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第38話 旧態依然 ❶

康太と榊󠄀原と烈とレイは兵藤は崑崙山に出て、烈の漢方を貰ってから、朱雀の背に乗って人の世に還って来た 屋上には誰もいなかった 榊󠄀原は屋上の鍵を取り出すと、鍵を開けて家の中へと入った ドアはオートロックだから自動に施錠される 烈は家に入ると康太に 「飛鳥井建設のリフォームも蕪村の件も今は総て白紙に戻すわね! 取り敢えず病院と菩提寺を確実に軌道に乗せるにょよ!」と言った 康太は「それで異存はねぇよ!オレも今のままじゃ続けられねぇからな一旦白紙を申し出ようと想っていた所だ!」と言った レイは悔しそうに唇を噛み締めていた こんな風にやられてしまうとは………創世の泉の雨がこんな風に消し飛ばされてしまうなんて! 悔しくて堪らなかった それと同時に己の無力さに次の手を考えねば!と考えていた 烈は「レイたんお散歩しにゃいと、だから何も考えにゃくて良いからね!」と言った 「れちゅ……」 「それより今にゃんじかしら?」 魔界に行ったのは夜だった そしてそんなに時間は経ってない筈なのだ 康太と榊󠄀原と兵藤は部屋に戻り、身なりを整えてに向かった 烈はレイと共に部屋に向かうと引き出しから天宮の星の紙を手にしてキッチンに向かった 取り敢えずお腹が減ったのだ 烈とレイの分の朝食はちゃんと用意してあり、烈はそれをチンしてサラダを取り出してレイと共に食べ始めた 朝を食べていると着替えた康太と榊󠄀原がキッチンにやって来た 榊󠄀原が朝食をチンして並べると康太は朝食を食べ始めた 烈は康太に天宮の星を書いた紙を渡した 康太はご飯を食べながら、それを見ていた 「今 動かねぇと先はねぇか……· 烈、天宮に一度逢ってくれねぇか?」 「レイたんも?」 「あぁ、その方が早い!」 「にゃら予定立ててね! ボク病院の方の研修の手筈整えて医者の選出在るから!」 「解ってる……………しかしレイ、オレの方がダメージ食らってるんだぞ オレの指し示した果てが悉く狂ってるんだからな!こんなの怒って当たり前じゃねぇか! だけどな此処で立ち止まれねぇから、今は一つずつ片付けて行く道を烈は選んたんだよ! でねぇと総てがオジャンになるからな!」 レイは頷いた 「だけどくやちぃ……」 ポロポロ泣きながら言う 康太はレイの傍に行くと抱き締めた 「オレだって悔しいさ でもな一番悔しいのは烈なんだよ! だって蔵之介や善之助の果てを指し示そうとしたのに、それら総てが駄目になったんだからな だからな今一度整頓して………え?星詠みの婆婆にこの事は詠めなかったのか?」 素朴な疑問を呟く 烈は「詠めていたと想うにょよ、だから蕪村を先に、って言ったにょよ! そうすれば今抱えている問題が即座に露出するしかにゃいからね」と言った 康太は「やっぱし食えねぇババアだったか」とボヤいた ご飯を食べ終わり時計を見ると、時計の針は11時を指していた 康太と榊󠄀原はスーツに着替えて会社へと出向いた 烈は部屋に戻り歯を磨いたりお風呂に入ったりして、身なりを整え【R&R】のスーツに着替えると、竜馬に電話して飛鳥井の応接間に【R&R】のメンバーも呼んだ 集まったメンバーに烈は「イベント、一旦凍結させて欲しいにょよ!」と言った 竜馬は「やはり何かあったのか?」と問い掛けた 身なりを整えて戻って来ていた兵藤は、一連の話を英語でメンバーに話した 話は烈が転生者を助けに熊本へ行った時から始まっていて、その時飛鳥井も上間美鈴と謂うとんでもない女の所為で大変な事になった そして幾度も妨害され烈は怪我して、そして昨夜は頭にチップを入れた佐々木蔵之介に自爆されそうになり康太と榊󠄀原は巻き込まれそうになった 総てを話した メンバーは頭にチップ………と聞き デービッドが「それってアメリカで自爆テロだと騒がれた話と関係があるの?」と問い掛けた 烈は「あるのよ!それが白の聖教団とか白の教団とか聖教団だとか名前を変えて布教しているけど、反魂で誕生したジャンヌ・ダルクそのものが広めていた教団だからね! この倭の国も例外にゃく反魂で誕生した人間はいる………」と現実を告げた 夢物語か映画とかの世界の話を聞いている様だった 宗右衛門は部屋に結界を張ると 「この地球(ほし)の話をしてやろう! この地球(ほし)は七色に輝く星の一つ、蒼い地球(ほし)として誕生した じゃが七色に輝く地球(ほし)は悉くテスカトリポカに滅ぼされ………これが最期の地球(ほし)なのじゃよ! そして我等が闘おうとしておる敵は、そんな強大な敵じゃと言う事じゃ! じゃから脳を変形して弄くり回して性能良くしたり、脳にチップを入れて強大な力を奮う様に書き換える事も可能なのじゃよ! 此れより先に雷が鳴り響く、停電する程の強大な雷が各地に鳴り響く それは神々の力を集結させて頭にチップを埋め込んだ輩を殲滅する為にやる作戦なのじゃ! イベントはそんな雷が来るのに野外では出来ぬし 今は此処まで茶茶を入れられてしまったから、総てを白紙にして今後は一つずつ片付けてから改めて考えるしかないと想う! 