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第52話 点滴穿石

烈が携帯を持ってないんだと知ると、清四郎は烈に携帯を差し出した が、烈はその携帯は受け取らなかった 「じぃたん、ボクが発信しちゃうと使えにゃくなる可能性あるから借りられにゃぃのよ!」と言った そして兵藤に「兵藤きゅん、母しゃんにラインして入院になったらばぁしゃんに荷物を用意してくれる様に頼んでね!」と頼んだ 竜馬は清四郎に「今 烈は狙われているんですよ!なので清四郎さんの携帯から発信したら、それをチャンスとばかりに狙われる事を警戒してるんですよ!」と教えた 清四郎は心配そうな顔をして「烈……」と抱き締めた そこへ久遠がやって来て「真矢さんは胃潰瘍だ、かなり前から嘔吐や痛みがあった筈だが?」と告げた 清四郎は思い当たるフシが在ったのか?黙って聞いていた 烈は「ばぁたんは?」と問い掛けた 「処置したら個室へ移す、それよりも烈、1ヶ月半も何処へ行っていやがった! さぁ俺が特別に検査してやるからな!」と烈を担ぎ上げると連れて行った 竜馬はそれを見送り、清四郎を連れて個室へと移動する事にした 兵藤は康太に「真矢さん胃潰瘍で入院になった!」と連絡を入れた 即座に康太から『母ちゃんに行って貰うわ!』とラインが返って来た 康太は榊󠄀原にラインを見せると 「母ちゃんを会長室に呼んで貰わねぇとな…」と言い副社長室を出て行こうとした 榊󠄀原も立ち上がり「僕も一緒に行きます!」と康太を優しく抱き締めて言った 会長室のドアをノックすると清隆がドアを開けた 康太と榊󠄀原を見て「どうしたのですか?」と二人を部屋に招きつつ問い掛けた 康太は「真矢さんが入院したから、母ちゃんを呼んでくれねぇか?付き添って貰わねぇと清四郎さんだけじゃ手が回らねぇだろ?」と言った 清隆は直ぐに玲香を呼んだ 会長室に呼ばれて来た玲香は、真矢が入院した事を聞き……唖然となっていた 「やはり笙の件がショックじゃったのか?」 と玲香は想わず呟いた 「烈から真矢さんがショックを引き摺るから気を付けてやってくれとは謂われていたんだよ 頼まれていたけどな………下手に手を出す方が悪化しそうで……タイミングを掴めなかったんだよ そして烈の帰還で総てが吹き出して来たって訳だな……帰還早々に大変な事に突入しちまったな」 「烈は真矢が倒れる事を予想しておったのか?」 「予想じゃねぇよ、母ちゃん 烈は笙の星を詠んだ時に真矢さんの星も見えちまったんだと想う 烈はホロスコープや星詠み全てを使い人の未来を詠むかんな……それは違える事のない未来なんだよ だから真矢にとって笙の存在は大きかったし、引き摺るのは解っていたんだよ! なのにオレは気を付けていたが、烈が還らねぇと変わらねぇと判断してフォロー出来なかった 烈に怒られるって事は……レイに飛び蹴りがまされるか?オレ?」 玲香は笑って「そんな事はせぬよ烈は!何だって烈は母さんが大好きだからな! レイも烈の大好きな母さんに飛び蹴りはかまさぬよ!」と慰めた そして康太と榊󠄀原を抱き締めて 「ならば我は真矢の所へ行こうぞ! 清四郎は個室におるならば、共に部屋に行き入院の準備をして参ろうぞ!」と言い副社長室を後にした 玲香を見送り康太と榊󠄀原は副社長室へ戻った 康太は榊󠄀原に 「動き出したぜ伊織! 烈が還って来たからな、運命の歯車が回り始めた ゆっくり学校に通わせてやりてぇけど、それはどうやら無理そうだな……」と言った 榊󠄀原は「まぁ回り始めたらノンストップでしょうから、此方も構えておかねば、衝戟に吹き飛ばされてしまいますからね! あ、それよりも大歳神が毘沙門天達十二支天と共に井の頭公園の霊を捕まえに行ったそうですね 一人残らず捕まえて無間地獄に置いて来た!って携帯を頼んだ時に聞いて………言葉もありませんでした」とボヤいた 「でも助かったぜ、あの霊は狡賢い奴等でオレと烈は手を焼いていたからな……… あ、だから井の頭公園のアスファルトがメリメリに割れてる事件がニュースで流れていたのか 唐沢に言っとかねぇとな!」 と言い康太は唐沢にラインした 唐沢からは怒りまくったスタンプが送られて来た その頃 烈は検査を終えて個室へと連れられて戻って来た 少し前に真矢は、久遠の処置を終えて個室に戻って来ていた 烈はベッドで眠る真矢の手を、そっと握って 「早目に片付けにゃいとダメね………」と呟いた 玲香は真矢の部屋に行き、入院の支度をして個室に来ると兵藤に「貴史、烈を飛鳥井へ連れて還ってはくれぬか?」と頼んだ 飛鳥井と榊󠄀原の祖父母が大好きな烈が心配しすぎて倒れないか……玲香は心配していた 玲香が個室に来た時、烈は検査していなかった 暫くして戻ると久遠から 「あんまし芳しくない状況だから無理はさせるなよ!限界超えたら確実にぶっ倒れる事になるぜ!」と告げられた 竜馬は「了解しました!」と言い烈を抱き上げると個室を後にした 兵藤もその後を追い、竜馬の車に乗り飛鳥井へ還った 烈は飛鳥井に還ると家の電話で笙に電話をした 「飛鳥井に来てくれにゃいかしら? 美知留も匠も結子も明日菜も連れて来てね!」と言い電話を切った 烈は「客間使うわね!」と謂うと兄達が動き出す 客間に烈が述べていた人数分の座布団を用意してお茶の準備をした 多分竜馬と兵藤が出るのを見越して用意する 暫くするとインターフォンが鳴らされた 飛鳥井の家の門扉とドアはスッカリ直されていた 門扉を囲む外壁にはチタンプレートを入れて補強してあった ドアは最新のオートロックで、鍵はちっこいのを除いた分用意した 予備でちっこいのが大きくなった時用に頼んではあった その工事は烈が魔界に行っている間に行われ、つい最近新品になって取り付けられた門扉とドアだった 流生がドアを開けに行くと笙の家族が立っていた 流生は笙家族を招き入れ、客間へと案内した 座布団の上に正座すると笙は 「今日はどの様な御用で呼ばれたのですか?」と問い掛けた 烈は「ばぁたん……入院したわ!」と伝えた 笙は「母さんが………大丈夫なのですか?」