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第51話 前程万里 ❷

魔界へ到着したオーディーンは 「天界が更地になったけど、アレはニブルヘイム、お主か?」と問い掛けた レイは元気よく頷いた ガブリエルはオーディーンに「貴方はそれを見たのですか?」と問い掛けた 「儂は約束の時間に間に合うように、愛馬を呼び寄せ馬に乗り天界を出た その瞬間に様相が変わり始め、天空には黒い雲が集まり暗雲が立ち込めた 天界で、その様な光景は有り得ないから、少し離れた所で見ておったのじゃよ 黒い雲は天空を暗く染め戸愚呂を巻いた蛇の様に蠢き、空に大きな穴を開けた するとその穴は天界の何もかもが吸い込み始めたのじゃよ 吹き荒ぶ轟音に耳を劈かれ、轟音に悲鳴が混じり……… 儂はさながら地獄絵図となった様相を始めて目にした………儂は創世記の神ほどではないが、其の後位に創造神に生み出され北欧の地を守護しろと命を授かった………その儂がその光景が理解出来ず……動けなかった だが天界は更地になる、とだけは理解する事が出来た だから魔界へ来た あんな呪法を使えるのは創世記の神しかない だが創世記の一柱である炎帝はそれは絶対に創造神の許可なくそれはしない………ならばそれをしている者は? 考えたらお主しか思いつかなかった………」 ニブルヘイムは「腐って何度も何度も炎帝により正されても直らない天界など存続する意味も価値もない! ならば更地にして新しく聖神が絵図を引くその果へと繋げて上に乗せた方が上手く行く筈! プライドしか無い傀儡は存在するだけで醜悪だと気付けないみたいなので再生の道はないと判断しました!」と一蹴した 康太が天使の愚行を話して聞かせた オーディーンはそれで納得した 「鏖殺呪法………創世記の一柱なら難なく使えるのは解るが………聖約の地の契約の呪文は何処で知ったのじゃ? アレは我等神だとて知る者はいない呪法………しかもそれを一文一句違える事なく詠唱出来る存在がいる事の方が恐ろしいわ!」とボヤいた 康太は「オリンポス十二神は神々の地と契約する時唱えていた呪文だから、烈の中のヘルメースが教えたんじゃねぇのかな?」と言った 人の世の大地にオリンポス十二神が創造神の聖約を得て住み始めた時から伝わる呪法だった 今はもう廃れ唱える者さえいない呪法だった この青い地球(ほし)は誰の地なのか理解もされなくなって幾久しい それを敢えて唱える者など今はもういない オーディーンは「オリンポス十二神ならば聖約の地の呪法は当たり前の事の様に唱えられるな 彼等は創造神から借りた地を栄えさせる為に聖約し、その地に住む事を始めたのだから………」と納得した ガブリエルは「私は……どうしたら良いですか?」と問い掛けた 宗右衛門は「主は儂と共に人の世に還り、天使どもに天界への帰還を伝えられよ! それでも遺っている天使には即座に帰還の呪文を唱え天界へ強制送還されよ! それが終わったら白馬で夏生と少しだけ静かに過ごされよ! そしたら時間を作り我等が天界へと参る事となる 時間がないから………【天地創造 開闢の書】の呪文を唱え、其処から総てを始める事とする!」と言った ガブリエルとオーディーンは同時に【天地創造 開闢の書】!!!と悲鳴に近い言葉で叫んだ 康太は「………烈、それ誰に聞いたのよ?」と問い掛けた 「ヘルメースの父 ゼウスが唱えた呪文だから、ボクの中のヘルメースが教えてくれてるにょよ!」と答えた ゼウス………全知全能の神なれば、その呪法を知らぬ筈はないか……と理解した 康太は何だか事が壮大になり過ぎて、面倒になって来ていた 「まぁ天界へ行ってやる事やるしかねぇからな!」と言った 烈とレイはうんうん!と頷いた 「行く以上は面倒な事はしたくねぇからな お前等が時短してくれた事だし、頑張るしかねぇわな!」 烈とレイはうんうん!と元気よく頷いた お子様は「やるにょよ!」「おー!」と盛り上がっていた それをドアの向こうの素戔嗚尊と大歳神や閻魔が聞き頭痛を覚えていた 閻魔は「本当に末恐ろしい子供です………」と下手したら炎帝より恐ろしいんじゃないか?って想っていた 素戔嗚尊も「まぁ男の子はやんちゃであるからな、烈もレイもやんちゃ盛りであるから仕方があるまいて!」とニコニコと孫の事を想い言う 大歳神は「いやいや、親父殿…やんちゃの領域超えてますがな………」と言うが聞いちゃいなかった 建御雷神は「最後の方炎帝は面倒になっておったな………」とボヤいた 天照大御神は「我だとて烈やレイに仇成す者は消し去ってやると決めているのじゃ! もう見ているだけなのは止めたのじゃからな!」と嫣然と笑い言う 宇迦之御魂神は「話は終わった様なので、烈とレイにデカチゴ食べさせねば!」と呼びに行き食卓に着かせた そして二人の前にデカチゴを切り分けて置いた 「たくさん食べなさい!」 とニコニコ言う 閻魔は「烈、閻魔庁の建設、手伝って下さいね!」と言う 「今度来る時に建物の構図書いて来るわね!」と言った 閻魔は「どの建物より立派なのが良いです!」と言った 「解ってるわよ! 誰が見ても閻魔庁!ってのにゃのね!」 「そうです! 鬼達に素材は集めさせておくので頼みますね!」 「解ってるにょよ!」 「閻魔庁の新庁舎の為に制服も頼んて出来上がりつつありますからね!」 