済まぬ、本当に我の勝手でイベントやると言い出したのに………止めると言うしか出来なくて済まぬ!」と深々と頭を下げ謝罪した ヘンリーは「イベントの白紙とか言うけど、頭にチップ入れなのがイベントに来て爆発したら僕らまで巻き込むから……白紙にしたいんでしょ? リーダーはさ何時だって仲間想いだから、先に考えるのは僕等の安全でしょ? そのリーダーがそこまで言うって事は、それは現実に起こっている事なんだね 夢物語か映画の世界の話みたいだけど、真実ならば受け止めるしかないんだね………」と言った イーサンは「ずっと手を拱いている訳じゃないんでしょ?」と問い掛けた フレディは「雷を鳴らしまくってってのが、対処法なのかな?ならばそれが終わったら考えようよ!我等が再び集まり始動する第一歩を、踏み出そうよ!」と言った ダニエルも「延期ならその分時間を掛けて創れるから大丈夫だよ!リーダー!」と言い笑った デービッドも「何か夢物語か映画の中の話聞いているみたいやけど、それが現実言うならそうなんやろ?やけどなリーダー我等は何者にも囚われない【R&R】なんやで! ド派手な花火上げて始まる日を夢見て、我等はますます先に行けるってもんやろ!」と言った サムエルは「なら今の想いを書き留めて更にクオリティーが高いの目指しちゃう?」と問い掛けた すると【おー!】と勝鬨の叫びが上がった 烈は「もし今後イベントをやるにゃら、イベント会場には微弱な電気のゲートを作りたいにょよ! それを潜らにゃいと入れなくしてね、それで倒れたにょはチップ入りにゃのよ!」と笑って言った ダニエルは「リーダーそれだと美味しく聞こえちゃうってば!」とボヤいた メンバーは皆頷いた 竜馬はそれまで一言も発せずに皆を見ていた そして「イベントやろうぜ!俺はずっと皆とイベントやりたくして仕方がなかった 皆と離れて【答え】を探した日々に、俺はメンバーと共にいたいと想ったんだ だからやろうぜ!イベント! 一ヶ月位掛けてやるイベントっての初めてだからさ、ストックは必要だしまずはXmasイベントだな!相賀達が全面協力してくれているんだぜ? この話を話して対策練ろうぜ! そしたら動き出せば良いんだよ!リーダー!」と烈の背中を押した 烈は考え込んでいた レイは心配そうに烈を見ていた 烈は「レイたん、レイたんの水を雨で降らせて雷神の雷を全面的に流させるのって可能?」と問い掛けた ニブルヘイムは「不可能じゃありません、私の降らせる雨は唱えれば効果絶大にさせる事も可能なのです、だから貴方は区画の計算をして順当に流して行く事を考えなさい!」と言った 「ありがとうレイたん」 竜馬は「何か烈疲れてる?顔色めちゃくそ悪いぜ!どっち道病院に行くんだろ? ならば病院の仕事は点滴打ってる間にやろうぜ! メンバーも手伝ってくれるって言うからな 飛鳥井の家に残りメンバーは蕪村の資産を調べたりしてくれる、貴史は残って指示を出して下さいね!」と言う 兵藤は「おー!任せとけ!蕪村、宮瀬、花菱の資産状況は調べ尽くしてやる! 後、九鬼に連絡入れて蔵之介はどうなったか? 聞いていてやるから安心して行って来い!」と送り出す 竜馬は駐車場へと下りて行き烈とレイを車に乗せると病院へと移動した 病院の駐車場に車を停め、職員専用通路を通り病院の待合に出ると、忙しく病院のスタッフが走り回っていた 久遠は烈を見付けると傍に来て 「お前さ昨夜病院に何かしたか?」と問い掛けた 烈は「結界張ったにょよ!」と答えた 「それって夜10時頃だったりするか?」 「時間は解らにゃいのよ でもそんな頃だと思うわ、で、にゃにがあったの?」 「患者が突然苦しみだして気絶したんだよ バタバタ倒れて意識が戻らねぇから病院は大騒ぎなんだよな!」 「昨日九鬼は来たかしら?」 「九鬼?来てねぇぞ!」 「…………にゃら久遠、倒れた患者の頭を直ぐにMRIで検査して即座にチップを抜くか焼き切るにょよ!」 と言うと久遠は即座に動いた 「患者まで餌食にされたら黙ってられにゃいのよ!」 烈は即座に凛太郎を呼び出した 即座に来た凛太郎に烈は 「来年のリニューアルに伴い付けて欲しいにょがあるのよ!」と告げた 「それって研究していたあの機械ですか?」 「そうにゃのよ、凛太郎が協力してくれたヤツね、それと病院の入り口と要所要所に微弱な電気流して、出入りする人間にゲートにして潜らせたいにょよ!」 「それって頭にチップ対策ですか?」 「今の所それしかにゃいのよね?」 「アメリカの研究者が脳にチップ入れられた人間の回避対策としてジャミングの電波に反応して気絶するとかもありますけど? 今は音楽に合わせて超音波流している病院も海外ではあるそうですからね 電気を流したいなら、スピーカーに細工して超音波に電気混ぜてってのも可能ですから それならゲートとか大規模にならずとも、工事費は嵩む事無く仕上げられます!」 「ならそれの工事やってくれにゃい?」 「了解しました!」 凛太郎は即座に動き出した 烈は母に病院の状況をラインした そして凛太郎が考案したの、飛鳥井建設でも休憩中に流したらどうかしら?