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第34話 勇往邁進 ❸

翌朝、烈は起きようとして起き上がれなくて、金縛りにあったのかと想った 身動き取れぬ現状に「きょまったな…」と想った そこへ朝起こしに来た流生に「烈どうしたの?起きれないの?」と問い掛けられた 「かなちばり、にゃのよ!」 烈は訴えた 「え!!!金縛り!……大変なのよ!」と流生は慌てて母に 「母さん、烈が金縛りに遭って動けないって!大変よ!直に来て!」と呼びに行った 康太は慌てて烈の部屋に行って現状を把握しようと駆け込んだ 「烈!金縛りだって!」 「そーにゃのよ………母しゃん、動けにゃいのよ」 藻掻く烈を目にして康太は虎之助をポイッと流生に放り投げた それを慌てて流生は受け取り「次行くぞ流生!」と謂うと流生は虎之助を床に下ろした そして抱き着いているレイをポイッと流生に放り投げた 流生はレイを受け取り「これで起きれるぞ!金縛りじゃなく虎レイ縛りだったな!」と笑った 烈は起き上がり「良かったにょよ~」と胸を撫で下ろした そこへ兵藤と一生と榊原がやって来て何があったのよ?と問い掛けた 康太がレイと虎之助の所為で起きれなかったのを、金縛りだと烈が騒いでいた、と説明した 兵藤は爆笑した 一生と榊原も笑っていた 「手がちびれた……」と上に乗られていたから手が痺れてると訴えた 康太は流生の手からレイを兵藤に放ると、兵藤は慌ててレイを受け取った 「レイの部屋に行き支度頼むわ、今日は私服な!」 兵藤はレイを小脇に抱えて「了解!」と言い2階へ向かった 流生は手が痺れている弟の世話を焼きパジャマを脱がすと洗濯袋にいれて着替えさせた 着替えが終わると翔は兄弟の洗濯を始めた 手の痺れが治ると烈は、掃除をして雑巾がけをしたりと何時もの掃除を始めた そしてキッチンに行き朝食を食べると「母しゃん傷が痛いにょ」と訴えた 「そっちの手は……虎が乗ってたわ」 「もぉね怪我した時は離れてほちいわね!」とボヤく 「それは無理だろ?お前に惚れて貴史を諦めさせた執念の猫だかんな………」 客間で寝ている客は起きて布団を畳んだら応接間に行き軽い朝食を取っていた だが兵藤は応接間ではなくキッチンで朝食を取っていた 兵藤は「んとにな、あの猫はイオリと同じ手を使いやがって!」と腹を立てていた 烈は「返す?」と聞くが兵藤は「あの猫が還るかよ!」と言った 「大丈夫だ、烈!オレは清四郎さん夫妻に猫と犬は貰っているし、桃太郎がいるからな!」 「桃ちゃんか、ガルたんと虎たんと散歩してると逢うんだけどね、桃ちゃん最近兵藤きゅんと、散歩できなくて寂しがってたにょよ!」と言った 「え?お前って犬語解るのか?」 「解らにゃいわよ!桃たんが尻尾ダランと垂らして歩いてる姿は可哀想過ぎるにょよ!」 「あっ!そう謂えば俺、最近桃の散歩行ってねぇわ! 親父が桃の散歩してるのか?」と問い掛けた 「美緒たんよ、散歩してるにょ!」 「美緒か、悪い事してるな そんな歩き方なら美緒は困ってるだろうな」 「そうね覇気がなさすぎ!と怒ってたにょよ!」 兵藤はたらーんとなった 「烈はガルと虎とで散歩してるのか?」 「そーにゃのよ、走りまくるからね、ガルは そーちゃんの手を縫わせた奴だから大変にゃのよ、じぃしゃんも転ばせから、もぉ誰も散歩に行かにゃいのよ」 「お前は大丈夫なのか?」 「ボク?ボクは大丈びよ! もぉガルの散歩はボクしか出来にゃいもん」 「え?それはどう謂う事よ?」 「ガルはね宗右衛門に怒られるのは嫌なゃのよ 暴走して走ったら喝入れるとね大人しくにゃるのよ!」と笑った そこ全然笑えないんだけど……… 客間で朝食を取り終えた相賀、須賀、神野は烈に【今度時間を作ってくれたならば、相談に乗るし是非ともイベントやりましょう!我等は全面的な協力を約束します!】と言い還って行った 烈は朝食を食べ終えると「凛、椋、レイ、今日は菩提寺の話し合いにゃのよ!」と言った そして兵藤の横で朝食を食べてる竜馬に 「今日はりゅーまはどうする?」と問い掛けた 「俺は蔵之介さん達の宿題作ってるから、一緒に菩提寺に行ってそれをやるわ!」と言った 「にゃら6時からイベントの話をするにょよ ボク、コンセプト考えにゃきゃ!」 竜馬と話していると兵藤は「菩提寺の話をするなら、俺は今日は久遠を連れて医師会の方へ美緒と共に出向いても良いぜ!」と言った 康太は何も謂わなかった 烈は「頼めるかしら?兵藤きゅん」と言った 「おー!その代わり夜話をしようぜ!」 「にゃんの?」 「それはその時になれば解る!」と言った 朝食を取り終えると、それぞれに散らばり目的に向かって自分の場所へと向かった 烈はケントに護衛され竜馬と共に保養施設へと出向く 康太は慎一にちっこいのと共に保養施設ヘ送って貰った 康太達を下ろすと、慎一は牧場へと向かって走って行った 保養施設に逝くと竜馬は少し離れた場所でPCを開いて何かを作り始めた 烈は皆に資料を渡すと、話し合いを始めた 一応 凛、椋、レイに菩提寺が置かれている状況を教えて考えてくれ!と言った 竜胆は「巫山戯るなよ!菩提寺を抵当に入れてたぁだとぉ〜!もぉなこんなに腐っているなら飛鳥井の人間は排除しかねぇわな!」と言った 康太は「それ宗右衛門が言ってたわ! 一応 無効裁判を開いて、融資をした銀行とも話し合いを始める事になる! それはオレと弁護士とで何とかするわ!」