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第36話 嚆矢濫觴 ❷

烈は「これで安心ね、にゃら今後の事を話し合うにょよ!」と言った 「今後の道筋は着けてくれるのか?烈」 「母しゃんにも動いて貰わにゃいとボクだけだとパンクにゃのよ!」 「当たり前やんか! 誰がお前だけに重い荷物を持たせるって言ったよ?共に動くと言ったんじゃねぇのか?」 真贋の仕事を片付けて、サポートしてやるからな!と一緒に動いてくれていたのだ 「にゃら時間の配分を考えにゃいとなのよね」 「病院の方は合否の発送だけやんか? そしたら教育しなきゃ年明けに間に合わねぇけど、早目に看護師長の木村さんが来てくれ教育に携わってくれる様に話したんじゃねぇのかよ?」 「………あのね、母しゃん……木村さん………」 「まさか駄目になったとか? でも仕方ねぇよ駄目になったら他を当たるしかねぇからな落ち込むなよ烈!」 我が子を慰めるが烈は「違うにょよ!」と思いがけぬ事を謂う 康太は???って感じで烈を見た そして納得した 「木村さんはもぉ泰知と共に働いていりゅにょよ!入院病棟の看護師の質を見て教育するって……頑張っちゃってるにょよ………」 「あぁ……みてぇだな、お前を視て理解したわ」 「にゃんかね、燃えてるにょよ……此処が最期の職場と決めて骨を埋める気で、最高の仕上がりにするって…………」 「良い事じゃねぇかよ? そんな事言ってくれてるって事に感謝しようぜ しかし井筒屋のおばちゃんは顔が広いなぁ~ 市長に婦長か……人脈ありまくりやんか!」 「おばちゃん達はそんな気にゃいのよ 友達だからねら肩書にゃんて要らにゃいって!」 「だろうな、年は違えど繋がり合い共に生きて来た友達なら肩書なんて必要ねぇよな!」 「だからね、ぜんちゃんも友達だからね、力になりたいにょよ! 母しゃん、力を貸して下しゃい!」 「オレもな善之助は友達だからな力を貸してくれ烈!友達を想う想いは一緒なんだよな………」 「主を想う想いも………一緒なんだよね母しゃん」 「あぁ朗人の人生は主に仕え娘に看取られ最高な終わりだった だがな善之助………朗人はこんなお前を心見たら配しちゃうぜ!」 「はい………私の人生に置いて佐伯は総てでした 親の様に友の様に家族の様に傍にいてくれた 今の私を見たら………悲しみますね」 善之助は想いを吐露した 「ぜんちゃんはさ、人を拒否って生きて来て、人を見下していたにょよ そして人を虫けらみたいに蹴り飛ばし、何の感情も抱かなった………だから何もかもなくなったにょよ!で、今、ぜんちゃんには何が残った?」 烈はキツい言葉で善之助に投げかけた これが想いの邂逅でもあった 地盤を見直し、自分の過去を見つめ直し 今後どうなりたいか?それを一つずつ確認して行く作業をする 金龍にした作業の一つだった 善之助は「私は何もかもなくしました」と答えた 「本当にそうにゃの?」 「………」 「何もかも無くすって事は、この世の中に唯一人 誰も助けてくれにゃい世界じゃにゃいの?」 「あ………私には友がいました……」 「ぜんちゃんは妻を愛していたの?」 「…………親が決めた結婚でした」 「愛がにゃいとね妻は絶望しか味わえにゃいわね ぜんちゃんはね妻と子は作る作業はしたけど、それはオナニーしてるみたいな行為だったにょよ! 愛のにゃいセックスは夫婦の営みとは謂わにゃいのよ!」 「…………はい、私は妻を愛してなどいませんでした 用意された世界で、用意された友を持ち、用意された妻を持った……それだけでした そんな私を康太が壊してくれた………康太が私に違う世界を知ら示てくれたのです」 烈は丈夫な方の手で善之助を殴った 善之助はその痛みを噛み締めた 「何故殴られた解った?」 「私が人を軽んじていたからですか?」 「人を人として見てにゃいのよ……だから平気で人を踏み付けられるにょよ………」 「私には足らない事が沢山あります……」 「ぜんちゃんはまるでスポンジよ! 足らな過ぎて穴開きだらけにゃのよ! その空っぽな心をせめて人並みにしにゃいと、にゃにも始められにゃい! これから毎日、午後4時時に一時間魂の邂逅をやるにょよ!欠落した自分を埋めるまで全ては保留で良いかしら?母しゃん!」 「だな、オレもまさか此処まで善之助の心が空っぽだとは想わなかった オレは善之助の友達だから魂の邂逅は付き添うよ!んでもって蔵之介と那智も友達だからな、これからは付き添おうと思っていたんだよ!」 烈は宗右衛門を出して 「何もないならば始めれば良い だがな善之助、歩き出したら同じ失敗は繰り返せれはせぬのじゃよ!解るな! 同じ失敗をするのは愚か者か馬鹿者しかおらぬからな!だから己を見返す時間を持つ 主は明日から、龍太郎と黒之助と共に菩提寺の手伝いを始めるがよいじゃろう!直向きに働き、直向きに余暇を楽しむ、人はそうして生きて行き日々の楽しみを味わうのじゃよ! 主はその部分が欠落しているからな、友も作れぬ、妻も愛せぬ……まるで壊れたロボットの様にしかなれぬじゃよ!」