とラインした 康太は『それ良いな、何時頃工事とかしてもらえるんだ?』と返信した 烈は「今夜にでもやりに行くにょのよ! それと九鬼、病院に来てにゃいわよ! 信用出来る存在か?調べにゃいと駄目かしら?」 『それ本当か?ならば九鬼の件は本家に直接に聞きくとするわ!』と返した 問題山積で康太は頭を抱えた 今まで問題山積になった事は多々とあったが、こんなに次々に問題が湧いて来るなんて事はなかった 康太は天宮のホロスコープを目にして 「どの道………天国と地獄にしか行けねぇなら目を醒まさせねぇとな」とボヤいた もう後がなく此処で判断が狂うならば、行先は弁護士として生きられない世界となるしかなかった 「こんなに歪んでたなんてな………」 榊󠄀原は「悔やむのは止めなさい、時間は止まらないんですから!」と現実を突き付けた 「解ってるよ伊織………それよりも九鬼だな」 康太は気を取り直して九鬼の本家に電話をした 電話に出た人に本家に当主と話がしたいと繋いでもらい単刀直入に切り出した 「ご無沙汰しております飛鳥井家真贋の飛鳥井康太です 本日電話したのは精神科の医師をなさってる九鬼親也について話を聞きしたくてお電話を入れました!お聞かせ下さいませんか?彼がどの様な人となりなのかを?」 『九鬼親也は我の三男になるが……何かしたかお教え願えますかな?』 「動きが少し胡散臭いから、ならば本家の人間に聞いた方が早いから電話した 九鬼親也は白の聖教団とやらの信者だったりするのか?」 『…………もう長い事連絡は取っておりません ある日突然人が変わったみたいになり、我等と距離を取り疎遠になっております! なので今何をしているか? 我等は知る由もないのです………すみません そして今後は我が一族に九鬼親也と謂う存在はおらぬ事する事に決めたばかりですので、ご容赦を!』と言い電話は切れた 康太は「近くにいる筈だわな!」とボヤいた ある日突然人が変わったみたいって、入れ替わっていたのだろう……… もっと用心深く行動しないと………足を掬われる 康太はずっと思案していた すると烈からラインが来ていた 『母しゃん、今日は定時で社員帰らせて欲しいにょよ!』 「了解、何をするんだよ?」 『工事するにょよ!詳しい話は修業後に会社に行くにょよ! 昨夜結界を張ったから病院では意識ない患者出たと病院中忙しそうだったにょよ! でね病院もリニューアル見越して工事やったにょよ!』 「了解!詳しい話はその時に聞かせてくれ!」 『了解にゃのよ! それと、近い内に九鬼の病院ぶっ潰すにょよ!』 「あぁ、それしかねぇと想っている!」 ラインを終わらせると康太は榊󠄀原に話した 九鬼はどうやら傀儡になってる事、病院で昨夜結界を張ったから倒れた患者が出た事などを話した 榊󠄀原は「本当に形振り構わなくなりましたね!」と言った 「だな、それだけ向こうも後がねぇのかもな……… ニブルヘイムがやっぱ一番のネックなんだろ?」 「レイは殺らせません! 我が家のちびっこいのに手は出させません! 宗右衛門が敷いたレールの上に乗るべき存在に絶対に手は出させるものですか!」 「当たり前やんか伊織! オレ達で護ろうな、我が子もちびっこいのも!」 二人は見つめ合い頷くと物凄いスピードで仕事を片付けて行った 烈が大変になるからサポートしてやらねば、と仕事を上げて行った 真贋の仕事も年始までは休みにして、片付け行く 烈は病院のスピーカーを工事させた 今まではただの放送とか案内の為に使われていた放送室に入りスピーカーに細工をして超音波と電磁波を同時に流す事にする 勿論それに音楽を付けて自動で1時間毎に10分位流す様にセットして【R&R】警備保障サービスに巡回させ妨害を受けない様に警戒した 微弱な超音波でも脳のチップには強大なダメージを喰らう様に電磁波を混ぜて流すのだ あれから烈はレイに頼み、創造神に無限に垂れ流しで使える雷の石を落としてくれないか、と頼み込んだ 創造神は了解してくれ”何処に落として欲しいのじゃ"と問い掛けた ミネルバの奥深くの神の聖地に落としてくれと頼むと翌日落としてくれたのだ それで少しは建御雷神も楽になったが、やはり時折搾り取られているのだった 魔界も1日一回、電磁波流さないとな………と視野に入れての創造神への頼みだった 一度それを話しに魔界へ行かねば……と考えていた 病院では待合室を中心に音楽に微弱な超音波と電気を混ぜて流しhertzを確かめて人体に悪影響しない周波数の調整を始めた これを病院のBGMとして診察に来る患者に聞かせて、チップ入を警戒する! 久遠にそれにより手術室とかに影響が出ないか調べさせ、影響が出るなら防音を考えるかシールドを貼るつもりでいた 今の所、手術室に影響は出て無くて、今後も様子を見て、と言う事になった そして夜になり社員が還った飛鳥井建設に施工の社員と共に入る! すると社内には康太と榊󠄀原と何故か瑛太と清隆も立っていた 「母しゃん、父しゃん!」と烈が駆け寄ると 康太が「話してくれねえか?全部!」と言った 烈は「ボクねチップ入れたの警戒してね、凛太郎に綺麗の研究室に行かせてたにょね、頭にチップ入れたヤツの発動を抑えられるには何が最適にゃのか?