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第60話 愛は強く ❶
翌日 一生が烈の病室に来ると、烈のベッドに凭れ掛かる様に神威が寝ていて一生は驚いていた
一生は聡一郎にラインして「神威が付き添ってくれてる、朝を頼む聡一郎!」と慌てて書いて送信した
聡一郎は『了解、直ぐにカフェでテイクアウトして持って行くよ!』と送信した
聡一郎が息を切らして病室に来ると、神威は爆睡していた
「神威、んな所で寝てたら風邪を引くし、体がバキバキになるってば!」と言い起こしたのだった
聡一郎が朝を持って来ると、熱々の珈琲とカスクートとサンドイッチをテーブルの上に並べた
「ほらほら、神威食べなよ!
大阪に行ってた時に好きだったて言ってたでしょ?」と言い促す
神威は「おっ!カスクート!これ中々買えなかったのに!」と喜んで食べていた
聡一郎は「烈の入院は飛鳥井の家族も知らないのに、何処で知ったんですか?」と問い掛けた
「儂はな、魔界にいたんだよ!
そしたら星詠みの婆婆の使い魔が閻魔の所へ飛び込んで来て烈の非常事態を告げたんだ
婆婆は崑崙山の八仙の所にも使い魔を同時に飛ばしていたんだよ
たまたまそこにいた羅刹天と元始天尊が烈の非常事態を聞くと直ぐに、人の世に飛んでくれたって聞いたんだよ
で、儂は人の世に還って直ぐに、烈が怪我してねぇか義泰に聞いたら、入院してるって教えてくれたから見舞いに来たんだよ!」と内情を話した
一生は「ミサイルが撃ち込まれたんだって?」とこの平和な倭の国で起こり得ない事態を口にした
「らしいな、聖鳥 朱鷺が烈の所へ行こうとしてるって謂うから止めるのにめちゃくそ苦労した
朱鷺が烈の所へ行きミサイルを吹き飛ばしてみ?
人の世にどれだけの被害が出るか………解らねぇからな押さえ付け黙らせた
アイツ………嘴で儂を突きやがったんだぜ!」
と、かなり怒りモードの口調だった
聡一郎は「朱鷺が人の世にやって来てミサイルを吹き飛ばしたら、飛んでいった先が繁華街ならばかなりの被害者が出たでしょうね………」と考えるだけで恐ろしい………と呟いた
「羅刹天殿と元始天尊殿が駆け付けて下さったからな、烈は危害は加えられなんだが……
烈の描いた総てが白紙になっちまったも同然だからな……アイツ寝ながら頭の中で弾道の起動の計算してやがったから眠りの森の粉を嗅がせて寝させたんだよ!」
神威の言葉に聡一郎も一生も唖然となった
まぁ烈ならば出来ない事はないだろう
「なぁ、紙くれねぇか?」
と寝ていた兵藤が急に起きて謂うから全員が兵藤の方を向いた
一生は「貴史大丈夫なのか?」と気を取り直して問い掛けた
「紙!」と兵藤は謂うだけだった
聡一郎が鞄から紙の束を取り出すと兵藤に渡した
紙を受け取ると何か書くのを!と催促する
聡一郎はペンを兵藤に渡した
すると兵藤は物凄い速さで何やら書き始めた
神威は「烈の奴!」と怒っていた
一生は「え?え?どうしたのよ?」と訳が解らなかった
兵藤の手は止まらなかった
かなり長い時間計算をして、兵藤はやっとその手を止めた
「あー!烈、この計算で合ってるのかよ?
合ってるなら唐沢に連絡するぞ!」
返事はないが、兵藤は携帯を取り出すと何処かへ電話を入れた
「烈が弾道の計算したから、取りに来いよ!
そしてその時の映像が必要なら烈を起こして念写させろよ!最近は動画も念写で見せられるまでになってるんだから!」
黙って聞いていた相手は『直ぐに行く!』と言い電話を切った
兵藤は聡一郎を見ると「俺も何か食わせてくれ!」と言った
聡一郎は「待ってて買ってくる!」と言い病室を出て行った
一生は「何が起こったのよ?」と問い掛けた
兵藤は「烈に脳の中を乗っ取られたんだよ!」とボヤいた
「え?そんな事が出来るのかよ?」
「出来るだろ?七賢人八賢者の弟子の烈なれば容易い事だろ?」
「………この数字の羅列は何なんだよ………」
「ミサイルの弾道の軌道を計算したヤツらしい
地図があればそれは詳しくそこを指し示すと思うぜ!この計算を読ませて弾道の軌道を描けば発射地点は割り出せる!」
とまで兵藤は言った
「…………すげぇな……」
兵藤は「んとにな、飛鳥井のちっこいのは大人しくしてねぇな!」と笑った
神威は「昔は虫も殺さぬ大人しい子じゃったのに…………」とボヤいた
一生は神威のボヤきに笑い出しそうになるのを必死で堪えた
聡一郎が朝を買って来て兵藤に食べさせていると、病室に朝食が運ばれて来た
烈はその匂いにムクッと起き上がった
そしてレイも起き上がり「れちゅ あさたべりゅにょ!」と言った
一生と聡一郎はやはり凄いセンサーだなって感心した
「レイたん 食べようね!」と言い神威に運んで貰いベッドのテーブルの上に置いて貰った
神威は「烈、もう大丈夫か?」と問うと、烈は頷いた
神威は朝を食べ終わると烈とレイの頭を撫で、聡一郎に朝食の礼を良い、兵藤と一生に後は頼むと言い病室を後にした
烈は朝を食べ終わると兵藤に
「兵藤きゅん ごめんね」と謝罪した
「良いって事よ!」と言い兵藤は許すのだった
そこへ唐沢が息を切らしてやって来た
唐沢は兵藤に「弾道の軌道を詠んだと謂うのか!!」と謂う
兵藤は数字の羅列の紙を唐沢に渡した
唐沢はその紙を写メして
「今直ぐその数字を読み込ませ位置を特定してくれ!」と部下に送信した
烈は「ミサイルって大気圏で爆発しにゃいのね…」とボソっと言った
唐沢は信じられない言葉に……烈に目を向けた
「大気圏外からミサイルが撃ち込まれたとか言いませんよね?」
「移民用宇宙コロニーの中の、宇宙開発中の作業ロボット乗っ取って、防御用ミサイルが地球に向けて撃ち込まれてるにょよ
今頃ある国の宇宙開発事業団は、予測が出来ない事態の後処理に四苦八苦して弾道辿っている頃にゃのよ!