と言い切った 善之助は「どれだけ辛い日々であろうと、私には支えてくれる友がいます 一人ならば私は早々に死していたでしょう…… 実際………死にたくて死に場所を求めてボーっとしていた、そんな時清三さんが声を掛けてくれた そして烈君を私の友達だよ、と紹介してくれて、一緒にいる時は本当に楽しかった……… 私は生まれた時から人を使う事はあっても使われた事はない、なので生まれて始めて人に使われて働きます………ですが明日を信じて今ならば生きて行けます!」と言った 烈と康太は頷いた 烈は善之助の星を詠んだ紙をサコッシュの中から取り出して母に見せた 康太がそれを見ていると榊原が崑崙山から還って来た 龍太郎と黒之助も共に還って来たから、腹減ったから取り敢えずデリバリーでも取ろうか?と考え 「城之内達呼んでデリバリー取って取り敢えず何か食うとするか?」と訪ねた 保養施設に【R&R】のメンバーがやって来て蔵之介と那智とやって来た それで午後5時かとやっと気付いた 何か腹が減りすぎてて夜中過ぎてる気分だった 烈は「もぉね、お腹減ったから動かにゃい!」とタダをこいた そこへ修行を終えたレイも凛と椋と共にやって来て「れちゅ!」と抱き着いた だが腹減り烈は抱き着かれても力が入らなくて…倒れた 「らめ………ガス欠にゃのよ!」 「れちゅ!たいへにゃの」とレイは幼稚舎の鞄を広げて中身を出して食べれそうなモノを探した そして何もないから泣き出した 「うわぁ〜ん、れちゅしんじゃう」 兵藤がレイを抱き上げて、散らばったモノを幼稚舎の鞄の中に詰めて行くと「今何かデリバリーするから大丈夫だ!」と安心させた 康太は「そう言えば昼食ってねぇわ、オレら………」と現実を口にする 榊原は「皆の分をデリバリーするので奥の広間にテーブル並べて食事をしましょう!」と言った 【R&R】のメンバーは「僕らは駄目かな?」と淋しく謂うと榊原は「我が子の友は大切な家族です!君達を蔑ろにした事はない筈ですよ!」と言った 【R&R】のメンバーは皆、嬉しくて榊原に抱き着きた 慎一が「ならば俺が注文しましょう!和洋中の中から一番多い希望のを頼みます!」と謂うと、どう謂う訳か【和!】と皆が希望した 【R&R】のメンバーも蔵之介も「オホーツク漢の味!で!!」と言った 康太は「烈の好物やんけ!」とボヤいた 慎一はちっこいのも同じ注文でオホーツク漢の味!を25個注文した 康太は「多くね?」と問い掛けた すると慎一は「烈が言ってました!」と言った 皆の視線が烈に突き刺さる 「ボクのラインがないとカズとそーちゃんが見に来ちゃうからね」と言った 今日はまだ忙しくて二人には、ラインしてなかったな、と想う ここ最近烈が忙しくてラインも出来ない位に多忙にしていると、一生と聡一郎は菩提寺まで様子を見に来てくれる トラブルなら手助け出来るから、と来てくれるのだった デリバリーが届く頃、やはりラインがなかったから様子を見に一生と聡一郎は保養施設まで来てくれるのだった これから食事だと理解すると「すまねぇ、ラインなかったから何かあったのかと見に来たんだよ!」と一生は言った 康太は「お前らはもう飯食ったのかよ?オレらは昼抜きだったからな烈の御所望のオホーツク漢の味!をこれから食うんだよ!」と謂う 「俺等は食ってねぇけど、食事が終わる頃また来るわ!」と出て行こうとした すると榊原が席に着かせて二人の前にオホーツク漢の味!を置いた 「え?僕達の分もあるのですか?」 聡一郎は信じられないと呟いた 「烈が二人が来てくれるのを解ってたから注文したんですよ!」と言った 烈はガツガツとオホーツク漢の味!を食べていた 凛と椋も欠食児童並みにガツガツ食べていた  兵藤はレイに食べさせつつオホーツク漢の味!を食べ始めた レイはゆっくりペースで食べて行く 手が止まるとポイッとお口に放り込み食べさせて行く 烈が食べ終わってもレイは半分も行かなくて、兵藤が食べれないからと、烈が代わりにレイに食べさせていた 「レイたん、食べにゃいとじぃさんみたいにムキムキになれにゃいのよ!」と謂う 兵藤は想わず吹き出した 「すまん………」と吹き出したのを片付けつつ 「レイは素戔鳴殿の様になりたいのか?」と問い掛けた レイは瞳を輝かせ「うん!きゃっこいいもん!」と言った そりゃカッコイイわな、だって素戔鳴尊だもん… 魔界の英雄だもん! 天魔戦争の覇者だもん! 「でも、ムキムキ無理らから、レイたんは兵藤きゅんみたいになりたいんだよね?」 「ちゅこち……」 「兵藤きゅんはね、カッコイイにょよ! ボクね、兵藤きゅん大好きだもん!」 「………れいも………」 「だよね、ボクね、一番大好きにゃのは、父しゃんと母しゃんにゃのよ!」 「れいは?」 「レイたんも大好きよ!」 「れいもしゅき!」 仲の良い二人のやり取りに、皆が癒やされて行く すると竜胆が「仲の良い所悪いけど、天の助、アレは1年は還せぬと思って欲しい!」と告げた やはり………ちっこいのが大人の声で話すから、善之助や蔵之介や那智は飛鳥井では此れが通常なのだと想おうとしていた 宗右衛門は「その真意は?」