閻魔は楽しそうに言う 建御雷神はこんなに嬉しそうな倅を目にして、烈への信頼度が断然に違うのだと想う 康太と榊󠄀原も宴会に戻り、オーディーンやガブリエルも宴会に戻りその夜も楽しげな声が響き更けていった 翌朝 朝早く烈は畑に出てクロスと共に新作を畑に植えていた そして白虎の山のスペースをお借りして、花を育て始め、今度来るまでに育っていたら崑崙山に植えるつもりだった あの地はミストが濃い地だが何もない せめて烈の屋敷の周りだけても木々や花々に囲まれていたい そう想い白虎の荒れた山で花を育て始めたのだ クロスや鬼達が毎日見に行き、枯れていたとか、伸びるだけ伸びて花はつけなかった、とか教えてくれるから、色々と種を改良していたのだった 成功したらこの魔界の至る所に花壇を設けて花々を植えるつもりだった 公園も沢山作って木々や花々の癒やしの空間を作る、そんな計画も野望もあるのだった で、そんな烈だから天界へ大歳神とクロスを連れて行く気でいた 天界を花々で埋め尽くしたい それをやる為にクロスや大歳神は欠かせない存在だった その前にクロスを人の世に連れて行く 畑のお世話は鬼達に任せて、魔界時間の2日 クロスを人の世に連れて行くつもりだった 閻魔の許可は取ってあったから、そのまま烈のポッケにinして人の世に行くのだった 朝食の時間になり素戔嗚尊が烈を呼びに来た 屋敷に行くとレイはお手伝いして料理を並べていた 「れちゅ!」 レイが近寄ると「お手伝いしてるのねレイたん!」と頭を撫でた 康太と榊󠄀原は素戔嗚尊の屋敷に泊まり込み寝ちゃったから、朝食をご馳走になっていた 素戔嗚尊は「あと少しで還ってしまうのじゃな…」と少しだけ淋しそうだった 烈は「また来るわよ!じぃさん!」と言うと嬉しそうに笑って 「あぁ、待っておるからな!」と言い烈の頭を撫でた そしてレイの頭を撫で世話を焼く 康太は「世話になった伯父貴!」と言った 「何も世話などしておらんから、何時でも来るとよい!」と言った 「あぁまた烈が長期に来ると想うからな その時は協力してやでってくれ!」と頼んだ 「あぁ、解っておる!」 そんな話をしていると烈は「ねぇじぃさん、トイレの匂いどう?」と話しかけた それを聞いた天照大御神は興奮して 「臭わぬぞ!烈!! 我はあの匂いが嫌じゃったのじゃよ! じゃが臭わなくなったから嬉しくて堪らぬのじゃ!」と答えた 「にゃら成功ね、で、じぃさん、ゲルの様子をたまに見てやってね アレはボクでも予想が付かにゃいからね、大きくなって暴走したら………なんて事がにゃい様に見ててね」 「あぁ、解っておる!」 後は他愛もない話をして、時間が来ると素戔嗚尊の屋敷を出て崑崙山へと向かって馬を走らせた そして崑崙山へ行くと、榊󠄀原が青龍に姿を変えて、その背に康太と烈とレイを乗せて人の世に向かった 烈はポッケの中を見て「兵藤きゅんいるかしら?」と楽しげに呟いた クロスは「久し振りなので楽しみです!」と言った 「菩提寺にね、クロスみたいな小さい子いたにょよ!逢わせるの楽しみにゃのね!」 康太はその為にクロスを人の世に連れて行くのか?と想った 飛鳥井の屋上に妻と烈とレイを下ろすと、榊󠄀原は人に戻り家の中へと向かった 烈は取り敢えずレイの部屋に行き着替えを出すと、自分の部屋に戻り着替えを出して、お風呂に向かった 二人してお風呂に入っていると大空がやって来て 「洗ってあげるよ!」と言った 「かなにー!」と烈が言う 「烈が帰ったの解ったからね!」と大空は嬉しそうに言い服を脱ぐとお風呂に入って来て、烈の頭や背中を洗ってやった そしてその次にレイを洗ってやる シャンプーハットを被せて、頭を洗ってやる その手付きは慣れて何時も洗ってやってるのが伺えられた 兄に綺麗に洗って貰い烈は嬉しそうだった レイも気持ち良くて嬉しそうだった 大空は「このちっこい子も洗って大丈夫?」と問い掛けた クロスの事だった 烈がこっそり洗おうと連れて来ていたのだった 「かなにー、見えるにょ?」 「見えるよ、この子は見えない感じの子なの?」 「妖精にゃのよ、クロスは」  「クロスって謂うんだね、宜しくね!」と言い気を付けて洗ってやる お風呂で洗って貰うのが初めてのクロスは喜んでいた お礼に烈とレイから洗って貰い大空も嬉しそうだった ついでに歯も磨き、3人でお風呂に入り、綺麗に体を拭くと髪を乾かしてやった レイは自分でやっと服を着てると、大空が手伝って着せてやった 「レイ、ピカピカになったよ!」 「あいがとう、かにゃちゃ!」とレイはお礼を言った 「さぁ御飯食べるわよ!」 そう言いクロスを背に乗せて、二人をキッチンに連れて行った キッチンに行くと清隆と玲香が二人を抱き締めた 「お帰り!」と言い帰還を喜ぶ 瑛太と京香もキッチンに来て二人を見て「お帰り!」と喜んでいた 大空は綺麗なお水とフルーツを細かく切って小皿に入れるとクロスの前に差し出した そして烈とレイの前には朝食を用意した 和食の烈、洋食のレイと分けて用意してやる 朝食を食べていると康太と榊󠄀原がスーツを着てやって来た 「おっ、クロスどうよ?フルーツの味は?」 「美味しいです!」 「烈は菩提寺に先に行くのかよ?」と問い掛けた 「そうね、クロスと逢わせてやりたいからね!」 「なら昼前に会社に顔を出せ!」 「そうね、そうするわ!」 康太と榊󠄀原は朝食を食べると会社へ出勤して行った 烈は自分の携帯を取り出して日付を確かめる 日付は4月1日となっていた 4月1日??