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第33話 勇往邁進 ❷

康太と榊原は取り敢えず会社へ出勤した 烈や竜馬、兵藤に脅迫状が来てる事は心配だが任せた以上は手は出せないと思っていた 康太は真贋の仕事をセーブして烈と行動を共にする事を決めていた だからその処理をしに行かねばならないのもあり、会社へ出勤したのだった 会社に顔を出し、社内を烈の変わりに見回りに行くと社員達からは「最近烈さんお見掛けしませんね……」と話し掛けられる 烈が如何に社内に目を光らせているかが、それだけでも解る 「烈は少し優先的にやって貰う事が出来たからな、そっちを優先して貰ってるんだよ!」 「そうなんですか、ならコレ烈さんに!」 そう言い社員達は烈の好きなカニパンやらヘルシーな豆乳クッキーやらを手渡して来る 康太はそれを受け取り「烈、人気あるな!」と痛感していた 建築を見回り、施工にも顔を出す マメな男は本当にこまめな気配りしちゃってて、烈の変わりは無理だな………と想った コレに更に社員の相談まで聞いてるんだよな? 社員達の目の前まで目線を下ろして親身に話を聞く 社員と上役との緩衝材的な役割は大きい 適度なガス抜きと喝を入れ気合いを入れ動かす それこそが源右衛門がやって来なければならない事だった 源右衛門が高齢でそれが出来なかったから、康太はかなり苦労させられた 潤滑作用が効いてる会社と謂うのは、こう謂う事なんだと痛感させられる出来事だった 康太は社内を見回り真贋の仕事の調整をする 康太は宗右衛門に馬関係の仕事は飛鳥井の会社から切り離すべきか?を相談するつもりだった 真贋と馬関係の仕事は建設に関係ない かと言って別の所に事務所を構えたら榊原が嫌だと反対するだろう ならば真贋は残して馬関係の仕事は別の所に移すか?と考えていた まぁそれも一度相談して決めれば良いだろう 社内の見回りを終わらせ、真贋の部屋に戻り仕事の調整をする 今は病院と菩提寺、そして蕪村と宮瀬、花菱を軌道修正を優先してやらねば烈だけでは荷が重いだろう……… 榊原と話し合って出した結論だった 仕事を終わらせて榊原と共に家に帰り、応接間を覗くと久遠はソファーの上で寝転がってダウンしていた 兵藤は「あ〜!どうしてこうもキレの悪い便秘みてぇに、後から後からブツブツ出て来やがるかなぁ〜!」と叫んでいた 烈が兵藤にウィダーインゼリーを渡して 「落ち着くよろし!兵藤きゅん!」と落ち着かせていた レイも「もうやらぁ〜!」と駄々をこいていた 「レイたん、ほらカンカンジュースよ!」と冷蔵庫から一本持って来てレイを冷やした 竜馬も「あ〜!ゲュタルト崩壊してるぅ〜!」と叫んでいた 「竜馬、目を冷やすにょよ!」と氷嚢を竜馬の目の上にドスンッと置いた 康太はそんな光景を見て「悲惨だな………」と呟いた 烈は「今夜はもう寝りゅのよ!みんにゃ!」と諦めて一旦寝る事に決めて口にした 兵藤は「だな、飯食ったら寝るべ!」と言ってウィダーインゼリーをチューチュー吸っていた 竜馬も「目を瞑っても文字が浮かんで……危険だわ……あぁ〜文字の羅列がぁ……」と氷嚢で目を冷やしていた レイは「もぉいやら〜!」と言いカンカンジュースをポキっと折って貰いカリカリ食べていた 慎一が「夕飯を先に食べたら寝ちゃいなさい!」と言い準備が出来てると呼びに来た ドヨーンと疲れ果てたゾンビがゾロゾロキッチンに行く 久遠は「オペの方が楽だ!俺はメス握ってられれば他の病院でも構わねぇよ!」とボヤいていた 烈が「せんせー!現実逃避駄目にゃのよ!」と叱って夕飯を食べさせた 竜馬は「ご飯に文字が………」と呟き 兵藤は「便秘にはなりたくねぇな!」とボヤき レイは「もぅいやらぁ〜!」と叫んでいた トホホな気分で宗右衛門は「儂だって逃避行したいわい!」と怒っていた 榊原はそれを見て「菩提寺の人選は……直ぐには辞めておきましょう!」と言った程だった ご飯を食べ終わると客間で皆で寝る 皆 泥のように眠りに着き、慎一が「かなり煮詰まってます!」と康太に伝えた 「まぁ病院の書類選考受付けは、まだ2日あるからな そりゃブツブツ便秘並みに履歴書は届くわな!」と明日から自分もその仲間入りなのか………と考えたら嫌になる その上菩提寺の僧侶の人選もあるのだ 悲惨な状況はまだまだ続くと謂うモノだった 翌日、朝食を朝イチで食べに来た烈に、康太は書類選考最終日まで履歴書が送られて来ても手を付けず、締切後に一気にやった方がお前達の消耗を考えたら、その方が良くねぇか?と提案した 康太は手伝うが、口を出す事はなかった 宗右衛門に任せた案件に口を挟む気はなかったからだ だが余りにも疲労困憊している烈達を見て、提案してみたのだった 烈はその提案に乗った 「にゃら経営に着いて打ち出さにゃいと駄目ね 今日は5時までそれを話し合う?」 「なら凛、椋、レイはどうする?」 「3人は幼稚舎に行って構わにゃいのよ その代わり、にーに達を休ませて欲しいのよ!」 「了解した、で、場所はどうする?」 「菩提寺の保養施設に行くにょよ!」 「なら学校休ませて慎一にベルファイア乗って向かう事にするわ! お前はケントと竜馬と久遠を連れて菩提寺の保養施設に行け!」 