と訪ねた 「未熟なんだよ、総てが………だから近くの小学校に通わせて勉強を教えて同年代位のヤツとも交流させる必要があるんだよ! アイツの周りにいるのは、次代の金龍だけとか、同年代との付き合いもクソもねぇ生活送ってたら、常識も礼儀も礼節もなくなるってもんだな 天龍を継ぐ者と皆がちやほやする世界に置いたら、己は特別なんじゃないか?って錯覚もするさ だから俺と東矢が1年かけてプログラムを組んだから、例え宗右衛門だとて邪魔はさせねぇぞ!」 「儂が主の邪魔をした事が一度でもあるか?」 ピシャッと謂われて竜胆は、その迫力に一瞬怯んだ 「ないが……アイツを正す最期のチャンスだと思っていたから熱くなった、すまねぇ宗右衛門!」 「連れて行く気ならば、儂はもう一切手を引く それでも連れて行く者など存在はせぬ! ならば竜胆、教えてやれ! 主の持てる限りで持って教えてやれ! 主も後何度の転生となるかは知らぬが、飛鳥井に携わった者は魔界へ還るであろうて! ならば未来の魔界の為じゃと布石を打つのは主の死命なのじゃろうて!」 「天の助はさ………初めて転生した時の俺だよ 宗右衛門に叩きのめされ、教育され人として正しい道に据えられた時の俺だよ……… だから見ていられなかった……無知は己の首を絞めるしかねぇ……んな事さえ知らねぇで生きて行かせるのが忍びない……… 黙って見ていられなかったんだよ……」 「天龍は人の世で言う何歳なのじゃ?」 宗右衛門が呟くと康太が 「コイツは異例中の異例で生を成したんだよ! 龍族の危機ってのも有ってな蛇から始まる生をすっ飛ばして龍で生を成してしまったからな 龍で言えばまだ赤子、人ならどうだろ? 金龍、小学校低学年位か?」 と容姿を見て口にした 金龍は「外見は烈よりも大人に見えるが………中身はスカスカにしか育てて来なかったと今ならば想える………じゃから一般常識を身に付かせるまで、人の世に修行に出したい………… 何年経とうとも、此奴が己の足で立っていられる様になるまで………竜胆、面倒を見てくれぬか? 儂は赤帯を持ったら護身術を学びに行く 烈が朝のお勤めだけしてくれたら、この菩提寺から通えば良いと言ってくれたから、儂は当分は菩提寺の寮に住む事になるが、それでも護身術を身に着け人に教える術を身に着けたら還らねばならぬ!黒之助も同じじゃよ! アイツも黒帯取ったら護身術を身に着けると申しているから、今はそれに向けて頑張っている じゃから小学校に通わせて、小学校を卒業する年までは菩提寺で世話になりたい、そんな話しを城之内殿にしておった所じゃよ!」と話した 竜胆は「ならば小学校卒業する年まで菩提寺で暮らすか、教え甲斐があるし、アイツは息抜きする事さえ知らねぇからな、俺と東矢とで育てて行くと決めたんだよ! それが俺等の修行の一貫にもなるからな!」と答えた 東矢は「ならば天の助と謂う名前は学校で笑われるから変えてやって下さい!」と言った 康太は「天の助って名付けたの烈か?」と問い掛けた 烈は「ボクじゃにゃいのよ!」と言うと黒之助が 「レイだよ!」と答えた 康太と榊原は育ての親がネーミングセンスないから、子もネーミングセンスなくなるのか………と想った 烈は「ボクは母しゃんの子だからね、どうやらネーミングセンスにゃいみたいなのよね!」と笑った 康太は「オレはネーミングセンスあるぞ!」と文句を言う 「にゃいのよ!」 「いや、ある!」 一歩も引かぬ親子は猫が逆毛を立てた様に威嚇しあい睨み合う すると榊原が二人の頭をスパンッスパンッと叩いた 「どちらも変わりません! 言い合うだけ無駄なので止めなさい!」 「父しゃん……ヒドい………」 「伊織………酷い……」 同じ台詞を言い悲しむ二人 「さっさと今日の分を片付けますよ! そして善之助さん、今日から菩提寺の寮で暮らし教えて貰い生活を始めなさい! そして朝のお勤めの後に座禅を組みなさい! 無になり己を考え、人は働いて一日を終える それを学びなさい、それが一般の人の生活なのだと、庶民の生活まで下りて知る必要があると宗右衛門が下したのならば、貴方はそのレールの上に乗り走るしかないのです!」 と榊原は静かに語った 善之助は「はい、解りました、未熟な己を見直す時間にしたいと思っています!」と答えた 烈は「【R&R】の皆はこの後飛鳥井に来るにょよ!そしたら朝までイベントの話が出来るにょよ!さぁ今日は時間を押しちゃって無駄になったからね、蔵ちゃんと那っちゃんは宿題出すからね、明日に答え合わせよ どう?己の欠落部分は見直す事は出来る様になったのかしら?」と問い掛けた 【R&R】のメンバーは「Oh!朝まで!!」と悶えていた 納得の行く答えが出るまで、三日三晩話し合った時もある 情け容赦のないリーダーなのだった 蔵之介は「はい、私は自分で言うのもなんですが、結構完璧に出来ていたと想ってましたが………何か改めて己を見返した時、私は経営の【け】の字も出来てないと痛感させられました 宿題をやっている時、何か泣けて朝まで泣いていた時もあります……その作業は本当に辛くて…… しかも宗右衛門殿はその傷に塩塗ってくれちゃっまりするので、一言、辛いです!と言うのが私の感想です!」と言った 那智は「私も………親父から会社を受け継いで自分なりに頑張ったと想いましたが……宗右衛門殿が 「そんなのオナニーと変わらない自己満足じゃ!」