と告げた 東矢は「なら今後の運営方針ですか?」と問い掛けた 「そうよ!僧侶は何とかなるとけど、寺の従業員は………会社とかの求人で取っても仕事が出来るか?解らにゃいのよ!」 「菩提寺で働かせられそうな奴、いねぇのか?宗右衛門!」 宗右衛門は黙ったまま考え込んでいた そして意を決して口を開いた 「真贋、倭の国にかの国の教団の信徒はおったではないか!」 宗右衛門に聞かれ康太は「おぉいたな!」と答えた 「あの中の力を持つ者を兵藤貴史にチョイスして貰い綺麗の施設の系列で、洗脳を専門で解く施設があるのじゃの! そこで巫女の代わりになれぬか?力を測定して貰って素質は申し分はないと判断が出たが………洗脳は解くのが厳しくてな………」と口籠った 康太は「やっぱ捕まった中に力持ちいなかったからハッタリかよと思ったが、お前らが間引いていた訳ね!」とボヤいた 「力持ちは重宝されるべき存在じゃからな 正しき道へ戻そうと思ったが……洗脳が解けぬのじゃよ!」 「それってレイの水でも駄目なのかよ?」 「全く駄目じゃった! その内抜け出して何やらやるかも知れぬから、今は投獄させて刑期を全うさせるしかないと想っておったのじゃよ!」 「解けねぇ洗脳って在るのかよ?」 「脳ごとイジられておったから無駄じゃった!」 「え?………それって………頭にチップ埋め込んだとかじゃなく?」 「脳ごとをイジられて変形しておったのじゃよ 唐沢が出て来て何処かへ送還しておったから何処かの研究室か何かに連れて行ったのかもな! でも気を付けねば力を発動させたら巻き込まれて人間爆弾になってしまうからのぉ〜」 「え?ならばお前らはどんな風に収容していたんだよ!」 「それは内緒じゃよ!」 と言い目にも止まらぬ速さで 「呪術を施しどんな衝戟にも対応出来る金属で出来た牢獄に入れて総てを遮断させたのじゃよ!」と書いて康太が詠み終わると燃やした 康太は「そこまで………」と言葉を失っていた 「真贋、今一度飛鳥井の過去の一族も遡って力の有ったモノを鴉に探らせてくれぬか?」 「了解!巫女を増やさねば、恵美が姫巫女になるまでまだ少し在るからな………」 と雑談して、また話し合いをして明日は康太は新卒の僧侶の面接にレイと城之内と共に逝く事になった そして5時になり蔵之介と那智がやって来て、宿題を確かめて答え合わせをする そしてダメ出しして予習復習して来い!と次の宿題と今回の宿題の直しを書いて来る様に言い付けた それか6時から【R&R】とで話し合う まずは誰を出すか? それが決まらないと世界感が決められないから、誰を出演させるか、を話し合った そして夜7時になると兵藤が烈を迎えに来た 「烈、話し合いをしようぜ!」と謂うと兵藤と共に烈は何処かへ消えた 竜馬はケントと共に飛鳥井の家に還った 兵藤は烈を崑崙山にある烈んちに連れて来た 椅子に座ると兵藤が紅茶を淹れに行った で戻って来ると烈の前に紅茶を置いて自分の前にも紅茶を置いた 「お前さ、死の影消えたんじゃねぇのかよ?」と兵藤は問い掛けた 「あぁ、それね、死の影は消えてにゃいわよ!」 「え?それはどう謂う事なんだよ!」 「消えるでしょ?そしてまた影が出来て……消える そして金龍に殴られた時、ボクは死の影が有ったにょよ! そして意識が戻り見ると消えてた だけどまた死の影は出来ていて………これが続くにゃら長生き出来そうもにゃいと想っているのよ」 それで納得した 兵藤は「星詠みの婆婆に一度聞いて来るか?」と問い掛けた 烈は頷いた 烈だって不安なのだろう…… 外に出ると兵藤は朱雀に姿を変えた そして烈を乗せると星詠みの婆婆の所まで向かった 星詠みの婆婆は朱雀の訪問を詠んで待っていた 烈を見るなり「待っておったぞ!烈」と言い朱雀と烈を迎え入れた 星詠みの婆婆は烈に「烈よ、主はどの星を詠んで、どの星を決めて視ておるのじゃ?」と問い掛けた 「そーえもんの星にゃのよ!」 「そうか、なればその星は捨てられよ!」 「え?どう謂う事にゃの?」 「主は聖神の星と烈の星を持っておる! 烈の星は強運であるからな、烈の星を今後は詠むが良い! そして宗右衛門の星は………心の中で破壊の呪文を唱えられよ! そすれば宗右衛門の星は消滅し、細工は出来ぬ様になるからな!」と告げた 「それしかにゃいの?」 「それしか定めからは逃れられぬ! 宗右衛門の星は【無限に葬る想送歌】を刻まれておるからな、幾度も幾度も死にそうになって消えても、直ぐにまた死の影が忍び寄るのじゃよ! もぉそうなっては祓うのは無理じゃから、星を消滅させるしか手はない!」 「にゃら烈の星にゃら大丈びにゃの?」 「主の魂を救ったのはオリンポス十二神が一柱ヘルメースであろう? そして今は同化しておるのであろう? なれば、テスカトリポカ程度のモノなれば手は出せぬのじゃよ! 格が違うのじゃよ!オリンポスの十二神と謂う存在は………夜を支配する神なれどヘルメースは魂の導者として冥府を行き来出来る唯一無二の存在 そして今も聖鳥も主に仕えておるのであろう? なれば下手なモノなど近寄れはせぬのじゃよ!」 「にゃら宗右衛門の星は破壊するにょね!」 と言い烈は瞳を瞑ると、深く深呼吸をした そして長ったらしい呪文を唱え始めた 星詠みの婆婆は朱雀を離れた席に座らせてお茶飲み始めた 烈は目を瞑り自分の星を思い描き破壊の呪文を唱える 朱雀は「破壊の呪文って破滅の序章みたいなモノなのか?」