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第49話 確かな明日へ

太陽石を埋め込み、レイが電柱に水を流した ミネルヴァの森では、これの小さいのを作り、何度も何度もシュミレーションして成功させた だが電柱に埋め込んだ太陽石が、水圧で押し出された星石とぶつかり、電磁波をちゃんと放出するかは………分からなかった 烈はドキドキとその時を待った 閻魔も建御雷神も素戔嗚尊も天照大御神もドキドキとその時を待っていた レイはトキとアルくんとタカシとアレクとドキドキ、成功する瞬間を待っていた 星石が水圧で上まで到達すると、霧状の水が吹き出し電磁波が放出された 区画の電磁波が一瞬にして魔界中へ飛雷して伝わり電磁結界が結ばれる その結界内には頭にチップを埋め込まれた存在や脳を弄くり回されま存在は意識を保てず気絶する そして自ら蓄電出来る太陽石は街頭の効果もあり、夜も魔界を照らす事になる 建御雷神は電柱から霧状のモノが広がるのを目にして「成功だ!」と飛び上がった 閻魔はホッと安堵の息を吐き 素戔嗚尊は烈を抱き上げて喜んだ そしてレイを抱き上げてクルクル回って喜んだ 電柱の近くには世界樹の苗木を育てていたから、植えた レイの水が霧状に吹き出し濡れていた これでスクスク育つだろう その合間に花をつける木も植えて、魔界を様変わりさせるつもりだった 今 鬼達に頼み太陽石を埋め込んだ街頭も何本も作らせていた それを一定の距離に建てて、夜になると照らす様にする 取り敢えず、電磁波は成功した そしてやはり電磁波を受けて倒れる者が出て来ていた 閻魔が其れ等をマニアルに基づいて確かめる 白目を向いて錯乱していたら、即座にい無間地獄の奥の奥の空間に鬼達に言い付け放り込むしかない 口から泡を吹いてる者も同様 白目も泡も吹かず気絶した者は特製牢屋に入れ様子を見る 聴覚が電磁波を拾って倒れる場合もあるからだ 特製牢屋は微弱な電気と超音波を同時に流す 聴覚だけなら大丈夫であろうが、超音波ならば脳にチップは白目を向いて倒れるだろうから即座に無間地獄の奥の奥に放り込む 無間地獄の奥の奥の空間に放り込んだ者はどの者も、閻魔の定義に異論を述べて反乱を引き起こしていた者ばかりだった やたらと権力にあかせて文句を言う そんな者を使い反乱を引き起こして魔界を中から潰す気だったのだ ………と烈は言った 「飛鳥井もやられたにょよ! 中から食い尽くし、気付いたら手の打ちようがにゃくてね、ボク……絶望したわよ でもね母しゃんが立ち向かっているにょに、ボクが挫ける訳にはいかにゃくてね……… だから魔界もそうならない様に来たにょよ!」 電磁波でかなりの存在が無間地獄の奥の奥に放り込まれた 恐怖政治にならない為に、烈は魔族の為に説明会を開いた 何度も何度も魔界に来て、素戔嗚尊と共にこれはやらねばならない事だから………と説明した それに閻魔や建御雷神も加わり、閻魔庁を上げて住民の同意を得たのだった そして住民は目の前で白目を向いても倒れる存在を目にして…… 魔界もテスカトリポカにより弄ばれているのだと痛感した テスカトリポカ……どんな存在なのか? 解らないがこの地球(ほし)が5年もしないうちに滅ぶかも知れない そんな話をされた 魔族は信じ難い話を何処か夢物語みたい聞いていた だが目の前で白目を剥き口から泡を出している存在を目にすれば……… 脳を弄られた存在なのだ………と信じるしかなかった だが素戔嗚尊が「落ち着け!今こそ我等は結束して明日へと繋げねばならぬ! 誰かを疑うのではなく、信じて逝くしか無いのだ!」と謂われれば……… 頑張るしかなかった レイは先の戦いで皇帝閻魔と大天使ガブリエルと共に神聖の剥奪に動いて怪我を負った と聞けば未だに治らぬ怪我を目にして……… こんなに……ちっこいのが頑張ってるのに自分達は何してるんだ!と想い奮起した 龍族は金龍の不在だからこそ、今こそ一致団結せねば!と地龍を支えて頑張っていた 金龍が戻ったら神々が綺麗に消えた地を金龍が開拓して、その地に龍族は住む事になる! と聖神が宣誓した 「だが龍族が優れているからだと傲れば、即座に消えた神々と同じ道を辿る事となる! あの地は創造神に借りた誓約の地 約束を違えれば即座に龍族は魔界から消える! それを努々忘れるでないぞ!」 そう言い聖神はその言葉を誓約の地として言葉を刻んだ 誓約の地に戒めの言葉が刻まれ……… 龍族は金龍が還れば回りだす現実に気を引き締めた 誓約の地に住む龍族なればこそ、傲らず威張らず、模範になれ!と聖神の想いだと素戔嗚尊は言った その言葉を受け更に頑張らねば!