予定よりも早めに人の世に戻されたのか? それとも時間を遡って連れ帰られたのか?と思案した 予定では2月の中旬から4月の中旬までの予定だったのに……… 取り敢えず、烈はスーツに着替えるとケントを呼びクロスをポケットに入れ菩提寺へ向かった 菩提寺の駐車場に車を停めると城之内がやって来て「烈、久し振り過ぎだろ?社務所の建設と保養施設の建設、道場の建設を同時に始めたのは良いが管理が大変なんだよ、こまめに顔を出してくれ!」と泣き付かれた 「少し用があったにょよ!」 「それは聞いた、でもお前がいるといないとでは、雰囲気が変わって来るからな! 出来ならば目を光らせていて欲しいんだよ!」と言った 「解ったわ、出来るだけ顔を出すわね それより、りゅーのすけは?」 「倅なら奥におる!」と言うと烈は城之内と共に奥へと向かった 「竜之介、烈が用があるそうだ!」 と城之内が呼ぶと竜之介は烈の傍にやって来た 「どうしたんですか?烈………あ、その子が前に言ってた子?」 と烈のポッケから顔を出してる子に目を止め聞いた 「そうよ!クロスと謂うにょよ! 小妖精国の王子様にゃのよ!」 竜之介が手を差し出すと、クロスはパタパタと飛び竜之介の手に乗った 「クロスと申します! このお寺は花や木が多いですね この地に妖精は結構いますね! 貴方が?お水やフルーツを差し入れて下さっているのですね!」 とクロスはペコッとお辞儀をした 竜之介は縁側に座ると日向ぼっこをしてる妖精の前にクロスを置いた 竜之介の妖精は驚いた顔をしてクロスを見ていた 「ボクはクロスと言います!」 クロスが自己紹介すると竜之介の妖精は 「オイラはシャオ………ヨロシク!」 と言い握手をしていた 烈は「ボク、現場見て来るから少し頼める?」と問い掛けた 竜之介は「ええ、此方の王子様に人の世のフルーツを食べてもらいますから!」と言い送り出してくれた 烈はまず飛鳥井建設が手掛けている社務所を見て回った キビキビと仕事する社員を見ていた 作業員達は烈を見掛けると声を掛けて、作業工程を見せて説明を始めた 一通り話を聞いて烈は、宮瀬建設が手掛ける保養施設と道場を見て回った 流石、国内一、二を争う会社だと職人の熟練度を見てそう思った 現場の作業員達は烈の姿を見ると、声を掛けて来る 監督に工程表を見せて貰い、目を光らせて確かめる 何時もの光景だった 一通り確認して竜之介の所へ戻ると、二人はすっかり仲良くなっていた 烈はクロスに「ボク会社に行くけど、クロスは此処でシャオと話しておいでよ! 夕方迎えに来るから大丈び?」と問い掛けた クロスは「はい!なら夕方まで此処にいます!」と言った 烈は菩提寺の外に一歩踏み出すと、菩提寺に結界を張った 悪意を持った存在が入り込めない様に結界を張る、その上に印字を結び呪文を唱えた また燃やされては堪ったものではないから……… そしてケントの車に乗り会社へと向かう その合間に竜馬にラインを送った 「りゅうま、今どこ?」 『烈!!何時還って来たんだよ!』 「今さっきよ!」 『なら今直ぐに行くから待ってて! ヘンリーが襲われたんだよ、だからイギリスに一緒に行って欲しいんだ!』 烈は携帯の電源を切るとサコッシュに携帯を突っ込んだ 「ねぇケント、ヘンリーが襲われたって本当?」 「え?そんな話は聞いてません! それなら国際問題じゃないですか!」 「ボクの携帯の番号が知られてるのかにゃ? それとも竜馬があぶにゃいのかにゃ?」 烈は思案した そして別の携帯を取り出すと母に 「りゅうま、どうしてる?」とラインした 『竜馬?竜馬なら貴史と一緒にいるぜ! 貴史は翁の研修を終えたから、今はお前の代わりに会社に出てる!』 烈は竜馬らしき存在から、ヘンリーが襲われたからイギリスへ行って欲しい、と謂われた事を伝えた 康太は『取り敢えず会社に来い!その時携帯を全部変えようぜ!』と言った 「今会社に向かっているわよ!」とラインを送る やはり魔界に行く前に持っていた携帯の情報は漏れてるのか? 何処で番号が漏れるのか?一度探らねば、と想っていた 今回は狙われる事なく会社に到着し、烈は社内を周り、社員達と話をしてから最上階に上がった そして副社長室のドアをノックした かなり下の方でノックされた音に、康太自らドアを開けた 部屋の中へ招き入れソファーに座らせた 「烈、大丈夫だったか? 携帯の番号が漏れてるのか?」 「そうみたいにゃのよ!」 そう言い烈は携帯を取り出して、さっきのラインを見せた 康太は兵藤と竜馬を副社長に呼び寄せた 副社長室に入って来た竜馬は烈を見付けると飛んで行き、烈を抱き締めた 「烈、何時還って来たのさ! なら何でラインしてくれないのさ!」 と烈にスリスリしながら問い掛ける 康太は竜馬に「携帯を見せろよ!」と言った 竜馬は康太にポッケに入ってる携帯を取り出して渡した 竜馬のラインを開き烈とのラインを見る そして竜馬に見せた 竜馬は打った事のない文字に顔を青くさせ 「俺はそんな文字打ってないっす!」と言った 兵藤は携帯の送信時間を確認すると 「その時間には仕事していたから、携帯は触ってもいなかったな」と答えた 兵藤は烈と竜馬の携帯を手にすると、シムとSDカードを取り出すとリセットした そして奥へ持って行くと洗面所の水を出してドボンさせ 「この携帯は即座に解約だな!」