「解ったにょよ!」 朝から山盛りサラダを食べながら答える そこへ兄達が朝食を食べにやって来て、母から「今日は烈と共に動く事になったから!」と告げられた 烈は凛に「明日は竜胆達が菩提寺の経営について話をするにょよ!」と言った 凛は「おー!」と了承した 取り敢えず話が着いて、兵藤は烈の依頼で神威と別行動となった 菩提寺の保養施設に烈と竜馬が向かうと、康太と兄達は既に来ていた 康太達を送り届けた慎一は牧場へ出向き、根を詰めて馬の調教に当たっている弟と交代するつもりだった その後市場に出向き食材を買って帰って……と頭の中で一日の行動を立てて動き始めた 烈は兄達に今までの飛鳥井記念病院の経営状況を資料にして出して改善点を出して話し合う 経営向きな太陽は「完全予約制を謳っているのに、崩れていくこの現状は信用すらなくしているね!」と資料に目を通してマーカーを引いて要改善!と書いた 流生は「受付けと警備会社は何処にするか?あてはあるのかな?」と問い掛けた 烈は「警備会社は【R&R】か母しゃんの知り合いの蔵持警備保障を入れるか?で悩んでいるにょよ!」と言った 康太は「今回勝手に警備会社を変えたのにオレの所へ一報もなかったからな蔵持じゃなくてもオレは良いと想う! 【R&R】は暦也の知り合いに声を掛けて退役した警官や自衛隊の奴等がなってるんだろ? ならばそこと契約して大丈夫だと想ってる!」と言った 竜馬は話し合いの結果をPCで打ち出して行く そして休憩を挟む 話し合いばかりだと集中力を欠くからだ 康太は休憩中に烈に相談を持ち掛けた 「なぁ烈、馬関係は飛鳥井の会社から離して運営して行った方が良いかな?」と問い掛けた 烈は「それね、ずっと考えていたにょよ! 飛鳥井はずっと馬主として馬を持っていたにょよ!でもね、源右衛門がなる前は馬は切り離していた筈にゃのよ!」と謂う 「だよな?オレも今世転生して何故に?馬まで飛鳥井の会社の中へ置いたのよ?と想ったぜ!」 「それはやっぱ源右衛門が高齢だったから一纏めにしたんじゃにゃいかと想うにょよ!」 「ならば、どうやったら軌道修正が成される?」 「白馬、一生の牧場、馬関係は系列の子会社を立ち上げて管理経営しゅるにょよ! で、馬関係で長けてる人を篠宮にスカウトさせ働かせるにょよ! れんじも丁度良い位置にいりゅからね、GETして入れ込むにょよ!」 「ならば蕪村と宮瀬を軌道に乗せたら取り掛かるとするか!」 「母しゃんはにーにの中から誰を継がせるにょ?」 「それな考えてないわ………誰が適任だと想う?」 「かなにー!」 「大空か、ならば馬関係は大空を後継に据えて後を継がせる事にする!」 急に話を振られて大空は慌てた 「え?僕?僕は馬は解らないよ!」と言った 烈は「かなにーは優しいよ、馬にはその優しさが伝わるからね、馬を落ち着かせるかなにーなら出来るにょよ!」と言った 康太は「今決めなくて良い、だけど考えてくれねぇか?馬が好きなお前ならば、馬の気持ちが良く解って次代として馬を育てられると想っているんだ」と言った 「僕に出来るか?解らないからね 暫くやってみて駄目なら謂う、それで良いかな?」 「それで大丈夫だ!」 「かなにーはね、優しいから馬は傍にいても落ち着いているんだよ 白馬で馬に乗った時、かなにーの傍にいた馬は何時もリラックスしていたからね パドックに入る前の馬に逢える馬主としては最適にゃのよ 僕は馬は………服従はさせられるけど、安らぎは無理だからね、羨ましいって思っていたにょよ!」 「烈……僕に出来るかな?」 「気負わにゃくても大丈夫にゃのよ! 僕達兄弟は6人もいるにょよ! にーに達もボクも協力し合って果てへと逝くと、あの日朝日に誓ったにょよ!」 「だね、僕達は6人兄弟だもんね 助け合って生きて逝くと決めたもんね!」 大空が言うと流生が「そうよ!共に逝くと決めたのよ!」と謂うと兄弟は頷いた 大空は「なら母さん、決めるのは先でも、少しずつ学んで行きたいです!」と言った 康太は嬉しそうに笑うと「なら少しずつ覚えてくれ!そして答えを出した時、オレに聞かせてくれ!」と言った 烈は「にゃら真贋の仕事関係は会社の別部署で運営して行く事にした方が良いわね 父しゃんの目の届く範囲で尚且つ機能的 能動的に動けるサポートをする部署を立ち上げるにょよ!そして翔にーもそこで仕事を始めるにょよ! その部署でボクも2日に一回のそーえもんの仕事しゅるから! だからね秘書、増やさにゃいと回らにゃいわよ!」と言った 「秘書か、なら飛鳥井も事務員と秘書を募集掛けるか?」 「……………それは駄目にゃのよ 真贋の仕事よ?他の誰かにやらせられにゃいのよ 飛鳥井の中から動けそうなの選出して動かす 無理にゃら宗太郎、栄太郎、遼太郎を動かして回して行く、その為の飛鳥井の五つ子にゃのよ!」 「あの3人を色んな部署に盥回しにしていたのは、そんな理由なのか?」 「会社を知るにゃら、色んな所へ行かせにゃいとね、解らにゃいのよ!」 「そっか、ならばその様に動くとするか! で、何処に事務員を置くよ?」 