通常の弾道ミサイルって大気圏で燃えるにょに……燃えずに辿り着いた訳にゃのね
やっぱ宇宙って暗いからナワルが大活躍していたりするにょね………潰そっかにゃ?ボク!」
ナワルと聞き兵藤は顔を青褪めさせた
「それって………」
「闇に紛れて動きやがったにょよ!
宇宙コロニーは残念だけど爆発して貰おうかしら?」
天界を更地にした奴が、そんな事謂うから怖くて仕方がなかった
「烈、止めとけ!
その開発に携わってる奴等は、無関係な奴等だ!
しかもその開発に莫大な費用と人間を導入しているんだ!そんな人々を巻き込む事になるから辞めとけ!」
「……なら辞めるわね
でも近い内にジャガーは潰すわ!
闇に紛れて動けるのが自分だけだと勘違いしてるみたいだからね、思い知らせてやらにゃいとね!」
「烈………お前には母ちゃんも父ちゃんも兄達も祖父母もいるんだ、泣かせる事はするなよ!」
「解ってるにょよ、兵藤きゅん!」
レイは烈に抱き着いていた
唐沢は烈の言葉を信じられずにいた
大気圏の外?宇宙コロニー???それは何時か来る地球滅亡の為に宇宙へ脱出しても生きていられる様に移民用の宇宙コロニーを作っていると謂われる………あの宇宙コロニーなのか?
倭の国も宇宙開発費を出して技術者も出して作っているとは聴いた事はあった
唐沢が思案していると、唐沢の携帯がブーブーと鳴った
唐沢は病室を出て非常階段へ出て話をする事にした
「どうした?緊急か?」
『班長、あの弾道ミサイルの軌道の計算は………本当なのですか?』
「………まさか大気圏外 宇宙コロニーから放たれている………とか言わないよな?」
『知っていたのですか?班長!
そうなんです!あのミサイルは大気圏を超えられる様に作られたミサイルなんですか?
今のこの時代に……そんな技術を持ちミサイルを撃ち込めるなんて事可能なんですか!
まさか………これか本当の事ならば大問題ですよ!
防衛用のミサイルが地球に向けて放たれたなんて………国際問題にもなりますからね………
班長、この数字に間違いはないのですか?』
「間違いな筈などない………その計算は飛鳥井宗右衛門殿が計算されたのだから………」
『……っ!!班長今直ぐに戻って下さい!
上に上げるにしても、班長がいなくては話にはなりません!』
「解った、直ぐに戻る!」
唐沢は病室に顔を出すと烈に深々と頭を下げた
そして真摯な顔で烈に向き直ると
「ミサイルは大気圏外から放たれているならば、即座に手を打たねばなりません!
俺はこれから戻らねばならなくなりました
もしもの不測の事態の時に、ミサイルの画像か動画が必要になる時が来ます
その時は念写はお願い出来ますか?」
「良いわよ、も少し体力が安定したら念写して、兵藤きゅんに渡しておくわ」
「お願い致します、それでは俺は行かねばなりませんので、これで!」
と言い唐沢は病室を出て行った
烈は唐沢を見送り「ミサイルの成分調べれば地球外成分ばかりにゃのに……」と呟いた
兵藤は「それって………大気圏を見越してより強い金属を使って作ったって謂うのか?」と問い掛けた
「多分、そうじゃにゃい?
でなきゃ大気圏を突破出来る筈がにゃいからね
隕石や火球だって燃えて落下して来るにょよ?
大気圏に突入すると物凄い圧縮された空気の分子が烈しくぶつかり合って分子の運動エネルギーは一万度を超える事もあるからが、その時の空気の成分は原子 イオン プラズマの状態になって燃えるにょよ、燃えずに到達出来るミサイルの方が異質にゃのよ!」
一生はあ~難しい事は解らねぇってば!と心の中で想った
兵藤は「俺等には想像も付かん話だけど、それって殆どのが大気圏で燃えちまうぜ!って話で間違えねぇのか?」と問い返した
「ボクはね専門じゃにゃいから正確な話は出来にゃいけど、殆どの物質は大気圏突入で圧縮された空気の中で燃えるって話をしてるにょよ!
隕石だって燃えて火球となり堕ちて行くにょよ って考えたら解り易くにゃい?」
「だな、それなら話しは解る!
って事は大問題抱えて政府も大変になるんだろうな………」
右往左往する堂嶋正義や三木繁雄を想い浮かべ、兵藤は「ミサイルの金属の物質を良く調べた方が良いって烈が言ってるぜ!」とラインを送っておいた
昨夜は飛鳥井の家に還ったが、心配で病院に来て病室のソファーで寝てた竜馬が目を醒まし
「それって何の話っすか?」と寝惚けて謂う
聡一郎が「朝買って来る?」と謂うと竜馬は
「飛鳥井に行って食べて来るっす!レイ、君も幼稚舎に行くんでしょ!」と言いレイを連れて病室を後にした
烈は「そーちゃん、ボク退院するわ!」と言った
聡一郎は「大丈夫なの?」と心配して問い掛けた
「昨日はボクの描いた未来が壊れて冷静でいられなかったにょよ………」
「当たり前じゃない!君はまだ小3なんだよ?