と言った 榊󠄀原は秘書に言って烈の携帯2台を総て解約して、新しいのを作るように、と指示を出した 秘書は烈の顧問弁護士 飛鳥井神威に連絡を取り、烈の携帯の解約と新しい携帯を用意してくれと頼んだ 烈が今使っている携帯は神威の会社のスタッフの名前の携帯を使っていた それを解約して他のスタッフの名前で新しいのをの作る予定だった 神威は「了解した、直ぐに新しいのを契約して届けるわ!」と言った 竜馬の携帯は今 神野の事務所のスタッフが作ってくれているから、次は神野に電話して総て解約して下さい!と連絡を入れた 神野は了解して『なら次は相賀んとこが作る事にするわ!』と言った 「頼みます!」と言い電話を切った そして一通りの連絡を入れた後に 「何故情報が漏れます?」と当たり前の疑問を口にした 竜馬は「今回は誰にも番号は教えてはいない!連絡は総てPCメールで取ってたし、だから意味が解らないっす!」と言った あの強迫電話から、番号を誰かに教える事はなく、連絡は総てPCのメールにした 兵藤は「機械関係ってそんなに簡単に知れて潜り込めるモノなのか?」と問い掛けた 康太は「サイトとかに幾つかのトラップ掛けて情報を抜くとかは知ってるけど、今回の携帯の情報を抜き取る見てぇな手法はあんまし解らねぇんだよ、傍を通れば抜き取る機械があれば簡単だが、烈は護衛と共に動くから傍には来れない筈なんだよな、透明人間じゃあるまいし……」とサッパリ解らないとボヤいた 烈は「宵闇に紛れて探るにょは得意なヤツいるじゃにゃい!それじゃない?」と謂う 「やはりそれしかねぇわな! 烈の携帯は部屋に置いておいたから、夜にでも入り込んで探るのは簡単か………」 「でも今後はそれも無理になるわよ! オーディーンが飛鳥井の応接間で寝てるからね あの家の中をバリバリの総結界張って息子のバルドルを呼び出して光の結果張ってくれてるにょね 菩提寺と会社にも張ってくれにゃいか、母しゃん頼んでね!」 榊󠄀原はバルドルの名を聞き北欧の光の神を思い浮かべた そう言えばオーディーンの息子だったな…… ヴァルハラにはワルキューレにより選別された戦士の魂が集められ……とラグナロクを備える神だからこそ、今も尚その力は絶大なのだ……… 兵藤は「烈、帰ったのなら【R&R】のイベントしねぇのかよ? 竜馬は準備万端にしてメンバーも待ってるんだぜ!」と声をかけた 「兵藤きゅん、リフォームの為と、兵藤きゅんをイギリスへ連れて行き最高の教育を施す為の費用を稼がにゃいとだからね、やるわよ! 此れより一ヶ月の準備を整えて、一ヶ月週替りでやるイベントにするにょよ!」 「俺は今度はイギリスへ行かされ勉強させられるのか?」 「最低でも半年、ボクと一緒で大学院まで卒業してね!そして教授の指導を受けて貰うにょよ イギリス上院議員を数多く生み出してる教授だからね、ボクもスカウトされたけど、ボクは政治家にはならにゃいからね、兵藤きゅんと謂う素質バリバリのを連れて行く約束してあるにょよ! だから兵藤きゅん、頑張ってね!」 兵藤は半年で大学院までと聞き、もぉヤケクソで 「やるさ、烈が用意してくれるステージなれば頑張って乗り越えてやるさ!」と言った 「だからね学費稼がにゃいと! リフォームと学費よ!母しゃん、父しゃん!」 康太は笑って「なら最高のイベントにしねぇと一ヶ月なら客は来ねぇぞ!」と言った 榊󠄀原は「一ヶ月、長丁場なイベントですね! ですが大丈夫です、父はそんな事ではへこたれません!皆への差し入れは必ずや作りましょう! そして今年の夏は流しそうめんをやる為に多めに稼いで下さいね、烈!」と言った 烈は目を輝かせ「流しそうめん!」と言った 少し魔界へ行く前に流しそうめんのシーンをテレビで見て、烈は白馬に流しそうめんを作ろう!と計画していた 兵藤は烈を焚き付けるの上手いなぁ〜と榊󠄀原を見ていた 烈は話を終えると、宗右衛門の部屋へと移動して、秘書の宗太郎に宗右衛門が携わっている工事の状況を聞いていた 宗太郎は「飛鳥井記念病の立体駐車場の建築は終わりました!今は緑を取り入れる工事になってて、それも近々終ります! 薬局は年末完成予定なので工程通り建築中です! 菩提寺の社務所は飛鳥井が取り掛かってますが、それも工程通りに行ってます! 榊󠄀原の家のリフォームは終わりました! 切り離して城田の家のリフォームも施工が始めたので、終わってる頃だと想います! 善之助さんの家のリフォームも終わってます! 総ては烈が帰還した時に進めるので、総て保留状態です!」と伝えた 烈はメモ用紙に手を着ける順番を書いて思案していた 最初は「ぜんちゃんから行くかしら?」と言った その次が病院へ行き、駐車場の利用の説明、その後に、笙の家と城田の家 遼太郎が総ての書類を持って来た そして「土地の譲渡書類は俺が持って行きます!」と言った 烈は会社の電話を手にすると善之助に電話を掛けた 電話に出た善之助に 「ぜんちゃん?ボク飛鳥井烈にゃのよ!」と謂う 『烈、最近見なかったのですが、大丈夫なのですか?』 「少し遠出してたにょよ、でも還って来たからね ぜんちゃんの家、渡すわよ!」 『烈、私は今康太の世話で清四郎夫妻と同じマンションに住んでいます………そこを離れるのは淋しいです………』 「ぜんちゃんの新居はばぁたん達の家の直ぐにある薬局だった所だから、大丈びよ! そんなに離れてにゃいし、ばぁたん達は今建ってる薬局の上に移り住むから!」 