「あのね、会長と社長と副社長と真贋の部屋を最上階に移すにょよ! で、会長と社長室をぶち抜き一部屋にする そしたらボクのそーえもんの部屋を真贋と副社長の部屋をぶち抜いて広くして下さい! そしてにーに達の部屋と秘書室を広くする!」 「だな、それ良いな 最上階はカフェとかやる気でいたが防犯上他は入れられなくて遊ばせているからな、移しても問題ねぇわな」 「なら来年年が明けたら、工事に入るにょよ 施工の社員が建築に入れるから………騒動は覚悟しにゃいとね!」 「工事費はどうするよ?」 「それにゃのよ、新年早々施工は社員旅行に行くにょよ! じぃしゃんが一緒に行ってくれるにょよ! だからね算出出来るお金にゃいのよ!」 「飛鳥井も研修に行かせてる分、費用は嵩んでて今動かせる費用は微々たるモノだな」 「しかもボク中古のビルを買っちゃったにょよ そして皆に旅行プレゼントしちゃったでしょ?」 そりゃお金は底をつきてるか……… 「だからね、隼人に頑張って貰いたいにょよ!」 「イベントか?やるのか?」 「そーにゃのよ!」 「場所は何処でやる気だ?」 「飛鳥井に有ったスタジアムどうにゃった?」 「あぁ、あれか持ってるぞ 企業団の野球チームはなくなったが、アマリーグに貸し出して維持費を捻出してる」 「そこで1週間、やりゅのよ! 隼人……ノーギャラ無理かしら?」 「それはほら、蕪村と宮瀬の教育終わった頃に神野を尋ねて交渉したらどうよ? お前は神野や相賀、須賀の事務員の手助けをしてやったんだ! 今少しだけ恩返しで貰ってもバチは当たらねぇだろ?」と言った 竜馬はそれを黙って聞いていて 「【R&R】の仕事か? でもノーギャラになりそうなお仕事だな」と笑った 「皆動いてくれにゃいかな?」 「まさか、ノーギャラだってなんのその! リーダーと仕事出来るならば喜んでやるさ!」 と嬉しそうに答えた 「にゃらリフォーム費用は確保出来るわね!」 「だな、楽しみだな! 細かい話はメンバーと蕪村と宮瀬の教育終えた後でこの場所で詰めて逝くとするか!」 「だね、さてと竜馬は宿題作りよ ボクらは経営の失敗をしない為に株主の見直しもこの機会にするにょよ!」と言った それで話し合いは再開した 久遠は黙ってそれを聞きつつ、医者の公募の中から選出されたリストを見ていた 同じ業界にいると大体はその医者の名前を知る 相当地方とかの医者からば解らないが、それでも医者のネットワークを使い調べる事は可能だった 珈琲を飲みながら、今まで出ている求人で集まった医者の履歴書、経歴書に目を通す そして気になる医者をチェックして見ていく、気の遠くなる作業だった だが今日の方が昨日よりは幾分マシだった 1時間に一度休憩を挟むし、飲み物を飲んだりして気楽に過ごせていたからだ しかし……飛鳥井の子供は大変だな………と久遠は想った 烈も兄達もまだ小学生なのにもう仕事しているのだから…… しかも大人顔負けの会議してるから………嫌 下手したら大人よりもシビアかも知れない そう想っていたら流生が「久遠先生、産婦人科も入れると謂う話はずっと遅延続きで医師も決まらない以上は今後は入れない方針で行って大丈夫ですか?」と問い掛けた 「当初はそんな話が出てたのは事実だ そして医者も確保出来る所だったが、その医者が契約目前で他の病院へ行っちまったからな 話は頓挫したままだから、今はもぉ無理だと想っているんだよ」 大空が「なら内科と外科と整形メインで今後は行きますか?」と問い掛けた 「耳鼻科と泌尿器科を検討中では有った この地域は高齢者も多いからな、遠くへ行けない患者の為に検討中だった」 久遠の言葉に翔が「ならば日替わりで医師に来て貰う事は出来ませんか? 少し大きい病院だと曜日で医師が来て診察しているの見ますけど、この病院では不可能なんですか?」と問い掛けた 「不可能じゃねぇけど………」 久遠が言い淀むと烈が 「その科が有れば楽になれるねって、食堂のおばちゃんや井筒屋のおばちゃんが言ってたにょよ せいぞうじぃさんも言ってたからね、皆喜ぶにょよ!」と笑顔で言った 康太が「総合病院に掛け合って見るのも手だな 医師の貸出しして貰うのが一番だな!」と謂うと久遠はかなり前向きになり現実味を帯びた話に夢中になって話し始めた 烈が「完全予約制にするならば、診察前に問診をしてカルテにチェックして患者の現状を把握して診察を受けさせるシステムを確立した方が合理的でだよね! 医者の前に座って患者の話を聞くのではなく、医者はある程度患者の状況を知って即座に対処法を考えられる その方がもっとサクサク行くんじゃないか?」と提案した 康太が「それ良いな、ならば准看護師とかに聞き取りとかして貰い、とかするなら准看護師も求人で募集しねぇとな」と具体的になって来た話を口にした 久遠は「ならば貸し出してくれる日を泌尿器科と耳鼻科を入れて、メインは内科、整形、外科と謂う事で完全予約制で、新規の患者は准看護師に問診させてから、緊急性があれば、と謂う感じになるのか?」と問い掛けた 康太は「だな、その方が重篤化しそうな患者を待たせる事なく対処出来るだろ? 問診で早く診察させないといけない状況と判断したら、予約制でも早目の対処をする 患者にはその事を明言して提起して知らせる! それを徹底させシステム化すれば病院は自ずと回り始めるだろう!」