ甘い契約書の部類に入ります! 海外での契約書はその体型維持が出来なかっただけで損害賠償請求される事もあるのです! ほんの数センチで契約書不履行とされる世界で此れから君達は生きて逝くのですから、最初の一歩で躓かない様にして下さい!」と言った 全員、誓約書にサインすると「パスポートは持参と伝えてありましたよね? 持って来たならば、直ちに移動を始めます!」と竜馬が言った 須賀は「全員にパスポート持参は伝えてあります!着替えはどうしたら良いですか?」と問い掛けた 竜馬は「着替えはレッスン服しか着れませんので、現地で買えば十分です! 其れ位のお金は持たせて下さいね! 此れから専用機でイギリスに向かいます! 現地ではレッスンの先生が待機してるので向かって下さい!」と言った 支度が整うとメンバーと共に5人は去って行った 宗右衛門は「あの5人が帰国した後、後で選んだ5人もイギリスへ行かすのじゃ! そこでミッチリ訓練を受ければプロ意識が備わり、自ずと輝いて来るじゃろう! 儂の眼は人の奥底の闇を暴き本質を見抜く事は出来るが、其の物の未来は視えはせぬ! 果てを詠んて欲しければ、一度真贋に見せるがよい!わしは果てへと導けるが、真贋の瞳の様に果てを映す事は無理故、心配なれば真贋に聞かれよ!」と言った 眼の性質が違うと、宗右衛門は謂う 須賀は宗右衛門に深々と頭を下げた 竜馬が「飯食って帰りませんか?」と謂うと須賀は「奢ります!」と言った 烈は「やったー!」と喜んだ 「今日は私は車を置いて来たので……」と須賀が言うと、竜馬は「乗せて行きます!」と言った ホテルの料金を精算して外に出て駐車場へと向かい竜馬の車に乗り込むと、竜馬とお気に入りのレストランへと向かった レストランに入り席に着くと須賀は  「最近後を着けられて困っているですよ 外に出れば影のように着けて来るんですよ!」 と誰か解らぬ存在に着けられて困惑していると伝えた 竜馬は「今もいますか?」と問い掛けた 「今日はダミーを使い、車で出掛けさせんだよ だから私はタクシーで此処まで来たんだよ」 と事情を話す 宗右衛門は「国際大会が終わるまで、SPを着けて行動した方がよいじゃろ! 向こうも焦って来ているのかも知れぬな……」と謂うと須賀は「康太にSPを貸し出して貰います!」と言った 相賀、須賀、神野の事務所から聞こえてくるのは、信憑性に欠けていると、やっと気付いたのか?確かな情報を求めて躍起になっているのが伺えられて来る 須賀は「貴方達は着けられてはいないのですか?」と問い掛けた 「着けられているから、元々烈にはケント・マグガカイヤーと謂うSPが着いているんですが、今はアメリカからリック・村上と謂うSPと共に警護に当たって貰っているんです! ですから俺達の後を着けて来ようにもリックが妨害してくれているので、今の所は大丈夫です 近い内に俺と烈はイギリスに立ち、【R&R】として来日して来る事となります!」 「相賀も神野も最近はコンビニに行くのも後を着けられて怖がっているんだよ!」 宗右衛門は「身が危険に晒されておると謂う事か?ならば即座に対処して貰わねばならぬな! 真贋に相談して、兵藤貴史を動かして警護要請せねばならぬな!」と言い康太にその旨をラインした するの即座に返信が来て『貴史に連絡を入れて国際大会が終わる日まで護衛を着けて貰える様に頼むわ! 須賀達の身が危ねぇかんな!即座に連絡を入れるとする!』と返って来た 竜馬は須賀に「携帯を使う時、この機械を作動させてから使って下さい! そして国際大会までは携帯を一つ事務所の誰かの名義で作って置いた方が賢明かも知れません 相手は須賀さんの携帯から居場所を特定する事も可能ですから! ですから我等は皆に教えている他の携帯を常に持っています!」と伝えた 康太は手筈が整うと烈に『今何処よ?その場に身辺を警護する者と警察の関係者が行くから教えろ!』と返って来た 烈はレストランの居場所を伝えると、暫くすると護衛の者がやって来た 宗右衛門は「此れより少し不自由になるやも知れぬが、身辺警護の者と警察の関係者が傍にいて須賀を護ってくれる事となった! 