『離れないなら………そこへ住みます!』 「ある程度の家具も入ってる頃だから、今夜から移れるにょよ! 新しい生活をスタートさせるにょよ! そして出逢った?せいぞうじいさんにょ従姉妹の娘さんと?」 『…………はい、逢いました………彼女はとても美しくて心優しい女神みたいな人でした』 烈が知るせいぞうじいさんの従姉妹の子はバツイチ子なし、性格はサッパリしてて少しガサツな男前………女神?心優しい????? 「ぜんちゃん、それ別人じゃにゃいかしら?」 『別人じゃないですよ!甲斐和華子さんです 私は生まれて始めて一目惚れと謂う病に掛かりました…………彼女が笑い掛けてくれるだけで私は死んでもいいとさえ想いました………』 恋は盲目とは良く言ったモノだ 「和華子……に交際は申し込んだにょ?」 『もじもじしていた私に清三さんが交際を勧めてくれ………お付き合いをしています!』 「にゃらプロポーズね! 新居で取り敢えず一緒に暮らしてみたら?」 『………夢の様です………和華子さんと生活出来るなんて………』 「なら今夜5時に薬局の前に来られるかしら?」 『はい!行きます!』 こうして約束をして電話を切った 烈は宗右衛門の部屋を出て、副社長室をノックした 康太がドアを開けて烈を招き入れる 「母しゃん……和華子って知ってるわよね?」 「おー!甲斐和華子だろ? 清三さんの従姉妹の甲斐和華子だろ? 社員食堂を今切り盛りしてくれてるスタッフだからな知ってるに決まってるやんか!」 「母しゃんは和華ちゃん女神に見えるかしら?」 「女神!!!…………」 甲斐和華子は確かに美しい 純和風の顔をしてお姫様の着物を着せれば、ため息が出る程に美しい が、その性格は男前なのだ! 食堂で働いて貰いたいにょよ!と烈に言われ働いて貰うようになり、その性格はさっぱりとして男前だと痛感していた それが女神?? 「それ、誰が言ったのよ?」と思わず問い掛けた 「ぜんちゃん………生まれて始めて一目惚れした女神だって………目悪くなったにょ? 医者に行くにょ勧めた方が良いかしら?」 と烈は心配して問い掛ける 榊󠄀原は「恋は盲目なんですよ、烈が和華子さんを男前だと感じていても、他の人は感じ方は違うのです!況してや善之助さんにとったら生まれて初めての一目惚れなんですからね 女神に見えても仕方ないんですよ!」と納得させていく 「眼医者………要らないにょ?」 「要りません、烈は誰かに恋したりしないのですか?好きな人の好みとかないのですか?」 「恋………かなりしてにゃいから、やり方忘れちゃったにょよ…… そうか、恋か………ボクも誰かに恋したいわ! そしたらどんなにガサツでも女神に見えるにょね!ボク、今世は頑張ろうかしら?」 榊󠄀原は言葉もなかった 康太は「愛する人だけ輝くフィルターが掛かるんだよ!だから善之助が和華子を女神と謂うのもあながち嘘じゃねぇんだよ! 愛する人だけ特別に見えてるんだよ! そうか、善之助も再スタート切れるんだな 今度は愛する人と共に過ごせるんだな………」と感慨深く呟いた 善之助はやはり商才があり、運輸の仕事は縮小を余儀なくされたが今は、昔よりも規模を拡大させ全国規模になりつつあった 烈がトナミとの事業提携をさせたってのも大きかった 倉庫を潰したいトナミと、物流を拡大させたい蔵持がタッグを組み事業拡大を図ったのが成功し、各地に運輸倉庫を確保して配送に力を入れた だが今度は乗っ取られたりしない様に運輸倉庫の総合的な事務作業は本社で総て報告させて管理させていた 烈が【R&R】のビルに蔵持を入れてくれると約束したから今はそこまで大きなビルは持ってはいかなった 【R&R】のビルの敷地にするマンモス校は更地にする解体作業に入った 幼稚舎から大学院まで同じ敷地に建っていただけあって、かなり広い敷地になる それを宮瀬建設と飛鳥井建設、そして他の建設会社とでやる事が決まった 他の建設会社は今 宗右衛門が選別の最中だった 烈は「一目惚れマジックか……」と呟き副社長室を後にした 康太は「善之助のパートナーになるべき存在は運命を詠んで清三さんの身内と出たの知ってたけど、和華子だったのか………アレは飛鳥井の女と対して変わらねぇだろ?」とボヤいた 榊󠄀原も「僕も女神と聞いた瞬間吹き出しそうになりましたよ!烈………も理解し難くて此処に来たのでしょう………眼医者には困り果てましたけどね」と困った顔をして言った 本気で眼医者勧めようとしていた烈を思い浮かべる そして話題を変えて 「飛鳥井記念病院の立体駐車場、完成しましたね 烈………半月帰還が早い事に気付いてますよね? 榊󠄀原の家のリフォームも善之助さんちのリフォームも立体駐車場も完成したから、烈が帰還せねば始まらなくなりましたからね………」と現実を口にする 「まぁ気付いてても謂わねぇだろ? やらなきゃなねぇ事があるんだからよぉ!」 康太が謂うと榊󠄀原は頷いた 烈の不在は結構痛手なのだ 存在感がありまくりだから、いないとなると社員は心配してお見舞いを持って来たりするのだ そして少しずつ指揮が下がって行くのだ だから予定より早目に戻すしかなかった 烈は「此れから笙に逢うわ!」とラインを入れて慌ただしく会社を出て行った 笙に「時間あるかしら?」とラインすると 『今日はオフですので時間はあります!』と答えた 「なら飛鳥井の家に来てくれにゃいかしら?」 『直ぐに行きます!』