と問い掛けた それに答えたのは兵藤だった 「胃の調子が悪いと言ってたから、久遠に診て貰ったら即入院だった!胃潰瘍だ!原因は解るよな?」 明日菜が「私が……義母さんを追い詰めたから……」と悔やんだ 宗右衛門は「悔やむな明日菜!」と言った 「宗右衛門…………」 「主が悔やんだとしても真矢の胃潰瘍は治りはせぬ!ならば今後の話をしようではないか!」 宗右衛門で話す烈に竜馬は「烈、止めてくれ、宗右衛門を出さないでくれ!」と泣いて頼んだ 「りゅーま……」 「限界超えたら倒れるって言われてるんだぞ! 宗右衛門だしたら限界超える!だから止めてくれ」 竜馬に泣かれたら、烈も謂う事を聞くしか無い 「解ったにょよ、りゅーま でね笙たん、早く家具入れてあの家で生活して変わったって所を見せて安心させてやってね 明日菜もさ悔やむ前に母になるにょよ! 苦しくても辛くても母にゃら乗り越えられるにょよ!そんな変わった態度を見せて安心させてやるにょよ! まだ明日菜は硬さが抜けにゃいから、少し肩の力を抜くにょよ! そしてしろたんの妻と仲良くにゃるのよ! あの子はね、血の繋がらない子を育てているにょよ、それでも愛して我が子と変わらない様に育てているにょよ! そんな母の気持ち解りたいにゃら、しろたんの妻はお手本になれるべき存在にゃのよ」 笙と明日菜はだから家を半分にして、隣に城田を住まわせたのか……と納得した その話をしていると、何時の間に来たのか、康太と榊󠄀原も座っていた 康太は「だな、城田の妻は城田の姉の子を我が子同然に育てているからな、腹を割って知る努力しろよ!明日菜 此れが烈が示す最終勧告だかんな、次は見捨てる そもそも見捨てる気満々だったが、母に忖度して譲歩してくれてる内に変わりやがれ!」と言った そして康太は烈に深々と頭を下げた 「お前に頼まれていたのに真矢さんを入院させてしまった、すまねぇ!」 「母しゃん、ばぁたんの気質を誰もが知ってて踏み込めにゃかった 仕方にゃい事だから大丈びよ!」 「それよりもお前、数値悪いんだって?」 烈はバツの悪い顔をして……… 「御飯食べるの……夢中になると忘れちゃうにょよ だから………かなり数値悪いって怒られたにょよ」 「薬飲んで治してくれ!頼むから自分の体に責任を持ってくれねぇか? 今 此処で宗右衛門を欠いて先へは続かねぇんだからな!半月早く戻さなければならねぇ程にな お前を欠かせねぇのに入院されたらお手上げだぜ!」 「解ってるにょよ………」 「榊󠄀原の家、引き渡したんだな」 「しろたんも引き渡したにょよ!」 「善之助も引き渡したんだろ? 立体駐車場の完了届にもお前の印押してあった 無理し過ぎだ烈、誰も即座に片付けろとは行ってねぇぜ!」 「早くしにゃいと笙たんの運命が変わって来ちゃうにょよ そしたらもぉ………明日菜を見なくなるにょよ」 「それはどう謂う事だよ?」と康太は尋ねた 烈は竜馬に手を伸ばすと、竜馬が鞄の中から笙のホロスコープを取り出して烈に渡した 「これはね、遠出する前に詠んだ笙たんの星にゃのよ………」  そう言い烈は透明の紙を重ねて行く その上に透明の紙を重ねて置くと、康太と榊󠄀原と兵藤の顔が驚愕に染まった 「笙たんはやはり我が子を飢えさせた事を許してにゃいのよ……… 明日菜も許せにゃいし、自分も許せにゃい 我が子への愛情は深いからね、今は思い留まっている………そしてやっぱり、笙たんは妻を愛しているにょよ、その愛はまだ枯渇していにゃい そして何よりも笙たんを親でいさせているにょは、やはり美知留にゃのよ! 何とかギリギリの所で留まっている、そんな状態だから新たに生活を始めさせ、我が子に責任を持たせて夫婦で共に生きて逝く覚悟をさせにゃきゃ………見切っちゃうにょよ……」 と烈は訴えた そこまでギリギリなのが伺えられる現実に言葉もなかった 「ばぁたんの気質を一番強く受け継いでいるにょは、ひなにーでその次が笙たんにゃのよ ばぁたんは見切った者は視界にすら入れにゃい…… そうなったら………もう終わりにゃのよ! そうならにゃらない為に布石を打って再出発させなきゃ………終わっちゃうにょよ……… 二人の離婚は破滅の始まりにゃのよ……… 笙たんは美知留と匠を引き取り、明日菜は結子を引き取り別れる 笙たんは我が子に責任を持たなきゃ、と仕事に精を出し………美知留や匠を見にゃくなる 明日菜も、結子を育てなきゃ!と仕事三昧で頑張るけど………結子は誰もいない部屋の中で一人過ごす事になり寂しさで壊れるにょよ! 明日菜は男前よ、下手したら吹っ切れたら笙たんよりも男前よ 走り出したら止まらにゃい……… 美知留や匠は………もう親に期待しなくなり……笙たんは空回りして……自身もなくす……… 家族がバラバラになり、バラバラの方向を向いて過ごす……破滅しか待ってにゃいのよ!」 烈は必死に伝えた 少しでも理解して貰わねば破滅が待っている 破滅しかない場へ逝かせたくなどないのだ 烈は真っ赤な顔で話していた 榊󠄀原はそんな烈の状況を心配して慎一に 「体温計お願いします!」と言った 慎一は即座に体温計を持って来て榊󠄀原に渡した 榊󠄀原は烈の傍へ逝くとピッと体温を計測した すると37度3分と熱が出ていたのが解る 榊󠄀原は「夕飯は食べたのですか?」と尋ねた 烈は「まだ……」と答えた 「朝は食べてましたよね?昼は?」 「…………メロンジュースを飲んだ」 兵藤と竜馬はそれに驚いていた 兵藤は「昼食ってねぇなら言えよ!」と言った 竜馬も「それなら軽いの頼んだのに!」と心配して言う 榊󠄀原はピキッと青筋を立てて 「今直ぐ、お粥を作って貰い食べて薬を飲みなさい!解りましたね!」と言った 慎一は烈を連れてキッチンに向かった 兄達は烈を送り出し、互いの顔を見て頷いた 流生は立ち上がると「僕の愛する弟が熱を出した様なので、この後の話し合いは我ら兄達がキッチリとカタを着けたいと想います!」と謂うと 太陽は笙へ近寄った 「ねぇ、笙、貴方さ僕の弟やばぁちゃま達を苦しめてるの理解してるかしら?」と言った 笙は「はい、理解してます!」