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第81話 今世紀最大の喧嘩 オーディション イギリス

イギリスの地で大々的に【R&R】のイベント 今世紀最大の喧嘩を売る為のオーディションを開くと告げたオーディション当日 オーディション会場の関係者席には神野や須賀、柘植、相賀が来ていた 烈は審査員席に座る前に会場を見て、神野達の姿を見て、手を振った 烈は傍にいたケントに「あきましゃ達がいるから、今夜ご飯でもって言って来て!」と頼んだ ケントは直ぐ様 神野達の傍に行きそれを伝えた 神野達は喜び………そして安堵した 飛鳥井の家から家族が消えた 神野達は必死で探したが見つからず、康太の駒である三木繁雄に連絡を入れ探して貰う事にした そんな頃に【R&R】のメンバーからの生配信だった 何故?どうして??知らない間にこんな事態になってしまっているのか?神野達は言葉もなかった 神野達は烈の顧問弁護士をしている神威に連絡を取り話を聞こうとした ガード下にいるから、飲んでる間なら話をしても良いと謂れガード下まで逝く その場に唐沢もいて、飛鳥井の家族が直面している事態を話してくれた ファンの中に紛れて確実に烈を消したい奴が混じっていて殺そうとしてる………と聞けば気軽に連絡なんて取れなかった 本人が連絡して来ない…………って事は巻き込まない為なのだから…… だから隼人や咲楽がオーディションを通過して会場へ行けると決まった時、皆で逝こうと関係者席を相賀も入れて申し込んだ 申し込んだ人数分の会場入場パスを手にして、イギリスへとやって来た神野達だった オーディションが始まる 緊張した場の雰囲気は張り詰めた琴線みたいに、見ている側まで伝わって来る この日は一条隼人が挑戦する日で、明日が咲楽が入っていた オーディションの順番や日程は、テレビ局側が、ランダムに抽選して決めた 【R&R】の思惑もヤラセも忖度も存在しないオーディションにせねばならなかったからだ オーディションに参加したのは無名、有名、選ばれた者だけがステージに上がれる だがステージに上がると言う事は、精神的に丸裸にされ壇上へ上がらされるのだ 皆条件は同じ 忖度なんかしない 実力があり、皆が認めれば【R&R】のイベントへ参戦出来る資格を確保されるのだ 持ち時間 5分 5分で己の総てを出し切る 歌だったり、演技だったり、パフォーマンスだったり様々だが丸裸にされ己を出し切る やはり隼人は圧巻の見せ場を審査員に魅せた 審査員は息をするのも忘れて魅入っていた 高得点が狙えたのは言うまでもなかった やはり書類審査、動画審査を通過しても、己を過信し過ぎたヤツは見ていて自己満足のオナニーを見せられているみたいで…… 審査員は眉を顰めた この日 【R&R】のイベントへ参戦出来ると決まった者は50人中 3人だった 一条隼人 無名のアレクセイ・アンダーソンと謂う青年 ジョシュア・ミラーと謂う女性だった そして何人かダンスの素質を見て鳳城由香里が名を上げる 審査員 満場一致だったのは圧巻の一条隼人だった TVで見ていたファン達じゃなかった者も、一条隼人と謂う存在を改めて知る事となる オーディションを終えた烈は控室へと戻った 竜馬が神野達を連れて控室へとやって来る 烈はヘンリーに「何処か美味しいお店貸し切りにして!」と言った ヘンリーは「ならば父様のコネを少し借りて貸し切りやってみるよ!」と言った そしてレストランを貸し切りにしたと言ってくれ、皆でそのレストランへと向かった レストランへ到着すると、神野は烈を抱き締めて泣いた 須賀も柘植も相賀もその上に重なり泣いた 由香里もレストランに【R&R】のメンバーとやって来ていた 由香里は烈に「何故 メリッサ・シルキーを入れなかった?」