と龍族は奮起するのだった 本当ならば素戔嗚尊の孫 聖神を殺そうとした金龍が許される筈などないのだ それが許され今 人の世で鍛錬の日々を送っていると聞く この前戻って来た金龍は研ぎ澄まされ全て変わった姿になっていた 柔和な雰囲気だが、動作全てがキレていて、鍛え上げられた姿は一目瞭然だった 金龍は聖神に生かされ、龍族は果てへと繋がれたのだと痛感した 魔界から追い出されても仕方がない事をしたのだ 龍族は魔界の皆と溶け込もうと努力し、生活をしていた 金龍と謂う傘の下、安穏と暮らしていた日々こそ、許されない行動だったと己を見返し、皆が態度を改めて前を見始めた証拠だった 烈はレイとクロスと共に畑にいた 今度はフルーツの木に挑戦するのだ 木を育てる区画はクロスが既に用意してくれていた 烈は茶葉を紅茶みたいに加工して読むのが好きだった クロスもそのお茶が好きで、市場で売り出せる為に、日々研究していた お茶の木は何とか成功していた 「クロス、フルーツの木もだけど、畳にする草……どうしようかしら?」 と烈は道場を作るならば畳だと決めているから、畳にする材料に苦労していた クロスは「それね妖精の国に良いのがあったから、妖精王に魔界に貰えないか聞いてるから、許可が下りたら育てられるわよ!」と言った そんな話をしていると、大歳神が「おい烈!儂の仕事を増やしやがって!」と怒ってやって来た 「とうしゃん?どうしたにょ?」 烈が聞くと大歳神は愚痴を込めて話し始めた 「康太から電話が来たんだよ! 今直ぐに、妖精王の所へ行き烈が要望してる種を貰ったら、即座に魔界に行き増殖させ烈の手助けしてやってくれ! 妖精王が聖神に頼まれた件、許可したって閻魔の方に連絡して来たからって、儂の方に連絡が来たんたよ! 今直ぐに行け!早く行け!即座に行け!って謂われたから、儂は妖精国へ行って……根っこごと授かって来たんだよ!さぁさっさと仕事してやるから、お前の酒を飲ませやがれ!」とボヤいて言った 烈は「とうしゃんお疲れ……」と労いの言葉を言った 「で、やたらと長い草は何処で育てる気だ?」と問い掛けた クロスはミネルヴァの森の外れの区画を整備したのでそこで!と頼んだ 草だから野菜やフルーツが負けないか? 考慮してミネルヴァの森の妖精に相談して奥の地を切り開いて貰ったのだ クロスが案内して連れて行った地に、大歳神は根を伸ばして植え付けた 「種を取る為にこの横に種用の草、生やしといてやろうか?」と言うとクロスは喜んで 「お願いします!」と言った そして大歳神は「で、お前達が悩んでたフルーツの木、妖精王から妖精が幸せに暮らしてる様なのでお礼に、と貰って来てやった 何処に植えたら良いのよ?」と問い掛けた クロスはパタパタ飛んでフルーツの木の区画に飛んで 「此処にお願いします!」と言った 大歳神はその区画に授かって来たフルーツの木を生やしてやった 烈とクロスは飛んで喜んでいた そこへ愛馬に乗った素戔嗚尊が 「お〜い!倅よ!増えに増えた猪野ワンを狩りに行くぞ!」と呼び掛けた 大歳神は「その猪野ワンってなんぞよ?」と問い掛けた 「烈が猪と犬を掛け合わせた様な魔獣にゃのよ だから猪野ワンね!と呼んてたから何時の間にか猪野ワンと皆が呼んでおるのじゃよ! そんな事より倅よ!今宵は猪野ワン鍋であるぞ!」と急かした 仕方なく大歳神は愛馬に乗り父と共に猪野ワンを狩りに行くのだった それを見送り烈は「閻魔の所へ行かにゃいとな」と言った クロスは「ならデメロン持って行こうよ! 食堂に一つ差し入れしたいしね!」と言った 烈は鬼に言いアルくんにデメロンを一つ、レイのタカシにデメロンを一つ括って貰って、クロスをポケットに入れて閻魔の邸宅に向かった 閻魔の邸宅の庭に馬達を停めて、屋敷の中へと入って逝く お付きの鬼がアルくんとタカシの背に括り付けたデメロンを手にして後を着いて行った クロスはデメロンを一つ食堂のおばちゃん鬼に渡した 「これを切り分けて、ご飯食べに来た者に着けてやってね!」と言うとおばちゃん鬼達は喜んで 「あぁ、最近は沢山の者が食べに来てくれるからね、着けてやる事にするよ!」と言った 閻魔の邸宅は改築した 多くの魔族に格安で提供出来る様に食堂を住居と切り離して作ったのだ かなり大きな食堂は安くてボリューミーな食事を提供してくれると人気になっていた 食堂にデメロンを一つ置いて逝く そしてもう一つを天照大御神の方の住居に行き 「あまちゃん、食べるにょよ!」と天照大御神に差し入れする  「おー!烈、よいのか?貰ってしまって?」 「雪にも分けてあげてね!あまちゃん!」 「解っておる、夫に切り分けさせて持って逝くわいな!」 「明日の朝、鬼達に工事して貰うから部屋が明るくにゃるわよ!」 「ありがとうな、烈」 「にゃらね、あまちゃん!」 と言い差し入れを置いたら烈とレイとクロスは閻魔に逢いに執務室のドアを叩いた 閻魔がドアを開けると烈達がいて、閻魔は部屋に3人を招き入れた 烈は部屋に入りソファーに座ると 「あのね、畳を作りたいのね」と切り出した 閻魔は「材料になる草、大歳神に生やして貰いましたか?」と尋ねると烈は頷いた 「畳ですか?作れますかね?」 「難しいけど、教えれば出来にゃい事はないにょよ!」 「ならば、烈お願いしますね!」 