とラインが返って来て、烈は遼太郎と共に会社を後にした そして飛鳥井へ還ると笙は既に来ていた 春休み中の兄達が家に入れてくれたのだった 烈は息を切らして「遅くなったにょよ!」と謝罪してソファーに座った 遼太郎もその横に座ると、翔がお茶を淹れに向かった お茶を淹れて皆の前にお茶を置くと、見守る様にソファーに座った 「呼び出したのはね、榊󠄀原の家のリフォームが終わったにょよ! ばぁたん達の家具は全部売っちゃったからね、それに合う家具を入れるにょよ! 正式な家の登記簿と権利書を作ってくれたからね それを渡すわよ!」 と烈が謂うと遼太郎が登記簿と権利書を揃えて笙の前に置いた 「土地は半分になっちゃったけど、3人の子供部屋と応接間と夫婦それぞれの部屋は確保してあるから!一般的にゃ6LDKにゃのよ! その分あの広い庭はにゃくなったわ!」 榊󠄀原の家は庭園ばりの庭があった 元々白金の家にも広い庭があった ガーデニングが好きな母の為に父が建てた家だった その庭がなくなる………だがそんな大きな庭があったとしても、明日菜では荷が重いだろうから、笙は納得した 笙は家の登記簿と権利書を封筒に入れて貰い受け取った 遼太郎は立ち上がると「それでは家の確認の工程に入りたいと想います!」と言った ケントの車に乗り榊󠄀原の家へ向かう 遼太郎はガードキーを取り出すと準備を始めた 榊󠄀原の家に到着すると………笙は唖然とした 全く別の家になっていたからだ………… あの広いは壁で覆われた家の壁は取り壊され、そこそこ大きい家が2軒建っていた 榊󠄀原の家の門扉とドアはそのまま使われていた 家の横に駐車場が用意され、そこへ車を停める ケントは下りる事はなくエンジンだけ止めた 烈が車から降りると笙も車から降りた 遼太郎は取り出していたカードキーでドアを開けると、烈は家の中へと入った 笙は全く違う家になっていて言葉もなかった 烈が一つ一つ部屋の案内をする 「1階は応接間、笙たんの部屋、明日菜の部屋、キッチン付きのダイニング そして2階は子供部屋と洗濯室、サンルームみたいにしてあるから洗濯したら直ぐに干せるし、雨が降っても外じゃにゃいから安心にゃのね!」 と一通り説明をする 遼太郎は鍵を笙に渡した 烈は「子供の鍵の数はにゃいのよ!今はまだ要らにゃいでしょ?美知留が中学に上がったら持たせるにょよ!その時作れば大丈びにゃのよ!」と言った 笙は「解りました!本当にありがとう御座いました!」と深々と頭を下げた 「家具はその家を現すからね、夫婦で選ぶにょよ でも子供部屋の家具は子供達に選ばせるにょよ 自分の部屋を作らせるにょよ! 母しゃんみたいに子供の望む部屋は解らにゃいからね、選ばせて作らせるにょよ!」と謂う 「はい!解ってます!」と答えた 「にゃらボクのお仕事は此処で終りにゃのよ! お隣は城田と謂うボクの大好きにゃ社員が住むにょよ!仲良く過ごすと良いにょよ!」 「はい!ありがとう御座いました!」 烈は笙の家を出ると「しろたんに謂わなきゃね!」と言った 遼太郎は「城田は会社でしょ?ならば会社へこのまま行きましょう!」と言った ケントは会社へと向けて走った 烈は車内で「ボク携帯にゃいから、連絡取れにゃいわ!ばぁたんには会社に行って電話しなきゃ!」と言った 会社へ戻り5階までエレベーターに乗り上がって行く 5階で降りると製図課へと向かい「しろたんいる?」と問い掛けた 城田が即座にやって来て「烈!1ヶ月半も何処へ行ってたんですか?」と心配して問い掛けた 遼太郎は「社員食堂で良いですかね?」と問い掛けた 烈は「そーね、しろたん社員食堂へ来て欲しいにょよ!」と言った 城田は烈と共に社員食堂へと向かった 城田は「烈は紅茶でいい?」と問い掛けた 烈は頷いた 「遼太郎は珈琲?」 「俺はほうじ茶で!」 城田は食堂のおばちゃんに頼み淹れて貰うとテーブルに運び込んだ 烈はニコニコ笑顔で「しろたんの家出来たにゃよ!」と告げた 「本気で俺に家をくれるのですか?」と問い掛けた 「ボクは人の世に堕ちて数千年、嘘は一度も着いた事はにゃいのよ!」 「ごめん……何か夢みたいで………」 「遼太郎、書類を渡すにょよ!」 連絡が謂うと遼太郎は家の登記簿と権利書を城田に渡した そして2つの書類を並べて説明と確認作業をする 遼太郎は「これから家を案内しますか?」と問い掛けた 「そーね、でないと完了の判貰えにゃいのよ!」 「なら行きますか?」 烈は立ち上がると食器を返しに行き、とても美しい女性と話をしていた 「にゃら5時にね!」と言い離れると遼太郎と城田と共に社員食堂を後にした ケントの車に乗り再び榊󠄀原の家へ向かう ケントは「一度に済ませてくれれば……」と少しだけ恨み言を謂う 「ごめんねケント、ボクもねこんなにサクサク行けるとは想ってにゃかったのよ!」 「まぁそう言う時もありますね!」 と納得し榊󠄀原の家へと車を走らせた 城田の方の家の駐車場に車を停めると、烈は笙の方の家に行きチャイムを押した まだ家にいた笙がドアを開けて出て来た 「どうしたの?烈、忘れ物?」と問い掛ける 「笙たんにしろたんを紹介するわ!」と言った 笙は烈と共に城田の家へと向かった 玄関を開けると城田と遼太郎が立っていた 「笙たん、此方がしろたんね! そして説明をしてくれるにょが、遼太郎ね!」と紹介した 城田と笙は互いに自己紹介をして握手を交わした 城田は烈と話す時は目線を下げて話す 礼儀正しく好青年だった 「しろたんはね、亡くなった姉さんの子を育てているにょよ!