小3のお子様が冷静に対処出来たら大変だよ!」
聡一郎はボヤいた
兵藤も一生もそりゃそうだ、と頷いた
久遠が病室に顔を出すと烈はペコッとお辞儀をした
「顔色は元に戻ってるな!
週に一度診察に来るなら帰してやるけど?」
「はい、やる事があるから週に一度診察に来るにょよ!」
「なら還って良い、でも昨夜は熱出していたからな、今日は大人しくしていやがれ!」
「解りました、せんせー!」
ニコッと笑って答えると、久遠は烈の頭を撫でた
「なら精算して還ってくれ!」
久遠はそう謂うと病室を出た
烈は病院のレンタル寝巻きを脱ぐと、昨夜の服に着替えた
兵藤もレンタル寝巻きを脱いで着替える
聡一郎は病室を出て康太に「烈退院するよ!」とラインした
すると康太からすぐに返信があった
『支払いは後で伊織がするから帰してくれ!』
「了解、もぉね帰る気満々で着替えてるよ!」
康太はそのラインを見て苦笑した
榊原は背後から康太を抱き締めて
「烈は退院して来ますか………も少し寝てても大丈夫なのに………」と呟いた
「やる事があるから、寝てられねぇんだろ?」
「本当に烈は君に似ていますね」
「そうか?」
「素戔嗚尊の不屈の闘志を受け継いでいますよ
君の母上と烈の祖父は御兄弟なだけありますね」
「でもオレは冥府の者だから似る訳ねぇんだがな…」
「いいえ、似てますよ、ずっと君の傍にいた一生だって此処まで似ていたのか………って涙する程に似てますよ、君の中にも素戔嗚尊の不屈の闘志、不屈の精神が宿っているんですよ!
君は建御雷神の子供で間違いないんです!」
すると康太は嬉しそうに笑った
自分の中にも両親の何かを受け継いでいたとしたら………それは生まれて来た意味があると謂う事なのだ
「オレは我が子が愛おしい!
ちっこいのも愛おしい、だからなこれからも育てて行こうぜ!愛を持って育てて行こうぜ!」
「当たり前じゃないですか!」
そう言い榊原は康太に口吻けた
口吻けが深くなると、康太は「起きてお金払いに逝かねぇと聡一郎に青筋立てて怒られっぞ!」と名残は惜しいが、やる事があるから口にする
まぁ昨夜はかなり燃えて愛し合った後だから、それ以上は………起きられないから止めるしかないのもあった
「解ってますよ、昨夜の君があまりにも可愛くて美味しかったので許してあげますとも!」と笑って康太を浴室に連れて行き洗うのだった
烈はサクサクと動き聡一郎の車で飛鳥井の家に還って来た
部屋に戻り洗面所で歯を磨きお風呂に入ると新しい下着に着替え部屋着に着替えると部屋の掃除を始めた
掃除の合間に着替えをネットに入れて洗濯籠に入れておく
何時もの生活を始めていた
掃除を終えると部屋着を脱いでスーツに着替えた
着替えが終わる頃 竜馬が烈の部屋にやって来た
心配した顔をして烈のゴムのネクタイを直してやる
「烈、大丈夫なの?」
「昨日はごめんね、りゅーま
ボクの予想していた未来が一瞬で瓦解しちゃってパニックになったにょよ」
「パニックになって当たり前だ!
俺だってこの先どうしよう!って目の前が真っ暗になったんだ!
烈の衝撃は計り知れないって!」
「この先………メンバーや相賀達と話し合わにゃいとね………」
「せっかくオリヴァーに来て貰ったのに………」
「でも何であのタイミングを狙えたのかしら?」
竜馬はハッと息を飲んだ
「スパイがスタッフの中に紛れ込んでいたって事?」
「じゃなきゃ狙えにゃいのよ、経度と緯度と位置をロックしにゃいと発射出来にゃいのよ?」
「烈のいる場所、それはオリヴァーがスタッフと来たあの時しかない……」
「ボクも油断したわ……そしてオリヴァーは今何処?スタッフといるならば危ないわよ!」
「オリヴァーなら飛鳥井にメンバーと共に還って来て……っ!!探して来るっす!」
竜馬は走って客間に行った
客間にいたメンバーとオリヴァーはいなかった
竜馬は携帯を取り出すとヘンリーに電話を掛けた
電話に出たヘンリーに竜馬は「今何処?」と問い掛けた
『今?着替えにマンションに向かう所だよ!』
「オリヴァーいる?」
『兄さん?いるよ!』
「なら今直ぐにオリヴァーの携帯を踏み付けろ!」
『え??携帯を踏み付けるんだね!』
ヘンリーはオリヴァーに「携帯を出して!」と言い、携帯を出すと即座に踏みつけた
オリヴァーは「あ!僕の携帯!!!」とショックを受けていた
『踏み付けたよ!』
「飛鳥井とマンション、どっちが近い?」
『飛鳥井だよ、出たばかりだから!』
「なら直ぐに飛鳥井へ戻って!」
竜馬が言うと客間に顔を出した一生が玄関のドアを開けに向かった
飛鳥井へ走って戻るメンバーを受け入れ家の中へ入れた
烈が応接間まで降りて来ると、メンバーも応接間に入りソファーに座った
「オリヴァー、スタッフは今何処?」
烈は訳が解らないって顔をしているオリヴァーに問い掛けた
オリヴァーは「トナミの宿舎にいるよ?」と答えた
「携帯は?」と聞かれるとオリヴァーは踏み付けられた携帯を烈に見せた
「りゅーま、これをペシペシに粉砕して欲しいにょよ!」
「なら駐車場で叩き潰して来るっす!」と携帯を受け取り応接間を出て行った
烈はオリヴァーに事の詳細を話した
「オリヴァー、ボクとオリヴァーが共に行動する事は滅多とないにょよ!