と頭を下げた 大空は「ならさ、此処でキッチリと話し合いましょう!で、笙は妻を愛してるのかしら?」とド直球で問い掛けた 「愛して……ると想います………」 と答えると大空は「レイちゃん!お仕事よ!」と言った レイは駆け寄り笙に飛び蹴りを食らわせた! 「らめ!らめらめよ!」とレイは怒っていた 音弥がレイを抱っこして、どうどう!と落ち着かせる 流生は「烈はそんな答えは聞きたくないのよ! ねぇ、限界超えて世話を焼いている訳解るかしら?解るなら…………そんな答えは口には出来ない筈よね?」と吐き捨てた 明日菜は唇を噛み締めて、下を向いていた 重苦しい沈黙が流れる そこへ「佐伯明日菜、下を向くにゃ!」と烈が叫んだ 明日菜は顔を上げた 「母はそんにゃに弱くにゃいのよ! だから俯くにゃ!前を向くにょよ!」 「烈…………」 「誇り高き飛鳥井康太の秘書なれば、俯くにゃ!」 明日菜は胸を張り前を凛として向いた 烈は慎一に抱えられ部屋へと強制送還された 流生はニャッと嗤うと笙に 「烈の努力を無駄にする気じゃないわよね?」 と何処ぞの姑よ、と聞きたくなる様な問いをした 太陽も「笙、貴方さ、明日菜を愛しているのかしら? もし離婚するなら、明日菜は笙以外の男と再婚するのも可能ね! ねぇ母さん、お相手紹介してあげたら?」とチクチク攻撃を始めた 翔も「ならば笙さんも新しい妻を探されると良い!互いに別々のパートナーを得る そんな可能性を笙も明日菜も想像してみたらどうなのだ? 自分以外の女を抱く笙を、そして自分以外の男に抱かれる明日菜を、想像してみたらどうなのだ? それを想像したとして冷静でいられるならば、再構築は難しいやも知れないね!」と心中穏やかでいられなくなる事を言う 笙は眉を顰め………その顔は苦痛に歪んだ 明日菜は絶望した様に青褪め、兄達は顔を合わせ頷いた 流生は笙の瞳を射貫くと 「烈とレイは今命を狙われているらしくて、家の外には常に国際色豊かな護衛が家を護っているわ 宗右衛門として飛鳥井の家を1000年続く果てに繋がねばならない死命の為に、学校に逝く時間さえないのよ? 学校に通えば通ったで暴漢が押し入って殺されそうになったり気が休まる暇さえないのよ…… そんな烈が骨身を削って熱を出して限界を迎える程に世話を焼いてる事を忘れないで!」と訴えた 太陽も「僕の大切な弟なのよ!レイもね、凛も椋も宗右衛門が導いた子達だからね、大切な子達なのよ!僕達は烈の宝物を護ると決めてるの! だから…………頼むからこれ以上烈を苦しませないであげてね!」と頷いた 大空と音弥は泣いていた 心が痛くなる程………弟を想い泣いている姿に…… 笙と明日菜は言葉もなかった 笙は「明日菜と明日を築く為に話し合うよ! 僕だって明日菜を愛している、我が子を愛しているんだ!だから決して烈の想いを裏切らないと誓うよ!決して破滅へと向かわない為に努力するよ!」と言い、流生達を抱き締めた 明日菜も「私も………生涯の夫は笙だけと決めて生きて来た……だからこれからは母として妻として頑張りたいと想う…… 笙の想いを失わない為に烈を裏切りはしないと決めて生きて行きたいです! 決して破滅へと向かわない為に努力します!」と言った 太陽は「絶対よ!約束だからね!」とキラーンと瞳を輝かせた 音弥は「僕達は何時だって美知留と匠と結子の味方だから!裏切ったら我が子を失うと思うと良いのよ!」とニコッと笑って言った 大空が「もっと愛さなきゃ!もっともっと欲張りに愛して貰うのよ!明日菜! 夫婦の愛の秘訣は常に愛してるの確認作業よ! 僕達の両親は何時でもラブラブで夫婦円満なのよ! 愛してるよ!って互いの為の確認を怠らないからなのよ!」と言う 笙は「かなちゃん、ありがとう!烈を裏切らない様に愛してるよ!を欠かさず言うよ!」と言った 流生は「なら家族団欒の時間を作って、烈が描いた絵図に乗って、あの家で生活してね! ささっ、話し合いは終わりよ! これから家族でファミレスでも行ったらどう?」言うと 音弥は「そうね、美知留、匠、結子、好きなの頼むのよ!時には両親甘えて我が儘言うのよ!」と背中を押した そうして笙家族は一家団欒の時間を持てと送り出され 翔が「烈が電話するまでにその絆と愛を深めて下さい!」と深々と頭を下げ送り出した そして笙家族が還ると兄達はハイタッチして 「どうかしら?烈の手助け出来たかしら?」と流生が言った 音弥は「少しは出来たと想うわよ!」と言う 太陽も大空も頷いていた 翔が「さぁレイと凛と椋を寝かせるわよ!今日のお風呂当番は?」と聞くと大空と音弥が手を上げた 流生が「なら頼むわよ!シャンプーハット忘れないでね!僕達は着替えの用意して来るから!」と手分けして、ちっこいのの世話を焼く 兵藤はそんな子供達の光景を見て一言も口を挟まなかったが、一言 「お前等の子供怖いわ………」とボヤいた 康太は笑って「弟を愛してるからな、だから烈の大切な存在の面倒も見るし、烈が熱出したらその後を引き受けてカタを着ける! まぁオレも我が子ながら恐ろしいとは想ったが………まぁ弟想いの兄達だからな仕方ない!」と言った 榊󠄀原も「烈は大切な大切な弟なんですよ! 頑張ってる弟の手助けをしてやる、それが兄の務めだと想っていますからね そして烈の大切なちっこいのも守り育てる お兄さんだから頑張ってくれてるんです!」と言った 頼もしい我が子になった 心優しい我が子になった どんなに険しい道だとて、兄弟力を合わせたら乗り越えられない道なんて無いだろう……… 其れ程に兄弟の絆は強かった 康太と榊󠄀原と兵藤と竜馬は夕飯を食べに行き、その夜は疲れ果てて眠りに落ちた……… 翌朝 烈は朝早く流生と共に屋上にいた 「夏になる前に夏野菜にゃのよ! あ、昨夜ボク……菩提寺に行けにゃかった」 「どうしたの?なんかあったの?」 「流にーにクロス見せたかったにょよ とても小さい子にゃのよ、可愛いにょよ! 流にーの温室見せてやりたかったにょよ!」 「逢わせてくれるの?そんな可愛い子に?」 「逢わせたかったにょよ! そしてね桜林の温室とか連れて見せて欲しかったにょよ、クロスはポッケに良い子に入っていられるから!」 