と問い掛けた 星詠みの婆婆は「破壊は賢者が天動説を説いた日から、始まる呪いの様なモノじゃよ! 破壊が正常に行われるか幾つかの星を破壊して、その呪文は受け継がれて今に至る 多分………聖神が最期の継承者であろうな………」と説明した 朱雀は言葉もなく聞いていた 烈は只管呪文を唱え続けた かなり時間を要して、烈は天に手を伸ばして何かを掴む仕草をした 拳を握る手はプルプル震えていた 烈が立ち上がり天を仰いくと静かに泣いていた 「宗右衛門として生を成して以来儂の為に輝いてくれていた星じゃった………儂を照らし続けてくれた星じゃった………」と泣いていた 朱雀は宗右衛門の星が消滅したんだと想った そして烈の星を探す……ヘルメースと同化して烈の星を探し同化させる 此れより星の導きはこの星、烈の星を詠むと決めた 総ての作業を終わらせるまでにかなりの時間を要した すべての工程が終わると烈は待ってくれていた兵藤に深々と頭を下げ 「ありがとう兵藤きゅん」と礼を言った 朱雀は星詠みの婆婆に礼を言い帰宅する事に決めた 崑崙山に出ると、そのまま人の世に向かい飛び立つ 飛鳥井の屋上に下りると、太陽はカヤカヤ輝いてかなり上に上がっていた 屋上から出て自分の部屋に入るとレイが待っていて、烈の姿を見ると飛び付いた 「れちゅ、みっかもどきょいってたにょ?」 烈は「3日………3日も経ってるの?」と唖然となった 「ごめんねレイたん」 「れちゅ!」と抱き着くと虎之助も負けずと烈に飛び着いた 「虎たんレイたん……」と困っていると康太がやって来て「取り敢えず着替えろや!烈」と言った 烈はまず洗面所に行き歯を磨き顔を洗うと、部屋に入り着替えを始めた そして【R&R】のスーツに着替えると、鏡を見てゴムのネクタイをはめた そして部屋から出ると、康太が「なら行くとするか!」と言った 「母しゃんごめん!」と烈は3日も過ぎてるとは思わず謝った 康太は「まだギリ何とかなった、でもこれからはお前がいなくば進められねぇからな!」と言った 「解ってるにょよ!」 康太は「腹は減ってねぇか?」と謂う 「兵藤きゅんは?」 「着替えに行ってる 戻って来たら飯食って出掛けるぞ!」 「了解にゃのよ!」 キッチンに向かい冷蔵庫から山盛りサラダを取り出し烈の前に置く そして作り置きしてくれてるおかずをレンジでチンしてテーブルに置く ご飯をよそい準備が整うと兵藤がスーツに着替えてやって来た 兵藤は飯を食い終わると「今日は何を決めるんだよ?」と問い掛けた 「今日は飛鳥井記念病院の面接だよ!」  「おっ!全部出揃ったのか?」 「お前等が消えて3日過ぎてるからな、そろそろ現実的に動き出さねぇと病院の存在意義が損なわれるからな!」 「うし!ならサクサクやるぜ!」 兵藤が燃えていると、烈は「りゅーまは?」と問い掛けた 「竜馬は既に久遠達と面接会場に行ってる!」と言った 烈は慎一が運転するベルファイアに康太と兵藤とレイと共に乗り込み面接会場となった桜林学園の体育館へと向かった 冬休みに突入したと謂う事もあり、初等科の体育館を借りれないか?と神楽四季に打診したら、快く了承してくれたから、桜林の初等科の体育館で面接は行われる事となった 体育館の中へ入って行くと、ブースが作られ面接会場は既に整っていた 竜馬は烈を見付けると駆け寄り 「烈、何処に行ってたんだよ!」と心配して言った 「ごめんね竜馬、長年傍にいてくれた存在に別れを告げて来たにょよ……」 竜馬はそれなら仕方がないと切り替えると 「無事で還ったならば安心だよ! でもさ3日も行方不明だったからさ、総てが押してるの解ってる?」と言った 「解ってるにょよ!りゅーま!」 と謂うと面接会場へと入って行った その後を追い康太は兵藤に 「貴史ありがとうな、烈を長生させらる道を辿ってくれて本当にありがとう!」と礼を言った 「よせよ!俺はどうやら宗右衛門の所に預けられるらしいからな、預け先に死なれるのは夢見が悪かったんだよ!」と茶化して言い 「それより俺は残りの履歴書見てねぇのに……」とボヤいた 「大丈夫だ!貴史、んなに凄いの来てなかったから!」と言った 面接会場には院長の久遠を始めとして義泰も志津子も並んでいた そしてどう謂う訳か、長澤清三市長が面接会場にいて面接する気バンバンだった 「今日は私は飛鳥井烈君の友人の清三じぃさんと謂う事で、お願いします!」と言った そして久遠の手を取るとブンブン振り回し 「宜しく先生!我等年寄りが通院しやすい院内に1日も早く戻して下さい!」と言った 久遠は「はい!そのつもりです!」と答えた 清三じぃさんは「今回の事が有ったからね、この病院の株を私個人でも購入するつもりだよ! それで不正もなく公正に運営されるのであれば、私が年寄りを代表して買うつもりです!」と言った そして更に続ける 「総合病院でもない機械を入れる予定なんだろ? ならばその助成金も市の方で検討して議会に掛けたいと想う!」