だけど行動を共した瞬間はあったにょよ!
あの日あの時あの時間にボクとオリヴァーは一緒にいた………それを知るのはボクの両親と相賀達だけだった………相賀達からそれは漏れにゃい!
だとしたら?あの日来日して来たスタッフの中に位置を漏らした奴がいた、それしかにゃいのよ」
「あの日来たスタッフはヨニー©イギリスの精鋭達だよ?」
「本人達は知らにゃいのよ
携帯か頭にチップか、は解らにゃい!
でも経度と緯度と位置が割れちゃったからミサイルが放たれてしまったにょよ!」
オリヴァーはショックを受けていた
烈はオリヴァーに球体を差し出すと、オリヴァーはそれを受け取った
「これは何??」と平気そうなオリヴァーに、スタッフか、と想った
「何かこれ綺麗な石だね!」とオリヴァーは石を子供みたいな顔で見ていた
ヘンリーは「兄さん、頼むからSP付けて歩いてよ!兄さんが死んだらヨニーはどうなるのさ!」と訴えた
烈も「社員と近いのは良い事だけどね、敵が常に近くにいるかも知れないから、警戒するにょも会社のトップとしての責任にゃのよ!」と言った
リーダーに言われオリヴァーは「軽率だったよ……」とクシュンとなった
「オリヴァーは平気そうね
オリヴァー、イギリスに戻ってもその石は常に身に付けて持っているにょよ!
そして不測の事態に突入したら、それを地面に叩きつけるにょよ!
そしたら強大な電磁波が放たれるからね!
その間に逃げて然るべき場所へ避難するにょよ!」
「解ったよ、これをずっと大切に持ってるね!」
「オリヴァー、ボクと共にいるって事はね
昨日と同じ事がバンバン起こるって事にゃのよ!
だからボクはメンバーと行動を共にしにゃいのよ
逆にメンバーを危険に晒す事になるからね!」
「烈………」
オリヴァーは耐え切れなくなり泣いた
「リーダー、僕達は貴方と共にいたい……それだけなのに………」
それさえも許されないと謂うのか?
神よ………貴方は毎日お祈りしている我らの言葉すら聞いては下さらないのか……
とオリヴァーは嘆いた
オリヴァーの携帯を粉々にして袋に入れて竜馬が戻って来ると
烈は竜馬に「オリヴァーが使えそうな携帯、用意して貰わないとね、事務所のスタッフに頼んどいて!」と言った
【R&R】の活動をサポートする事務所を倭の国とイギリスに作らせていた
細やかな仕事までやっていられないからだ
竜馬は事務所に連絡を入れ、即座に法人の契約の携帯を用意してと頼んだ
事務所のスタッフは『即時に御用意しておきます!』と返事を返し電話を切った
烈はケントに護衛されメンバーをマンションまで送り届ける様に竜馬に言った
烈はケントにラインを入れた
「メンバーをマンションまで護衛してね!」と。
竜馬はメンバーと共に一旦マンションへと向かった
誰もいなくなると、烈は目を閉じ「どうしようかな?」と思案した
遅くなったらどんどん気持ちが離れて……修復は不可能になる
ここがギリギリゾーンだった
決断が迫られていた
どうする?
どうしたら良い?
そんな事で悩んでいたら、ふと誰かに抱き締められ烈は目を開けた
するとそこには母の顔があった
母の顔に重なる様に父の顔もあった
「母しゃん父しゃん………」
「これからは一人で考えるな!」
烈は頷いた
「此れより閣下からお呼びの車が到着する
烈と共にお越し下さい、との事だからな迎えに来た」
「閣下?………あぁ宇宙コロニーからミサイルが発射された件で?」
「あのミサイル………大気圏突破して撃ち込まれたのか?」
康太も榊原も信じられない顔をした
「防御用ミサイルを改良して打ち込んだにょよ!