「なら後で菩提寺にその子を迎えに行くわね! 春休みだから、沢山お花のある場へ連れて行くわね!」 「ありがとう流にー! 今度、夏野菜買いに行かなきゃ!」 「そうね、青紫蘇凄かったもんね! 今年も育てようね!」 と仲良く話をしていると慎一が烈を呼びに来た 「烈、熱は下がりましたか?」 「うん!もぉ大丈びだと想うにょよ!」 「朝を食べて薬を飲みましょう! そしたら体温測りましょう!」 烈は頷いた そしてキッチンで朝食を食べていると、竜馬が烈を心配してやって来た 烈は竜馬を見ると「【R&R】始動するわよ!」と告げた 竜馬は嬉しそうに笑うと「了解っす!」と答えた 烈は朝食を食べ終わって応接間でテレビを見ていると、応接間に顔を出した康太に 「学校は当分行けにゃいから連絡入れといてね!」と伝えた 「【R&R】始動するのか?」 「そーにゃのよ!それで会社のリフォーム代稼ぐわ! 今度は長丁場だから神野達も利益取れにゃいと協力は無理だろうし、その話もして来にゃいとダメにゃのよ!」 「神野、相賀、須賀は全面的協力するって言ってるやんか!大丈夫だと想うぜ!」 「それでもね、妨害はあるだろうし、今僕の上にはオーディーンの加護があるから近寄れにゃいのよ、だから使うにゃら人間だろうからね………」 康太はその言葉に「天使は皆強制送還されたのかよ?」と問い掛けた 「ガブリエルの指示の元強制帰還させられたけど、傀儡になってるのはそのまま残ってるわね そしてそろそろ天界へ行かにゃいとね! 天界へ行く前は荒れるわよ え?あの人が!!的な人がボロボロ命を落とす事ににゃるのよ!」 「それって因みに何処いらへんの存在よ?」 「芸能界、政財界………王室………テレビ見てて気になるのいたから調べようとしたら、レイたんが傀儡だって言ってた、中身スカスカだって…… 王室は嫌がらせして来るなら王室かにゃって……」 「あぁ、王室………嫌がらせ来るかもな……… まぁ女王は老衰かもしれねぇけど、他は故意に在るかもな……… ニブルヘイムは闇を視れる様に内面も視えるんだったな………お前はそれは視えねぇのか?」 「レイたんが謂うには、その性能は後付らしいわよ!だからボクは逆立ちしても、それは視えにゃいわ!」 「後付けか……何か性能の良いのを着けたって言ってたな?それなのか?」 「それは解らにゃいのよねボクには…… ボクの眼は長い時間を掛けてボクの眼と同化しちゃったから、今じゃ全く別物みたいにゃのよ!」 「お前はレイと同じでなくて良い、お前はお前にしかなれねぇんだからな!」 と康太が謂うと烈は頷いた 「で、ボロボロ命を落とすって?」 「この小さな列島位にゃらオーディーンと倅のバルドルとで光の守護で護る事は可能だと言っていたにょよ! そうなると闇で操られし傀儡は機能を停止するしかにゃいって言ってたわ!」 だからボロボロ命を落とす…………って事なのか と康太は納得した 烈は「でもねそれも想定内にゃら抵抗されるからね、オーディーンは全面戦争を考えてヴァルハラから戦士を天界に待機させているにょよ! だから早く天界に行かにゃいと駄目なのもあるのよ!【R&R】にある程度の指示を出して何日か留守にする間に話を詰めさせるまでして行く事にするわ! はぁたんの様子も気になるから、少し様子を見て動くにょよ!」と言った 康太は問題山積している現状に溜息しか出なかった 「んとにな、気が休まる時がねぇよな………あ、それよりも唐沢から聞いたんだけど、善之助の妻と秘書が横領していた分の資産、総てが善之助の手に戻されたんだよな? あのナイトムーンダイヤも返したって言ってたけど…………今、アレはどうしてるのよ?」 「ぜんちゃんから奪った会社の権利書も車も預貯金も総てぜんちゃんに返されたにょよ かなり使われていたけどね………… でもねぜんちゃんはそんなにょ要らないって車は全部売ったわ! それで新しい会社を創設したからね、総て売れるモノは売り飛ばしたにょよ! その新会社と新居にね、佐伯との思い出の品は入れて配置しておいたから、ぜんちゃんは喜んでくれたにょよ! そしてね崑崙山に置いた骨董品もね、時を同じくして美術館や博物館へレンタルするのは出して、売りに出したにょは5点なんだけどね、前代未聞の高値で売れたから、門扉とドアとぜんちゃんの家のリフォームしたのよ 社務所も豪華になったのは、そのお陰ね! で、ぜんちゃんのあの豪邸は、もう要らないって言ってたから、家は歴史的建造物だと希望してた業者に1000万で引き渡したの ぜんちゃんはそのお金も家の土地も全部要らないって、言ってたから譲渡して貰いボクが貰って今ビル建てているにょよ! それで家賃収入狙っちゃっているのよ で、残りの骨董品は緑翠が貸してくれって言ったから、立体駐車場と薬局建てる分の費用で貸し出しているにょよ! 多分二度とお目には掛かれないのもあってね 骨董品の書籍に乗せると言ってるにょよ その後は鷹司の蔵に入れて管理してくれるって! で、そのナイトムーンダイヤはヘンリーが、大英博物館で展示してレンタル料稼いだ方が良いと言ってくれたから、今は英国の地にいるわ!」 「それぞれ配置したって訳か? でもあの骨董品は殆どが……呪物っぽかったろ? それはどうしたのよ?」 「緑翠が殆どを祓ったけど、手強いのは鷹司家 随一の能力者 鷹司緑道が手伝って祓ってくれたにょよ! だからナイトムーンダイヤ以外は本当にね、骨董品にゃのよ!」 「やっぱナイトムーンダイヤは怨念深いのか?」 「ぜんちゃんの妻と秘書は狂ったらしいから、その力は多少は弱っているにょよ! でも厄介な事に変わりにゃいからね、大英博物館へ持って行ったにょよ! イギリスまで持って行ったにょは、緑翠と緑道兄弟でね、当然結界張って距離を取っての展示とにゃるのよ!それだと見てる分は大丈びらしいのよ でもね魅入られしたら大変だから時計塔の魔術師が定期的に結界を見張ってくれるらしいわよ!」 