と納得の話し合いとなった 午後5時まで話し合い、案を出したモノを家に持ち帰り、もう一度シュミレーションして明後日に確実な話をもう一度して確定させる事にした 明日は菩提寺の話し合いだから、1日明けての話し合いとなった 久遠と康太は総合病院の院長にアボを取り、話をする為に榊原を呼び出して出掛けて行った 兄達は栗栖が迎えに来て習い事へと向かった 5時になると佐々木蔵之介と宮瀬那智がやって来た 手には対価となる品物を持ってやって来た それからミッチリ1時間、基本的な経営者としての聞き取りをして宿題を手渡した それを1週間続けた後に、本格的な意識改革を行う予定だった 1週間、本格的に意識改革をする前の聞き取りの為の話と今後の予定と宿題を出されただけで蔵之介も那智もヘロヘロになり帰って行った その後に【R&R】のメンバーを呼びノーギャラだけどイベントをやりたい!と話をした 「どうか協力してはくれぬか?」と宗右衛門は言い深々と頭を下げた メンバーは烈の頭を上げさせた ヘンリーは「僕らはさ経済的には困ってないんだよね、だからノーギャラでも文句は言わないさ!」と言った フレディも「あぁイベント出来るんだね、好きに創れる世界だなんて素敵じゃないか!」とワクワク言った イーサンも「ノーギャラなんだもの、縛りはないんだし好きに創れちゃうんだもんね!文句なんて言わないさ!」と賛成してくれた サムエルも「血が滾るなぁ、花火一発ぶっ放して始まる、あのワクワク感が堪らないんだよね!」と今から創作に燃えて何を創ろう?と考えていた ダニエルも「私は今回無から始まる世界を創りたい………あの日メンバーと離れて嫌になる程に考えていた…………もう考えたくない程に考えた でも答えなんて出なくて、そんな時に竜馬が逢いに来てくれた そして烈の怪我を知り……烈の機能回復訓練を影から見て涙した……… 私は【R&R】のメンバーでいたい リーダーと共に皆でモノを創りたい そう想ったんだ、そんな我等の第一発ならばノーギャラで良かったと想う だって企業の依頼ならばある程度のコンセプトは聞かねばならないし、それは嫌なんだよ ノーギャラでもさ、自分達の第一発ならど派手に行きたいよ!」と思いを吐露した デービッドは「我等は【R&R】だからね、始まりの花火でど派手に始まる、あの瞬間が好きやねん!後は夢中な世界感を作り出そうよ ノーギャラ、んなケチくさい事謂う我等やないねん!リーダー良く知ってるやろ?」と笑って言った 竜馬も「皆と離れて今一度考えようと謂われたあの日、俺は烈と何もない世界に旅に出たんだよ そこは本当に生きるのもやっとな何もない世界だった、だけどさ皆が必死に力を合わせて生きている、そんな忘れ去られた様な世界は音楽を知らなかった 烈は俺に皆に音楽を聞かせろ!と言った だけど聞かせるにしてもギターすらない世界で、俺は弦になるモノから試行錯誤で始めなきゃいけなかった、だけど皆がコレなんて使えないか?と気にかけてくれ、ギターを作って皆に音楽を聴かせたんだよ 音楽と謂うのを皆が初めて知り、俺の演奏で涙してくれた姿を見て………俺は皆の事を考えていたんだ!皆で【R&R】で創り出す世界が好きだと想ったんだ! リーダーと創り出す世界が好きだと想ったんだ だからさノーギャラだけど、再出発な俺等には相応しいと想わないか?」 と想いを語った 皆黙って聞いていて【やろうぜ!】と言ってくれた そしてデービッドが「竜馬だけ烈と旅に出てずるいねん!」と怒った 皆も、そーだ!そーだ!と竜馬を責めた 烈は「皆、沢山の客を動員して旅行の費用も捻出したにゃら、【R&R】と兵藤きゅんとで旅に出るにょよ!」と告げた 皆は盛り上がり「最高のイベントにしようぜ!」と約束した そしてイベントが始動したのだった 話は誰に出て貰うか?となった 烈は携帯を取り出すと神野に電話を掛けた ワンコールで出た神野に「ねぇ神野、烈、困ってるにょ!」と話され、何だかデジャヴュを感じていた 何か困った事が在る時『康太君 困ってるのよぉ〜」と電話してくる烈の母を思い浮かべていた 流石親子だ!血は争えない 『何ですか?烈、聞ける事なら聞きますとも!』 あれから烈は入院しているのにも関わらず篁と逢って、篁の気負った殻を剥がしてボロボロにしてイギリスヘ放りだした そして篁は生まれ変わり今や隼人と並んでも遜色のない俳優になり今や引っ張りだことなっていた また烈が見てくれイギリスへ送り出してくれた子らも帰国したらポツポツ仕事が入る様になって来て神野の事務所は結構潤って来ていたのだった 「あのね、隼人を一ヶ月ノーギャラで出してくれにゃいかな?」 『何かイベントをやるのですか?』 「お金にゃいのね、だからリフォーム出来にゃいのよ………」 至極哀しげに謂われ神野は言葉を失った 『解りました!話を聞きたいので逢えませんか?』 「ボクね今、菩提寺の横に建った保養施設にいるにょよ!怪我したからね学校休んでりゅのよ!」 『ならばそこへ行きます! 待ってて下さい!』 そう言い神野は電話を切った 烈は携帯をサコッシュに戻し 「うし!神野GET!」と嗤っていた 恐ろしやリーダー!