烈は頷いた クロスが「今日の食堂の定食にはデメロンが付きます!」と言った 閻魔は目を輝かせ「ならば食べに行かねば! デメロンは当分、食堂で浸透させてはどうですか?」と提案した 「そうね、デカチゴの様にボロボロ成らないからね、大量生産は無理なゃのよね…」 「なら食堂の方で買いましょう! その分開発費に上乗せしますね!」 「えんちゃん、針がね出来てたにょよ アレ、えんちゃん?」 「ええ、朱雀が来てたので、アドバイスを貰い何とか作りました 朱雀は当分来れないとかで、その前に来てくれていたのです、その時針なるモノを作っていたのでアドバイス貰いました」 「にゃら布を織る機械増やさにゃいと駄目ね」 「ええ、それも視野に入れて、あれから増やしておきました!」 「なら型紙から取る服、作らなきゃ! 染め物もそれと同時にやらにゃいとね!  レイたん、クロス、草木染の草とか木とか取りに行くわよ!」 と言いレイとクロスと共に執務室を飛び出して行った 慌ただしく出て行ったちっこいのを見送り閻魔は 「じっとしてませんね!」と呟いた 建御雷神は「今度は何を始めるのじゃ?」と問い掛け………物凄く明るくなってる執務室を見て 「あ〜ズルい」と難癖を着けて来た 閻魔は「明日の朝は父者の家も明るくなりますって!」と言う そして「この明かりの為に雷注がねばならないので、疲れます………」と充電せねば暗くなるから結構大変だと言う 建御雷神は「適度に放出せねば鈍るからな、丁度よいわい!」と笑い飛ばした 建御雷神の手にはブラシが握られていた 愛馬のブラッシングに行くのだろう そのブラシの材料………山大アラシの抜け毛で出来ている事を誰も知らなかった…… 山大アラシの毛は結構抜けるのだ 生息地さえ知っていれば集めるのは容易かった それを鬼達に集めさせ、その毛を蒸したり叩いたりして適度に柔らかくしてブラシになる木に穴を開けて埋め込むのだ そして突き抜けさせ結び抜けなくさせ、その上に結び目が見えなくさせる大ナメクジと大でんでん虫の粘膜から採取した液体で固めると美しいキラキラしたブラシの出来上がりだった 工程は見せられないが、出来上がりは馬用、魔族用どちらも使いやすく、艶々になるのだった その為に玄武の山をお借りして、山奥に大ナメクジの牧場を作り何百匹も捕獲して育てて粘膜をダラダラ垂らしたのを採取していた それと同時に大でんでん虫も捕獲して、粘膜を集めていた 大ナメクジの毒素を無害に変えて固まる大でんでん虫の粘膜は、2つが合わさるとキラキラしたプラスチックみたいな物体が出来上がるのだった それを沢山採取して魂の管理庁を綺麗に飾り付けたのだった キラキラした正体がそれだとは言えなかった………… 今回はブラシにそれを使った かなり分厚く何度も塗るとプラスチックのカバーを被せた様に、美しいブラシが出来る そうして作られたブラシは魔界で人気の商品だった そんな工程を重ねて行かねばならないから、一日に数個しか出来ない だから外見を気にしない者の為に格安で、買えるブラシを作成中だった 庭とか道とかに、兎に角何処でも生える雑草に目を付けた烈はプラスチックみたいな雑草で試作品を何個も作っていた 魔界にもプラスチックみたいな材料はあった 地獄の釜茹での後に残るネバネバを利用して作る新素材はプラスチックみたいに伸びて好きな形に形成が出来る それを鬼達に毎日取りに行かせ集めさせていた 雑草を大量に青龍の山に生やす 雑草だから、畑では生やせられないから、畑から大分離れているから、父に山を少し借りたいと申し出た すると青龍は我が子の為に雑草を生やせる地を作り、他の場所は凍てつき雑草さえ生えはない様にした でないと畑に生えたら烈達の努力が無駄になるからだ その地をお借りして雑草を育てる そして刈り取り鬼達や主婦や女性をターゲットにした格安ブラシを作る 雑草に色を付け、ブラシそのモノに色を付け、カラフルにして行く すると人の世で言うブラシが出来上がる 烈はトキをブラッシングして「どう?」と聞く 「まぁ、それなりだな!」 烈はアルくんをブラッシングする 「あのキラキラブラシよりは少し肌触りが違うが、気持ちいいぞ!」 と感想を述べてくれるから良しとした それを閻魔に頼み市場で売りに出す 格安なので、ブラシは飛ぶように売れた 烈はブラシの在庫を確保すると、雑草を編み籠にした   それを教えられ主婦達も雑草を編み作品にして行く それと同時に天照大御神の採寸をする 採寸から型紙を起こす事を閻魔庁の縫製部署のスタッフに伝授する 採寸から型紙を取りに生地を切り、縫って行く そして初めて出来たワンピースは天照大御神にプレゼントした そしてグリーンの絞り染めした生地で作ったシャツは宇迦之御魂神に約束通りプレゼントした 天照大御神は少女の様な淡い白のワンピースを着てみた ワンピースは着やすくて、軽くてフワフワしていた 烈は天照大御神の髪を編み込み花で彩る 天照大御神はとても美しかった 建御雷神はポッとして言葉を失った 烈は建御雷神に黒い生地で作った服を着て散歩に行け!