を調べて貰っていたにょよ! で、そんな時タイミング良くアメリカの研究者が微弱な超音波か電磁波でチップが停止したと発表したのね だからそれを作る機械を頼んだにょよ! ついでだから病院に着けて来たのよ 病院、多分レイたんの結界でぶっ倒れて意識不明になった患者が出たからね……… 久遠に言って頭にチップにゃいか調べて貰ったにょよ! で、会社でも休憩中に音楽流すにょよ! それに伴にゃい放送室は立ち入り禁止にするにょよ!」と説明した 「母しゃん、凛太郎達施工の社員を放送室へお願いね!」と言うと、榊󠄀原が放送室まで案内した 清隆は「何か頭にチップとか謂われても実際の世界にそんなの本当にいるの?的にしかなれませんが、実際人の力以上の力を出すとか自爆するとかって聞くと………怖くなりますね、で、その脅威が傍まで来たと言う事なんですね………」と言った 烈は「病院の入院患者の中に倒れたにょ何人かいたらしいから、下手したら病院で飛鳥井家真贋か宗右衛門見たら自爆するつもりだったにょかも知れにゃいのよ!」と伝えた 瑛太は「無差別テロですね……時を同じくして、そんなニュースが飛び込んで来ています イギリスの皇族が揃った祭事の最中、宮殿で突然自爆した者がいたらしくて、ニュースになって騒がれています!」と伝えた 康太は「誰か怪我したのかよ?」と問い掛けた 「国王は大丈夫だったが、狙われたのが女王の妹のロザリー・オブライエンを狙っての自爆テロだったそうで…………彼女を護衛してる者が亡くなったりしたとかでしたが、婦人は避難させ何無きを得たそうです!」 烈は「よりによってクリストファー・オブライエンの妻を狙ったか…………そりゃ黙ってにゃいわね あぁそうか、ヘンリーやオリヴァーを本国へ誘き出して空で爆発でもしたら【R&R】は存在しにゃいからか………」と呟くと烈は何処かへラインを打った そして竜馬に「りゅーま行くにょよ!」と言った 竜馬は「了解!」と言い駆けて行った 康太は烈に「大丈夫か?」と問い掛けた 「もぉねフラフラにゃのよ! でもねこんなんで倒れてたら1000年続く果てにゃんて無理にゃのよ!」と言い踏ん張った 凛太郎は試験的に放送を流すと、作業員は周波数を持って歩いていた 清隆と瑛太は「安らぐ音楽ですね!」「本当に気持ちが安らぐ音です!」と呑気な事を言っていた 康太と榊󠄀原は音楽に微妙に超音波とピリッとするから電磁波も流してあるのか?と感心した 烈は「多分イギリスから連絡あるから閣下から連絡来るわよ!」と康太に告げた 「だろうな、狙い撃ちされたと向こうは思っているだろうし………」 相手は女王の妹なのだ 皇室から離席していないのに狙われているのだから、イギリスの権威に関わる問題なのだろう 竜馬は取り敢えずメンバーに連絡を取った すると即座に飛行機に乗ると言うから、自分も共に行くから少し待っててくれと頼み、飛鳥井の家に還り着替えてタクシーを呼び外に出てタクシーを待つ事にした すると兵藤が竜馬に近寄った 「烈から連絡来たから俺も同行するわ!」と言う 「え?貴史大丈夫なのか?」 「おー!頼まれてるからな!」と言い到着したタクシーに乗り込み空港へと向かった   空港に到着すると【R&R】のメンバーが既に来ていた プライベートジェットだから即座に搭乗して飛ぶと言う メンバーと竜馬と兵藤も飛行機に乗った そして飛行機が飛ぶ前に竜馬は烈から託された超音波と電磁波が織り込まれた音楽を大音量で流してジャミングの機械も作動させた! すると焦げ臭い匂いが機内を充満させた メンバーは「何が起きてるんだよ!」と少しパニックになり問い掛けた 兵藤は優雅に足を組み嗤って 「何の警戒もせずに飛行機に乗れば上空で大爆発する予定だったんだろ!」と言った 竜馬は「烈に謂われても俺も半信半疑だったが、こんなに焦げ臭くちゃ……多分操縦士は気絶してるよ!」と告げた オリヴァーは操縦席まで走って行くと、操縦士も副操縦士も白目を剥いて気絶していた 兵藤は「と、言う事でお帰りなれば我等倭の国の政府専用機でお送り致します! 無論、この飛行機も整備して無事を確認した後にオブライエン空港までお届けしますとも!」と言った そこへ堂嶋正義がやって来て 「此方へお移り下さい!」と言った 【R&R】のメンバーと竜馬と兵藤は、堂嶋の案内で移動した その頃烈は飛鳥井建設に明日から自動で、時間になったら流せよる様にセットして作業を終わらせた 清隆はポケットから3万を取り出すと、凛太郎に 「少なくて申し訳ないが、このお金で夕飯でも食べて還って下さい!」と差し出した 凛太郎は辞退しようとしたが孝太郎が 「有り難く戴きます! これで行き付けの食堂に行き夕飯を食べて還るぞ!」と言うと皆は喜んで機材を片付けて撤収した 康太は「施工の方は既に放送流れているのかよ?」と問い掛けた 「このシステム構築出来たにょ数日前にゃのよ だから施工も明日から流すにょよ!」 康太は「しかし何か人間不信になりそうな事しやがるな!」