年はにーに達位かしら?」 「その一つ下ですよ!」と言った 「でね、男前にゃ奥さんいるにょよ! 今はね前のお仕事辞めたから【R&R】の会社の事務作業して貰っているにょよ! 子供もいるわよ2歳で今保育所に通っているわよ 仲良く暮らして欲しいにょよ!」 笙は「僕は伊織の兄で俳優をしています! 時間が不規則だから煩かったらごめんなさい!」と言った 「今住んてるマンションが結構うるさいんですよ バンドの練習なんか夜中から始められちゃうから……引っ越そうかと思案中だったので助かります!本当に俺が貰って住んで大丈夫なんですか?」 「烈が決めた事だからね、それだけで僕達は安心して住めると想っているんだよ! 僕の奥さんは佐伯明日菜だから君は嫌だろうけど………仲良くしてくれたら嬉しいよ!」 「あぁ、佐伯が俳優の榊󠄀原笙と結婚したとか言っていたな………本当だったんだ 俺は別に佐伯を嫌ってなんかいません! 嫌ったりしてたら烈から飛び蹴り食らわされるから、断じて嫌ってません! 少しだけ苦言は呈したけど、仲良くなれる自信はありますよ! なんたって俺の妻は宗右衛門に見込まれて仕事を手伝う豪快な女ですから! きっと佐伯と仲良くなれるでしょうね! だからこそ、烈が決めてくれたんだと俺は信じてます!」 二人は意気投合して仲良くなっていた 烈は「しろたん、奥さんと子供と家具を買いに行くにょよ!それと来年には妊娠するから子供部屋は3人で作ってあるからね!」と告げた 「家具を買いに行きます……俺、来年にはまた家族が増えるんですね ならば更に頑張らなきゃなりませんね!」 「ボク会社に還るけどしろたんはどうする?」 烈が謂うと笙が「僕が送って行くよ!」と言った 城田は家の説明を受けた完了届にサインをした それを貰い遼太郎と烈は城田の家を後にした ケントの車に乗り込み会社へと向かう 最上階までノンストップデ乗り込み、宗右衛門の部屋に行くと、兵藤と竜馬が待っていた 烈は忙しそうに机に座り電話を取ると、真矢へと電話をした 『はい、榊󠄀原真矢です!』と警戒して話す真矢に 「ばぁたん、ボクね携帯総て解約したから、次が出来るまで携帯にゃいのよ!」と話した 真矢は『ならば私が作りましょうか?烈と専用の携帯作りたいわ!』と謂う 「ばぁたん専用携帯良いわね! それよりもばぁたん飛鳥井に来にゃい?」 『宴会?私今胃が痛くて宴会は無理なのよ』 「違うわよ、笙たんに家渡した事とか話したいし、ばぁたんとじぃたんに逢いたいにょよ!」 『烈……』 「ボクね5時にぜんちゃんの家を案内するにょよ!その時、ばぁたん達も来る?」   『良いの?』 「ぜんちゃんは遠くへは越して行きたくない、って謂う程に、ばぁたん達と仲良しだからね、仲人とかしてあげて欲しいにょよ!」 『あら?私………仲人なんて初めてかも………』 「なら何事も経験よ!ばぁたん!」 『それは良いわね!なら5時に下に降りてますね!』と言い真矢は電話を切った 「ぜんちゃんちの案内で今日は終わりね! 遼太郎、その書類を兵藤きゅんに渡して!」 遼太郎は兵藤に書類を渡すと、必ずや家の説明をして完了届にサインして貰って下さい!と言った 兵藤は「了解!明日書類は届けるわ!」と言った 遼太郎は説明をすると秘書課へと戻って行った 翼が入れ違いに宗右衛門の部屋に入って来ると 「烈、宮瀬建設へ研修を出す社員の選別をお願いします!」と言った 「PCへ送ってある?」 「はい、送っておきました! 選別をした後に面接でしょ? 日程も立てたいので密なる連絡をお願いします」 「解ったわ!」 烈が謂うと兵藤が「俺と竜馬のPCにも送っといて!」と謂う 翼は「了解しました!」と言い宗右衛門の部屋を後にした 「この後、飛鳥井記念病院に行き立体駐車場を確認して、明日から開始させて、その後にぜんちゃんの所ね」と言い烈は時計を見た もう3時回ってて烈は「駐車場行かにゃいと!」と言った 烈は内線を押すと「宗太郎、立体駐車場へ行くにょよ!」と言った 即座に宗太郎がやって来て、烈は宗太郎と共に出て行ってしまった それを見送り竜馬は「忙し過ぎやしない?」と言った 兵藤は「仕方ねぇだろ?烈が帰るまで保留だったんだ、やる事は後を絶たねぇだろ?」とボヤいた 「真矢さん胃が痛いとか言ってたね」 「なら久遠に連絡入れとくとするか!」と言った そして烈の後を追い飛鳥井記念病院へと向かって車を走らせた 烈は宗太郎と共に立体駐車場の確認をしに来ていた 耐震基準適合証明書を確認しつつ、確かめて行く 立体駐車場は緑と花が育てられる様になっていた この植木の手入れの為に地域の業者に管理をさせる事にした それに伴い費用が掛かるから駐車場は出入り口に着いた料金精算機で支払う様にした 無料のデカデカとした駐車場だと不正駐車も横行していたから、病院の診察する患者以外は停められなくなり良かった 烈は宗右衛門の所に印鑑を押すと、宗太郎は 「ならば副社長、社長、会長に書類を回していきます!」と言い会社へと戻った 時計を見るとまだ少し早く、思案してると兵藤が 「烈、時間あるなら茶してこうぜ!」