と申されたので自分を見直し、真摯に考えて………涙が出て来て……出来てない自分が情けなくて悔しくて堪りませんでした 自分を見直して、会社を考えて、未来を考えた時、私が築く果てには何も遺らない事に気づきました、そして此れが父が言っていた事なんだと想いました! 父は私が頭打ちされる日を願ってると言いました そして頭打ちされた日に、私は父に会い号泣しました………今考えても顔から火が出ます ですがそんな情けないのが今の自分です!」と答えた 康太は那智の顔を見た 少しだけ那智は幼い顔付きになり、だが瞳は前を見て果てを見て己が掴むべき明日を持っていた 此れが【R&R】の意識改革なのだ、改めて実感した 竜馬は二人に宿題を渡した 二人は竜馬に仕上げて来た宿題を渡して、新しい宿題を受け取った 烈は「蕪村ね、求人を母しゃんに頼んで出して貰ったから、応募が集まったら寝る間も惜しんで履歴書の選考するにょよ! 蕪村はね、来年の3月スタートが運気が良いにょよ!それまでに資産を整理するにょよ!」と言った 「解りました、会社はどうします?」 今は割れた窓にベニヤ貼り付けて、手付かずなのだ 会社を運営させるなら、行く行くは修理とかせねばならない 「会社ね、飛鳥井を半径にした位置を詠むから、待っててね! あれね、詠むのに1日、その後気絶した様に2日寝ちゃうにょよ! だから星を詠む前に、明日にでも蕪村にょ機材を施工の倉庫に運ぶつもりにゃのよ!」と言った 龍太郎と黒之助は「力仕事なれば声を掛けるが良い!」と言ってくれた 「頼むわね、そしたら今度は宴会に招待するわよ!」と言った 龍太郎は「それは嬉しいわい!」と笑顔で答えた こんな風に自然な笑顔を見たのは何時以来だろう? 昔はこんな風に豪快に笑っていた筈なのに…… 龍族の重荷を一人に担がせた結果が、金龍を追い込まさせてしまったのだろう… 一人に背負わせた結果なのだ…… 黒龍も赤龍も青龍もそれを実感していた 烈は「金ちゃんは荷物も丁寧に扱ってくれるからね、助かるにょよ! 向こうに還った時は手助けして貰うわね!」と言った 龍太郎は「おー!何でも言いつけられよ! 主の頼みなれば何を放っても、3度の飯より優先してやるからな!」と言った 「にゃら、金ちゃんが還ったら領地を広げたいたいから手伝ってね!」 「おー!何でも手伝ってやるさ! でも領地はどうやって広げる気だ?」 魔界は崑崙山までと行かないが、周りを山に囲まれた土地なのだ 崖と山しかないのに、どうやって広げると言うのだ? 「それはね、金ちゃん還ったら本格的に話をするにょよ! それにはね、金ちゃんは欠かせにゃい軸になりゅのよ!そしてそれがね、金ちゃんを失くせにゃい一柱にするにょよ! だからね、ガンバよ!金ちゃん!」 「おー!何だか解らんが、お前が示してくれる道ならば、儂は逝くと決めおるからな!」 龍太郎は深くはその話の裏を知らずに言っていた だが康太と榊原は信じられない眼で烈を見ていた 黒之助は二人がそんな顔するなんて……と、何かを感じずにはいられなかった 榊原は「まさか……しん……」と言い掛けて 康太に「伊織!」と止められた それを烈がやる気ならば、康太はそれを手助けしてやる気だった それが聖神の死命ならば、それは炎帝の死命でもあるのだから…………… 本当ならば炎帝が指し示し道を着けて導かねばならぬ定めを持つ筈だった だが色々と策に走るのが面倒でゴリ押しして、龍族の存在認めさせようとした だがゴリ押しし過ぎで………金龍を追いやってしまったのだった 烈は更にとんでもない事を言い出した 「ねぇ母しゃん、夏海の子も菩提寺で天の助と共に学ばせたら? その間、夏海も此処に住み菩提寺の手伝いして貰ったら?まぁ父親はあっちとこっちの行き来となるけど、どうかしら? ボクね、あの子も知識足らにゃいと想うにょよ!」と爆弾投下 康太はクラッとなったが、もぉヤケクソだった それが烈が指し示す道ならば、それに従うしかないと思っていたから………… 「なら夏海と金太郎は家族寮に住んで菩提寺の手伝いさせて学校に通わせるか!」 「そしたら天と共に切磋琢磨して学ぶにょよ 二人はねライバルになっちゃ駄目にゃのよ! 共に生きる存在にならなきゃ、助け合いなんてしないにょよ!」 あぁ………ライバルになったら相手を負かすしかない だから共に生きる環境は必要だと言うのだろう 康太は「ならば掛け合う為に逝くが、お前も来いよ!そして兄者に話を通せよ!」と言う 「話は星を詠んだ時に総て話してあるにょよ あの時はさ、ほら、ボク死ぬかもだからと想っていたから、総て伝えなきゃ!と伝えたにょよ!」 「なら返答は?」 「『総ては貴方の想いのままに…』との事にゃのよ!」 「ならば荷物を取りに行く時、夏海と金太郎も連れて来るとするか!」 「だね、この星だけは妨害などさせにゃい! 触れれば………滅ぶ…………本懐本章織り交ぜて果てを導いたから…………」 「それって殴られて死にそうになった頃の話か?」 烈は頷いた そりゃ運命を弄れば死にそうにもなるだろ………とつくづく康太は想った 「今度からはやるなよ! やるならオレに相談しやがれ!」 