とまで言った 久遠は言葉もなかった 面接会場の面接人の前に名札が貼られ、面接者からも解りやすくした 【清三じぃさん】はフルネームではなく、本人の希望通りに明記した 今回の面接は准看護師、正看護師、受付、医事課の事務員の面接となった やはり解る者には清三じぃさんの正体が解っているのかざわついていた 烈は飛鳥井宗右衛門と明記した 飛鳥井の面接同様、一人ずつ面接者用のブースの前の椅子に座り順に面接をする 飛鳥井志津子、義泰、飛鳥井家真贋 飛鳥井宗右衛門、清三じぃさん、貴史、竜馬、そして院長 久遠の順に一つずつ面接を終えたらズレる形式の面接が始まった 面接はその会場に集められている時から既に始まっていた 翼と西村が面接者をブースの横に整列させて行く その時の態度、身形、爪までチェックされ、話し方、面接を受けた動機、病院に働くでしたら貴方はどんな働きをしてくれるか?をランダムに質問される 同じ質問をされるのだが、ランダムだから、その質問が何時されるかは?解らない 隣の人がその質問されいても、次自分にその質問がされる事はない それで動揺したとしても、光るモノが在るならば、それを見抜いてその他でチェックを入れる 朝から始まった面接は総勢40人と謂う枠に100人近く集まったから、かなりの時間を要していた だが面接は妥協される事なく、一人一人に時間を用いて行われていた 昼休憩を挟んで、再開された面接は3時に総てを終わらせて、面接は終わりを告げた 兵藤がマイクを持つと 【これにて、飛鳥井記念病院の面接を総て終わらせて戴きます! 採用試験の結果は後日、自宅に書面にして発送致します! 最低でも1週間以内には全員に合否を送付致します! 面接を受けにお越しの皆様、お気を付けてお帰り下さい!」とアナウンスをして解散となった 解散となってからは、面接のチェックシートを翼がPCに取り込み数値化させ話し合う事にした 数値は低いが光るモノがあるとチェックを入れた子は保留にして最高得点の者はレイがその人を視て人となりに闇が含まれていないか?をチェックして貰い 更に話し合う その工程を終わらせて清三じぃさんは役務がある為に職場に戻った そして烈に「烈、こんな機会をくれてありがとう!」と喜んで仕事へ戻って行った そして烈は飛鳥井の五つ子をその場に呼び寄せた 烈は「凛太郎は前職医療事務で、孝太郎は看護師の免許を持つのよ そして宗太郎は赤蠍商事で営業してて、英太郎は大学の職員をしていたにょよ 凛太郎は昔モデルをしてて、各々人生経験豊富なのよ、だからモニタールームで面接の様子を見て貰っていたにょよ! で、5人が押す看護師と准看護師と受付と事務員と脇を固める人材を教えて欲しいにょよ!」と聞いた 五つ子はチェックシートを翼に渡した 翼は即座に数値化して皆に見せた 五つ子は全く想像もしていなかった人材を押してていた 康太は「その意図は?」と問い掛けた 五つ子を代表して凛太郎が「経歴は人を現すんですよ!幾ら取り繕っても長年それをし続けた人間と謂うのはその仕草で解る だから我等はこの人達を選びました!」と言い切った そして宗太郎は「我等は会社に戻ります!宗右衛門、社内を一度見回って下さい! 社員達は心配して大丈夫なのか?御見舞行きたいわね?と話してますから!」と告げた 烈は「明日の朝、会社に行くにょよ!皆にはその様に伝えておいてね!」と告げると頷いて還って行った 康太は「五つ子の意見と面接の結果と摺り合わせてレイに見させるか?また駄々こくから烈フォロー頼むな!」と言った 烈は「了解にゃのよ!」と言った データーを総てPCに取り込むと、会場の片付けをして飛鳥井記念病院の上に建つ病院の上のマンションの一室に場を移して話し合う その部屋は志津子が管理している部屋ではなく、飛鳥井家真贋が所有する部屋だけあって、会議室バリの広い部屋も有った そこで皆で合否を決める話し合いをする事になった 志津子は珈琲や紅茶を淹れに行き、茶菓子などをテーブルの上に乗せた 烈と竜馬はこの日の為に百均で買って来たアイテムをテーブルの上に並べて置いた この日の為に買って来たのは磁石のテープ、名前を書くシール、マジック、ハサミ、磁石を貼り付けられるボード等を買って来ていた それをテーブルの上に並べて作業を始める 烈は兵藤と竜馬に名前を書くシールに面接に残った者総ての名前を書かせた 志津子は名前を書くシールサイズに磁石のテープを切ると烈がその名前のシールを磁石のテープに貼って行った そして義泰にはボードを4枚渡しマジックで【受付】【准看護師】【正看護師】【医事課】と明記させた そのボードに合格ラインにいる者の名前を貼り付けて行く事にした 久遠には出来上がった名前の磁石テープを、合格者の名前を見て振り分け作業をさせた だが不器用な男はボードの上に乱雑に振り分けるだけで………何時の間にやら名前の磁石テープが張り付きまくって盛り上がって行った レイはボードの上にドサッと置かれた名前を綺麗に並べて貼っていた 翼と康太は合格ラインにいる者の履歴書 経歴書を持ち込んだ小型コピー機で人数分コピーして、ホチキスで止めていた その作業を皆が協力して黙々と片づけて行く そして準備が整うと、やっと烈は口を開いた 「どれからやる?」と烈が問い掛けると久遠は 「病院の顔の受付からでどうよ?」と言った 皆は納得して【受付】と書かれた履歴書 経歴書を開いた そして自分のチェックシートを携帯で開いて比べて行く PCに取り込んだ情報は携帯で見られる様にしてあった 竜馬はタブレットを取り出すと、久遠に自分の選んだ者を見せた 宗右衛門は「受付は病院の顔とも謂える存在じゃからな、儂は爪から足の指先まで視て人なりも考慮して選出したのじゃよ! 因みに飛鳥井の五つ子が選んだ者を竜馬見せるがよい!」