とボヤいた 「そーね、それだけあの教団は根深く生存してるにょね、今いるのは反魂じゃにゃくチップだもんね、ボクね当分はチップスは食べたくにゃいのよ」 そりゃそうだろ……まぁ頭のチップの事ばかり言ってたら食う気はなくなるわな……… 清隆は「家に帰ったらデリバリー頼みますか?」と問い掛けた 工事が終わればかなり遅い時間となった 食べに行ったとしても帰るのが疲れるからデリバリーが最適だと皆が賛成した 飛鳥井に戻りデリバリーを食べて皆泥のように疲れ果てて眠りに落ちた レイはこれ以上の妨害を危惧して動こうかと考えていた だが烈がそんなレイの想いを汲み取り、一緒に寝ようね!と仲良く寝ちゃったりするから、動けずにいた 烈は病院に重きを置いて、那智の勉強は休止にして貰った 病院と菩提寺の記者会見が終わったら時間を作るから、その時改めて蓮司と那智とに説明するから!と言われれば引くしかなかった そして医者を選抜して面接して働ける様に配置して行く その前に試用期間を設けて、働かせる もし音楽を聞いて病院の中で過ごすのが駄目だと言う者が出て来たら即座に辞めさせて構わない!と告げられ 放送室を立ち入り禁止にした今後は院内のスピーカーにWi-Fi機能を取り付け、電波を飛ばせるマイクを使用して、活用させて行くつもりだった 久遠は病院をリニューアルの日に向けて精力的に動いていた 義泰も志津子も協力し合って乗り越えると決めた 志津子は院内に1時間に1度流れる音楽を耳にして「安らぐ音楽ね!院内も変わって来たわね!」と言った 義泰も「ふむ、良い音楽じゃわい!」と絶賛 久遠も良い音楽だと想っているか………あの烈が着けたのだ ただ単に音楽を聞かせる為だけじゃないんだろう……とは想っていた 朝一番に、ぶっ倒れて意識が戻らぬ患者を唐沢がやって来て、何処かへ収容して行った その時唐沢は「良い音楽だ、だけど超音波と電磁波が微弱に流れてて真贋かい?」と訪ねた 久遠は「烈が工事して行った」と言うと、唐沢は 「あぁ、宗右衛門殿は食えないからな、こう言うギミックは得意と見た!流石康太の子だ!」と言いスタッフを駆使して気絶した患者を何処かへ運び込んでいた 今思うと飛鳥井の真贋も宗右衛門も個室に入院させているから、他の患者とは滅多と逢う事はない だがもしバッタリ逢ってしまったとしたら?自爆したと言うのかよ? と信じられない想いで久遠は何が起きてるんだよ?と想った 自分は医者でそれ以外の事なんて何も出来ないが…………この異常な空気感は黙っていても伝わって来ているのだ 不安に染まる久遠を義泰と志津子が静かに抱き締めた それでも逝かねばならぬのだ………… こんな異常な世界を目の当たりにしても飛鳥井家真贋や宗右衛門は逝くのだと想うと言葉もなかった 翌朝、烈は起きて食事を取ると応接間に行きテレビを見ていた テレビは何度も何度も女王の妹を狙った自爆テロだと放送した だが、どのテロ組織からも声明は届かず……無差別テロとして片付けた 康太と榊󠄀原が応接間にやって来て、ソファーに座ると康太が「今日はレイも休みだからな、天宮に逢ってくれねぇか?」と言った 烈は「了解したにょよ!でも母しゃん、帰りにレイたん病院へお願いします!」と言った 康太は「え?レイどうたんだよ?」と問い掛けた 「少し食欲落ちてるにょよ!」 と烈が言うとレイの保険証を手にして榊󠄀原は 「なら帰りに病院に寄りましょう! どの道、試用期間の最中だから顔を出さねばならないんですよね?」と問い掛けた 烈は頷いた 康太はレイを抱き上げると「少しだけ待っててくれな!」と言った レイは頷いた 榊󠄀原の車で天宮の事務所まで出向く 車を停める天宮の事務所のドアを開けて中へと入った 閑散として静まり返った事務所に足を踏み入れると、天宮はそこで初めて来客を知り出迎えに行き………バツの悪い顔をして俯いた 烈とレイはスタスタと進みソファーに座ると、康太と榊󠄀原もソファーに座った 康太は「話をしようぜ、天宮!」と言った 天宮はソファーに座った 沈黙が流れ誰も何も話そうとはしなかった 康太は烈が指し示したホロスコープを天宮の前に置いた 天宮は「これは?」と問い掛けた 「それは宗右衛門がお前の果てを詠んだホロスコープだ!」と言い羅針盤の上に透明の紙を重ねて置くと、✗印が目に付き天宮は言葉を失った これを出されたら天宮はもうどんな言い訳も言葉も見付かる筈などなかった 榊󠄀原は「神威の事務所に移りなさい!」と言った 天宮は「総てがもう遅い………」と呟いた レイは「おみじゅ」と言った 康太は「心の闇あるのか?」と問い掛けると、レイは頷いた 榊󠄀原がお水を汲んで来ると、レイは呪文を唱えて創世記の泉の水と入れ替えた レイは入れ替え終わって榊󠄀原を見ると、榊󠄀原はその水を天宮に「飲みなさい!」と言った 天宮は手渡された水を飲むと………静かに黒い涙を流した 康太は「お前………闇に染まってたのかよ?」と呟いた 天宮は「え?闇に?私がですか?」と問い掛けると、榊󠄀原は胸ポケットから鏡を取り出して天宮に見せた 天宮は黒い涙を流していて唖然となった 黒い涙を流し終え透明な涙になると康太は 「天宮、この先おめぇはどうしたいよ?」