漆黒のジャガーは人にも化けられるからね……」
そりゃ国際問題な話だわ………と康太と榊原は想った
烈は応接間にやって来た兵藤に「逝くわよ!兵藤きゅん!」と言い立ち上がった
「え?何処へだよ?」
「そりゃ母しゃんと父しゃんと共にデートのお邪魔虫になるにょよ!」
烈はニコッと笑い謂う
兵藤は物凄く嫌な顔をした
「兵藤きゅん りゅーまだけ戻して!」
兵藤は「了解!」と言い竜馬に「戻って来い!」とラインした
直ぐ様竜馬から『今戻ってるっす!飛鳥井の前に長いリムジン停まってるっす!』と還って来た
兵藤は「なら車の前で待ってろ!」と送信し
「お迎え来てるぜ!」と言った
康太と榊原は立ち上がると応接間を出て玄関へと向かった
烈と兵藤もその後に続き飛鳥井の家を出た
家の前には長いリムジンが停まっていた
康太達の姿を見ると助手席からピシッと漆黒のスーツを着た男が出て深々と頭を下げた
そして「閣下がお待ちです!どうぞ!」とドアを開けた
康太と榊原と兵藤が先に乗り込む、烈は竜馬と共にリムジンに乗り込んだ
リムジンに乗り込むと烈はサコッシュから携帯を取り出すと額に当てて念写を始めた
皆はそれを見守る様に黙って乗っていた
かなり長い間 烈は念写をしていた
康太は「何時もより長いな、ひょっとして動画を念写してるのかよ?」と謂うと烈は念写をしながら頷いた
そして裏皇居へ到着する頃にやっと念写を終えた
烈はヘロヘロになっていた
正面玄関に車が停まると皆は車から降りた
車から降りると竜馬は烈を支えて歩き出した
榊原が烈をぴょいと抱き上げると歩き出す
貴賓室に通されると榊原は烈をソファーに座らせた
烈の左右に竜馬と兵藤が座り、榊原と康太も空いてる席に座った
閣下が少し後に現れるとお茶が運ばれた
閣下は「わざわさお呼びして申し訳ありませんでしたね!」と謝罪した
康太は「呼び出しは烈を狙いミサイルが撃ち込まれた件で?」と問い掛けた
「それもあります、地獄界と謂う方々の話も正義の方から上がっているので、話も聞きたかったのです!」
閣下が言うと兵藤が事のあらましを話し始めた
「閣下は亜細亜の圏内を御存知ですか?」
「亜州は48の国数を有していますね」
「倭の国と近隣諸国で魔界と呼び、罪を償わせ魂の再生を司る、地獄界は中国とその隣国を呼びます!呼び方は様々ですが同じ様な機能を持つ場所を冥界、魔界、地獄界、黄泉界等と呼ばれ罪を背負わせ輪廻転生を司っているのです!」
「ならば地獄界の神の領域侵犯などではないのですね」
閣下の言葉に榊原が返した
「我ら魔界の者は地獄界とは暗黙のルールとばかりに我関せずを貫いて来ましたが………」
と前置きをして魔界での経緯を話した
烈が作っている新作の野菜を悉く盗まれ、その犯人が地獄界の羅刹天殿と謂われ確認作業をした事
今後は地獄界も烈とレイを他国と同様護ると約束してくれた事
そしてその約束通り崑崙山にいた二人が駆け付けてくれた事を解り易く話した
閣下は黙って聞いていた
そしてニコッと笑って口を開いた
「烈君、君はイベントに向けて頑張っていたと聞きます、それが今回の事で降り出しに戻ってしまった………とお聞きしました!
烈君の隣におられるの三木議員の御子息ですか?
御祖母にそっくりで……私は五代雪乃が現れたのかと錯覚致しました!」
閣下にそう言われ竜馬は嬉しそうに笑った
烈は宗右衛門の声で閣下に話し掛けた
「閣下、あのミサイルは宇宙コロニーの対防衛用の為のミサイルであった
それは耳には入っておられるだろうか?」
「入ってます………ですが、ありのままを報道する訳には行きません!
そんな事を国民に知らせればパニックになりますからね………なので訓練中の誤射として処理致します!今……宇宙開発事業団は上へ下への右往左往のパニックになり軌道の計算をして対処を考えています…………宇宙コロニーが地球に向けて防御用ミサイルを放ったなんて報道すれば、税金まで投入して存続する意味があるのか?
どうせ金持ちしか移民出来ないのを続ける意味があるのか?と騒ぎになります!
それでなくてもこの不景気に予算の見直しを迫られているのですから…………
なので烈君………あのミサイルは自衛隊の誤射で片付けて良いでしょうか?」
「誤射か、別に良いわよ、真実を伝えろにゃんて誰も言ってないけどね
それにより誰かを犯人に仕立てるのは話は違う!
どう処理するの?
犯人作らなきゃ自衛隊の面子もにゃいわよ!」
苦しい選択を迫られていた
誤射と発表するならば、誤射した存在を明らかにしないとならない
ミサイルが飛ばされた日
火球か?彗星か?隕石か?と騒がれ動画も沢山撮られてYouTubeに上げられてしまっている今
下手な事は出来ない
烈は携帯の動画を開いて閣下に渡した
「押せば動画を見られるわ!」
閣下は携帯を受け取り再生ボタンを押した
動画は烈が光る物体に気付いた瞬間から映されていた
「ならりゅーま、プールしてるお金で……えっ……にゃに?…………ぁ……」
光る物体が弾道ミサイルだと知る
烈は物凄いスピードで堕ちて来るミサイルに目を瞑り画面は真っ暗になり、再び目を開けると羅刹天がミサイルをぶった斬っているシーンが映った
そこで動画は終わっていた
烈は「最後に映った方が地獄界の羅刹天様にゃのよ!」と謂う
中国の官位の高い服を身に着け宝飾で飾った存在を閣下は初めて目にした
烈は榊原のポッケから出されたウィダinゼリーを飲んでいた
康太は「ミサイルは報道出来ねぇのは理解している、YouTubeにミサイルの映像が流されている今
下手な誤魔化しも出来ねぇ様だしな!
だから好きに報道はしてくれて構わねぇ!
だが飛鳥井の球技場がぶっ壊れた今、烈のイベントが白紙に戻っちゃった!
烈は会社のリフォーム資金の為に相賀達の全面協力の元、イベントをする予定だった
だから閣下、2ヶ月無料でグランド貸してくれねぇか?」とちゃっかり要求するのだった
兵藤も「飛鳥井のリフォームはもう始まっているからな、投入出来る資金がねぇと烈はこの年で大借金背負う事になる!
飛鳥井の中で宗右衛門と謂う存在は、其れ程に重き荷物を背負われているんだ!」と付け加えた
「阿賀屋蒼佑氏とは、どんな関係であられるのですか?」
閣下は突拍子もない事を問い掛けた
康太は「あの家は古くから芸道を切り開いた一族として存在している
我等は運気を詠み道を正す故、付き合いはかなり古い!それがどうされました?」と謂う
「飛鳥井の球技場が壊滅的になったと聞き、阿賀屋氏から便宜を図る様に要請がありました!
なのでお聞きした次第です!」
烈は「この前ね三者共同事務所のテコ入れの為に逢ったばかりにゃのよ!」と言った
康太は「宗右衛門は飛鳥井のリフォームもだけど、兵藤貴史をイギリスへ留学に出す費用もそこで捻出しようとしていたんだよ!