と謂うと竜馬はタブレットを手にして五つ子が選出した者を見せた 自分が選んだ後に見せる辺りが宗右衛門らしくて久遠は「もう二度と患者を追い払ったり、保険証をベシ折らぬ者ならば良いだけで、俺はどうやら人を見る目がねぇんだよ! 宗右衛門頼む………相応しいのを真贋共に視て据えてくれねぇか? 俺は1日も早く病院を再開して、地域の患者を診ねばならねぇんだよ!」と訴えた 「遅かれ早かれ来年、年が明けてからしか軌道には乗れぬのじゃよ! 烈は今年もクリスマスイベントと【R&R】の再出発イベントを抱き合わせでやるつもりじゃから、20日以降は避けたいからな、その前に総てを軌道に乗せて後は研修に出たいのじゃよ!」 康太は宗右衛門の話を聞き 「なら20日までに総てを軌道に乗せようぜ! その前に合否の発送だぜ!宗右衛門!」と釘を差した 「解っておるわ!これから受付で残った者を映像に映し出す!それで照らし合わせて最終選考としようではないか!」と謂うと翼と竜馬がプロジェクターをセットして、受付の待合室で待機する者等を映し出した 【R&R】の得意とする面接は会場に入った瞬間から始まっている!を実践とした手法だった 竜馬は控室とした場所にカメラを仕込み、普段の私生活を垣間見て、その外見だけではなく内面を見ねばならぬ!の宗右衛門の言葉通りにしていたのだった 受付に応募した女性は見目が良いのが揃ったが、その内面は結構高飛車な性格を伺えれる者が多かった 自分の容姿ならば合格間違いなしだとでも思っているのか?足を組み化粧を直している その中で静かに精神統一して者や、目を閉じて音楽でも聞いている男性が目に止まった 皆は履歴書 経歴書を広いてその者を確認した 化粧を直している女性は面接の時は、物腰柔らかく、受付に持って来いだと五つ子以外は合格させていた 宗右衛門は「今度の病院は受付が医事課に即座にカルテを回して准看護師に聞き取りに行かさせるから、少なくとも表に2名、裏でカルテを出させる者を2名計4名は常に必要となる!」と言った だから合格に現在十名近く残っているのか?と納得した 今現在、100名応募した中から、半分が残っていた その中から更に篩いにかけ半分に減らすのだ 受付で10名リストアップした中で6名が落ちる 計算だった 受付は裏と表で、男性2名女性2名を選び、後は不採用通知を出す為に不採用ゾーンを作り、そこに履歴書と経歴書を置いて行った 宗右衛門は「次は准看護師じゃ!准看護師には主に問診と看護師のサポートをさせる じゃが試験を受けさせ正看護師になるべく専門学校へ通う福利厚生は必要となるじゃろ! この病院が人材を育てて行くのじゃよ!」と言った 義泰は「あぁ……病院が人を育て、育てた人が病院を護り強くして行くと言うのが…宗右衛門の言葉じゃったな………」と涙を堪える様に言った 「それをやるのじゃよ!義泰! 井筒屋のおばちゃんの友達が大学病院の看護師長と知り合いでな、その人が大学病院を引退すると謂うから教育の為に来て貰う事にしたのじゃよ! 看護師達は准看、正看に関わらず木村看護師長が教育して下さると言って下さっておるから任せる事にした! 明日、病院に来て下さるからな、顔合わせの後教育方針を話し合うのじゃ!」 久遠は「大学病院の看護師長の木村さんと謂えばかなりやり手で有名な人だけど、本当にうちクラスの病院に来てくれるのかよ?」と信じられないと聞いてきた 「看護師としてもう第一線で働くのは体力的に無理だから、の引退なのじゃよ! 何処かの小さな病院に再就職するつもりでいた所、話を聞いた烈が木村氏に逢い口説いたのじゃよ!その結果、まだまだ自分の力が及ぶ所で力になれるならば、と来て下さる事になったのじゃよ!」 義泰は「明日の何時にお見えになるのじゃ?」と問い掛けた 烈は「それは志津ちゃんが聞いてくれるにょよ! 何だってお茶飲み友達もんねぇ!」と笑って言った 志津子は笑って「はい、後でラインを入れて聞いておきます! 烈は多くのお茶飲み友達がいるので、私もその中の何人かとはお茶飲み友達になっているのですよ!」と言った 話が具体的になって来ると、より一層 履歴書 経歴書を見るのも力が入る 准看護師は糊代部分を考慮して、正看護師になりたいと謂う者を採用する事にした 一応 竜馬は准看護師の控室の映像も流した 皆 椅子に大人しく座り、待っていた 義泰は「この子らは大人しいのだな!」と思わず謂う程だった 兵藤は「この子達は将来看護師になりたい者ばかりなんだよ、だけど経済的な理由で専門学校へ行くのも叶わない、だから合格したい子達ばかりなんだよ!」と言った 久遠は「全員合格………じゃないから辛いな……」と呟いた 兵藤は「美緒に頼んで不合格でもチャンスは与えられねぇとな、と想い専門学校ヘ補助金を出して貰え実践で鍛え上げて貰える病院の紹介状を同封するから大丈夫だ!」と言った 久遠は「ならば安心だな!」と言った 宗右衛門は「准看護師は患者の問診に当たらせる そこで詳しく患者の容態を書き込み医者へ知らせる役目を持つ! 准看護師も4名合格とする!」と言った 精査した結果4名を選出した 他の者は少し離れた場所置いて後に不合格書類を発送する予定だった、その時兵藤は他の病院の紹介状も添えてやる為に離したのだった そして次は正看護師 宗右衛門は「次は正看護師じゃが、この者の履歴書 経歴書は信用が出来ぬからな、【R&R】企業向け調査会社に調べさせ医療ミス、勤務態度等を働いていた病院に問い質す訳には行かぬからな調べさせた! で、履歴書 経歴書の上に翼が調査会社からの報告書を添えて作るように指示を出したから、それを見て来ててくれぬか? 