「それね兵藤きゅんにも謂れにょ だからね、今度からは相談するにょよ!」 絶対に核心部分は隠す奴だ!と思いつつ 「絶対だからな!」とボヤいた 烈は笑って頷いた その夜はそれでお開きになり、【R&R】のメンバーは飛鳥井の家に行き……… 約束通り朝まで寝させずに、色々な案を出させた だがどれもイマイチで……… 「仕方がにゃいから、これから寝て昼に神野達の事務所に行き、発想力駆り立てられる存在を見つけに逝くとするにょよ!」と言った メンバーは残ってた気力で【おー!】と賛成し、その場で倒れる様に寝た 兵藤は仕方なく布団を敷いて、その上に寝させた 烈も寝てたから抱き上げて、部屋まで連れて逝くと、レイと虎之助が烈のベッドを占拠していた 兵藤は仕方なく烈を寝させると虎之助を肩に止まらせレイを抱き上げて源右衛門の部屋に行った 源右衛門の部屋には寝室とリビングともう一間和室があったのだ その部屋に布団を敷いてをレイと共に寝る事にした 虎之助はレイの横で丸くなり寝る事にしたのか?すやすや寝息を立てていた 兵藤も虎之助とレイの寝息に誘われて何時の間にか眠りに堕ちていた 昼頃起きると、烈は応接間でメンバーと話をしていた スーツを着ていたと謂う事は会社に顔を出したと謂う事なのだろう 本当にマメな男だと兵藤は想った 「あ、兵藤きゅん、ボクね週末に星を詠むからそしたら2日は寝ちゃうにょよ! だからボクの変わりに翼と竜馬と共に記者会見の場を作っておいて欲しいにょよ!」 「記者会見?どれをやるのよ?」 「増渕関係は証拠が上がったにょよ! だから病院と菩提寺、その何日か後に蕪村の会見をやるのよ! 蕪村は取り敢えず再生の道を辿る為に一旦リセットするからね、会見で報告しにゃいと解雇問題とかあるでしょ?」 「あ、そうか、なら先に病院なんだな」 「そうよ、そしてその記者会見の中央に座るのが兵藤貴史が座り存在感を売るにょよ!」 「え?俺?何故に俺?」 「それはね緑翠が頼んで来たからよ! さぁ兵藤きゅん、ボクはこれからそーえもんの着物に着替えるから、そしたら緑翠の所へ行くわよ!正式に引き受けました!とのご挨拶に出にゃいとね!」 「それってしねぇとならねぇ事なの?」 「そーにゃの!」 「なら俺、スーツに着替えて来るわ!」 「ボクはそーえもんの着物に着替えて来るからね!」 と言うと兵藤は自宅へ、烈は自室へ戻った 部屋に行き宗右衛門の着物に着替えを始めると、康太がやって来て手伝ってくれた 「烈、話がしたいんだけど?」 「緑翠終ってきゃらで良いかしら? 今夜のお勉強会はボクはお休みにゃのよ! だから夜にゃらゆっくり話せるわ!」 「なら夜に話そうぜ! その時総て話してくれ!」  「果てが狂わにゃい範囲にゃらね!」 「それで良い………」 「にゃら話し合いの場はボクが指定しゅるにょよ!」 「おー!それで良い!」 康太は烈の着付けを手伝いつつ話をした 「緑翠の所へ行くのか? ならばオレも真贋の着物に着替えて来ねぇとな!」 「ご挨拶にゃのよ! 記者会見、兵藤きゅん立たせるわよ!」 「だな、後、天宮の話もしたいから」 「それも後にゃのよ!」 康太は慌てて部屋に行き、真贋の着物に着替えて来た すると烈と共に応接間に向かった 兵藤もスーツに着替えて来ると、どう謂う訳か美緒も一緒に着いて来ていた 美緒は烈の前にゆくと深々と頭を下げた 烈は「ならば行くにょよ!」と言った 烈はスーツに着替えた竜馬も呼び地下駐車場へと向かった この日は榊原がベルファイアの運転をする為に朝のうちに仕事を片付けて来ていた 烈は兵藤と美緒と竜馬と共に後部座席に乗り込んだ 康太は助手席に乗り込むと、榊原は車を走らせた 美緒は笑顔で「いつ見ても雪乃そっくりの顔であるな!」と言った 烈は「そーにゃのよ!きっとこの顔のまま年取るにょよ!」と言った 美緒は遠い目をして「あの方は……年を取られても美しかった………竜馬もその顔に年輪を刻み、歳を重ねて逝くのじゃな………」と言った 「そうね、それが三木竜馬だからね!」 話をしていると鷹司緑翠の屋敷に到着した 面会を申し込むと、即座に門が開き招き入れられた 座敷に上げられてお茶を出され口を着ける 烈は「良いお茶にゃのよ!流石ね緑翠!」と言った 緑翠は「お前は茶には煩い奴ではないか!」と笑って言う 「解ってるわね!」と言い烈は居住まいを正し 「飛鳥井宗右衛門、兵藤貴史を託された件、お引き受け致します!」と宗右衛門の声で告げた 緑翠は「しかとお頼み申す!」と育てた愛弟子を宗右衛門へ託した 「後は顔を売るだけなのか?」 「少し人生経験も足らぬからな宗右衛門が傍に置いて叩き込んで下され! 飛鳥井は今乱世真っ只中なのであろう? ならば実践の場で機転を利かせる策が瞬時に弾き出される位鍛え上げてくれ! 研いで研いで研ぎまくり、30代後半に国会に躍り出られる程に、頼む! 兵藤貴史を鈍らにするのも切れ者にするのも、今後は宗右衛門、貴殿に掛かっておる!」 「そこまで………儂を扱き使う気か?」 「人を視て人の真髄を見抜いて叩き込む、それが宗右衛門の務めだろ? 貴史は政界に出るまでは定期的に見てやろう! そして政界に出る時は我の推薦状を持たせてやろう!