と問い掛けた 「自己主張半端なさ過ぎて、彼女は舞台よりもテレビとか大衆の興味を得られる所にいた方が花咲くわ!だからボク等とは合わないわよ!」と言う メンバーはうんうん!と頷いていた 由香里は「そうか……確かに自己主張強いわな……」と納得 烈は「メリッサオンリーの舞台なら確かに凄い奴だとボクだって想うわよ! でも審査員にはコンセプトを伝えてあるのよ プロジェクションマッピングが主役で、参加する者達は自己主張が強くなく圧巻した存在感を持つ者ってね! それにメリッサは合わないのよ」と詳細を話す 確かに【R&R】とやるならば、プロジェクションマッピングが主役となるのだ 背景より目立つならば、それはもぉ壁紙でも構わないのだ 由香里は納得した 「俺は実力ならば誰よりもあるからネームバリューも入れたら彼女が断トツだと思っていた だが蓋を開けたら?どうだ? 彼女はベスト10にすら入ってなかったから不思議だったんだ!」 「映画監督のリチャード・ハーマンいたでしょ? 彼が興味を持ったならば、彼女は女優としても名を上げるわよ! あのオーディションは、プロデューサーや映画監督の目に止まるチャンスもあったのだからね」 目に止まったならば、チャンスはあるのだ その為のオーディションだったのだから……… 由香里は「んとに、おめぇは抜かりのねぇヤツだわ!」とボヤく 「皆 平等にチャンスはあったのよ 【R&R】の眼に止まらなくても、才能が開花するチャンスがあったのよ TVを見ていた人達が、その人に惹かれたならば、騒がれ注目だって浴びれる そこから先は実力次第だけどね、チャンスは皆 平等にあったのよ!」 「なら騒がれ人気の出るヤツいたと言うのか?」 由香里がそう聞くと竜馬が「树・人、(Shù rén)と言う青年いたでしょ? 烈は彼に言った、貴方は俳優になるべき!だと 同じスクリーンでも貴方は映画の方のスクリーンで活躍するだろう! 貴方の今後の活躍に期待しています!って言ってたっす!」と告げた 「あぁ!あの青年、めちゃくそ整った顔してたな!」 「あきましゃ、倭の国とエージェント契約したら?」 神野は瞳を輝かせ「ならば彼の事務所と話して、倭の国とのエージェント契約しちゃいます!」と言う 須賀も「彼は良いね!うちともエージェント契約したい程だよ!」と言う 「なら三社共同事務所で契約したら?」 3人は瞳を輝かせ「「「はい!そうします!」」」と答えた 相賀は「ならば我が、会場に来ていた友人に話を通すとするかのぉ〜!」と言う トントン拍子に話は決まり盛り上がる 須賀は「あ、烈、私の事務所の名前変えました!」と言うと神野も「俺の所も変えたぜ!」と言う 烈は「何にしたの?」と問い掛けた 須賀が「私の事務所の名前はLe Lian芸能事務所です! で神野の事務所がEver Yours芸能事務所 柘植の事務所がEffort芸能事務所なので三社共同事務所てしては羅列や響きは良くなりました!」と報告 烈は「世界へ目を向けたならばその事務所名の方が響きが違うからね!」とニコニコ言う 隼人は【R&R】のメンバーと仲良く飲んでいた 烈は「どんな心境の変化かしら?隼人また一皮剥けたわね!」と呟いた 神野は「烈が大変な目に遭いアイツは奮起してオーディションに応募したんだよ! 飛鳥井康太の長男として末っ子を助ける! その気持ちだけで来たんだよ!」と伝えた 烈は胸が熱くなり隼人に抱き着いた 隼人は烈を抱き締めて「どうしたのだ?烈!」と安心させる様にキツく抱き締めた 兄達もちっこいのも隼人に抱き着いた 隼人は笑って兄弟を抱き締めた 竜馬は烈をバリッと剥がして「ヘルシーなのヘンリーが用意したっす!」と烈のゾーンを指さし言う 烈は兵藤に「近い将来の花嫁はどう?」と問い掛けた やはりその狙いがあったのか?と兵藤は痛感した 「身分違い過ぎるだろ?」 