後、この病院を希望する動機とな! そして正看護師は5名の採用とする!」と言った 竜馬は正看護師達の控室の映像も流した 正看護師達は落ち着いていて、皆大人しく待っていた その中に金髪でど派手な男性が立っていた 宗右衛門は「あの金髪は闘っておるのじゃよ! 正看護師の世界は女性が多いからな、男性は刺身のツマにもならぬのが現状じゃからな、彼はそんな世界で闘っておるのじゃよ! 認めて職を与えてやれば彼の奇行は止まるであろう!」と説明した 久遠は「別に金髪でも仕事さえちゃんとしてれば良い、だがな患者は………そんなヤツを認めるか?何だよな?」とボヤいた 宗右衛門は「彼は憎めぬ存在であるからな、人気者になれるじゃろ!まぁ髪の色は彼の憎めぬ性格でその内慣れるじゃろ? なら試しに今いる入院患者の面倒を見させてみたらどうじゃ? 病院は休みでも入院患者は何処へも行けぬからおるのじゃろ? なればお試しと謂う事で彼はこの面接の中から外して使ってみれば良いじゃろ!」と言った 久遠は「何故に宗右衛門はそこまで彼を?」と問い質す 烈は笑って「彼に面接を勧めたにょはボクにゃのよ!」と言った 「え?烈が、どう謂う知り合いなんだ?」 「彼はね今 桜林の保険医にゃのよ!」 保健室に良く行く烈は既にその彼のお世話になっている訳だった 「桜林の保険医?」 久遠は金髪の子の履歴書に目を通した 「桜林大学を卒業後ペンシルベニア大学看護学部卒業………サラブレッドじゃないか!  なのに何故、色んな病院を転々としてるんだ?」 「一流に入ったら仲間外れにされちゃうのよ 彼はね、かなり苦労したにょよ! でね、ボクの推薦で面接受けさせたにょよ!」 久遠は「ならば今直ぐ働いて貰うとするか! 何かあれば宗右衛門、責任な!」と笑って言った 久遠も国境のない師団からの就職に苦労した… そんな崇高な思考の方ならば俗世の仕事は大変でしょ?と謂われ続けた 久遠はその金髪の男性の名に目を通した 「鈴木泰知か、何か昔、そんな名前の体操選手いなかった?」 「せんせー!それは言っちゃ駄目にゃのよ!」 「え?本人気にしてるのか? まぁ良い、彼は何時から働けるんだ?」 久遠が履歴書を見ながら謂うと電話をしていた烈はハンズフリーにすると 『何時でも大丈夫です!だけどうちの保険医に一人回してくれるなら、ですけど!』と返事が返って来た 『あ、自己紹介がまだでしたね、この前貴方に点滴を容赦なくぶっ刺されて泣いた四季で〜す!』 物凄い軽い自己紹介だった 「四季、近くにいるなら、ソイツ連れて来いよ!」 『謂われなくても今歩いています! 烈、今行くからね、待っててね!』 と言い電話は切れた 志津子は笑って「なら1階まで迎えに行きますね!」と言い部屋を出て行った 烈は綺麗に巻かれた包帯をわざとグチャグチャにしていた 康太は烈の意図を推し量り話し掛けた 「烈、今回の面接の使えそうなヤツを桜林に回すのか?」 「余ったら回せば大丈びじゃにゃい?」 「それだと四季困らねぇか?」 「それにゃのよね………回したとしても拒否されればそれまでにゃのよ!」 「だな、なら四季のは後で探すしかねぇか……」 「だね!」 兵藤はそれを聞いていて四季が可哀想になった 暫く待つと志津子が神楽四季と鈴木泰知を連れて部屋にやって来た 泰知は面接の時同様にブスッとした顔で、金髪な姿と相まって冷たい雰囲気を醸し出していた だが烈の姿を見ると、烈の目線までしゃがみ込み 「烈、怪我したって四季から聞いたよ!大丈夫なの?」と話し掛けた 「たいちゃん」 烈がニコッと笑うと、泰知もニコッと笑った すると持ってる雰囲気が一変した ブスッとしてると何処かのロックバンドのメンバーなの?と思いたくなる程に整った顔が冷たく感じられたが、笑うと目尻が下がって人なっこさが出て親しみ深くなっていた 「烈の好きなカニパンだよ 今日はもう食べちゃった?」 「まだにゃのよ!」 「なら剥いてあげるね!」 カニパンの封を開け烈に渡すと、烈はそれを受け取りカニパンを食べ始めた 泰知は烈の包帯が外れかかってるのを目にすると、ポケットから新しい包帯を取り出して巻き直した その手際の良さに久遠の目は釘付けになった 兵藤は綺麗に巻かれた包帯を何故にグチャっとしたのか?訳が良く解った 泰知は「烈は保健室の常連さんなのに来てくれないからさ、寂しかったんだよ!」と謂う 「たいちゃん、面接受かったらどうしゅる?」と問い質した 「どうもしないさ!どうせ不合格通知が来るだけだから!」と言った 久遠は「鈴木泰知、お前は明日から飛鳥井記念病院の看護師をやれ!」と言った 泰知は唖然となり…………「烈、この人大丈夫か?」と問い掛けた 「大丈びよ!たいちゃんはね、患者さんに愛されて過ごすにょが合ってるにょよ!」 「烈…………それは無理だってつくづく想った だから俺は近いうちに海外に出た方が良いんだと想っているんだよ」 烈はうるうるの瞳で泰知を見て 「それだと……もうたいちゃんに逢えにゃいのよ それは嫌だなぁ………たいちゃん……この病院で看護師ににゃって!」と訴えた その場にいた者全員、お前はそんなキャラじゃないやろ!