それでどうよ?宗右衛門!」 「それで上等じゃわ!獅童!」 「ならばお引き受けの儀、これにて修了で良いか?宗右衛門」 「おうよ!こんなちっこいのを良くも扱き使おうなんて思うな主は!」 「ちっこくても宗右衛門じゃんか! それよりさ、新年早々の蚤の市一緒に行かぬか?宗右衛門!」 「行っても良いが値切るでないぞ!」 「それは聞けねぇ相談だわ!」 そう言い緑翠は笑った 宗右衛門は思い出した様に手を叩くと 「そうであった、主に鑑定して、博物館にレンタルして展示したいのが幾つがあるのじゃよ! それを近々で視てはくれぬか?」 「良いぞ!宗右衛門の頼みならば聞いてやるさ!」 「ならば獅童、また連絡するわ!」 「おー!何時でもしてきやがれ!」 緑翠はそう謂うと康太に向き直り 「康太、んとに面白れぇー奴等を紹介してくれてありがとうな! 貴史と言い、竜馬と言い、んとによぉ扱き甲斐の在る奴だわ!」 康太は笑って「それは良かった、それより緑翠、骨董が趣味なのか?」と問い掛けた 「古いモノには魂が宿る、そして時には神も宿るからな、定期的に視に行かねばならぬのよ! まぁ元々は趣味だが、その趣味が講じて今は兄にそっちの仕事を任されているんだよ!」 「宗右衛門の前世の骨董が好きな奴ってお前か………」 「あぁ、宗右衛門は価値の高い壺をガラクタ扱いしやがったから、叩き込んでやったのよ! 今はやっとガラクタと骨董の区別は出来る様になっただろうさ!」 そう言い緑翠は笑った 康太はたはーんとなった 緑翠は美緒を見て笑うと「玉藻殿に日々似て参るな美緒!」と言った 美緒は笑って「それを知る人間も今はもうお前位じゃよ!緑翠!」と言った 「誰か一人でも知っているならばよいではないか!」 「そうじゃな………」 鷹司緑翠は居住まいを正すと康太に頭を下げて 「飛鳥井家真贋、兄から貴殿に伝言があった 『井の頭公園は元々が心霊スポットでは有ったが、最近は霊の吹き溜まりみたいになっているのが現状となってしまった 祓っても祓っても湧き出て……手が付けられない程だから一度視ては貰えぬか?』との事です お頼み出来ますか?真贋」 と深々と頭を下げ申し出た 康太は「井の頭公園………変な噂とか出てるのか?貴史?」と問い掛けた 兵藤は「それは知らん、そもそも東京に逝く機会ねぇし!」とボヤいた 「だわな、でも聞いた以上は原因究明しねぇとな そのうち唐沢からでも来るかな? あ、アイツが動くのは変死体が出てからか………」 と考えて呟いた 烈は顔を強張らせていた 康太はそれを見て何かを知っているのだろう………と感じていた 鷹司緑翠のお引き受けの儀は滞りなく終わり、皆は飛鳥井の家へと還って来た 烈は応接間には入らず、自分の部屋へと向かった 宗右衛門の着物を脱ぎ、私服に着替えると康太にラインを送った 「今夜 素戔鳴尊の屋敷で話をしよう!」と。 そして竜馬には「少し留守にするにょよ!勉強の方頼むわね!」とラインを送った そして神の道を開いて烈は飛鳥井の家を後にした 康太は烈からのラインを受け取り、榊原に見せた 榊原は「烈、井の頭公園の話をした時、顔を強張らせてませんでしたか?」と問い掛けた 「何かを知ってるんだろ? 話せる事ならば、話してくれるだろ? アイツは神の道を通って女神の泉の前に出るだろうかな、オレらもそろそろ逝くとするか?」 「そうですね……」 康太の榊原は屋上に出て青龍になり妻を乗せて天高く登って行った 美緒は兵藤の家に還り、兵藤と竜馬は飛鳥井の応接間に遺っていた 兵藤はずっと「井の頭公園に何かあるのか?」と考えていた 竜馬は「井の頭公園………あぁこの前烈がテレビ見てる時、井の頭公園の映像が流れてて何かイベントあがあったみたいなんだけど、それ見てて井の頭恩賜公園は徳川歴代将軍が鷹狩を楽しんだ鷹場でも有ったと教えてくれたな 何か古い歴史の話をされ池の周辺には250本の桜の木が植えてあるとか言ってたな 明治維新後は東京府が買収して宮内省の御用林となり東京市に下賜された、とか歴史的話を聞いたわ」と思い出して呟いた 「だから恩賜なのか?恩賜ってピンっと来ねぇよな?」 「皇室から戴いたモノと謂う意味らしいって教えてくれた」 兵藤は顔を強張らせた そんな意味のある地に霊がうじゃうじゃなんて、意味は一つしかねぇじゃねぇかよ! 応接間に沈黙が流れた…… 烈が神の道を通って女神の泉に出ると、アルくんを呼んで素戔鳴尊の屋敷を目指した 素戔鳴尊の屋敷に到着すると康太と榊原は既に縁側でデカチゴを食べていた 素戔鳴尊は「どうじゃ?甘いじゃろ?今魔界で飛ぶように売れているフルーツなのじゃよ!」と行った 厩舎にアルくんを停めて縁側に出ると、康太が「めちゃくそ甘くなったな烈!」と言った 我が子の苦労の結晶だった、それを味わって食べていた 烈は二人がデカチゴを食べ終わるまで、素戔鳴尊に「ジャムはどう?」と問い掛けた 「アレはな甘味をめちゃくそ食うからな、大量生産は無理じゃよ!」 「こんにゃに甘いのに似たら甘味要るにょ?」 「そうじゃな、煮たら甘みは霧散してなくなるみたいじゃな!」 「そうか、にゃらまた考えにゃいと駄目ね!」 