と皆が思ったのは間違いなかった……… 暫くして神野は保養施設にやって来た 神野は相賀と須賀も連れてやって来た それが少し誤算だったのか?………烈はガーンとした顔をしていた メンバーはクスッと笑った 相賀は烈の姿を見ると「何で私に相談してくれないのですか?烈!」と駆け寄った 須賀も「そうです、我等も貴方が望むならば協力します!」と駆け寄った 烈は困った顔をして「ノーギャラにゃのよ………頼めにゃいのよ……」と言うしかなかった 須賀は「何故今イベントをしなきゃいけないのか?話して下さい、それによっては我等も協力出来るならば致します! 貴方には恩があります、それを返させて下さい!」と言った 「お金にゃいから、飛鳥井の大幅なリフォーム出来にゃいのよ 飛鳥井の家にもトラックが突っ込んだにょね、会社も改革しなきゃにゃのに、お金にゃいのね だからイベントをしにゃきゃ出来にゃいのよ」 お金がない……… 神野が烈から電話があったんだけど、お金がないから隼人をノーギャラで貸し出してくれって謂われたんだよ! ノーギャラで隼人を貸し出すのは簡単だけど、お金がないって尋常な話じゃねぇよな?と神野が相賀と須賀を呼び話をしたのだ まさか………と想い話を聞きに来た次第だった 烈は「あ、誤解しにゃいでね、飛鳥井建設は倒産の危機とかにゃいから!」と言った 相賀は「なら何でお金がないと話されたのですか?」と聞くから宗右衛門を出すしかなかった 「飛鳥井建設は絶賛改革中じゃからな、大幅なリフォームをせねばならぬのじゃよ じゃが飛鳥井の家にトラックが突っ込まれ門扉とドアを破壊される暴挙に出た輩がいたのと、飛鳥井記念病院も今休院中でな、大幅な改革を迫られておる その上菩提寺は勝手に担保に入れられておったからな、これから無効の裁判を控えておるのじゃよ!儂が出せれば良かったのじゃが、儂は家族や世話になった人等に旅行をプレゼントして、中古のビルを購入したからな金欠なのじゃよ! これまでに施工会社の配当金で主の事務所の改築費用に当てたり、社員寮を建設させたりしたからな配当金も今はない それだと大幅なリフォームが出来ないばかりか、改革も遅れる事となるから【R&R】のイベントで資金の調達を、と想ったのじゃよ!」 と説明した 神野は「あ、だから規制線張って通行止めだったのか……そう謂われてみれば門扉とドア変わってたよな?」と呟いた 話を聞いた相賀と須賀は壮絶な事になってる現状に言葉も出なかった 須賀は「ならばうちの事務所からもノーギャラで何人か出します!烈には我らの事務所の改築費用を出して貰ったり5人の教育を無償出やって貰いましたから、これ位の事はして当たり前です! もっと早く相談して下さいよ! 私では相談に乗れませんでしたか?」と哀しげに問い掛けられた 「そうではない、ノーギャラでしか出て貰えぬからな………隼人が働き過ぎだ一ヶ月位に休み取ってやる!と息巻いておったから、ならばその一ヶ月休ませるもんか扱き使ってやる気でいたから……隼人を指名させて貰っただけじゃ……… やはりなノーギャラなのがネックで主等には言えなかったと謂うのもある……」と言った 相賀は「我等はあの日………貴方達を見殺しにしたも同然だった………なのに貴方は恨み言の一つも言わず我等を許してくれ手助けまでしてくれた ノーギャラでも構いません……貴方の役に立つならば協力させて下さい! しかもノーギャラでも【R&R】のイベントに出た後から真矢と清四郎も仕事が絶えません そしてあの船上での撮影ですっかりおしどり夫婦で定着してトーク番組やバラエティー番組の出演も増えました そして貴方がイギリスへ送り出してくれた子達が戻って来て監督やスタッフの目に止まる様になり仕事も増えました! ならばノーギャラで抱き合わせで他の子も使ってみて下さい! そしたらノーギャラ以上の効果があるので、我等は喜んでどのタレントも差し出しますよ!」と言った 「相賀………」 烈は言葉もなかった 神野は「俺の胸の内に留めてはおけなかった! 隼人を貸し出すのは容易いし、ノーギャラでも【R&R】のイベントの後にまた成長した隼人が見られるならば喜んで出演させるよ! でも『お金がにゃいのよ』と謂われては黙ってられません! しかも康太と同じ様に謂われては、もっと黙ってられませんって! なので相賀と須賀に話をして来て貰ったんだよ!」と説明した 相賀は「飛鳥井の家にトラックが突っ込んだのにニュースにすらなってませんでしたよね?」と聞いた 「あぁ、あれね母しゃんが警察関係者に規制かけさせていたにょよ 正義は協力してくれたけど、他は知らにゃいのよ」としれっと言った 須賀は「この後飛鳥井に伺っても?」と謂う 「なら皆で行くにょよ! あ、でもお酒とツマミは忘れにゃいでね!」 とちゃっかり念を押す 【R&R】のメンバーは「僕らも行きたい!」と訴えた やはり烈は「お酒とツマミ買えば大丈びよ!」と謂う 竜馬が「予算は幾ら出す?」と問い掛けると相賀は「ならば私と神野と須賀で」と言おうとするのを、竜馬が遮った 「【R&R】のメンバーも一人一万円だします! 俺と烈も一万円だすので此方は8万となります で相賀さん達も一万円ずつ出して貰い全部で11万になるので、それで今夜のお酒とツマミを買いに出ます!