「兵藤きゅんの横に立って遜色ないのはシャルロットかエミリアだけなのよね……… クリスとロザリーとヘンリーとオリヴァーはエミリアが兵藤きゅんと……と想っていたけどね 予想は外れたわ……でも【あの日】【あの時】【あの場】で出逢った人が兵藤きゅんの伴侶となるのよ!」と言う 「どんな結果になろうとも誠実に接しようと想う 況してや伴侶となるならば、常に話し合い想いを共有しようと想う」 「結婚する未来も一人で生きる未来も兵藤きゅん次第だからね!」 「え??それって???まさか………生涯独身で、終わるなんて事もあるのかよ?」と嘆く 相手を思いやれば………未来は開けると言った まぁそれならそれで良い 自分は思い切り愛そうと想う もう悲しい人を出さない様に愛そうと想う レイは兵藤の手を強く握り締めた 兵藤は笑ってレイを抱き上げた 誠実になるならば、愚かな過去の話もせねばならない 想いの総てを吐き出して、それで捨てられないならば一歩踏み出そう! そう心に決めた 烈はメンバーと笑って話をしていた 時折兄達とも話す 凛と椋も英語で話す 由香里は凛と椋がお気に入りで、世話を焼く もう自分は子供は望めないから………子供を見るとついつい世話を焼いてしまう 由香里には葵の他に長男がいる 長男夫妻に子はいるし、由香里は祖母として孫の相手をして幸せに暮らしている 勿論 パートナーもいて、パートナーは由香里を支えてくれている 烈は「葵に頑張って子を成して貰おうかしら?」と呟いた 娘の子は格別に可愛いだろうから……… 横にいた竜馬が「それ、めちゃくそハードル高いってば!」と謂う 「御影、孕ませにゃいかしら?」 「横に寝てても勃起すらしねぇ!って言ってやんか……」 「由香里は子供が大好きなのにね………」 「由香里は子はもう出来ないの?ひょっとして……」 「夫を亡くした時に絶望して何度も自殺未遂おこしてるにょよ! それは知ってるでしょ? 何度目かに車に飛び込み、命は助かったけど子宮は持って行かれたのよ……子は無理ね」 逝きたかった…………と泣く母に鳳城は言葉もなくしたと言う どうしたら母は生きてくれるのかな?…… 鳳城の衝撃も半端ない程に打ちのめされていた 仲の良い夫婦だっただけに………片割れを奪われた母の心痛を想えば………言葉などなくした 窶れて逝く鳳城の姿に御影が助けを求め、烈の耳に入り動いた 魂の邂逅をして己の生き様を問う 己はこの世に未練はなにもないのか? 死ぬと言うなれば、今直ぐに死神に狩って貰うとしょう! 宗右衛門の声で謂われれば……… 恐怖に身が竦んだ そして死にたくない……と訴えた 自分には息子がいる、娘がいる あの人の忘れ形見の我が子がいる そしてダンスがある 総て亡くした訳じゃない そして立ち上がり………必死に生きて来た それを烈は見守り今に至る やはり娘の【孫】見たいよな 竜馬は「御影に頑張らせるか!烈も考えて頑張ってくれよ!」と訴えた 「にゃら頑張ろうかしら?」 「程々で良いからね! しかし俺、御影とは友達だけど、そう謂えばアイツの私生活は何一つ知らないわ……」 「そもそも御影は異性にも同性にも大人にも子供にも人間にも興味にゃいのよ!」 「なら何に興味あるのさ!」 「彼はね【生きる】事に絶望して、【何かを求める事】に絶望して、それでも生きる為に誰よりも賢く身が立つ様に生きて来たのよ そんな中で竜馬と葵は【友】として認識出来る存在で無くしたくない存在なのよ そんな彼が性的な興奮する時は……あまりないのよ そりゃ性欲は溜まるわ、抜く、射精する 誰を抱いてもオナニー以上の快感もないし、愛撫するのも面倒なヤツだもんね そりゃSEX無理でしょ?勃たなくて当たり前なのよ!」 初めて聞く友人の私生活を垣間見た様で、竜馬は言葉をなくした 「りゅーま、掘る?」 「……それは勘弁して………」 「なら掘られる?」 「それはもっと勘弁して!」 「なら葵犯して来るのよ!」 