そこまで深い怨念………そりゃ持ってたら正気ではいられねぇだろうな………と康太は想った 「母しゃんはナイトムーンダイヤって今数十億するにょ、知っていたにょ?」 「オレは貴金属は解らねぇからな一粒ダイヤなら1億かそこらかと想っただけだ!」 「あそこまで立派にゃ一粒ダイヤって滅多とにゃいらしくてね、しかも呪われているって肩書も信憑性が高くて人気だってヘンリー言ってたわ」 「オレは宝石とか骨董品とかは無縁な生き方だったからな サッパリだな………まぁ真贋持ってるから価値も値段も解るけどな、そんなのに目の色変えて………って程に解らねぇんだよな あ、真矢さんちの家具、高値で売れたんだろ?」 「ばぁたんは凄いわね、家具やアンティークは本当に結構高値が着いたにょよ! あんな色んにゃの着いてるのにね、高値よ、母しゃん!ボクもね信じられにゃかったわ! ばぁたんはそのお金は新居に使ってって受け取らにゃかったからね だから最新の家電をカズに頼んで、ばぁたん達と一緒に見に行って貰うにょよ!」 康太はそこまで話が着いていたのかと、改めて想う 「完成は12月だっけ? 基礎までやって半年掛かるって相当な大変な工事なんだな」 「女優と俳優が住む家だからね、色々と大変にゃのよ!普通の薬局程度ならその半分で済むけどね、上に住宅を作るとなると、細部まで拘ったからね………簡単には行かにゃいのよ!」 鉄筋三階建て屋上付き、1階総てが薬局になる 日当たりはバッチし、住宅街で騒音なんかはない 少し歩けば桜林学園のだだっ広い敷地になるから木々が植えられ緑の多い場所となる! 薬局だから病院の近くには建つが、とても静かな場所だから、真矢や清四郎は住みやすいだろうと想った また善之助や志津子も傍に住む場所であるし、飛鳥井へ来るのは、此方の方が近い 半年以上病院の上のマンションに住む事になるならば、その地に慣れるだろうし、穏やかに過ごせる筈だと想った 総てが配置され果てへと結ばれたのが解る 康太は「昨夜渡すの忘れたからな、新しい携帯だ!」と言い3台の携帯を烈に渡した 烈は携帯の入った紙袋を受け取り中身を確かめた 康太は烈に携帯を渡すと竜馬に 「竜馬の携帯は此れから相賀ん何処行くんだろ? 頼んどいたから、貰うと良い!」と言った 烈は紙袋の中を見て「何で3台?」と問い掛けた 「そのキャラ携帯は清四郎さんが、烈との連絡用に作った携帯だよ! その携帯で連絡をしてやれよ!喜ぶぜ!」と言った 烈は母に深々と頭を下げ「ありがとう!」と礼を述べた 「今週中にやらねぇとならねぇ事は片付けて来いよ!天界も見据えて動かねぇとな!」 「了解にゃのよ!」 烈はそう言い立ち上がると、竜馬と兵藤と共に飛鳥井を後にした 康太と榊󠄀原は会社へと出勤して行った 烈は病院へまず向かい、久遠に立体駐車場の完成を告げた 「せんせー、立体駐車場完成したにょよ! 明日からは、駐車場使えるけどね、有料だから院内放送で流して、告知を貼って貰わにゃいと駄目にゃのよ!」 と烈は放送内容をと告知内容を書いた紙を久遠に渡そうとした が、久遠は「そう言う事はお前が行ってやらせてくれ!それよりも烈、慎一が真矢の所に来てたから話をしたけど、お前熱出していたって? 薬を増やすから慎一に処方箋渡しといたから、今夜から飲むんだぞ!」と言った 「解ったわ!せんせー なら受付に言いに行くわね!」と言い烈は竜馬と兵藤に紙を渡した 烈は受付に立体駐車場は有料だから放送でそれを流して、目立つ場に告知を貼ってくれと言った オーナーの息子だと謂うのは面接の時に紹介を受けていたから、受付は皆、烈の謂う事を聞いて即座に放送を流し、定期的に告知する事を約束してくれた そして兵藤のアドバイスを貰い目立つ場に、その紙をコピーして張り出した 飛鳥井記念病院の駐車場は元々100台は停められる程に広く作られていた だがその土地を半分にして300台利用可能な立体駐車場を作ったのだ 病院の外観を損なわない様に作られた自走式立体駐車場は昇降スロープを兼ねた勾配の駐車スペースで構築された5階建ての立体駐車場だった 外観には緑や花を多く育て外観を損ねない様に作られていた 土地が半分になったが、患者は病院の横の立体駐車場に車を停めた後、1階の通路を使い院内へと入れる様に工夫もしてあった 雨の日でも濡れる事なく院内へと行けるのだった 立体駐車場の横には舗装された道が作られ、その横に薬局は建設中だった 予備の駐車スペースがあった空き地をフル活用にして立体駐車場とは少し距離を取りつつも、薬局が出来る 広々とした薬局は健康の為に専門家を呼び講習会も開ける程に広かった キッズルームも併設して作られるから子供連れのお母さんにも優しい作りにされているのだ ママさん達はその薬局が出来るのを心待ちにしていた お年寄りも健康の為の講習会があると聞けば、心待ちにしているのだった 烈は受付に立体駐車場利用可能は明日からで、有料になる事を院内放送で流す事を伝えて、真矢の個室へと向かった 病室に入り「ばぁたん!」と声を掛けると真矢は嬉しそうに「烈!!」と名を呼んだ 兄達も来ていて、烈は流生のポッケから顔を出しているクロスを目にして 「クロス、ごめんね!」と謝罪した 「良いのよ烈、あそこはあそこで楽しかったわ! 色んな妖精もいてね、ネットワーク作って来れたし、有意義な日だったのよ!」 クロスが楽しそうに話す 流生は「あの後直ぐに菩提寺に行って逢って来たのよ!そして僕のポッケにinしてくれたから、皆でお散歩へ行く予定立てているのよ!」と言った 「流にー頼める?ボクね今日はかなりハードな予定になるにょよ!」 「大丈夫だよ、烈は烈のやる事をやるのよ! 僕達は何時でも烈のサポートするからね!」 と言ってくれた 烈は真矢を抱き締めて「笙たんの件は片付くわ、そしたら笙たんを頼りにしても大丈びになるわ! 明日菜も生まれ変わった様になれるからね 新婚当時の性格になってるわよ! 距離と時間がきっとばぁたんやじぃたん達との関係を修復してくれるにょよ! 昨夜、ボク熱出たから部屋に寝に行ったけど、にーに達がボクの変わりにかなり追い詰めてくれからね、後は仕上げをするだけにゃのよ! だからもう………ばぁたんは苦しまにゃくて大丈びにゃのよ!」 