オックスフォード大学の教授に貴史を預ける約束しているらしくてな!
兵藤貴史と謂う国会議員を作る上で大切な時期でもある!預かった以上は完璧に磨きを掛けて鍛え上げる!それが初代斯波宗右衛門なんだよ!」と言った
閣下は「解りました、将来有望な国会議員の道を途絶えさせる訳には行きません!
では此処で先行投資させて戴きます!
国際総合球技場を2ヶ月、無料で貸し出します!
それで何とかなりませんか?
6月と7月、2ヶ月間は調べた所、そんなに大きなイベントも入ってない
移動出来ないイベントでもないので移動して、完全貸切で貸せる手筈は整えました!
それで今回の件、事態を捏造する事をお許し下さい!無論誰かに罪を着せる事は一切させません!」と言い頭を下げた
烈は慌てて「閣下、頭を下げにゃいで!」と言った
「烈君………」
「ボクは最初から公表したら大変だと理解していた!だから良いにょよ!
イベントが出来ないと絶望して熱出して入院していたけど、道が拓けるにゃら立ち止まらない!
ありがとう閣下、逆にボクにとっては嬉しい結果となっちゃったわ!」
とニコッと笑った
康太は「俺等もイベントが出来るなら文句はねぇよ!」と納得した
榊原と兵藤も頷いていた
烈は「りゅーま!」と謂うと、竜馬は「烈!」と言いハイタッチしていた
「イベント出来るにょよ、りゅーま!」
「良かったよ本当に、烈の目的がポシャらなくて本当に良かった!」
竜馬は安堵して呟いた
榊原は「我が子に配慮して戴き本当にありがとう御座いました!」と礼を述べた
「世界は破滅に向かって転げ落ちている………と言う人もいますが、私は足搔いて頑張る君達を見て来ましたから、そうは想いません!
協力出来る事があるのならば、協力させて戴きます!まぁ………何もなしに協力すれば何処からか災いが降り掛かるので、対価として出させて戴きます!」
康太と榊原、烈と兵藤と竜馬は深々と頭を下げた
そしてその日の話は終わった
飛鳥井の家まで送られて一旦昼を食べるか?と応接間に行くと唐沢が来ていた
唐沢は康太達を見ると「お疲れ様でした!閣下に頼まれた国際総合球技場の正式な使用許可証とその期間通れるパスを持って来ました!
取り敢えず100人分のパスを用意して来たので受け取って下さい!」と言い段ボールを差し出した
その段ボールを竜馬が受け取り、中を開いて見た
段ボールの中には通行パスと使用許可証が入っていた
期限6月1日から7月31日までの日付の打ってある証明書だった
6月1日から機械を設置してイベントを始め、7月31日までに機械を撤収させねばならない
読みを誤ると、突貫作業で撤収させねばならなかった
唐沢はその段ボールを渡すと烈に頭を下げた
「弾道の軌道の計算までして貰ったのに……貴方の意向に添えず、なかった事にさせてしまった!
本当に申し訳なかった!」
「構わないにょよ!」
「イベント中は他国に要請して大気圏を越えてミサイルが撃ち込まれた瞬間、迎撃ミサイルで撃破するを徹底させます!
そしてミサイルは存在しない隊員の誤作動と謂う事で処理し世間に公表する予定です!
ですので球技場には公費で修理を致します!」
康太は「修理して貰えるなら有り難い事だわ!
でも唐沢、オレ等が相手してるのは何にだって姿を変えられる漆黒のジャガーだ、ミサイル失敗したら次の手は考えてるだろ?」とボヤいた
唐沢は「そのラスボスは何がしたいのですか?」と訳が解らなくて問い掛けてしまった
「この青い地球(ほし)を潰してぇんだよ
だから宇宙コロニーなんてのを作ろうとしている存在が出ているんだよ!
何時かこの地球(ほし)は終焉を迎えてしまう
まぁ相手は七色の地球(ほし)を消滅させて来た奴だからな……
アイツは自分の思い通りになる地球(ほし)が欲しいんだよ!
何がしたい、じゃねぇんだよ!
自分のモノにしたい、思い通りにならないなら滅ぼす
それだけなんだよ!
だからそれを阻止する存在は許せない
オレが命を何度も何度も狙われていたのは、今となればアイツの息が掛かっていたんだと想う
何故なら、烈は同じ状況で狙われ続けたからな
まぁ烈とレイを狙う下りは話したやんか!」
そんな下らない想いでこの蒼い地球(ほし)を潰すと言うのか…………
宗右衛門は「この世には善と悪が必ずや存在する
光があるから闇が存在する
闇を抑えるのは光だが、光が強すぎれば闇は増長を繰返す!
この不夜城とも謂える時代が闇を増長させている
闇に染まった者達は、人に危害を加え破滅へと向かう
イジメがこの世から消えぬのは、心を闇に染める者がなくならぬからじゃろう!
ほんの些細な綻びに闇は根を下ろし、心を蝕み何時しか人を変える
性善説を唱えた所で今、それを聞く者など一握りの者しかおらぬ!
天界も荒れておったからな、それを正す術さえなかった、謂わば無法地帯であったからな
この世から戦争がなくならぬのと同じじゃよ!
正しても正しても人は楽な方へ向かって行く
快楽を求め人は堕落する
まぁ言ってもせんのない事だと申そう!
主がくだらないと想っている事を、我等は痛感しそれでも向かわねばならないのだ!
この下らない闘いはラスボスを消し去ったとしてもなくなりはせぬよ!
人とは……そう謂う生き物であろう!
何時か核のボタン押してこの蒼い地球は終わるであろうて………終わらせるも人なれば、続けさせようと踏ん張るのも人なのじゃよ!」と言う
唐沢は重いよ宗右衛門!