神野や相賀にも身辺警護の者が着くであろう!」と伝えた 須賀は頷くと身辺警護の者達とレストランを後にした 竜馬はレストランを出ると車に乗り込み、飛鳥井へと還った 翌朝 誰に知れる事なく烈と竜馬は、真矢と清四郎、笙と隼人と共に倭の国を後にしイギリスへと旅立って行った 康太と榊原は無事に烈達を送り出せて、ホッと安堵の息を吐いた ここ最近は本当に飛鳥井の家の周辺をウロウロしている輩も多く、弥勒が結界を強化した程だった 烈達が消えたら相手は須賀達を付け狙うのは必然だった 護衛を強化して遣り過すしかないのが現状だった 榊原は「僕達だって蚊帳の外の話しではありませんよ?」と康太に念を押す 「解ってんよ!伊織 でもなぁ、蠅があんましブンブン煩いと叩き潰したくなるよな?」 「ええ!それは叩き潰しても大丈夫です! 奴等の狙いは飛鳥井も入っているのでしょうから、此処いらでビシッと叩き潰してやりましょう!どうせ一石二鳥狙ってみたんでしょうね!」 「んな事させるかよ! 烈が必死に兄達に贈る絶対の明日を紡いでいるんだからな、妨害なんてさせるかよ! 今踏ん張らねぇと明日が来ねぇじゃねぇかよ!」 「ならば動きますか?奥さん」 「おぉ!ど派手に行こうぜ伊織!」 どうせ【R&R】も宣戦布告の狼煙をイギリスで上げるのだろう! ならば狼煙を上げやすくしてやらねばならない! 康太は笑って榊原に「さてとその前に会社に行きお仕事だぜ!」と謂う 「解ってます!施工会社に追い越されない様に建築の社員も燃えてますからね! ある意味、宗右衛門の詠み通り施工を別会社にして良かったと今なら解ります! 切磋琢磨して伸びて行くと謂うのはライバルの成長を目にしてこそ、なのですね!」 「だな、建築も負けてねぇって頑張らねぇと宗右衛門に蹴り飛びされるからな!」 「烈、会社の社員達のお悩み相談してるの知ってますか?」 「おー!知ってんぜ!」 「烈が会社に顔を出さないと社員が心配して統括本部長に聞いて来るそうですから、社員達の信頼も厚いんですよ また当分、会社に顔を出さないので、聞かれるんでしょうね」 「しかし……あの人を惹き付けて止まない所って、本当に伯父貴ソックリだよな……… 人を惹き付けて絶大な信頼を得て人々を導く存在になってるなんてな、伯父貴其の物じゃねぇかよ!」 「仕方ありませんよ! 何処まで行ってもあの方の魂を受け継いでいるんですから……3人揃えば嫌と謂う程に遺伝が伝わりますよね……」 その言葉を聞き康太は笑っていた 「話は変わるけど、此処に来て突然…鴻池のじじいが逝くなんてな、誰かに呪詛でもかけられたのかな?ってオレは想ってるんだよ オレは手を出してねぇのに、こんなに黒幕が呆気なく逝くかよ?それだけが解せねぇんだよな…」 「今 匣を創れる者は表立って存在してない筈ですよね? それとも、他に誰かいるですかね?」 「それなんだよな………匣は竜宮が手掛けて来たが、今は匣は創らねぇ筈なんだよな? 皆はオレが破滅の序章でも唱えたと想っているけど、オレはそんなの歯牙にも掛けてねぇのによぉ!」 と康太はボヤいた 「破滅の序章を唱えられるのは、炎帝とニブルヘイムだけですか?」 「だろ?原始の嗣書だからな んなに簡単に唱えられるモノじゃねぇんだよ まぁレイは直ぐに唱えようとするけどな、それも命を削って唱えるんだ 下手すりゃ死を覚悟しねぇとならねぇ呪文なんだよ、アレは……… オレも命懸けだった………だから誰も唱えようとしねぇ!」 「ならば………やはり5年の猶予はもっと短くなりかねませんね………」 「…………まぁ、それでもオレ等は逝かねぇとならねぇからな!」 「解ってます!僕は君と共に……それしか望みません!何処までも共に…奥さん、僕を離さないで下さいね!」 「離すかよ!死んでも離してやるかよ!」 康太は榊原を抱き締めた 榊原も康太を強く抱き締めた 例え明日世界が滅んだとしても……… この蒼い地球(ほし)が在り続ける限り 何度でも何度でも………立ち上がると決めたのだ

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