「投げ飛ばされておしまいな気がする……」 「困ったわね……」 そう言い烈は携帯を手にすると 「葵、妊娠して!」とラインした 『烈、今日はエイプリルフールじゃねぇ!』と返された 「由香里に孫を抱かせて!」 『なら仕方ねぇな、妊娠しても良いぜ! 母ちゃんの為なら孕んでやんよ!』 烈は竜馬に携帯を見せた 竜馬は仕方なく東堂御影に「葵を孕ませてくれ!」とラインを送った 直ぐ様『勃起せん!』と返信が来た 竜馬は何も言わず、携帯を見せた 「排卵日に御影のケツ弄って勃起させ乗せて性交渉させようかしら?」 「ケツ………それやると勃起するの?」 宗右衛門は「ほぼほぼ前立腺引っ掻かれれば勃起はする!経験上、勃起せぬ奴など見た事はない!」と答える 竜馬は「宗右衛門はバイなの?」と問い掛けた 「挿れてしまえば性別など些末な事じゃ!」と笑う まぁ………そうなんだけど、俺は其処までの領域に達してないってば!と竜馬は想う 横にいた兵藤はレイの耳を塞いで 「何という会話してますの?お前等!」と怒り言う 烈は「種だけで良いのよね………」と呟く 自分の体が大きいなら自分で犯るのだが……… いかんせん今世は小さい お子様なのだ そして彼処も小さい 子宮を突き上げられるだけのブツを持ってない 「ボク まだ子供だからな………」 竜馬は「なら俺が犯る?」と覚悟を決め言う 「押し倒すテク………ないと投げ飛ばされるわよ」 「うっ!!葵って処女?」 「違うわよ!SEXはスポーツか何かだと思ってるからね、セフレはいても恋人はいないのよ」 「セフレ……そんなのいるのかよ!」 「そう、スキャンダルになり揺すられる前に止めたいのもあるのよね………」 「え?スキャンダル出ちゃうの?」 「スキャンダル如きで揺らがない女だけど、副社長は辞めないと品性のない人間はいられないからね………潮時でもあるのよ………分岐点に来ているのよ、葵も御影も……」 「問題ありまくりじゃないっすか!」 竜馬がボヤく 「だから頃合いだと思ったのよ 妊娠してくれにゃいかしら?」 兵藤は「頼むからお子様の前で辞めてくれ!」と謂う 烈は話題を変えた 「レイたん 美味しいの沢山あるからね!」と料理の前に連れて逝く 烈もヘルシーなの食べるとレイも食べる 兄達はそんな仲の良い姿を見てホッとしていた 兵藤は「お前等大丈夫か?」と下ネタな話に気を遣う 翔は「僕等は宗右衛門の性教育受けてますから大丈夫です!」と謂う 兵藤は「え?宗右衛門、性教育までしちゃうの?」と驚き言う 音弥は「宗右衛門は愛のないSEXが大嫌いですから!」と言う 太陽は「愛がないなら死んだ方がマシよ!言いますから!」 大空は「幾らテクがあろうとも愛した相手とSEXするならばテクなどなくても想いが満たされる!と教えてくれましたから!」 流生は「僕等は身も心も大人になりつつありますから、オナニーの遣り方からSEXの仕方まで教わってます!」とトドメを食らわせた 兵藤は「まぁ其処が一番大切な事だからな………」と言う 太陽は「あ~また凛が服を脱いでるじゃない!」と慌てて世話を焼きに逝く 流生は「レイの顔、拭かなきゃ!後プーとクーの顔も!」と言い烈とレイの傍へ逝く 兵藤は竜馬に「まさか性教育してるとは思わなかったよ………」とボヤく 竜馬は「宗右衛門のテクはかなりのモノで笙さんに潮吹かせろ!と話してるとき周りの奴の息遣いが荒くなって困った程だから! 何せ愛のないSEXはオナニーだ!と謂ってしまえるんすからね!」と話す 兵藤は「愛か………身を焦がす程の愛してみるぜ!」と言う 愛した人は他のモノだから、誰でも良かった そんな独り善がりのSEXだと今ならば理解する 烈と共にいると言う事は意識改革され続けているのだと……今ならば理解する 竜馬も「俺も身を焦がす恋愛したいっす!」と言う 宗右衛門はそれを聞き「戯け者!