と問い掛けた 「総てがマイナスの感情に支配されたかの様に………やる事なす事裏目に出て身動き取れなくなっていました………そして東真に継がせるべき事務所を無くしたくないと想っていました……」 そこで初めて宗右衛門が口を開いた 「主の倅は企業向け弁護士と言うより、親身に人と向き合い寄り添うタイプじゃから継がせて貰っても、それは宝の持ち腐れであろうて!」と言った 天宮は宗右衛門を見た 始めの頃は飛鳥井康太に報いる為に弁護士になろう!と思って勉強を始めたが、勉強し法律を学び実践を積み重ねて行くと、どうやら自分は企業向け弁護士は向いてない……と痛感させられ、日々東青と話をしていたのだった 何も知らない頃ならば弁護士と謂えば天宮東青の様になりたい………との憧れで突き進んで来てしまったが、此処でズレが生じて来て、余計に身動きが取れずにいたのだった 天宮は言葉もなかった 康太は「神威の事務所に移れよ!今ならばまだ間に合うから!」と言う だが天宮は「もう無理でしょ?幾人か神威さんの事務所に入ったと聞きますから………」と肩を落として言う 「いやいや、あの事務所のオーナーがまだ大丈夫だと昨日言ってくれたんだ! だから動くならば早くしやがれ!」と言い烈に 「ギリなんだよな?」と問い掛けた 「そーね、ギリね、早くしにゃいとチームが出来ちゃったらアウトにゃのよ!」と言った 天宮は「………烈さんがオーナーなんですか?」と問い掛けた 「ボクと相棒とで【R&R】だからねぇ ボク一人がオーナーとは違うにょよ でも天宮は神威がビシバシ鍛えて叩き上げてやる!と言ってるからね度外視にゃのよ!」 それはそれで怖いが…………だけど何だか気が楽になった 何であんなにも追い詰められていたんだか……… 天宮は立ち上がると深々と頭を下げ 「宜しくお願いします でも私は真贋の顧問弁護士でもいたいので………そこだけはお願いします!」と言った 宗右衛門は「なれば顧問弁護士でおればよいだけの事じゃろ!じゃか神威の事務所はチームで動くからな、勝手な事は許されぬぞ! 主が真贋の仕事を入れるなればチームで担い、サクサク片付ければ良いだけの事じゃろ!」と一喝した 目の醒める思いだった 天宮は「今日中にこの事務所は閉鎖して処理をして明日から神威さんの事務所にお世話になります!」と清々しい顔をして言った 康太はホッと安堵の息を吐いた 「それと天宮、主の倅は神威に知人の事務所を紹介して貰い行かせて勉強させろ! でなくば道は途絶えて弁護士として生きてはいけなぬなるぞ!」 「そうします!」 「まずは一つ片付いたな真贋!」 「あぁ、助かった 此れから病院に行きレイを診て貰って試用期間に当たっての処理だよな?」 「そうにゃのよ、その前に母しゃん話がしたいにょよ!緑水連れて行かにゃいと………」 「あぁ、下手したら偽物ばかりかもだからな」 「そして正しき起動に乗せるわよ!」 「うし!その話も行ってからだな! ならな、天宮、明日には神威の事務所に行けよ!」 烈は式神を取り出すと天宮に向けてフゥ~と息を吐いた そして両親と共に天宮の事務所を後にして病院へと向かった 病院へ行くと採用された准看護師や正看護師が試用期間に入り、看護師長の木村さんに鍛え上げられていた 受付も実際に受付に入り業務の説明を聞き、仕事になれる為に訓練を受けていた スピーカーに飛ばすマイクの調整をしたり、リニューアルに向けて何度も何度も使いこなせる様に練習してチェックしていた 准看護師は問診をやるに当たり、木村さんに厳しく教えられていた 正看護師も質を見る為に互いの腕に採血をしたりして、その腕を確認されていた 医師も前回勤務していた医師を再雇用し、新たな医師も加わり、一からのスタートを切る事となった 受付はスペシャリストを招いて、教育をしていく 病院は既にリニューアルを見据えた動きをしていた 久遠は康太達を見掛けると近寄って来た 康太は久遠に「何かピ〜ンと張り詰められた空気感がすけぇなプロ集団って感じやんか! 烈、そろそろ記者会見しねぇとな」と言った 「兵藤きゅんいにゃいからね、どうしようかと悩んでいるにょよ!」 「あ、イギリスか今!」 「そーにゃのよ、時を見誤ると大事ににゃるから、動くしかにゃいなら実行するわ!」 「だな、それより久遠、レイが食欲落ちてるらしいんだよ!」 康太が言うと久遠は診察室にレイを連れて行った 「お前、熱ねぇか?」とあ〜んとさせたり、熱を測ったり診察をする 「風邪だな、幼稚舎の子供達の間では風邪流行ってるからな!薬出しとくから飲ませて寝させろ!」と言い処方箋を出した 烈は「泰地使えるでしょ?」と問い掛けた 「あぁ、もう患者の間では溶け込んで頼られているよ、それと木村さんはめちゃくそすげぇ人だな あのキビキビした動き、そして教える時の厳しさ、そして患者へ向ける優しさ 今まで医者としてやって来たけど、あそこまでの看護師は中々お目には掛かれなかったな」と絶賛していた 何とか病院はリニューアルに向けて教育されれば、間違いなく順調に向かって行くだろう 康太と榊󠄀原は烈とレイを連れて飛鳥井に帰宅した 飛鳥井に帰宅すると流生達が帰宅していた この日は習い事も菩提寺への修業も一旦取り止めにして栗栖により勉強を教えられていた 康太は翔に「レイ風邪みたいなんだよ、寝かせて面倒見てくれねぇか?