「儂も試行錯誤して何かいい方法を考えるわい! それよりよ何か話でもあるのか?」 「そーにゃのよ、地下に逝くからじぃさん結界張ってくれにゃいかしら?」 「儂も行って聞いても構わぬのか?」 「構わにゃいのよ!」 「ならば逝くとするかのぉ! 炎帝、青龍、着いて来るのじゃ!」と言った 素戔鳴尊は家中の扉を総て閉めて結界を張ると、家の奥へと招き入れた 家の奥の炊事場へ連れて逝く 流石にこんなに人様の家の奥へは来た事はなかった 素戔鳴尊は床の結界を開くと、地下に逝く階段が出て来た 地下に逝く階段を下りて逝く後に続いて康太と榊原も着いて逝く 烈もその後に着いて階段を降りた 地下へ続く階段は太陽石が所々に嵌めてあり、足元はバッチリ見えて降りやすくしてあった 長い階段を下りるとそこは………ワインセラーが造られていた ワインだけじゃなく、果実酒や焼酎等ありとあらゆる酒が保存してあった その前には作業台があり椅子が置いてあった その椅子に腰掛けると康太は「さぁ話してくれ!」と言った 「にゃにを?どれを聞きたいにょ?」 「魔界を広げる話からだな!」 康太に謂れると、烈は宗右衛門の声で話し始めた 「この魔界は今飽和状態じゃからな、工場地区も増えて手狭な感じは否めぬからな広げる話を閻魔にしたのじゃよ! 閻魔も流石と直ぐに諾とは言えずに悩んでいったが、魔界の食や生活が安定すると種族は繁栄し増える事を告げた 実際 魔界は年々種族の数を増やしておるからな 早々に突き当たる壁じゃと閻魔も痛感しておった だが何処を広げる?そんな話になったからな 亜細亜圏の領地を改めて見直す作業から始めたのじゃよ!他国の領地を侵略しないギリギリゾーンまで切り開く それしかないと閻魔も納得し、議会で話を議題として上げた 反対派も勿論出た、が、ならば妙案をだぜ!と謂われればやはり黙るしかなかった 種族は増え魔界も活性化して来た今だから突き当たる問題じゃと儂は想った!」 宗右衛門の言葉に康太は「確かに……種族が増えれば突き当たる壁だな………」と納得した 榊原は「議会の答えは?どうなったのですか?」と問い掛けた 「妙案など出る筈もないからな、可決はされた じゃがどうやって領地を広げるか? それとなった、そして広げた領地に誰が住むか? 焦点はそこに移り……神族がしゃしゃり出て我等のモノだ!と主張した だからな儂は閻魔に、領地を広げた種族のモノとする!と宣言させた! 今神族は必死に領地を広げよう画策しておるが、非力な神族などでは広げられぬよ!」 康太は「ならば金龍に広げさせて、龍族をそこへ移す気か?」と問い質した 「そうじゃよ、でなくばこの先続く魔界の変革に龍族は弾き出されてしまうからな! 龍族を魔界のなくてはならぬ存在にするならば必要な事なのじゃよ! ゴリ押しして通そうとすれば、それは軋轢が生まれる じゃが皆が認めれば、そこは信頼に繋がる果てとなる! 信頼なくして果てへと逝くは煙たがられるしかなかろうて! 幾ら青龍が炎帝と婚姻したとしても不平不満は何時爆発するか解らぬ不安要素としかならぬ!」 榊原はそこまで龍族の果てを詠んで導こうとしてくれたのかと………想った だが康太は「おめぇ龍族をどうする気だよ?」と問い掛けた 「近々魔界に武道場が出来るじゃろ! さすれば金龍を指導者に据えて、闘う術を教えて逝くつもりじゃ! それと同時に領地を広げるのは龍族の為ばかりではない、シェルターも地下に完備をするのじゃよ!でなくば根絶やしにされる日も来るやも知れぬからな次代や力の無き者の逃げ場も必要となる じゃが今の魔界にそれを作ったとしても、偉ぶった権力のある者が逃げおおせ弱者を蹴落とす果しか見えては来ぬからな、正義感のある金龍が指導者になり、絶対の力を勝ち取って貰うのじゃよ! 主は龍族をただ生かそうとした  じゃが目的もなく生かされれば……不平不満が貯まるしかなかろうて! しかもその不平不満は金龍と黒龍が一手に引き受けてサウンドバックになっておる こんな体制は何時か追い詰められてしまうと思わなんだのか? こんな愚策を何時まで続けるつもりじゃったのじゃ?金龍を追い詰めたのはある意味、炎帝、主じゃよ!」 キツい言葉が投げ掛けられる 康太は「解ってるよ!んな事は………策とか戦略を打ち立てれば、こんな事態は起こらなかった お前が金龍に殴られて死にそうになった時に嫌になる程痛感したよ!」と悔いる様に言葉にした 「じゃからな炎帝、龍族を認めさせるのはこれから金龍が指導者としての信頼と実績を積み重ね 認めさせて逝くしかないじゃろ! 無理なく皆に受け入れさせる、それが金龍が持つ導く者の死命なのじゃよ! そして金龍が還ったら領地を広げる そして広げた地に龍族は移り住む じゃがそれで龍族が優れた種族だから、と傲るならば……そこで終わる……… 何故ならばそこへ移ると言う事は神の地を借り入れる事となるからじゃ! 道を違えば神の怒りを買うじゃろう、その怒りは種族を飲み込み一巻の終わりじゃよ! 今度の道は更に険しい道となるが、金龍と黒龍と謂う指導者を得るのじゃからな その道は曲がる事なく逝けるじゃろ! じゃからな赤いのは馬の養成が一段落した頃に道場に通わせて赤帯、そして護身に通わせて指導者の資格を取らせるのじゃよ! 