と想った その横でレイも泣いた 「たいちゃん れちゅのために、きゃいぎゃいいかにゃいで!」と訴えた お前もそんなキャラじゃねぇだろ!と思ったのは謂うまでもない 泰知は「レイちゃん………」と呟いた だがまだ決められずにいると、烈とレイは互いを抱き締めて大泣きした 「うわぁ~ん たいちゃん ボクを捨ててくんだ!」 「うわぁ~ぁぁぁん!れちゅ にゃかにゃいで!」 痛々しく泣かれて泰知は「ごめんね!ごめんね!」と謝っていた あと一息、とばかりに烈は 「たいちゃん、良く入院するボクのお世話してよぉ〜!」と言った 「れいもおちぇわしてぇ〜!」 とトドメを刺した 「解ったよ!何処へも行かない! この病院に入って看護師になるよ!」と言った この時、拳を握り締めた烈とレイの姿は泰知の目には止まらなかった 久遠が「よし!ならお前は今日から飛鳥井記念病院の看護師な!」と言った 義泰も「宜しくな!泰知!」と謂うと志津子も 「更に宜しくね!泰知! 今度からは上でお茶しましょうね!」と言った 烈とレイは泰知に抱き着いて喜んでいた 兵藤は恐るべしお子様パワーと想った 都合良く泣かれても子供なれば、許される それを熟知した作戦だった 烈は「たいちゃんは皆に愛される看護師ににゃれるにょよ!」と言った 泰知は「なれるかな俺……」と不安げに問い掛けた 「なれるにょよ!たいちゃんは人を安心させられる優しさを持ってるにょよ! たいちゃんの人となりを知れば、それが解るにょよ!」 「なら俺…………此処で少しだけ頑張ってみる……」 「たいちゃんはこの病院に骨を埋めるにょよ!」 と言い烈は泰知運気を詠んだ紙を取り出した 「主の星は彷徨う土星(ジュピター)から離れ最期の地へ向う、謂わばこの病院じゃよ!」 と宗右衛門が説明した 久遠は「と、決まれば話は早い!今から病院の説明をする!正式にリニューアルするのは1月5日からとなるが、お前は明日から働いて貰う! 烈の推薦だからな、面接は度外視で即採用! さぁ明日から働きやがれ!」と目を据えて言い放つ 泰知は「そんな事アリ?」とボヤいた 久遠は「アリなんだよ!烈の推薦って事はそう謂う事になるんだよ! このお子様達は良く入院するからな! 怪我しまくりの烈に、烈が怪我したら飯を食わねぇレイの面倒は良く見てやれ!」と言った 泰知は嗤い「ならば良く見てやる事にします!」と答えた そして「俺、髪は黒く染め直しませんよ!」と言った 「別に構わねぇよ!俺は仕事してくれれば良い! 誰が何を言おうと、己の信念だけが身を助ける 俺はその世界で生きて来たからな、お前の主張は理解出来ているからな!」 「え?………嘘…………」 「俺は医者と謂うだけで偉ぶり人を見下すヤツが大嫌いなんだよ! そんな想いをしたお前ならば上手く行くだろ? それとまだ面接の結果を出さねぇといけねぇんだ お前もそれに参加して行け! ほら四季も加わって行け!ガス欠ならまた点滴打ってやるからな!」 「点滴は嫌ですけど、面接ならば嫌と謂う程にして来た私がプロの目で見てあげます!」 と言い残りの正看護師の合格を決めて、医事課へと取り掛かった 会社を終えた榊原がやって来て、書類に目を通す そっちは不採用者だぜ?と言っても書類に目を通していた レイは本当に泰知が好きなのか、泰知の膝に乗り嬉しそうに足をバタバタさせていた 榊原は「ご機嫌ですねレイ」と問い掛けるとレイは笑って 「たいちゃん じゅっといてくれりゅにょよ!」と訴えた 「それは良かったですね!」 「うん!」 そして泰知の膝から下りると、兵藤の膝に手を掛け「うんしょ うんしょ」と上り始めた 兵藤はレイを抱き上げて膝に乗せると 「レイ、それ便秘みてぇだから、止めろってば!」と謂う 皆が笑って残ってる力を注ぎ込み、面接の結果を出して終了させた 烈は竜馬の膝に倒れ込み「もぉHP0!」と言った 時計を見ると午後9時近くになっていて、榊原は「何か食べに行きますか?」と問い掛けた 泰知は「俺、明日からこの病院に出勤するなら還って風呂入って寝るわ!」と言って帰って行った 久遠は「俺と親父は入院患者を見て大丈夫そうなら寝るわ!」と言い部屋を出て行った 志津子は「私も拓斗と拓美が気になりますので帰りますね!」と言い帰って行った 康太と榊原と兵藤と烈と竜馬とレイは飛鳥井の家に帰り、デリバリーを頼み食べる事にした 飛鳥井の家に帰ると神野と相賀と須賀が来ていた 烈を見るなり【イベントしましょう!】と言って来た 烈は嬉しそうに笑って「ありがとう!」と深々と頭を下げた そんな烈を抱き締めて康太は「皆はメシ食ったのかよ?」と問い掛けた 3人は忙しくてまだ朝から何も食べていなかった 3人は朝から、烈の事だからまたXmasに照準を合わせてイベントをやるのかと想い、スポンサーを探しに奔走していたのだった 神野が「そう謂えば、朝から何も食べてないわ……」と言った 小鳥遊が朝から梨の礫だった神野の携帯に電話をして『何処へ行ってるのさ晟雅!』と文句を行って来た 烈は神野の携帯を奪うとニコッと笑って 「小鳥遊、ボクねお腹減っているにょよ!」と言った 『晟雅は貴方と共にいるのですか?』と問い掛けた 「お仕事しにゃいか?って話を振ったからね! 駄目だったかしら?小鳥遊………ごめんね」 とうるうるになり謂う 小鳥遊は『貴方の役に立てるならば神野を扱き使ってやって下さい!