食料は少し多目に買って下さい! 此れから打ち合わせとかに食べたりする事もあるので日持ちするのをお願いします! 5万円でお酒を買い込んで来て下さい 6万で乾物やら日持ちするのやツマミを買って来て下さい!」と言った 神野が「ならお酒を買う班とツマミを買う班に分かれるか!」と謂う するの8人乗り車を持つ【R&R】のメンバーは 「相賀、僕達とお酒買いに行きましょう! でも8人乗りだから何人かはツマミ班に乗ってね!」とヘンリーが言った お酒班は相賀を筆頭にヘンリー、ダニエル、サムエル、イーサン、そして須賀がなった ツマミ班は神野を筆頭にデービッド、フレディがなった 竜馬は烈と共に別行動となった だがちゃんと一万円は出して買って来て貰う事にした その日烈は母に「これ要るだろうから渡しとくわ!」と一万円を貰っていた 烈はその一万円をサコッシュの中のお財布を出して渡した 『母しゃんありがとう、助かったにょよ!』と烈は心の中で母に感謝していた そうと決まれば他の皆も一万円ずつ出し合って、手分けしてお酒買う班とツマミを買う班とで予算を手にして買い出しへと出向いた お酒を買う班はメンバー全員乗れる車で買い出しへGO ツマミを買う班は神野の車でGO 烈と竜馬は「烈の好きな干物買うっすか?」と言い横浜橋通商店街へと向う するとそこには神野もいて「烈、お前も魚買いに来たのか?」と問い掛けた 竜馬は「烈の好きな干物を買いに来たんすよ!」と答えた 烈は「此処は揚げ物、干物何でもありゅのよ だから慎一きゅんも来てるにょよ!」と慎一を見付けて走って抱き着いた 「烈、どうしたんだ?一人で来たのか?」と心配して抱き締めた 「今夜は宴会よ!慎一きゅん、見繕って! ボクはりゅーまに干物買って貰うにょよ!  予算は6万にゃのよ、でもねこれから話し合いとかもあるからね、日持ちする食品も欲しいにょよ!」と言った 慎一は目をキラーンと光らせて 「予算6万ですね、解りました なら刺し身ばかりじゃ脳がないので、色んなの買わせてみましょう!勿論日持ちするのも予算内で買って見せますとも!」とツマミの班に近寄りアドバイスをして買わせて行った 烈は竜馬に干物を沢山買わせて帰宅の途に着いた 飛鳥井へ帰ると既に両親が帰って来ていて、お酒を買う班のお酒の搬入を手伝っていた 「母しゃん!」と駆け寄ると康太が 「今夜は宴会か?」 と笑って問い掛けた 「そーにゃのよ 本当にゃらボクが奢らにゃきゃ駄目にゃんだけど、ほらボク今金欠だから……」 「相賀達は嫌ならば断るだろ? だから心配しなくても大丈夫だ!」 「母しゃん一万円ありがとう 助かったにょよ!」 と烈は礼を言った 「朝お前を視た時一万円要るって思ったからな! で、その一万円が宴会に化けたのかよ?」と康太が言うと烈は笑って 「そーにゃのよ!」と言った 康太は笑ってビールのケースを持って手分けして持って家へと入った そのビールのケースを康太から渡して貰い竜馬はキッチンへと運び込んだ そこへツマミ班が帰宅してシャッターが降ろされた 神野が山のような袋を手にして降りようとすると、慎一も手伝い共に家の中へと運び込んだ 日持ちするのを沢山買ったから、かなりの荷物になった だが今日の宴会は屋台とかで食べるおでんや御浸し、干物とかなりバリエーション豊富なモノになった 慎一がせっせと料理するのを榊原も手伝い仕上げて行く 二人で協力しあい時短で圧力鍋や電子レンジをフル活用しながら作り続けた   榊原も結構楽しんで作っていた 久しぶりの料理だったから、作るのが楽しくて……………気付けばかなりの量の料理を仕上げていた 一生はそれらを客間に運び込んだ 烈は祖父母に「宴会開くにょよ!」とラインした するの即座に既読になり『直ぐに行くわ!』と返信があった 『笙夫妻も大丈夫?』 「大丈びよ!」 返信すると『ふふふ、直ぐに行くわ!』と返って来た 烈は兄達に「ばぁたん達来るにょよ!」と伝えた 流生が「了解なのよ!」とインターフォンが鳴るのを待ってくれた インターフォンが鳴ると流生が「はい、今開けます!」と謂うと大空がドアを開けに向かった 真矢は「門扉とドアどうしちゃったの?」と家に入るなり問い掛けた 大空はトラックが突っ込んだと説明した 真矢と清四郎は驚いていたが、部屋へと入った 直ぐに客間に通されると皆が席に座っていた 笙は烈に「これお土産!本当にありがとう!」と礼を述べた 烈は明日菜を視た 艶々になり色気を帯びて笙が頑張ったのが伺えられた 烈は何も謂わずお土産を受け取り、兄達と明日お土産を食べる事にした 烈は真矢に「ばぁたん 烈ねお願いありゅにょ!」と言った その言い草に康太は思わず吹き出した 榊原が「康太!」と言い片付けた そこへ兵藤が神威を連れて戻って来た 美味しそうな匂いにつられ神威はちゃったかり清隆の横に座って飲み始めた 兵藤は康太に「どうしたのよ?」と問い掛けた 康太は答えなかった 真矢は「烈、康太が吹き出しちゃったから、もう一度言ってくれる?」と言い 「あのね、ばぁたん 烈ねとても困ってるのぉ〜」と謂う 兵藤は腹を抱えて爆笑した 一生も聡一郎も隼人もその場にいて収集が付かない程に爆笑していた 神野が「デジャヴュを覚える頼み方されたので、もぉね困りましたよ しかもお金にゃいのよ!