「烈………ありがとう………」 真矢は子供達の想いが嬉しくて泣いた 烈は真矢の涙を拭って「泣かにゃいのよ!」と言った 「ボクね、少し忙しいけど、ばぁたんのお見舞いには来るから!」 「無理しないのよ烈……」 「解ってるにょよ! ばぁたん、【R&R】のイベントには出て欲しいにょよ!やっぱしばぁたんとじぃたんに出て欲しいにょよ!だから早く元気になってね!」 「烈、私………早く治すわね そんなに楽しい事があるなら寝てられないわ!」 と言い笑った 烈は吹っ切れた顔の真矢を確かめて、病室を後にした 流生達兄弟は真矢が眠ると、クロスを連れて桜林の温室や山下公園のローズガーデン等を見に出掛けて行った 護衛のニックとリックが着いて、兄弟を連れて行っていた 流生は弟に託されたお客様を持て成す為に、頑張って連れて行った 兄達もクロスをおもてなしする為に協力してくるていた 飛鳥井の6人兄弟は常に学校へ行く道端にも飛んでいる妖精は見えていた だが声を掛けると飛んで逃げて行くから、近寄らない様にしていたのだ だからクロスとお出掛け出来るのが嬉しくて堪らなかった クロスは妖精達と話をして、困った事があったら、この人達に助けを求めてね!と言った 兄達は妖精達に【困ったことがあったら、何時でも声掛けてね!】と優しく謂う 妖精のネットワークを作り、魔界や妖精国へ何時でも自由に出入り出来る様にすると、約束した 烈ならそんな道を作ってくれるんじゃないかな?と信じて話をしていた 流生達が仲良く花を見ている頃 烈は相賀に連絡をして逢いに行っていた 相賀には神野や須賀とも話がしたいと伝えると、事務所に来てくれと言われた 直接エレベーターに乗り5階へと上がる 合同会議室には既に相賀、須賀、神野が来て烈を待っていた 相賀は烈が椅子に座ると 「今回の話は【R&R】のイベントの件ですか?」と問い掛けた 「そうよ、今回のイベントは一ヶ月の長丁場になるから、事務所の取り分も必要になると想うにょよ!だからその話もしにゃいと駄目だから来たのよ!」 相賀は「我等は全面的な協力をすると言いませんでしたか? 今をときめく【R&R】のイベントならば、どの芸能事務所もお金を払ってでも参加したがっています 我らの事務所でなくとも【R&R】のイベントに起用されれば一躍名が売れトップスターと肩を並べられる その実力は保証されたも同然となる、とまで謂われてる【R&R】のイベントならば、こちらがお金を払っても損はない なので我等は全面協力をお約束すると言ったのです、会社のリフォームをなさる資金を集める為だとか?ならば我等はそれに利益は考えてはおらぬので、好きな子を使って下さい!」と言った 神野も「俺の事務所も同じ考えだ!瑛太の甥っ子が頑張って会社のリフォームをするならば手助けしたいし、やはり【R&R】の齎す効果は絶大で、俺等の事務所が今や押しも押されぬ立場となれたのは【R&R】の存在も大きい! 俺はずっとお前達を裏切る様な事を後悔していたのに、助けてくれた…… その事は忘れちゃ駄目だと思っているんだよ! だから出来る範囲でならば、協力したい そう想っている! そして何より【R&R】に使って貰えた者は急成長を遂げているから、此方はお金を払っても参加したいのが本音だ!」と言った 須賀も「私も同じ考えです!今や人材発掘集団とまで謂われる【R&R】ですからね 私の事務所も質の高いタレントが増えて来ましたから、烈に見せるのを楽しみにしていたのです! なので新たな子を使って貰える可能性があるならば、採算なんて取れまくるので、遠慮なく我らを使って下さい! 我等は全面的な協力を約束しているのです その言葉は違えられる事なく今後も続いて行く事を信じています!」と言った 烈は「今度のイベントはね、イギリスとアメリカへの配信も決定しているにょよ! だからね、経歴や実績ではにゃく存在感と圧倒する表現力 それが必要になるにょよ! 今度のイベントは【R&R】の真髄を魅せねばならないから、我らも本気で仕上げて行くにょよ ボクら【R&R】のデッカい足跡遺さなにゃいとだからね、選別するとしても厳しくなと想うにょよ、その変わり国際的には名前が轟く事にはなる事は約束出来るけどね!」と言った 相賀は「海外の配信に御座いますか?」と問い掛けた それには竜馬が答えた 「はい、今度のイベントは我ら【R&R】を支援してくれたスポンサーの意向もあり倭の国発信でイギリス、アメリカ同時配信すると謂われました 内容も企画構成も総て【R&R】に任せると言われてますが、下手な事は出来やしないのが現状です!今はまだ、何も決まってはいないが………烈が一つだけ暖めてるのがあるので、それを何周目に持って来るかは、今後の調整となります クリストファー・オブライエンが熱望して協賛しているのでイギリスは決定です アメリカはヨニー©アメリカからの熱望でオリヴァー・オブライエンから依頼で実現した話です! 一通り通しでリハーサルして、それを見て何日を配信するかを決める! 今決まってるのは、こんな所です!」 須賀は「それもう決定なのですか?」と問い掛けた 「はい、決定です! 後は我らがリーダーがメンバーの意見を取り入れて話し合い、絵図を引く 決まれば早いです!我等はリーダーの指示の元、馬車馬のように鞭打ち働かされるだけですから!」 須賀は「…………うちの事務所に世界に出せる子いますかね?今回は残念ですが………お眼鏡に叶う気しません!」と弱音を吐いた 烈は「え〜、須賀んとこは世界に通用する子ばっかりいるわよ!何を言ってるにょよ! それより和顔の発掘しにゃいと!」と言った 「え?私の事務所に烈のお眼鏡に叶う子いますか?世界に通用する子いますか?」 「いるわよ!発掘すればまだまだいるかもね! 今度、大掛かりな選抜やるにょよ! そして選ばれた子は直ぐにイギリスへ行きレッスン受けさせるにょよ! ダメ出しされたにょは即帰国させて篩いに落として選ぶにょよ!」 相賀は「また名簿を持って行きましょうか?」