と言った きっと目立つ事間違いなしだな、と烈は採算が取れるだろうな、と北叟笑んだ 二人の服は魔界中が目撃して、即座に話題となった 聖神の新規事業だと聞けば、即座に女性の憧れとなる ブラシで魔界を騒がせ、格安なブラシを作り手に入りやすくしてくれた 今は高嶺の花でも、そのうち格安を生み出してくれる筈……と女性達は願っていた 皆が、作りたい、と言える値段ではないし、予約して何年も待たねばならないのだ ちなみに宇迦之御魂神のシャツ、着やすくて丈夫で買いたいと想う男性客も増えていた 魔界にまた新しい風を吹き込んだ聖神は、獣を乱獲しなくても着れる服を生み出していた 地獄の鬼達は鉄鉱石を釜で熱し、針を作る作業をしていた 鬼達は魔界札や魔界銭が出来たから、給料と謂う形で貰う様になっていた 地獄の仕事の固定給は安かったが、聖神がくれる仕事は給金が高くて助かっていた  だから仕事を言いつければ、即座に仕事する そすればお酒も買えるし、市場で聖神が考案した惣菜も買えるのだ 妻も子も助かって生活も潤っていた 時々、皆にとデメロンとか差し入れしてくれる 皆でそれを切り分けて家に持って還れば、手に入らないモノを!!と感激されるのだ だから針を作る仕事も力を入れていた 朱雀が針の形を作ってくれたから、そこへドロドロに溶かした鉄を流し込む 針穴の部分は最初から突起物が出ているから外せば針穴が出来てる針となる それを磨いて先を尖らせれば、針の出来上がり あらゆるサイズの針を朱雀は想定して型を作ってくれていたから、その者に合った針を持てるだろう 工場で縫製の仕事をさせ、全員に配り予備を取ったら、市場に流す予定だった それに伴い烈は、砂糖を絞った滓で紙を作り出した 搾り滓を捨てるのは勿体無いから、それで紙を作る 糊となるでん粉は大じゃんが芋を洗うと出て来るから、それを洗いまくりでん粉を取る で、捨てるのは勿体無いから、烈がポテントサラダと銘打ち、ホクホクのポテトサラダ風に作り売り出す 食品工場のスタッフに作り方を伝授して作らせる 案外、大じゃんが芋以外でもでん粉は取れ、糊は難なく取れた それと砂糖を作った残り滓を混ぜたのを、他の作業で使っているローラーを使い、均等に伸ばしてペラペラの紙を作る 食物繊維たっぷりの搾り滓は紙を作るのには最適だった その紙を使い、型紙を取る 型紙を切る為のカッターナイフもその為に作らせた 採寸する者、型紙を起こす者 型紙を切るモノ 生地に型紙を形どる者 生地を切る者 その生地をパーツごと縫う者 袖を縫う者 全てを繋げあわせて縫う者に分けて作業は行われて行った 細かい作業だから休憩を多めに取る だがその縫製工場は希望者殺到する程の人気の工場だった 縫い方を覚えて何時か家族の服を作りたい そんな願いを込めて、キツイ仕事だが皆頑張って服を作っていた 最初の服は閻魔庁の制服だった 全ての閻魔庁で働く者の服を揃える 烈の提案で、閻魔が依頼した仕事だった 閻魔庁の職員の採寸をして制服を作って行く 閻魔庁のロゴを入れた刺繍をしたかったけど、時間がないからスタンプみたいに閻魔庁のロゴをあのキラキラ粘膜で押して行く この粘膜は取れないし剥がれないから、試験的に服に使って見たのだ そうして制服が日々出来上がって行くのだった 縫製工場の横には機織り工場も併設されていた その工場には蛍光灯ばりの明るい電気が幾つも入って手元を明るくさせていた 閻魔庁のスタッフがクロウに頼み雷石を定期的に交換して貰う事になっていた 魂の管理庁も電気に切り替えて室内を明るくしていた クロウは定期的に雷石をビリビリ充電満タンなのに変えて、充電の足りない石は雷石の下に穴を掘った籠に入れて充電させて行っていた ミネルヴァの森は許可した者しか入れなく幾重もの結界を張った クロウとタロウとゴロウとシロウは許可されているので、充電専属となり交換して歩いていた 桜の里の子らは魔界の者と結婚して子を増やしていたから、里を出て魔界で生活するしかなかった 蛇の様な子も真っ白な子も今は結婚して家庭を持ち、里を出て魔界で暮らしている そんな、なんの力も持たない者が増えて来たから、余計に烈は護身術を教えて、自分の身位は護れるようにせねば!と想ったのだった 魔界は近年 種族を増やした  その中で一番増えたのは鬼と龍族だった じけじけした魔界の方が種族を増やすかと想いきや、世界樹の木から光や太陽が放たれたから、組織が活性化したのかは?定かではないが…… 増えているのだ、ポロポロと その影響は桜の里でも出ていて、ほぼ土御門孔明と共に桜の里に移った子らは、結婚して子を増やしていた あの芦屋貴章や安倍晴葵ですら、それぞれ妻を持ち家庭を持ったのだ 毘沙門天が無理矢理、お見合いの場をセッティングして、お見合いさせた相手は祓い人北条彩鶴と紗綾の姉妹だった 毘沙門天は「人間だぞ、お化けや妖怪じゃねぇからな!