でしたからね」と事情を話した 兵藤は笑うのを止めて「コイツ怖いわ……何処まで康太に似てるのよお前………」とボヤいた 康太は「オレはお金がないは言った事ねぇぞ!」と文句を言った 真矢は「お金がないの?烈?無駄遣いしたの?」と問い掛けた 「違うにょよ、ばぁたん……門扉とドアと会社のリフォームするお金がにゃいのよ」 「あら、そうだったの? ならばぁたんが稼いで払ってあげましょうか?」 真矢がそう謂うと清四郎も「ならばじぃたんも頑張って稼いで払って上げますとも!」と言った 笙は「僕は烈に返せぬ恩を感じているからさ、幾ら要るかは知らないけど、払う手伝いはしてあげるよ!」と申し出た 明日菜は「会社のリフォーム?施工ですか? でも施工は新しいビルに移ったばかりでは? ならば建設の方ですか?何処をリフォームするのですか?」と問い掛けた あ、此処に秘書がいた………と烈は思った が烈は「この話しは終わりにゃのよ!ばぁたんとイベントやろうと想ったにょが間違いだったにょよ!」と言った 烈は頑固だから終わりと言ったら終わりなのだ それを皆が知っているから、兵藤は「お前は本当に康太の子だよ!」とボヤいた 榊原は「それ、何処で覚えたんですか?」と問い掛ける するの「それ?どれ?」と烈にはサッパリ解らない風だった 「うしうし!それより烈、今回のツマミ様変わりしてて美味しそうだな!」と話を無理矢理変えた すると神野もそれに乗り「慎一に見繕って貰い色々と買ってみたんです! 俺がツマミ班だったからどれにしよう?と悩んでたら烈が慎一を連れて来てくれたんだよ!」と言った 慎一は「横浜橋通商店街で買いました!」と言った 其処からはレシピを聞かれたり、もう既に違う話となった 夜も更けて烈が眠たいにょ!と謂うとどう謂う訳か瑛太が烈を部屋まで連れて逝くと言った 烈は瑛太に総代の部屋まで連れて行かれた 瑛太は「お金がないとは?」と問い掛けた ひょっとして旅行とか烈が出していたから、お金がないのかと心配した 烈は宗右衛門を出して瑛太に説明を始めた   「飛鳥井建設を大幅なリフォームを入れるのじゃよ!それに伴い馬関係の事務所は他に立ち上げると決めた 飛鳥井建設の今ある役員部屋を最上階へ移動させ、現状の部屋を烈ら兄弟の部屋と宗右衛門の部屋と秘書室に振り分けて部屋を大きくする エレベーター5階止まりにして、5階から上はエスカレーターを着けて、それで上へ上がる構想もあるからなリフォームをするなればお金がないのじゃよ!それは既に真贋には話は取っておる 真贋も今世馬関係まで飛鳥井にあるから不思議に想っておったそうじゃ、まぁ源右衛門が高齢だったから、一纏めにしたのであろうが、馬は飛鳥井の会社と切り離して考えて逝かねば真贋の肩に費用が担わされてしまう 今の現状が異常なのじゃよ それと真贋の仕事、宗右衛門の仕事を担う部署を作り、管理させ働かせる事にした それにより次代の真贋は独り立ちして仕事をせねばならなくなる! もう猶予を与える時間は終わったのじゃよ!」 「ならば、そのリフォームをする費用がないと謂う訳なのですね?」 「そーよ!だから【R&R】でイベントして費用を捻出するつもりにゃのよ!」 その為の相賀達だと謂うのだ 瑛太は烈に深々と頭を下げた 「本当に………申し訳ない 本来ならば我等大人が担わねばならぬ荷物なのに………」 「仕方にゃいのよ ボクはきっとそんなに長生き出来にゃいからね 今踏ん張らにゃいと明日へは築いて行けにゃいのよ………だから今躍起に動いているだけにゃのよ」 「長生き出来ない? 何故にそんな事を謂われるのですか? 我等が貴方を追い込み過ぎたからですか?」 「違うにょよえーちゃん 今世のボクは弱過ぎるにょよ 怪我もね一ヶ月経ってもにゃおらにゃい…… そして発音もにゃかにゃかなおらにゃい こんなんだからね、幾つまで生きられるか? 解らにゃいのよボクも……」 「宗右衛門を欠いて明日の飛鳥井は成り立ちません!そんな縁起でもない事を謂うのはお辞め下さい!」 「だね、でもレールは敷かにゃいと明日へは続けなゃいのよ! 母しゃんが視た明日が狂って来てるからね 此処で軌道修正欠けとかないと………明日はにゃいのよ……えーちゃん」 「烈ばかり苦労しなくても我等大人も頑張りますから………」 「にゃら父しゃんに頑張って仕事上げて貰うにょよ!」 烈が言うと瑛太は「やぶ蛇でしたね!」と笑い話し合いを終えて烈を抱き上げて部屋まで送って行った そしてその足で客間に行き、康太と榊原を呼び出して総代の部屋に連れて行った 康太は総代の部屋に入るなり 「あんだよ?瑛兄?」と問い掛けた 「烈が長生き出来ないって本当なんですか?」と単刀直入に聞いて来た 榊原は部屋に入る前に瑛太がとんでもない事を謂うから榊原は動きを止めて固まってしまった 「それ本人が?」 「ええ、本人が言ってました」 「まぁ今世の宗右衛門は魂が消滅するアクシデントがあったり、真矢さんが高齢だったってのもあり母体に十分な栄養が行かなかった話はしたやんか………だから烈は皮膚が弱いから傷の治りも悪い それとは別に命を狙われているから気が抜けないのもある…… 烈は長生き出来ないと常に言っている 死の影が消えた筈なのに言ってるからな、今度聞いてみるわ!」 