そんなのたかが人間に受け止められる訳ないじゃないか!と思った
榊原は「そう、たかが人間に受け止められはしない!だから貴方達はニュースを歪めて報道するしかないのでしょ?」と痛い一撃を放った
唐沢は言葉もなかった
兵藤が「ストープ!んなに唐沢を虐めるな!」と止めた
烈は兵藤の目を射抜き「ボク達もたかが人間にゃのよ!兵藤きゅん!」と言う
「当たり前やんか!人間は無力でも非力でもねぇ!踏ん張れば火事場の馬鹿力発揮できるしな!
だから立ち上がり進むんじゃねぇかよ!
烈、おめぇもイベントに向けて走りやがれ!
俺を最高に名高い教授に預けるんだろ?
半年で卒業しろって、任せとけ!兵藤君だからな!卒業してきてやるよ!」
兵藤は烈を安心させる為に言う
だが竜馬が「あの教授は上院下院議員を多数輩出しているだけあって並大抵では卒業出来ないんだってば!」と訴えた
「でも烈が半年って言ってるんだから、半年で卒業して来てやんよ!」
烈は「って事で良いかしら?この話はもう終わろうね!ボク、イベントに向けて頑張らなきゃ!」と笑顔で言う
唐沢は「はい、それで納得して貰えて良かったです!」とホッと息を吐き出し言った
康太は「飛鳥井球技場には誰もいなかった、って事にするのか?」と問い掛けた
「それは無理ですよ!爆音の後自衛隊の車が入り救護車が何台も人を乗せて行く事を知られてるから…………真贋何とかなりませんか?」
「ならグランドの整備に入ってた業者にすればええやんか!【R&R】関係の話を出したくねぇんだろ?」
「【R&R】と書けばイギリスへ轟きますから………それは勘弁していです!」
「なら業者に話を合わせればええやん」
「でも一部のファンにはあの球技場で【R&R】がイベントするって話題が出てまして………」
「面倒くせぇな!もぉ広まっちまっているのかよ?」
と康太はボヤいた
竜馬は「ならば【R&R】のイベントスタッフがいたと公表して構いません!
イギリスから来ているのは確かです!」と言った
榊原は「彼等には羅刹天は見えてませんでしょうから当然爆発した程度の認識でしょうね」と言った
「ならば【R&R】のイベントスタッフが機材の配置に来ていた、とニュースに流します!
一人も怪我してないんですよね?
【R&R】のメンバーは別の場所にいた、と話して大丈夫ですか?」
竜馬が「ええ、その方がクリスから鬼電ないので助かります!」と言う
クリストファー・オブライエンが鬼電しちゃうの?そんな暇、あの人にあるの?
秘書とかにさせてるのか?
と想う程に信じられなかった
唐沢は気を取り直して「ではその様に報道させて戴きます!では!失礼します!」と言い飛鳥井の家を出て行った
康太は「オレ等は会社に戻るけどお前はどうするよ?」と烈に問い掛けた
「今日は会社には顔は出せにゃいのよ
今後の話を優先させて貰いたいにょよ!」
「了解した、でも明日からは会社に顔を出してくれ!中途採用の社員が定着するか?の時期だからな!目を光らせて貰いたい!」
「承知したにょよ!
今後の話をして筋道立てて来るわ!」
烈が言うと榊原は「ちゃんと薬飲みなさい、久遠先生とのお約束を守るんですよ!」と言った
「はい!父しゃん!」
「では僕達は会社に行きます!」
そう言い康太と榊原は会社へ出勤して言った
烈は竜馬に「りゅーま、ホテルニューグランドの部屋を取っておいて欲しいにょよ!」と言った
「そこに相賀達呼ぶんすか?」
「そーにゃのよ!」
「了解っす!」と言い竜馬は【R&R】のスタッフに部屋を取る様に連絡を入れた
烈は相賀に話があるからホテルニューグランドへ来てくれないか?と連絡を入れた
【R&R】のスタッフは部屋が取れた事をラインで伝えた
部屋番号がラインで送られて来ると、烈は相賀に部屋番号をラインで伝えた
烈はケントを呼び出してホテルニューグランドへと向かった
兵藤は国際総合球技場野使用許可証とパスが入ったダンボールを手にすると、その箱に封印を施した
そしてトートバッグに入れて持つと竜馬に
「んなら俺らも後を追うとするか!
メンバーは良いのかよ?」と問い掛けた
「メンバーには詳細が決まってから伝えます!」と言った
あやふやな事で伝えるべきでないと思っての言葉だった
竜馬と兵藤は竜馬の車に乗りホテルニューグランドへと向かった
ホテルに到着すると相賀と須賀と神野は既に烈と合流してロビーのソファーに座っていた
竜馬がフロントに向かい受け付けを済ませて来ると、共にエレベーターに乗り部屋へと向かった
部屋に入りソファーに座ると相賀は
「先程流れたニュースで飛鳥井の球技場が誤射により爆撃を受けたと流れていたんだけど……」と切り出した
相賀達と一体何が起きてるのか?解らなくて連絡を取りたがっていたのだった
そこへ烈から連絡が入り駆け付けて来たと話した
烈は難しい顔をして考え込んだ後に
「飛鳥井の球技場は使えにゃいのよ!」と伝えた
すると神野が「ならば何処かで無料で貸してくれるグラウンドはないか?記者会見でもして広めるしかないな!」と呟いた
兵藤が「少し訳ありでな、極秘って事で内情は話せねぇけど、6月1日から7月31日まで国際総合球技場を借りられる事になったんだ!
だからイベントは続けられる!