主は恋愛の前にもっと鍛え上げるがよい!」と喝を入れる 「頑張ってるじゃんか!」 「足らぬわ!」 「ならもっと頑張るから!」 竜馬の言葉にメンバーも頷く 楽しい時間は心に大きな傷跡を遺し、過ぎて行った 夜遅く、竜馬は烈に聞いた事を御影に伝えた セフレとの気軽な運動続けるにはリスクがある!と伝えると御影は『それは本人に言いやがれ!』と言う 竜馬は「無論 葵にも言うさ!ヨニー©ウッズスタンを潰される気はないからね! 邪魔な要因になるしかないから……排除するしかなちからね!」とにべもなく言う その後に竜馬は鳳城葵にも告げた 「スキャンダル起こすならば総ての立場は剥奪するしかないよ!」と… 鳳城は『立場など必要ないけど、烈が逢ってくれなくなるのは嫌だから慎む事にする 俺は狙われているのか?ならばどうしたら良い?』と言う 「スキャンダルの方は調べさせ、ヘンリーに頼んで動いて貰い手を打つ様にするよ! でもさ葵、由香里の為に子供産んでやれよ!」 『産むのは容易い、だが相手がいない』 「良さそうなのいないの?」 『俺は好みのペニスならある! それ以外は興味がない!』 「ならさ、その好みのペニスでセクサロイド作れよ!お前ならばそれは可能やんか!」 『セフレをロボットに変えて見るけど、ロボットだと妊娠しないやんか!』 「誰かいないの?」 『烈!!俺等親子は全面的に烈を愛している 股を開け!と言うならば開きまくり挿れまくり頑張るさ!』 本当に人誑しなんだから!と竜馬は想う 「烈はまだお子様だ!」 『宗右衛門のテクは凄いのな!聞いてるだけで濡れるからな、あの夜は何回しても足らなくて困ったな!』 「そんな話しをしたのかよ?」 『お前のやってるのはオナニーだと謂われた オルガズムを感じてイッてこそSEXだと謂われた 主のしてるのはオナニーじゃ! クリを指で擦っても感じられる快感と同じじゃ!と謂われちゃった その夜、クリ弄りまくって腫れ上がっちまったぜ!確かになクリを弄りまくってバイブ当てた方が感じるわな、と思ってからはあんまりセフレと犯ってないんだよな………』 「俺………何でお前等の下半身事情を聞かないといけないの?」 『お前が孕め言ったんやんか! 膣が蠢く程に感度は上げてるからな妊娠するなら早く相手を寄越せ!』 「御影じゃ駄目なのか?」 『アイツと過去に犯ろうとした事はある が、アイツはテンガでも良いんだと思ったら犯る気なくした………』 「性欲は一応有るんだよな?」 『アイツは……親に虐待され倉庫に閉じ込められ暮らさせられた事があるんだよ 母親が男にダラシなくて子供を生んでも育てなかった………御影は出生届すら出してない子だった 出生届を出してる子供が学校に通う年になっても入学の手続きさえしないから、役所や学校の関係者が見に来て、腐敗臭に気付き家宅捜索して倉庫に何人も押し込められ育児放棄されているのを確認し保護され兄弟はバラバラになった 御影は東洋の里親に引き取られ今の名を貰い教育を受けた………と謂う過去があるんだよ』 あぁだから『彼はね【生きる】事に絶望して、【何かを求める事】に絶望して、それでも生きる為に誰よりも賢く身が立つ様に生きて来たのよ』との言葉なのだと……今更ながらに想う 竜馬は「俺は葵も御影も友達だと想っているからな幸せにって欲しいんだよ! そして由香里も孫を手にして笑ってて欲しいと思ったんだよ 烈も同じ考えで、孕んで欲しかったのと、セフレとのスキャンダルはヨニー©ウッズスタンの致命傷になるから釘刺しといただけだよ!」と言う 鳳城は『俺の数少ない友達だよ!お前は! 大切な大切な友達だよ! そして俺に烈を出逢わせてくれた恩人でもある! あの時 母さんは烈に出逢わねば…死んでたかも知れないからな 俺も母さんも本当に心から烈を愛して、烈の為に生きようと誓ったんだ その烈が言うならば考えて見る事にする!』