烈が嫁を紹介しなきゃデカチゴ食わせねぇって謂うから、最高のお相手を見付けて来てやったんだよ!二人は、祓える調伏出来る家業は祓い屋拝み屋、姉妹で受け継いだ だが継ぐべき家はこの前の台風の土砂災害で土石流に流れたからな、継ぐべき家がないなら嫁に出ると言っていたから、紹介する! さぁ結婚しやがれ!子を生みやがれ! セックスしやがれ!」と言って二人を押し付けた 毘沙門天は聖神の依頼だ!と鬼達を使い今までの家を取り壊し、立派な家を2件建てた そして「セックスの仕方わかるか?解らねぇなら宗右衛門が前世の若かりし頃芸子と一発やってる動画を用意したから、それを見せろって言ってたからな、ほれほれ携帯貸せよ!」と携帯を手にすると無理矢理メモリーカードをぶっ刺し動画をコピーした 「それ見てヌルヌルのギンギンになり頑張れ!」 と言い嫁をあてがい、焚き付けた 四人は言葉もなく黙って座っていたが、毘沙門天は人仕事終えた!と魔界へ還り報酬を手にしてホクホクで炎帝の屋敷へと行った だが毘沙門天は「あ!どっちがどっちを選ぶか?決めなかった………まぁ良いか!」と報酬のデカチゴを貰い雪と一緒に食べたのだった 晴葵と貴章はお二人と話をして、気の合う方と結婚した 二人は夫となった存在を立てて敬い大切にした 二人も妻となった者を大切にした そして子を成した……しかもゴロゴロ……… 烈は大満足だった 孔明はきっと子守をしてくれるだろう 桜の里の子らが巣立って行っても、その子らは桜の里を実家だと想い何時だって遊びに行ったり、還りそこで生活をしたがる子らもいた そして貴章と晴葵の子も孔明を師と仰ぎ、学ぶ事だろう それがずっと続いて、孔明が寂しくないなら、それで良い それが母に捧げる日々だから、烈は賑やかになる桜の里を思い浮かべ喜んでいた 後日、貴章と晴葵が嫁を娶ったと話を聞き、果てを見た康太はゴロゴロ生まれる子供を視て胸が熱くなった 今の世も孔明の周りは賑やかで、人に囲まれていた それこそが、康太が願う明日だから………… 烈とレイが魔界へ行って2週間が過ぎた頃  康太と榊󠄀原は様子を見に魔界へとやって来た 魔界に到着したのは夜だった 崑崙山から馬に乗り魔界へと向かった 魔界は街頭に照らされ木々と甘い匂いのする花に包まれて………地面は煉瓦造りの歩道になってて見間違える程だった 「え?此処魔界か?」と康太が言う程に変貌を遂げていた 閻魔の邸宅に到着すると…………様変わりしていた 閻魔の邸宅の隣の空き地には食堂が出来ていて、それは食堂と言うよりレストランぽい造りだった 閻魔の邸宅は………何だか立派になり大きくなっていて、雑草だらけの庭は整地され煉瓦造りの道が出来ていて街頭で照らされていた そして閻魔の邸宅の玄関に着くと、ドアを開けると………何か会社みたいな雰囲気になっていた 長い廊下が通っていてその横には部屋が無数あるのが伺えられた 横にあった応接室はなく受付が有った 受付にいた鬼が「あ、炎帝殿と青龍殿、閻魔に面会ですか?」と問い掛けられた 「え?此処閻魔の邸宅だよな?」と問い掛ける 「此処は閻魔の執務室です! 邸宅は横から入って下さい!」と謂われて、外に出て煉瓦造りの道を歩く すると立派な玄関が出て来て、ドアを開けて中へと入った すると入って直ぐにガラス張りの応接室が目に入り、そこに座る閻魔に「何?変わり過ぎじゃない?」と問い掛けた 閻魔は「防犯上、執務室と自宅は完全に分けるにょよ!と烈のアドバイスを貰い、烈に作って貰いました!出来たてのホヤホヤです!」と言った その場には建御雷神と天照大御神もいた やたらと明るく部屋が照らされていた 康太は「ならあっちの方は執務室関係の部屋になったのかよ?」と問い掛けた 「そうです、来賓室とか会議とか仕事する部屋ですね! で、自宅はこっちです! そしてあの街頭には電磁波が流れています! 母上と父上の部屋はこの奥になり、私と妻と子の部屋は横の空き地に家を建て移りました この家の廊下を通っても行けますが、向こうには玄関もあるのでそちらでも入れます!」 と説明した 建御雷神は「主らの家は変わってはおらぬから安心されよ!」と言った 天照大御神は「少し後ろにズラシはしたが、建物は変化はない!まぁ行くまでに煉瓦造りの道と街頭が増えただけじゃ!」と伝えた 康太は「別に家がなくなろうが別に構わねぇよ! で、烈はどうした?」と問い掛けた 天照大御神は「烈はデメロン成功させたからな、今は畳の制作と衣服の制作で飛び回っておるぞ!」と言い立ち上がりワンピース姿を見せた 「母者、それ烈の作品かよ?めちゃくそ似合ってるやんか!美しさ倍増って感じじゃねぇかよ!」と褒めた 天照大御神は嬉しそうに笑った 「でも今は夜やんか、叔父貴んちの家か?」 「多分、大歳神も還っておるから賑やかに過ごしておろうで!」 「母ちゃん達は行かねぇのかよ?」 「我等は八仙から炎帝達が此れより魔界へ行く!と通達があったからおるだけじゃ! 