兄弟仲良く導く死命があるからな!」 「それ、兄者良く許可したな……」 「星を指し示したからな、行く末を突き付けられたら認めて逝くしかなかろうて!」 「それって………最期の変革期なのか?」 「主が原始の書を用いた事でこれが出来る最期の道となった筈ではないのか?」 「ならば金龍や龍族には頑張って貰わねぇとな!」 「神族も今素戔鳴尊と建御雷神により神族たる者の死命を教育中なのじゃよ! スタートラインは同じでなくばならぬからな! 竜馬は神の意識改革はした事はねぇぞ!とボヤいたが、閻魔と何度も打ち合わせして最高の意識改革の書を作らせた! 竜馬が魔界に来たのは【音楽】を伝えに来たのもあるが、閻魔に神の意識改革が如何に必要かを聞かせる為に連れて来たのもあるのじゃよ!」 「ったくおめぇは抜かりがねぇよ!」 「幾人かは冥土を渡らせるつもりでやれ!と建御雷神に言い付けてあるからな、今後は魔界は甘くはなくなる! それが変革期なのじゃから仕方がなろうて! で、儂が唱えた龍族の果ては理解して貰えたか?」 宗右衛門の言葉に榊原は 「龍族が神族より上に逝くのかと想いました」と言った 「どちらが上とか下とか?この魔界で必要か? そんな事を言っておったら悪しき風習は無くならぬではないか………腐った腐敗臭しか残らぬ魔界にしかならぬと想う………まぁ儂の元が復讐しか考えぬ性格じゃったから特に腐敗臭には敏感になっておるのじゃがな!」 と、何も言えない事を言うのだ 「神族と龍族同じスタートラインに立つ! それしか今後の魔界は乗り切れぬのじゃよ 儂らが相手せねばならぬのは誰なのか? 考えたら答えなど直ぐに解るじゃろうて!」 まさにその通りだった 榊原は「魔界の事は納得出来ました、なので次の質問に答えて下さい! 井の頭公園に霊の吹き溜まりになってる………の話の時に顔を強張らせてましたね? 一体何が在ると謂うんですか?」と問い質した 「井の頭公園は恩賜された場所なのじゃよ 江戸時代は将軍が鷹狩をした場所でもある それ程に皇室と馴染みの深い場所なのじゃよ! その場所が霊の吹き溜まりとか…………狙いは言わずとも解るじゃろうて!」 「恩賜って下賜されたモノって意味ですか?」 「そうじゃよ、それ程にあの地は特別なのじゃよ!あの地に霊が吹き溜まりとか………東京五芒星を食い破る気満々ではないか」 それを聞いて榊原も顔を強張らせた 康太は「一度見に行かねぇとな!」と言った 烈は「ボク霊とか祓えにゃいのよ!」と言った 「お前は草薙剣振り回してれば勝手に浄化されるから大丈夫だろ?」 「え?ボクも込み?」 「だな、オレとお前はワンセット転生じゃねぇかよ!」 「ボク、霊は祓えにゃいのに!」 「ならさ、またラルゴと茶でもして霊の祓い方でも聞いとけよ!」 「え〜!知ってるかにゃ?」 「知ってるだろ?」 「にゃら聞いて来るにょよ!」 え?聞きに行っちゃうの?と榊原は想ったが何も言わなかった 素戔鳴尊は黙って烈の話を聞いて 「愚か者の神族も龍族も半分になるしかないと儂も想う 本当に何の根拠で神族の方が偉いとか、龍族の方が優れてるとか申しているのか? 訳が解らんからの……愚かな事を言う奴は無間地獄に一度落とそうかと考えた程にな…………腐っているのじゃょ!」とボヤいた 烈は「落としたら?じぃさん!一度痛い目を見せて矯正も必要よ! そんな意識のままだと変わりつつある魔界に置いてきぼりにされるにょよ!」と告げた 「なら落としてしまうか?」 「落としちゃうのよ!じぃさん」 「それでスッキリじゃな!」 烈はうんうん!と頷いた 榊原はこの似た者同士は!と想った が、康太も「じゃんじゃん落としちまえよ! オレもさ、偉ぶる神族大嫌いだからな!」と便乗して言っていた……… そりゃ青龍も龍如きが………と謂われた事もあるけどさ……… 素戔鳴尊は「ならば言う事を聞かぬ神族も龍族も一度無間地獄体験ツアーに出すしかないわな! 君も一度亡者になって地獄を体験しようツアー!に出せと閻魔に言っておくわ!」と言った 康太は「だな!」と答えた 烈も「だね!」と答えた 榊原は頭痛がして来たけど 「それがよいでしょう!」と言った 素戔鳴尊は「なれば儂がそのツアーの先導者になり連れて逝くとする!」と言った 無間地獄に落とされる神などいてはならぬ 況してや落とされたりしたら凄い屈辱だろう それを簡単にしちゃうと言うのだ……… ………本当に頭痛がして来たりして…… が烈は「もう話は終わりで良いかしら?」と問い掛けた 康太は「おー!取り敢えず伯父貴を連れて閻魔に逢って来るとするわ!」と言った 烈は祖父に「じぃさん 鳳凰呼んで下しゃい!」と言い、鳳凰を呼び出して貰うと、烈は「賢者ラルゴに逢いに行くにょよ!」と言った 鳳凰は「うし!なら乗れ!聖神!」と快く乗せてくれたのだ 康太は素戔鳴尊と共に閻魔に逢いに行った 閻魔は屋敷の中の執務室にいて仕事をしていた ノックをすると閻魔は「どうぞ!」と言った 康太と榊原は素戔鳴尊と共に執務室の中へと入って行った

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