だが、期限は打ってあるからな、設置と撤去の日数を叩き出し、賞味何日から何日までイベントをするかを決めねぇとならねぇんだよ!」と説明した
その話を聞き相賀、須賀、神野はホッと安堵の息を吐き出した
相賀は「イベントはポシャらないならば………それだけで良かった……本当に良かった」と涙した
須賀と神野は相賀を優しく慰め
神野も「俺もイベントがなくなるならば、他の球技場を借りてでも行いたいと訴える気でいた
皆で作り出して来たこのイベントを………潰したくなんかねぇんだよ!
なぁ烈、俺はお前達とイベントが出来て本当に嬉しくて堪らねぇんだ!
子供の様にワクワクして一つずつ決まるのが嬉しくて堪らなかったんだよ!」と泣きながら訴えた
「あきましゃ………ボクも皆とイベントするの楽しみにゃのよ……だから昨夜は絶望が大きすぎて入院しちゃったのよ………」
須賀は「もう大丈夫なのですか?無理したら大変です!」と烈の心配をした
「直くん大丈びよ、でも母しゃんと父しゃの力添えで何とかイベントが出来るにょよ!」
相賀は「頑張りましょうね!烈!それより今夜は買い出しとかする気ないのですか?」と言う
烈はニコッと嬉しそうに笑うと
「いいにょ?家族は喜ぶにょよ!」と言った
竜馬は「ならばリーダーが設置の日程、撤去の日程を決めてくれるので、それで詳細な日程を決めて告知して下さい!物凄く急な事で申し訳ないですが、宜しくお願いします!」と言った
相賀は「解りました、日数が長いと、出演する者によっては………座席の売れ行きにムラが出る事はあると想いますが………それはご了承下さいね!」と説明した
烈は「それは当たり前にゃのよ!下手したら半分以上ガラガラも覚悟しているにょよ!
それでもね、配信あるからやらにゃいとダメにゃのよ!だからの【無料】の球技場でやるしかなかったにょよ!」と苦しい内情を話す
須賀は「我等が全面協力しててガラ空きは避けられませんかね?」と呟いた
竜馬は「がら空き………俺等が活動始めた頃は何時もがら空きだったよね?烈………
それを見兼ねて烈が我等を纏め上げて動かし始めた頃から名前と人気が出て今に至るんだもん!
どんな状況でも我等は【R&R】っす!」と笑顔で言う
烈は「だね!」と竜馬と拳を重ねて笑った
兵藤はそんな二人を何処か懐かしげに見ていた
竜馬はそうと決まれば「今夜は宴会っす!リーダー明日から指示を頼むっす!」と言った
「了解にゃのよ!なら今夜は景気よく一万円出しちゃう?母しゃんがお財布に入れてくれたにょよ!」と言い財布を竜馬に渡した
竜馬はお財布の中身を確かめて「確かに入ってるっす!」と言った
「ならボクはケントを呼び出して会社に顔を出してから飛鳥井に帰るわ!」
と言い烈は携帯をポチポチしてケントを呼び出した
そして顔をあげると「ボク死なないから、下手したら竜馬とかに来るかもね………兵藤きゅんも気をつけてね!おーちゃんと直くんとあきましゃも護衛付けた方が良いわよ!」と言った
兵藤は「唐沢に伝えとく!」と言い警戒態勢を取れと言う事なのだと理解した
烈はケントがお迎えが来てホテルを出て行った
竜馬達は一旦飛鳥井の家に車を停めて、竜馬の車で慎一をGETしてから買い出しに向かった
烈は会社に顔を出して社内を見回った
そして食堂めヘルシーランチ定食を食べて、宗右衛門の部屋で仕事していた
【R&R】のイベントの工程をPCで打ち込んでいく
そしてオリヴァーに「明日、次のイベントの為にイギリスから来た精鋭達には体育館借りるから、そこで強化訓練する事にしたにょよ!
ボク達も強化訓練行くから、スタッフにも連絡入れてね!」とラインを送信した
直ぐ様オリヴァーから返信があり
『了解したよ!明日だね、スタッフに連絡いれておくよ!場所とか解らないから竜馬を引率にお願いね!』
純真無垢な温室栽培のオリヴァーは人を疑うと謂う事をしない
人の汚い部分を知らないオリヴァーに騙し討ちみたいな事はしたくはないが………
何処にスパイがいるか?解らないのにヨニー©イギリスの精鋭だからと言って使えはしない
磁場の強い体育館で電磁波流して様子を見ないと……
下手したら電磁波と超音波以外の手を使って来るかも………
烈はケントを呼び出して出かけた
両親には「綺麗の研究所に行って来ます!」と連絡を入れる
そして竜馬には「何処でも良いから明日使える体育館をレンタルしておいて!」とラインした
綺麗は最近、国から支援を受けて自分の研究室を持った
そこで烈と幾つかの研究をした、それを聖教団とかの使徒を拘束する為の器具を開発したり、頭にチップを警戒してゲートの効果を試したりしていた
相手は2歩も3歩も手を打つのならば、此方も2歩も3歩も先を考えねばならないのだ
まぁ綺麗ならばミサイルの欠片手に入れて来いよ!とか言うだろうから……一欠片ポッケに入れたのは言うまでもなかった
綺麗に話をして明日の対策を練る
でなくばミサイル再び………と謂う事になるからだ
まぁ宇宙コロニーの方も今宇宙コロニーにいるスタッフを総て地球に帰還させ精査した後に宇宙に戻す事を決めた
今は宇宙コロニーは地球からの遠隔操作のみとなっていた
まぁ闇に溶けるジャガーが相手では………と想っていたら宇宙開発事業団が自国の神々の協力を得て天界から支援を受け宇宙コロニーを照らすと約束された今、ジャガーが居座るのは無理な話となった
まぁラスボスも同じ手を2度使えるとは思ってはいないだろう………
ならば次はどんな手で出て来る?
予想がつかないから警戒は怠れない
そんな状況で迎えるイベントだから、烈は更なる用心を重ねるのだった
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