オレと烈はまだ動かねぇとならねぇからな!」と言うと大空がレイの傍に寄り、ソファーに寝かせてブランケットを掛けた 「母さん、見てない所に寝かせられないから今は此処で寝かせて様子を見るね!」と言う 烈は「レイたん、悪化したら入院らからね 絶対に無茶しにゃいって約束守れるよね?」と問い掛けた レイは「まもれりゅ!」と言うと烈はレイの頭を撫でた 「無理しにゃいでね、レイたん………」 「らいじょうびよ!」 康太は流生にレイの薬を託した そして鷹司緑翠にアポを取りタクシーに乗り逢いに行った 鷹司緑翠の屋敷に出向き、緑翠に事情を話して崑崙山まで来て貰う事を頼むと緑翠は 「何処へでも逝ってやる! 宗右衛門、貸し一つな!」と言い喜んで鑑定キッドを手にして崑崙山に共に逝ってくれた 崑崙山に向かうと八仙の屋敷の奥の建つ烈の屋敷へと向かう 榊󠄀原は結界を解除して屋敷の中へと入って行った そして緑翠に鑑定を頼む 緑翠は瞳を光らせて善之助の屋敷の調度品の鑑定を始めた 一つ一つ丁寧に鑑定を始める 総て鑑定し終わるには、かなりの時間を要した 緑翠は「全部本物です、資産にしたならばナイトムーンダイアモンドだけでも一億は下らないから、3億は軽く行くんじゃないかな?」と言った 全部本物………ならば善之助が危ない! 康太は慌てた だが烈は 「母しゃん、ぜんちゃんは菩提寺にいるにょよ! あの日蔵ちゃんと共に行ったにょは……式神にゃのよ!あんなタイミングで傍にいて駆け付けられるにょは可怪しいと想ったにょね!」と告げた 康太は「それって善之助の星が………危機感を告げていたのか?」と問い掛けた 「そーね、あの日あの時九鬼が連れて行けば果ては途絶えてにゃくなるしかなかった だから事前に手を打ったにょよ! 蔵之介は………奪還して果てへと繋ぐ為に細工させて貰ったにょよ!」 「細工、それは?」 「中から食い破るにょ好きでしょ?あの教団は だから蔵之介のいる場所に根が生えちゃうにょよ! 九鬼は神威の存在は知ってても、大歳神にょ存在は知らにゃいからね」 「お前………何時から九鬼を怪しんでいたのよ?」 「悦郎の記者会見前には報告書を貰ってたから、胡散臭い想って警戒していたにょよ! だって一生は結界を張る様に勧めたにょに、未だ結界を張ってにゃいのよ! 紫雲はそんな依頼すら聞いた事はにゃい、言ってたから余計に向こう側の存在じゃにゃいかって………」 そう言われてみれば総てのピースがガチャッと嵌まる 烈は更に「大歳神がね、蔓で人形を作るとね、自在に動けるにょよ で、その蔓にぜんちゃんの容姿に見える細工を弥勒がしてくれたからね 絶対に蔵ちゃんの星を視た時に動くと踏んだから待機させていたにょよ! で、本物のぜんちゃんは紫雲にょ結界の中に入れておいたにょよ!」と言った 康太は「ならば善之助は無事なんだな?」と問い掛けた 「そーよ、じゃなきゃ………ぜんちゃんの心配をしている……せいぞうじぃさんが悔やむからね これ以上人の人生を翻弄にゃんてさせない! 今度は此方が翻弄してやるにょよ!母しゃん!」 「だな、面白れぇな! で、これからどうするのよ?」 「九鬼の病院は崩壊の危機になって貰うから、母しゃんは唐沢を待機させておいてね! そこからは大歳神が張り切っちゃうからさ その変わり………終わったら御馳走してやって下さい!」 榊󠄀原は「解りました、ならば大歳神には死ぬ気で頑張って貰わねばなりませんね!」と笑った 黙って話を聞いていた緑翠が 「善之助って蔵持か? あぁ秘書と妻に会社乗っ取られたんだよな?」と問い掛けた 康太は「お前、詳しいな?」と言うと緑翠は 「胡散臭いんだよ、あの妻と秘書 昔はあんなんじゃなかったらしいが、変わってしまったと言われているからな、ひょっとして?と想っただけだ!」と言った 康太は「善之助の秘書って東都日報の社長の弟だったよな?そう謂えば東都日報って今枝が去った今、連絡すらしてねぇよな? ひょっとして?ってあるか?」と呟いた 烈は「可能性は在るかもよ?だって今枝に忖度しろって言ったらしいからね 昔にゃら有り得にゃいのにって想ったのよ! だからイギリスの新聞社に移籍する様に勧めたんだもん!」と言った 「んとにな、食い荒らされちゃ堪らねぇな!」 「あのね母しゃん、頭にチップは数は多くはにゃいのよ、でもね洗脳されてる使徒は………新たなる洗脳を始めてるにょかもね……」 「それって唐沢は掴んでるのか?」 「ボクはその人知らにゃいから解らにゃいのよ でも正義が知ってるから、既に把握済みじゃにゃいかしら?」 「え?正義が知ってるって?」 「頭のチップは何とかなるけど、洗脳は見分けが付かないから、手立てはなくなるな! って言ってたらしいにょよ! 兵藤きゅんに報告させた時にね言ってたみたいね!」 「何かもぉ面倒臭いなぁ………教団のトップ消されたのに何故に踏ん張るのよ?」 「向こうが一枚上手だったにょね こうなるのを見越して手立てを打っていたにょよ!ならば此方は見付けたら即座に消す! それしかにゃいのよ!」 