と問い掛けた 「そんな時間はにゃいのよ! 即座にイギリスに飛ばしてレッスン受けさせたいから、ぶっつけ本番の選抜やるわよ! 皆のパスポートは集めておくにょよ!」 「解りました!ホテルを借り切りますか?」 「日本庭園を所持する顧客を持っているにょよボク、その人に何時でも庭園好きに使って良いと謂われてるから、庭園でやるわ! でもその庭園は歴史的建造物にゃのね、傷一つ着けたら億の賠償金請求されるからね 誓約書を書いて貰おうかしら?」 烈が思案して謂うと兵藤が 「止めとけ!烈、そんな歴史的建造物でやるのは止めとけ!なんかあったら弁償なんて無理だろ?」 「そうかしら?」 相賀が「庭園が御所望なのですか?」と問い掛けた 「別に庭園じゃなくても良いにょよ! 和の雰囲気に合う子を探したいだけだから!」 烈がそう言うと須賀は「ならば小石川後楽園とか、旧古河庭園で集まり庭園の中の特定の場所を決めて自由に動かしてみせますか?」と言った 「そうね、それ出来るかしら?」 「やれと謂われるならば、我等はやりますとも! 相賀も神野も全面協力致しますので、話が決まれば即座に行動したいと想います!」 と須賀はやる気全開で言った 「なら先に庭園を決めてくれる? そこにメンバーがカメラを仕込むから、ボクらは別の場所でそれを見て選別するわ!」 「面接に出すタレントは、今回はどうします?」 「全員でお願いするわ! 隼人とか前回出た子以外、全部コミコミでぶち込んで見るわ、その方が分かり易いからね!」 烈が謂うと神野は「ならばうちのタレント総てを精査して下さい!」と言った 相賀も「良い機会ですね、それは!」と同意してくれ、後は面接会場を決めて前日にカメラを仕込むスケジュールを立てて話は終えた 話を終えると帰ろうとする烈に神野は 「今回は宴会は良いのかよ?」と問い掛けた 烈は「ばぁたん入院してるからね………」と言った 報告が入ってた相賀は見舞いに行きそれを知っていた 須賀は「え?真矢さん入院してるんですか?」と驚いて問い掛けた 神野は顔を曇らせ「笙の事でだろ?きっと……」と言った 神野はリフォームの件の時に烈から話は聞いていたが……真矢が入院する程だったのか……と驚いていた 「そうね、家族の事だから……ね、難しいにょよ 離して暮らさせれれば良い訳じゃなかったのよね だから元を片付けにゃいとダメだって気付いたにょよ!」 「ならば今回は笙はイベントから外しますか?」 「ばぁたんとじぃたんの日程のラスト1日 その日だけ笙のスケジュールをイベントに入れてくれにゃいかしら?」 「良いですよ!好きに使ってくれて構わない!」 「ボクの出来る最高の仲直り計画するから!」 神野は笑って「俺等もその仲直り計画に入れてくれよ!見守りたいからな!」と言った 「ありがとう、晟雅………」 話し合いが終わる頃合いを見て小鳥遊が会議室に、オーガニック紅茶と珈琲を持ってやって来て烈の前に置いた 竜馬と兵藤の前には珈琲を置いた 「話は付いたの?」 と小鳥遊が聞くと神野は詳細を聞かせた 「庭園か………ならばそれ僕が手配しちゃいます 何も本当の庭園でやらなくても、それらしいのを作ればいいだけでしょ? 丁度今、篁が明治時代の華族のドラマ出てたじゃないですか! そこで庭園でお見合いしてたじゃないですか! 次のロケでまた庭園が入るって聞いていたんですよ!だからその庭園をロケ前に借りちゃえば大丈夫じゃないかと思いますよ!」 小鳥遊が謂うと相賀も須賀も、それで行こう!と喜んで賛成した そして話がトントン拍子で決まって行く 兵藤は烈の傍にいて想うのは、こんな数時間で疲れるような事を日常的にしていたのかと感心した 何て事を考えていたら烈が 「なら兵藤きゅん、小鳥遊と話を詰めて竜馬と日程決めて、カメラ仕掛ける場所を選んで来てね!当日それやる時間が勿体ないからね!」と意図も簡単に言いやがった 兵藤は「それを俺にやれと?」と問い質した 「そうよ、何の為に翁の所へ逝かせたと想っているにょよ!使えるスタッフとして今は動き顔を売る時間にゃのよ!」と言った 兵藤は「了解!」と言った 相賀は「清四郎さんはどうしてます?」と休暇中の俳優の状態を問い掛けた 「じぃたんはね、落ち込んでるわ でもね、これからじぃたんに逢うから大丈びよ! 馬車馬のように働いて貰うにょは変わらないからね、でないとボクのもぎ取った一週間のイベントがダメになるじゃない! そんな事は絶対にしにゃいわ!」 とフンフンと鼻息荒く謂う 相賀は笑って 「ならば発破をかけておいてください! ですが我等は今日、烈が来ると謂うから夜は宴会を期待して夕方の買い出しに慎一をもうスカウトしています」と言った 兵藤は「ならば甘えておけ、烈!清四郎にも気晴らしが必要だし、飛鳥井の家族も息抜きさせてやれよ!お前が遠出している間、ずっと宴会もなく働いていたんだからな!」と助言する 竜馬は「ならば【R&R】のメンバーも呼び付け、夜は宴会をしましょう! 一人五千円お願いします! そちらは小鳥遊さん入れて四人ですか?」と問い掛けた 神野は「我等は一万円ずつ出すさ!それでマグロの塊を買って来る約束だからな!」と言った 須賀も「飛鳥井のあの大土鍋で作る鍋料理も食べたいので、慎一に伊織に作ってくれと要望を出しているんだよ!」と言った 烈は嬉しそうに笑って 「なら今夜は宴会にゃのね! ばぁたん、仮退院出来にゃいかしら? きっと飲めなくても、場の雰囲気で元気になれるわね!」と言った 兵藤が「それ久遠に聞いていてやるから安心しろ!」と言った 烈は「ゆーちゃん早く還る様に謂わにゃいと!」と大好きな悠太の心配もする 竜馬が「なら聡一郎に俺が言っとくから大丈夫だよ!烈!」と言った 烈は携帯を出すと、相賀が「あ、竜馬の携帯!!」と慌てて取りに行った 烈はケントにお迎えに来て貰う連絡を入れていた 暫くすると相賀が竜馬の携帯を2台持って来て、竜馬に手渡した 竜馬は「ありがとうございます!」