主等も来たから、弟の所へ行くとするかのぉ〜」 と言いスタスタ歩き出した 建御雷神も立ち上がり妻の元へと走った 閻魔は立ち上がると「案内するので、その後に素戔嗚殿の所へ行きましょう!」と言った 閻魔は屋敷の中を案内した 「応接室の向こう側は執務室となります!  この壁は鬼でも破れはしない造りとなってます!」と言い案内していく 応接室の横はリビングで、リビング続きにキッチンがあり、そこは天照大御神と建御雷神が主に使うと言った その奥が天照大御神の部屋 そしてその隣が建御雷神の部屋 天照大御神の部屋の窓はガラス張りで外には花壇が見えたり木で覆われて緑が鮮やかだった その横に湯殿があり湯気が出ていた 部屋からも外からも見えない様になっていた その反対側に建御雷神の部屋があり、漢の部屋って感じだった その奥の通路を通って行くと閻魔夫妻の家に出る 閻魔の部屋はキッチンもあり、応接室もあり子供達の部屋もある家族で過ごす空間となっていた 外には湯殿が外部から見えない様に作られていた そして家を取り囲み植木が植えてあり街頭が道を照らしていた 閻魔は外に出ると、前に回り執務室を案内する 執務室の受付は当番制で夜は鍵を掛ける仕組みとなっていた 「今夜は炎帝と青龍が来ると聞いたので残業していました!因みに残業代はデカチゴです!」 と鬼は笑って言っていた 執務室を案内する 受付の後ろは応接室になっていて、食堂のあったスペースは来賓室になっていた そして幾つか部屋があり、会議を開く部屋が出来ていて 閻魔は「司命司録は良くその横の部屋で仕事してます!」と言った 閻魔庁でする仕事もあったが、この屋敷の中でも仕事は回せられる様になっていた 一通り案内すると、食堂へと向かった かなり広いスペースに食堂は建っていた 朝に始まるのか今は無人で暗かった 「この食堂は常に満席で、待ってでも食べたいと言う存在の為にこの横には小さな公園になっていて、そこに長いベンチを作ったので、そこで順番を待っているのです!」と説明して、食堂横の公園も案内した 康太はそれらを見て「何かめちゃくそしっくり来るやんか!」と違和感のない作りに感心していた 閻魔は一通り案内すると厩舎に向かい、愛馬に乗った 厩舎もかなり広く作り変えられていた 執務室来客は別のスペースに分けて作られていた 今いる馬が安心して過ごせる配慮もされていた 馬に乗り、素戔嗚尊の屋敷を目指す 素戔嗚尊の屋敷の前で降りて馬から降りると、馬達は「アルくん!」と走って自分から厩舎へ行ってしまった 康太と榊󠄀原と閻魔は素戔嗚尊の庭に出て、縁側に座った 烈はデローンと長くなり腹這いで伸びていた レイとクロスが烈を団扇であぶっていた 康太は「烈、どうしたのよ?」と問い掛けた すると毘沙門天が「デメロンの次の野菜、デカボチャを齧ったら倒れた!」と説明した 烈は「にゃんでカボチャにゃのにメロンの味するにょぉ〜!」とボヤいていた 康太はまさか?と切り分けてあるデカボチャを食べた すると「うん、メロンだわ!」と言った 榊󠄀原も小さいのを口にして「ええ、メロンですね!」と言った 「もぉね立ち直れにゃい………」と駄駄こいた 毘沙門天は烈を抱き上げて 「ほらほら、拗ねないの!」と膝に抱き上げて頭を撫でた 「びちゃ……にゃんで上手く行かにゃいのかしら?」 「めちゃくそ美味しいんだから受け止めてやれよ!それがデカボチャの為になる!」 「びちゃ………」と烈は毘沙門天の胸に顔を埋めた するとレイも毘沙門天に抱き着いた クロスも毘沙門天に抱き付き、いつの間に来たのか、雪も抱き着いていた 康太はそれを見て「ちっこいのに人気だな!」と言った 毘沙門天は笑っていた 幸せそうに笑っていた 宴会の準備が整うと、烈とレイは素戔嗚尊のお手伝いした 宇迦之御魂神を手伝い、せっせとお手伝いする 宇迦之御魂神は烈が作ってくれた草木染のグリーンの服を着ていた 上品な色が宇迦之御魂神に似合っていた 食卓にはデナスの漬物と、これは?と聞きたくなる、これは何だ的な煮物と漬物も並べてあった 康太は「これは何よ?」と問い掛けると縁側にある葉っぱがついたバランスボール位の丸いモノを指さした 「大根………作りたかったにょよ……でもね出来たにょカブだったにょよ……」 カブだから漬物と煮物なのかと納得した 康太はデーブルの上に切り分けられているのを見つけ 「デメロン完成したのかよ?」と問い掛けた 烈は頷いた 「ならば次は大根が出来るって! しかしお前は大根好きだよな!」 「しみしみにょ大根は絶品よ!」 「んなの直ぐだろ?」と言いデカブの漬物と煮物を食べた 「ん!めちゃくそ美味しいやんか! デカブの漬物と煮物はやっぱし美味しいな!」 「……魔界の野菜はやたらめったらと大きいにょよ だからデカブよ!こんなの売りに出したら持って帰れにゃいのよ!」 「あぁ………鬼しか持ち帰れねぇわな」と納得 閻魔が「また予約制にして切り売りですね!」と言った 烈は閻魔に「デカニン、鳳凰が定期購買したがってるにょね、売り付けてその分働かせたら? 