と言った 烈はケントの車に乗り込むと、兵藤の車の後を追ってファミレスへと向かった 駐車場に車を停めると、車から降りファミレスへと向かう そこで時間までお茶を飲み寛ぎの時間を過ごす そして約束の時間の10分前になると竜馬は支払いに走った そして車に乗り飛鳥井記念病院野横のマンションの駐車場へと向かう 地下駐車場に車を停めて来ると善之助は既に来ていた 真矢と清四郎も既に来ていて、烈を待っていた 「ぜんちゃん待たせたわね 早すぎてファミレスで時間潰していたにょよ! 兵藤きゅん、鍵を渡して説明してね!」と言った 兵藤は書類の封筒の中を見るとカードキーを見つけ、それを取り出してドアを開けた ドアを開けると、大きめの玄関があり上がり端がありそこで靴を脱いだ だが烈はドアを開けたまま入らずに誰かを待っている様にだった 「和華ちゃん!ここよぉ!」と謂うと甲斐和華子は烈への近付いて来た 「烈、呼ばれたから来たわ!」 「直ぐに解った?」 「飛鳥井記念病院前でバスが止まるからな、直ぐに解った」 烈は和華子を玄関へ押しやると、靴を脱ぎ部屋の中へ入った 「ばぁたん、じぃたん、この人はね甲斐和華子しゃんにゃのよ! ぜんちゃんの女神様にゃのよ!」と紹介した 善之助は真っ赤な顔をして固まっていた 真矢は「まぁとても美しい方なのね、榊󠄀原真矢です、烈の祖母になります!ヨロシクね!」と自己紹介した 清四郎も「本当にお美しい方だ、善之助にお似合いだ!私は榊󠄀原清四郎、烈の祖父です!」と自己紹介した 和華子は「甲斐和華子です!宜しくお願いします!」と言った 「和華ちゃんはね、会社の社員食堂にスカウトしたにょよ!ヘルシー定食は和華ちゃんが作ってくれたにょよ!」 そして固まる善之助に「ぜんちゃん、取り敢えず部屋の説明するわね!」と説明を始めた 部屋数はそんなに多くはないが、薬局だっただけに広々とした作りになっていて、それを部屋に作り変えられていた 兵藤は説明の書類を見て一つずつ 「1階は応接間、そしてキッチンとリビング そして2階に善之助さんの部屋と和華子さんの部屋、そしてサンルームになってる洗濯室です!」 と部屋を確かめながら説明をして行く 一通り説明が終わると烈は 「部屋をね広々と取ってあるにょよ! だから部屋数は少ないけど、夫婦二人で住むにゃら、これで良いかと思ったにょよ! バリアフリーだし段差はにゃいし車椅子になっても、難なく動ける設計にゃのよ! さぁぜんちゃん、プロポーズよ!」と言った 善之助は真っ赤な顔をして 「好きです!死ぬまで一緒にいて下さい!」とカチカチになり申し込んだ 「私は仕事は辞めないよ?」 「それでも良いです!」 「私は子供は産めない」 「それでも構いません!烈が犬か猫飼えば大丈夫だと言ってくれました!」 「家事は得意じゃない………」 「私は家事すらした事がなかった  でも生まれて始めて家事をして、何とかやれる様にはなりました なので互いに頑張って行きましょう!」 「本当に私で良いのか? 伯父貴と知り合いたいなら、紹介する」 「清三さんとは既に友達なので今更です!」 「でも蔵持と謂えば今急成長してる会社なんだろ?そんな社長と身分が釣り合わない………」 和華子が謂うと兵藤が「身分?そんなのは何時の時代の話だよ?好きなら受け入れる! でねぇと後悔するぜ!お前は善之助をどう思っているんだよ?」と問い掛けた 「好き………だよ」 「一緒に住んでも良い程にか?」 和華子は頷いた 「善之助、おめでとう! 挙式しねぇなら料亭で皆に祝って貰えよ! それがケジメってもんだろ?」 兵藤が謂うと善之助は「はい、それも考えて行きます!」と答えた 烈は「その前に、この家の家具はばぁたんに選んで貰ったけど、それぞれの部屋の家具は手付かずだから和華ちゃんと家具を見に行くのよ! そしたらガルくん番わせて子供を作らせるから、その子供を上げるにょよ! 虎之助も番わせたら犬と猫になるわね!」と楽しげに言う 兵藤は「その番、美緒に頼んでおいてやるわ!」と言った 烈は嬉しそうに笑って「ありがとう、お願いね!」と言った 真矢は「取り敢えず、自分の部屋にどんな家具を入れるか?見に行ったら?」と言った 兵藤は「真矢さん貴方は久遠先生がお待ちだから行くぜ!」と連れて行ってしまった 清四郎は慌ててその後を追った 烈は仕方なく完了届に判を押して貰い 「此れにて、この家の説明を終わります! と言う事で、二人で話をするにょよ! そして、それぞれの部屋の家具を買ったりして、二人の家にするにょよ!」と言い二人きりにした 烈は竜馬と共に外に出た ケントに「竜馬と共に還るから大丈びよ!」と言い帰宅させ、病院へと向かうと真矢は検査に行っていた 烈は「ばぁたん どうしたにょ?」と問い掛けた 清四郎は「最近食欲が落ちてました……あの日から笙とは連絡を取ってない……それも気掛かりだったのかも………」と言った 烈は何も言わず聞いていた 兵藤は「かなり痛かったみてぇだからな入院かもな!」と謂う 清四郎は「入院………」と呟いた 烈は「ばぁたんが入院したら飛鳥井に来れば良いにょよ!ばぁたんが退院したら笙たんの件は総て起動に乗せるから、そしたら逢っても大丈びになるわよ!」と言った 「烈………」 「ばぁたん入院になったら、ばぁしゃんに連絡してお着替えを用意して貰わにゃいと!」 女性のお着替えを、夫と謂えども探して荷造りするのは荷が重いだろうから……… 烈はサコッシュの中を探って「にゃいのよ!」と言った

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