「宗右衛門を欠いた明日など想像するだけで、絶望しかありませんよ?」 「当たり前じゃねぇかよ! んなに簡単に逝かせる気なんてねぇからな!」 「ならば安心です………変なことを聞きました リフォーム、会社でも幾らか捻出が出来ませんかね?烈だけ背負わせるのは酷です!」 「烈だけに背負わせたりしねぇよ! でも飛鳥井は今研修に出したりしてるからな 費用を捻出を考えるのは無理だと想う コロナ禍を生き残りこれから確かなレールを敷いて逝かねばならないのは解るんだけど、リフォームは流石と桁が違うからな……」 「トラックの会社………夜逃げしたと神威が怒ってましたから無理そうですね…… と謂う事は門扉とドアのリフォーム資金も視野に入れて、ですか?」 「それと【R&R】で旅行を考えているから、そこまでの費用の捻出を考えているんだよ」 「そうですか、この家の保険は使えませんか?」 「トラック突っ込まれる事を想定した保険じゃねぇからな……一応検討するとは言ってくれたが難しいな…………あ〜何か腹が立って来た! 絶対に黒幕に支払わせてやる!」 と康太は叫んだ 瑛太は「呼び付けて申し訳なかったですね 私はもう寝ます………君達も明日に響かぬ様に!」と言い総代の部屋を出て行った 客間に戻ると何故かシーンとして何やら話していた 康太は「あんだよ?飲んでねぇのかよ?」と問い掛けた 真矢は「ノーギャラで飛鳥井の門扉とドアが入るならば、幾らでも協力するわよ!」と言った 清四郎も「ノーギャラ以前に孫にギャラなんて請求したら……事務所辞めるに決まってる!」と真顔で言った 隼人は「神野、オレ様の弟が困ってるのだ! ギャラなんて請求したら他へ移ってやるのだ!」と言った 神野は「請求なんてしないって!」とトホホと情けなく言った 相賀も「真矢、清四郎、私は烈に対しては全面的な協力を約束しているのです!」と言い宥めた 笙も「ならば僕もそのイベントはノーギャラで出演させて下さい!烈には返せぬ恩がある そして…………烈を裏切る事した僕等を許してくれた烈に返さねばならないと思っています!」と言った 兵藤は「トラックの会社は夜逃げしちまったからな、家のリフォーム代も会社のリフォーム代も【R&R】の旅行代も考えた費用捻出のイベントなんだろ?」と口にする 須賀は「トラックの会社夜逃げしたんですか? 犯人は捉えられている今、リフォームの費用が嵩みますね………」と考えて謂う 康太は「別に家のリフォームは家族で出し合えば良い話だよな?母ちゃん」と謂うと玲香が 「あぁ、我等だとて貯金はあるからな!」と言った 「だが宗右衛門は踏み倒された事だけ視野になんか入れてねぇんだよ! まぁ踏み倒されたのは現実だけど、それだけじゃねぇ、会社の方も大幅なリフォームをしねぇとならなくなったのは、オレの視ていた果てが大幅に狂わされて来ているからなんだよ! 神野の事務所も須賀の事務所も運気を詠み配置した筈だった なのに今の現実はどうだ?狂って来ているんだよ それを烈が正しい道へと軌道修正してくれた あの場に今もいたならば、神野、須賀、相賀の事務所の明日はなかった………… 本当に宗右衛門には頭が上がらねぇ……それが現実なんだよ」 皆は言葉もなかった 兵藤は「烈を長生きさせたかったから、宗右衛門が繋いだ果てへと行きやがれ!」と言った 康太は驚いた顔をして何で………と言った 「お前さ、総代の部屋のドア閉めたのかよ? この客間は総代の部屋の近くだって気づいてるか?」 康太は榊原を見て「ドア閉めてねぇのか?」と問い掛けた 「僕が部屋に入り切る前に話を始めたのは君でしょ?」 まさか筒抜けになるのは想っていなかった 真矢は「私が妊娠の時栄養を沢山与えられていたなら…………」と悔やんでいた レイが真矢に抱き着くと、流生、翔、音弥、太陽、大空に凛と椋も抱き着いた 「あら?ふふふ、大丈夫よ! 私は悔やんでる暇なんてないんですもの! 康太が簡単に烈を逝かせるものですか! ふふふ、レイもね、そうでしょ?」 「うん!ばーたん、れいぎゃんびゃる!」 真矢はレイを撫でて「ばぁたんも頑張るわ!」と言った 凛は「ばぁたん きゃっこいいぞ!」と言った 太陽は「凛、君さただでさえ暑いんだから!」と言った 清隆は「凛は昔の康太みたいで見ていて楽しいです!」と言った 玲香も「そうじゃな!美代子先生のスカート捲りせぬだけマシじゃな!」と笑って言った レイが「そんなきょとちたら、けりとばちゅ!」と謂うと椋も「そーよ!らめよ!それ!」と言った 凛は「んなきょとちねぇよー!」と騒いだ 皆が笑って過ごしていた レイは立ち上がるとペコっとお辞儀をした 「おやしゅみにゃしゃい!」 と言いスキップして「れちゅ」と客間を出て行った 兵藤は「あんなやんちゃな子を遺して行けねぇって!」と言った 皆は頷いた 神威は黙ってその光景を見ていた そしてその夜……飛鳥井を後にして消えた

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