空飛ぶ仕事は鳳凰にやらせて、その雑務の報酬はデカニンにゃのよ!」と提案した 閻魔は「それ良いですね、ならば鳳凰を扱き使います!鉄鉱石を山から運ぶ仕事があるんですよ 鬼達はリヤカーみたいなの引っ張って行ってますが、大変なので飛べる存在は貴重です!」と言った トキはコップに顔を突っ込んでいた 大歳神のコップにも突っ込もうとするから 「トリ臭くなるじゃろうが!」と怒っていた トキが「うるせぇ!」と毒づいて鳴く 康太は「ひょっとして……あれが聖鳥 朱鷺なのか?」と信じられない思いで問い掛けた 烈は「………」黙った 素戔嗚尊はトキを撫でながら 「そうじゃよ!此奴が烈の聖鳥 朱鷺じゃ!」と言った 烈は「そんにゃ呑兵衛………聖鳥じゃにゃいから!」と怒った 嘴を赤く染め「そんな事言うなよ!烈!」と言う 「トリはお酒飲まにゃいのよ!」と難癖つける 「普通のトリは知らんがな! 俺は聖鳥だからな、飲めるんだよ!」とどこ吹く風だった 「じぃさん飲ませたから………」 こんな酔いどれトリになってしまったのだ 「細けぇ事は気にするな!ハゲんぜ!」 子供なのに何度もダメージを受けた頭皮事情……… レイはトキに飛び蹴りをかました トキが反撃するのを躱してベジベジ蹴りを入れる 「れちゅ いじめたら やきとりにちゅる!」とレイが言う 「俺は聖鳥だ!焼き鳥になんかなるか!」 とレイはトキと喧嘩する 毘沙門天はレイを抱き上げて 「聖鳥に焼き鳥はいかんがな……」と止める レイはうるうるの瞳して「れちゅ いじめた」と訴えた 毘沙門天はレイを撫でた 赤いのに良く似たレイの頭を撫で慰めた 「烈は大丈夫だ!あれは烈のトリだからな焼き鳥はいかんぞ!」と言う 素戔嗚尊か徳利を手にして、お酒を注ぐと、トキは徳利を嘴で銜えて大歳神のコップに注いだ 烈は桜の里の子らに徳利とお猪口を作らせた 作り方を教えてくれたお礼だと徳利とお猪口を貰うと、素戔嗚尊の家に置いた お猪口は何個もデカチゴを差し入れして、作って貰った お客が来まくる素戔嗚のお宅なのだ 来客用も用意せねばならなかった そして素戔嗚の家で使われる様になった食器達だった 康太と榊󠄀原には食事を終えると、烈自らお茶を淹れた 急須で蒸らして注ぐと良い香りがした 康太は「お茶なんて作っていたのかよ?」と問い掛けた クロスが「少し前に低木で出来た木の葉を摘むと良い香りがしたので、烈がお茶として飲める様に頑張ってくれたので、今は大量生産を考えて育てているのです!」と答えた 榊󠄀原も「美味しいですね!」と感激していた 烈は食事を早めに終えると縁側に出て、長い草を器用に編んでいた 畳のベースを板にして、その上に柔らかい素材を入れて、そのサイズに合わせて畳を編んで行く まるで機織りの様に畳が出来て行く 烈は座布団サイズの板に畳を織っていた 康太は「凄いな!」と感心すると宗右衛門は 「儂は初代の時、食えぬから畳職人をしておったからな! 大工として家を建て内職で畳を作っておった…忘れたとは言わせぬぞ!」と恨みがましく謂われる 康太は笑って「食えねぇ時期あったもんな、オレは雑いから野良仕事で金稼いでいたもんな」と遥か昔を思い出し言った 今の飛鳥井の基盤を整えるまで、食えないわで、仕事を幾つも梯子して日銭を稼いでいた そして食う為に一族に家業として仕事をさせた それが飛鳥井の始まりだった 榊󠄀原も「僕もヘロヘロになるまで働かされましたね、そう言えば…………」とボヤいた 康太は「こんな複雑なの編めるのかよ?」と問い掛けた それに答えたのは素戔嗚尊だった 「縫製工場には主婦層の鬼やら何の力を持たぬ者達まで様々な者が働き場を求めて、働き始めておるからな、不可能な事はないのじゃよ 四鬼の妻や子供達も縫製工場で働いているが、あんなに厳ついのに繊細に針をチクチクしておるからな、畳を編むのなんて結構容易いかもな!」とおしえた 榊󠄀原が「この畳、武道場に入れるのですよね? 武道場は完成したのですか?」と問い掛けた それに答えたのは閻魔だった 「ええ、外観は完成しました! とても立派な建物になりましたよ! なので今後はそこへ入れる畳が主流になります!」と説明した 天照大御神はニコニコと笑い 「金龍が戻ったら太極拳なるモノも始めてくれるらしいからな、我もそれをやりに行くつもりなのじゃよ!今から楽しみなのじゃ!」と言った 閻魔は「明日 案内します!」と言った 康太は「それは楽しみだな!」とワインを飲んだ コクと風味が人の世のワインより深く、とても美味しかった よくもまぁ、何もなかった魔界で、こんなにも沢山の食物を作り出したな、と康太は感心する 初めは大豆みたいな種が取れる雑草が始まりだったと謂う クロス達妖精は種を集め、育てその花の蜜をより濃く美味しい様に受粉するという 烈は朱雀にクロスを紹介して貰った日から、意気投合して「この魔界をグルメするにょよ!」