と真摯に考えると言葉にしてくれた 竜馬は「相手だな………」とボヤく 鳳城は『だな!まぁ今後は己の行動に気を付けるとする!烈の為の副社長と言う身分だからな! 穢したり地に落とす気は皆無だからな!』と言う 電話を切り竜馬は深い溜め息を着いた 烈は「溜め息着くと幸せ逃げてくわよ!」と言った 「烈………」 「明日、御影をオーディション会場の控室に呼んでくれないかしら?」と言った 「構わないっすよ!」  そう言い竜馬は東堂御影に「明日オーディション会場の控室に来てくれ! 烈がお前を呼んでいる!」と伝えた 御影は『え?葵と犯れって事?』と問い掛けた 「そうじゃないと想う! わざわざ呼んでくれと言うのは違う話だと想う!」と返す 御影は『了解……控室に逝くよ!』と約束してくれた 竜馬は携帯を枕元のサイドテープに置いて 「御影に何の話?」と問い掛けた 「話はないわよ、凛と一度合わせたいと想っただけ………」 「凛……?」 「あの二人の生い立ちは似てるのよ 御影は少し過去と離れないとずっと後ろに過去を引きずっているからね 同じ境遇のちっこいの見たらどう想うか? 知りたいってのもあるのよ……」 竜馬は凛が土蔵に閉じ込められていた経緯を知っている 戸籍もなくて飛鳥井の一族の養子となり飛鳥井を名乗らせている………と耳にした事があった 謂われてみれは御影と凛の生い立ちは酷似している 「だけど………あまりにも過酷な事じゃない………それって…………」 「この世で一番自分だけが不幸だと想っているヤツが、同じ様に生きて来た子供を目にしたら? それは過酷でも思い知らないと駄目なのよ 御影が壊れる前に、ロボットの様になり人間でいる事を手放す前に、引き擦り戻す必要があるのよ!」 「烈、横に寝て良い?」 「良いわよ、ほら、明日は早いわよ!」 竜馬は烈のベッドに潜り込むと、烈を抱き締めた 涙が止まらない……… 自分は政治家をしている親の元に生まれ、不幸な想いはした事はないから……… そりゃ親に似てない顔に苦しんだし、養子だと想い悩んだ時もある だが両親はちゃんと自分を育ててくれた 愛してくれた 燃える様な愛はないが……… 両親は確かに愛し合っていた、家族を愛していた そんな想いがあるから……… 親に愛されないで育つ事が信じられないのだ……… 竜馬は泣いていた 烈を抱き締めて、泣きながら……知らない内に寝てしまっていた オーディション2日目 この日はイギリス選考オーディション最終日となる 後は倭の国とアメリカを遺すのみとなる 倭の国は4月中旬にオーディションの予定だ 5月中旬 アメリカでオーディションがあり、そのオーディションを終えて本格的なイメージを沸かせて舞台を創り上げねばならなかった この日は堂嶋と雪哉もオーディション会場に来ていた 関係者席に神野達と共に席を用意して貰い見る事になっていた 御影はオリヴァーが連れに行き控室へと、連れて来ていた 御影は控室に烈の兄弟やちっこいのもいて落ち着かなくて……… そして何故か一条隼人もいて……御影は余計落ち着かなくて 「烈は?」と問い掛けた オリヴァーは「オーディションが終わったらマンションへ行くから此処で待つ様に謂われてるから!」とキッパリ言う 御影は落ち着かない様子でソファーに座り……… ボーっと烈の兄弟を見ていた その中に………鋭い目付きをしたちっこい子供と目が合った その横には冷めた顔をしたちっこい子供が二人……… 御影は言葉をなくし……でもその子達から目が離せなかった オーディションが始まりモニターに目が釘付けなる 烈は嗤っていた 時折モニターに映る顔は、冷酷な笑みを浮かべ嗤っていた 竜馬は真剣に応募して来た子達を見ていた 審査員も真剣な目でチェックする そして中盤に咲楽我空が登場して来た 高身長な漢はその場にいるだけで存在感を示していた その咲楽が音楽が始まると踊り出す 圧巻と謂うパフォーマンスだった そしてそのラストにRODEOÑが登場して5分に纏めた歌を歌う ワンフレーズのズレもなく仕上げて来た姿勢に、烈は親指を立てていた ボーカルは嬉しそうに笑っていた 50名のオーディションが終わると、審査員は【R&R】のメンバーと共に審査員室へ移動した 烈は「審査している合間暇だからRODEOÑは歌ったら?