お腹へったならば何かを買って直ぐに届けますとも!』と言い小鳥遊は電話を切った 烈は電話を神野に返して「これで怒られにゃいのよ!」と言った 康太はデリバリーを慎一に言い頼む事にした 慎一は「この前乾物を沢山買って来たので、軽いツマミなれば作れます!お酒も買い込んでくれたので納戸には山のようにお酒もありますから! 飲んで寝ちゃって下さいね!」疲れ果ててる康太達に言った 烈は「にーに達はご飯食べたにょ?」と問い掛けた 「もう既に食べて部屋にいます!」 慎一はそう謂うとキッチンへと向かった 康太と榊原は部屋に着替えに行った 烈は自分の部屋に着替えに行くと、竜馬も源右衛門の部屋に着替えに行った 応接間に戻ると、デリバリーが届いていて腹減りは喜んで食べ始めた 小鳥遊はデリバリーが届くと同時に飛鳥井に来て差し入れを持って来てくれていた そして神野と一緒にデリバリーを食べ始めた 瑛太と清隆と玲香もこの日は遅く帰宅して、応接間で食べてる姿を見て 「私も此処で食べて飲みたいです!」と訴えた 清隆と玲香も「着替えて来るから一緒に食べましょう!」と言い部屋に着替えに行った そして着替えて戻って来ると、小鳥遊が買い込んできた差し入れを美味しそうに食べながらお酒を飲んだ 今回のデリバリーは皆で分けられるタイプのを多く注文したから皆美味しそうに食べていた 慎一も帰って来た一生も隼人と聡一郎も便乗して食べていた 楽しい声が響き、最近の飛鳥井はこんな声が頻繁に響いていた それだけで清隆や玲香や瑛太は癒やされていた そしてこの前買って来た乾物が大活躍してるから、皆で美味しい美味しいと食べて飲んでしていた 夜も更け神野達は浴衣を出して貰い着替えて、客間で泊まる事になった 相賀も須賀も心から寛いで眠りに落ちた……… 神野も小鳥遊と久し振りの楽しい時間に癒やされてすっかり酔って眠りに落ちた 翌朝、烈は朝早くから流生と共に屋上で花の水やりを手伝っていた 流生は嬉しそうに「烈の野菜美味しそうになったわよ!」と言い収穫して行った 烈は流生に野菜も育てて欲しいにょ!と言った 温室に野菜は流石と無理だから、温室の外で野菜を作っていた 小ネギとバジルとパセリを育てていた 流生がせっせと育てるから毎日美味しい野菜が食べられていた 兄に野菜を頼んだから烈は水やりの手伝いを良くしていた …………と言っても今は手を怪我してて戦力にはならないのだけど…… それでも流生は手伝ってくれる弟が可愛くて堪らなかった 烈は朝から宗右衛門のスーツを着ていた 「今日は会社なの?」と問い掛けた 「そーにゃのよ!顔を出さにゃいと社員が心配してるにょね!」 「そっか、頑張るのよ烈 学校は来年まで休むんでしょ?」 「うん、怪我してるにょと、動かないと駄目にゃのと重なったからね!」 「僕達に出来る事があったら言ってね!」 「母しゃんがにーに達のレポート凄い出来てるって言ったにょよ!」 「僕達まだまだ頑張るからね!」 「流にー!」 烈は流生と仲良く話しながら、キッチンへと向かった 烈は慎一に山盛り青紫蘇を手渡して 「肉巻きしゅるにょよ!」と言った 慎一は笑って青紫蘇を受け取り 「それ良いですね! ならば今夜は肉巻きですね! 他の材料買って来なければ!」と烈の頭を撫でて今夜の肉巻きの材料を思い浮かべていた そこへ康太がレイを小脇に抱えてやって来て、仲の良い慎一と烈を目にして本当に仲良くやってくれているんだと想った 一生もキッチンにやって来て、小脇に抱えているレイを受け取ると椅子に座らせ 「何の話をしてるんだよ!」と問い掛けた 烈は「今夜は肉巻きにゃのよ!」と嬉しそうに話す 慎一は大量の青紫蘇を一生に見せた 「おっ!収穫したのかよ? ならば今夜は肉巻きだな!」と烈の頭を撫でた 「そーにゃのよ!かじゅは具は何が良い?」 「俺か?俺は人参のシャキシャキ感が良いな!」 「一緒ね!」と二人は喜び話していた レイは「ぼく、あしゅぱら!」と訴える 一生は「おっ!アスパラも美味しいよな!レイは渋い所謂うな!」と肉巻きで盛り上がっていると兄達もキッチンにやって来て肉巻きで盛り上がっていた 清隆は「楽しそうですね!」と言い席に着いた 皆も席に着くと「じぃしゃん、今夜は肉巻きよ!」と言った 清隆はだから皆で喜んでいたのか?と納得した 慎一は山盛りの青紫蘇を清隆に見せた 瑛太もやって来てその盛り上がりに 「私もレイ同様にアスパラ押しです!」と言った 家族全員、今夜の肉巻きに思いを馳せて、学校や会社へと向かった 竜馬は肉巻きパワーに圧倒され、でも嬉しそうに朝食を食べていた 康太と榊原も肉巻きパワーに存在感を奪われ静かに朝食を食べていた 榊原は慎一に「手分けして中身を買って来ますか?」と問い掛けた 「そうですね、俺は今日はパドックの方へ行くので商店街には行けないのでアスパラは無理なのでアスパラをお願いして良いですか?」  「解りました、アスパラと何かを買って来ます!」 「俺は人参とかパドック近くの八百屋に行って来ます!ブロッコリー入れたら怒りますかね?」 「誰も怒らないでしょ? うちの子は好き嫌いないので!」 「ですよね、ならば変わり種に挑戦ですね!」 「ですね、僕も変わり種探してみます!」 と料理好きは今夜の肉巻きの材料を思い浮かべ仕事へと向かった

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