と色んな種をかけ合わせて品種改良して行った 初めは野菜だった 物凄く早く育つ野菜は、お世辞にも美味しくはなかった それを色んなのと掛け合わせ【味】を付けた 素戔嗚尊がそれを調理して食べ方を教え市場で売ったら飛ぶように売れた そうして市場も活気付き色んな作物が売りに出される様になった 育てた花や木や作物の中から大豆に良く似たモノを更に品種改良し制度を上げたら………とてつもなく大きな大豆がゴロゴロと成ったから、もっと大量生産して味噌と醤油を作った それが好評だったから閻魔に工場を作り稼働させたい!と申し出ると協力してくれた 工場地区を作ってくれ、そこで味噌や醤油を大量生産を始めた そんな頃、お米に良く似たのが出来たから大量生産してお酒を作った それも工場地区で酒蔵を建て、閻魔庁で管理して貰って作り始めた、それが日本酒によく似た魔界酒だった 葡萄に良く似たのが作れたから、品種改良し大量生産出来る算段を付けワイナリー工場を作りワインを作った、それが魔界ワインだった あれやこれを作るうちに畑も大きくなって行った 既存の生産物を作る畑 フルーツを作る畑 広げて行って貰ったら何時の間にかミネルヴァの森近くまで広がっていた 今は更に区画を定めて管理されていた 世界樹の木から恵みの光と太陽の光が差し込まれる様になって、その畑を狙い魔獣が来たり、猪野ワンが増えて被害を出したり、蚊みたいな虫が大量発生したり大変だった 畑に近寄れない様に区画に電気を流したのが、切っ掛けで蓄電させたらスピーカーにならないかしら?と色々と開発も始めた 魔界は道が兎に角悪いし、夜は街頭もないから暗い そりゃ犯罪も増えるわ! と烈は街頭をどうやったら作れるか?考えていた そんな頃、創造神が雷石を落としてくれたから、多種多様に使えるモノが増えた そして念願の街頭を建てられたのたった 街頭を建てるなら、道も舗装しなきゃ! と煉瓦も作った 煉瓦を鬼達がせっせと作り過ぎたのもある 作る工程が結構楽しいのか、せっせと作り作り過ぎたのだ それで道を舗装して主要な道は煉瓦造りの道になり、脇道とか馬車が通る道はドロドロのアスファルトに似た素材を見付けたから、それで舗装した もう相当外れに出なきゃ舗装されてない道は無い程に、整備されていた 鬼達は聖神に全面的に協力してくれた 何かを始める時、力仕事は任せてよ!と言ってくれた また初めて工場で働いて貰った主婦層のおばちゃん達からは、働くのは楽しいわ!魔界は仕事はなかったから働きたくても仕事がなかったのよ! お金も稼げて、欲しいのも買える環境は楽しいわ!と言ってくれた 今じゃ工場区画で働きたい希望者は殺到していた 何の力もない者でも働ける 力しか無い者でも働ける 役割分担して働けている環境は魔界ではなかった そんな変化が日常に浸透し、働きたい主婦層が増えた 目立って何か悪い事をする奴等は、モラルが芽生え始めた魔界では取り締まられ更生の道を辿るしかなかった 魔界に治安を守る存在も出来た 住民地区の区画毎に目を光らせて正すべき存在を置いたのも効果を出していた 治安が整い安心して住めると、魔族は結婚ラッシュを迎え種族を増やした もう力のない者は捨てられる なんて事はなくなった そんは事をしたら魔界では生活は出来ない 批判され軽蔑され………村八分にされてしまうからだ 子供達は学校に通い教育を受ける モラルを植え付け秩序を学ぶ そして常識を知り、生きていく上で必要な知識や計算を学ぶ 何も持たない力のない存在や親のいない子の為に、団地も建てた そこへ入りたい希望者は殺到して、此れからも増やして行く予定だった 変わりゆく魔界だった まるで一昔前の…………人の世の世界みたいに 目まぐるしい変化が来ていた 文明と文化を受け入れ始めた…………高度成長期を魔界が迎えているかのように……… 移り変わって行く 康太は魔界を見渡して榊󠄀原に 「変わって来たな魔界も…………」と言った 「ですね、目まぐるしい波が来てますね」 「これをアイデアで生み出したってのがすげぇな 烈とクロスを巡り合わせた朱雀は、これを予想していたのかな?」 「してないでしょ?ちっこいのを逢わせて仲良くさせよう!的な感じだったのでしょ?」 「烈とクロスが出会い何かを生み出し、それに閻魔が全面的に協力してくれたからこそ、だな」 「閻魔も………此処までやるとは想ってなかったんじゃないですかね……」 魔界に妖精が自由に飛んでいた 誰も妖精の邪魔はしない それどころか、妖精に声を掛ける 楽しげに妖精は話をして、飛んでいく 虹色に輝く魔界がそこに在った ヴォルグが憧れて止まなかった魔界が…… そこに在った 種族を超えた世界 それが魔界だ 鬼もいれば、人だった者に仕事をさせる為にいる 獣みたいな姿形をした者も神もいる そして龍族もいる 多種多様の種族が住まう世界、それが魔界だった その魔界に生活基盤が出来、ルールが根付き生まれ変わろうとしていた

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