と言い携帯を受け取った 名義は相賀の事務所の者の名前だが、支払いは竜馬がする事になっている 狙われている竜馬だから番号がバレたら次へと変えなきゃいけない現状を踏まえて、今はこうしていた 落ち着いたら自分名義の携帯に切り替えるつもりだった 烈はケントが迎えに来たとラインに入ると立ち上がった 「りゅーま、兵藤きゅん、話を詰めて総て決定させて来てね!」と言い事務所を後にした 残された竜馬と兵藤は、キリッと気を引き締め面接の会場と日程を決める為に奮闘するのだった 3社共同芸能事務所を出るとケントが待っていてくれた 烈はその車に乗り飛鳥井施工へ先に行き、社内を見回り仕事の状況の確認をする そして定期的に見回りされている写真や動画を確認する 不正や惰性は許しはしない、ばかりに厳しい目で現場に目を向ける そして社員にも目を向け、気さくに社員に話し掛け、悩みや愚痴を聞く それも烈の仕事だった 社員の指揮を上げる為に、せっせと声を掛けをしていた そして施工を後にすると、今度は飛鳥井建設へと顔を出す せっせと社員に声を掛け、社内の状況を把握する そして不穏分子や良からぬ空気を察したら責任者を呼び話を聞く そして兄達と協力して日頃の建築現場を視察する 堂々と視察する時もあれば、こっそり解らない様に隠し撮りして状況を知る そして即座に是正して改善を促す その後も変わらない様なら現場をストップして、仕事をしない下請けや作業員をチェックして間引く、そしてそこに省いた分補充して再開させると、サクサクと工事は進んで行く こうした常日頃からの努力の上で成り立っていた 社内を見回りを、皆真摯に仕事している風景を確認して烈は6階へとエレベーターに乗り上がって行った 宗右衛門の部屋に入り、顧客の運気を占う仕事をする 2日に1回仕事を入れ片付けて行く、片付けて終わると秘書に顧客へ送付を頼む為に秘書を呼び出した 秘書が来るまでに烈は【R&R】の仕事を入れるなら当分は片付けられない事を伝えないとな………と考えていた ドアがノックされ「どうぞ!」と声を掛けると、部屋に入って来たのは……… 康太と榊󠄀原と清隆と瑛太だった 康太は「神野の所の話し合いは終わったのかよ?」と問い掛けた 「ある程度はね、だから詳細はりゅーまと兵藤きゅんが詰めて来るから置いて来たにょよ!」 榊󠄀原は「体調はどうです?朝薬は飲みましたか?」と問い掛けた 「薬は飲んだわよ、慎一きゅんが飲まにゃいと怖いにょよ!」 「なら昼もちゃんと飲むのですよ!」 「解ってるにょよ、この後食堂へ行きお昼食べたら飲むわ!」 瑛太は「凛太郎から飛鳥井建設のエスカレータの構想図が上がって来ました! 1階から階段の半分をエスカレータにするって? それはどう謂う事なのですか?」と問い掛けた 「凛太郎が会社を回して行くにょは役員用のエスカレータではなく、社員の為の導線だと謂われてるからね、エレベーターは高速エレベーターにして6階と7階にしか止まらなくする 社員達はエスカレータで移動する その方が会社の為ににゃるのよ!」 清隆が「かなりの費用が要りますよ?それを総て宗右衛門が担うのは荷が重過ぎです!」と言った 「だからイギリスとアメリカ同時に有料配信をするにょよ!配信先も何日抑えるか決めていにゃいけど、配信も入れるにゃら費用は賄えるにょよ!」 清隆は言葉もなかった 榊󠄀原は「イベントをやる前に父が約束した事を覚えていますか?烈」と問い掛けた 「全面協力?」 「そうです、僕達は君達を支えるしか出来ません!なので全面協力します! 会長と社長と真贋と話し合い、舞台を作る作業よ飛鳥井建設が全面的にバックアップします! それは烈が【R&R】を始動させると聞いた時に会長達とは話し合い済みです!」 瑛太は「製図課のどの社員を使おうとも、烈から依頼を受けたら即座に話しに乗って上げて下さいと話は通しております! 実際私も凛太郎にエスカレータの構想図を見た時、社員達が利用する方がしっくり来ると想いました!しかもエコな人体感知システムで人が通らなねば停止する最新のエスカレータだと聞けば、我々も協力せねば!と想ったんです! 我等は全面協力するので、一人で担おうとしないで下さい!」と言った 「別に一人で担おうとしてるんじゃにゃいわよ ボクは今……色んにゃ問題抱えているから……ある程度の絵図を引いておかにゃいと、何かあった時にそれが停止になるのは困るにょよ! だから軌道に乗せて走らせたいにょよ!」 康太は「それでもだ、烈………家族はお前がせっせと重い荷物を一人で持とうとするのは嫌なんだよ 会社を起動に乗せたいのは解る、それはオレ等も同じ考えだからな、でもな烈、何もかもお前が、ってのは許せねぇんだよ オレ等もいる、家族も仲間もお前の兄達もいる それを忘れるんじゃねぇぞ!」と言った 「解ってるわ母しゃん 流にーには既にクロスがお世話になってるにょよ 今日は色んな所を連れ回ってくれてるにょよ 本当に、にーに達には何時だって協力して貰ってるわよ!それよりも父しゃん、今夜は宴会にゃら、ばぁたん一時的に連れて来れにゃいかしら? 楽しい場所にいるのは英気が漲るからね、どうかしら?」 榊󠄀原は笑って「烈がそう言い出すのは一生達がお見通しなので今頃聡一郎が病院に行ってますよ! 神野から連絡を貰った慎一が即座に動いてましたからね!」と教えた 烈は「母しゃん!」と謂うと烈を見た 烈は母に真矢と清四郎を使ったイベントのイメージを思い描いて視せた 康太は言葉もなく烈を見て……… 「きっと言葉もない位解り合えるさ……」と言った 烈はニコッと笑って清隆に抱き着いた 「じぃしゃん、お昼食べにゃい?」 「え?お昼のお誘いですか? ええ、行きましょう!」と言い烈と手を繫ぎ宗右衛門の部屋を出て行った 机には完成した運気の紙が………残されていた 康太はそれを手にして「すげぇな3年待ってでも視て貰いたいのが解るな」と言い榊󠄀原に手渡した 榊󠄀原はそれを受け取り「此れは秘書に渡しておきます!」と言った 瑛太は「なら私もお昼にします!」とウキウキと食堂へ向かった

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