「なんかそれ………ゴッキー君みてぇだな 見たけたら何万匹の卵を放出しそうしゃねぇかよ!」 康太はボヤきつつ「なら次は九鬼か?」と狙い撃ちの相手を口にする 「そーね、何時まで蔵ちゃん生かしてくれるかしら?それによるわね」 「下手したら………消す気か?」 「だって駒だもん、チェスか何かのゲームの駒だもん、躊躇う事無く消し去るわよ! 利用価値にゃくなったらゴミだもん!」 「んとにな、胸糞悪い話だぜ!」 康太が吐き捨てると、榊󠄀原も頷いた 緑翠は「兄者が全面的な協力を惜しまないと言ってるから、出番が来たから言ってくれ!」と言った 烈は「緑翠、この骨董を希少価値の高いのを博物館にレンタルして、そこそこのを売れる様に手筈を整えてくれにゃいかしら?」と言った 緑翠は「了解した!」と写真をパシャパシャ撮り始めた 「希望金額は如何程よ?」 「一億は欲しいかしら?」 「了解した、なりこのナイトムーンダイヤは? 博物館に展示するとか謂わねぇよな?」 「そうね、それだけで身の危険あるからねぇ」 と烈が考え込むと榊󠄀原が代わりに 「……レンタルに出すとしたら毎月の貸し出し料は出るんですよね?」と問い掛けた 緑翠は「その様に話はするが高額は無理だぞ、今の時代に博物館とか美術館とかにレンタル出すにしても高額は出しては貰えぬからな………」と内情を話す 康太は「きちんと管理して展示してくれればそれで良い、でもナイトムーンダイヤは展示はやっぱり無理か………」と思案する 緑翠は「まぁそれも追々考えれば良くないか? そのダイアは死霊が着いてて持ってる人間を不幸のどん底に陥れる存在だからな………出来るなら早く箱の中へ入れて欲しいな………」と言った 榊󠄀原は「死霊?………何処らへんにですか?」とダイヤを眺めていた 「そのダイアは曰く憑きなのじゃよ! なぁ、宗右衛門、視れば解らねぇか?」 緑翠はヤケクソで言う 宗右衛門は「持ち主を変えて取り殺すと謂われる別名【血塗られた蒼い死神】と謂われるダイアじゃからな 四半世紀流転して蔵持の金庫に留まった じゃがやはり欲目に取り憑いて狂わせる運命なのじゃろう………展示して魅了されたら怖いから……これは封印した方が良いじゃろう!」と言った 緑翠は「なっ!ロクなもんじゃねぇだろ!」と言った 康太は「鷹司でも祓えねぇのか?」と問い質した 緑翠は「無理無理!近寄りたくもねぇよ! それは付喪神の範疇を超えてる……謂わば呪物だ …………祓うのに何人の死者が出るやら……… 頼むから俺んちに持って来るなよ!」とまで言った 榊󠄀原は「1億なんでしょ?」と聞いた 1億なら普通は欲しがらないか? 「1億やるから祓えと謂われても、命が惜しいヤツなら近寄らねぇわ!」 緑翠は命が惜しいから近寄らないのか……と榊󠄀原は納得した 康太は「割ってなん分割かにしても駄目なのか?」と問い掛けた 「無理だろ!ソイツは絶対に割れねぇぜ!」 康太はニヤッと嗤って、名案が思い付いたとばかりに「ならこれを善之助の妻だった女に渡せば良いじゃねぇかよ!向こうは欲しがってるんだしな!」と言った 烈と笑って「それ名案ね!」と言った 榊󠄀原はエグい事を考える親子に………何も言えなかった 緑翠は「どうやって渡すのよ?」と問い掛けた 康太はノリノリで「それは何とでもなる!」と言った 榊󠄀原はナイトムーンダイヤを箱に戻すと、紙袋に入れて手にして立ち上がった 「それでは帰るとしますか!」と言う 緑翠は「なら、それ以外はそこそこのは売りに出し、高値は博物館か美術館にレンタルだな?」と問い掛けた 康太は「だな、頼むな緑翠!オレは朱雀が行って静まり返った井の頭公園に出向いて手を打って来るからな!」と言った 緑翠は「え?朱雀が言っちゃったのかよ………輪廻転生の神が行っちゃあいかんがな!」とボヤいた 「まっ、その分は御子柴の血を引く者を連れて行くから、わんさか出て来ると想うから安心しろよ!」 「……………あの地を鎮めくれ、でねぇと……謂わずとも解ろうて!」 「だな、了解したから、そう伝えてくれ!」 「ではお頼み申す! 此方の骨董品は写メを撮ったから、それを見せて話を付けて参る!」 「んじゃ、還るとするか!」 烈は神の道を開いて鷹司の家まで送り届ける事にした 榊󠄀原は青龍になり妻を背に乗せて、天高く上って行った 緑翠は神の道を通って還る道すがら 「今世は何か大変だなお前………」と言った 宗右衛門は「最終決戦みたいなモノじゃからな……問題は次から次へと湧き出て来るのじゃよ! 主だって今世は祓う仕事が次から次へと入るのであろう?狂っておるのじゃよ………総てが……」と言った 緑翠は笑って「それでも逝くんだろ?お前は?」と言う 宗右衛門も笑って「じゃな、明日を信じて逝かねばならぬからな、そして儂は1000年続く果てへと逝かねばならぬ!」と言った 「また連絡するな!宗右衛門!」 「あぁ新年の蚤の市、お供するとする!」 そう言い緑翠を家で放り出し、烈は神の道を通って飛鳥井の屋上へと出た

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