隼人もいるからさ、歌っちゃえば?」と言い控室に消えた 司会者は「それではお願いします!」とヤケクソになり言う 控室にいた隼人は普段着でステージの上に上がると、RODEOÑと共に歌を歌った 会場に来ていた観客は凄いサプライズに大喜びして聞き入った そして審査が終わると、審査員室から戻ると、イベントに参加する者の名が書かれた紙を受け取り司会者は慎重に紙を開き 「それではイギリスで行われるラストのオーディション合格者は、RODEOÑ! 貴方達にはstrong Hiとの対バンドを予定しています! 早々に辞退したstrong Hiですが、【R&R】のリーダーが逃げる事は許さない! との事なので、貴方達には後日、詳細を告げる書類を送らせて貰います、との事です! RODEOÑの皆様は今回はワンフレーズのズレもなく演奏素晴らしかった!とリーダーからの言葉を預かっています! そして次の合格者はダンサーのハリー、そして名は知られてませんがクロード・ティラー 咲楽我空は映画監督のリチャード・バーグマン氏が起用してみたいとの事なので、活躍の場をスクリーンに変えて頑張って下さる事を祈ります!」と言った 鳳城由香里は動かなかった この日育てたいダンサーは皆無だった イギリスでのオーディションは全日程終了した 烈は「次は倭の国のオーディション会場で逢いましょう!」と言った その時 烈目掛けてボーガンの矢が放たれた 真っ直ぐに向かってくる矢を時計塔の魔術師達が軌道を逸らそうとする が…………次の瞬間、矢は烈の肩を貫通し………総てのカメラのレンズを割った カメラは突然の衝撃に総て止まり撮影不可能となった 烈は「やってくれたわね!」と悔しそうに呟いた 仕掛けて来るのが解っていたのか? 取り乱す事なく、やけに冷静だった 烈は控室に逝くと、女王から派遣された医者がやって来て、矢を抜き処置を始めた 「痛いにょよ………もぉ!」とボヤく 兄達はモニター画面でそれを見て、卒倒しそうになった 「ヤバっ………鏃に毒塗ってあるわよね」と痺れが出始めたから言う 何度も何度も毒には苦しめられて来たのだ 医者は即座に毒の解析をスタッフにさせ血清を用意させ、直ぐ様血清を運び込ませ解毒した レイはずっと怒っていた 兄達はレイの口を押さえ宥めていた レイは烈に抱き着くと泣いていた 竜胆は「おめぇ狙われ過ぎやろ………」と言う 「あれはね時空がネジ曲がってないか試し打ちしただけよ!」と嗤う 「試し打ちとか、何処まで螺子曲がってるんだ!そいつ!!」 「ネジ曲がってるから嫌がらせしか出来にゃいのよ! 時空がネジ曲がっていたら矢は弾かれて観客席の誰かを傷付けるしかなかった だから刺さるの仕方ないって思ったわ」 「何の為のクーだよ、クーに守られとけ!」 「時計塔の魔術師いたしクーたんの出る幕にゃいと思ったのよね…」 クーは烈の肩の上に乗っていた これ以上の手出しは出させない為だった 「手当終わったしマンションに帰るわよ 御影に話があるし!」 と言うと御影は「話なら明日でも良いし、ラインでも良い………」と言った 「明日にはボクは帰らにゃいと駄目なのよ その前にネジ切れる一歩手前の御影の心をへし折ってやる気なのよ!」 「え?俺………貴方に何かしました? 葵と子作りしろと謂われたのを、断ったからですか?」 「違うわよ、そんな些末な事どうでも良いのよ!」 と言い手当が終わると女王はガードすべき存在を烈の傍へと送った ジョセフィーヌがやって来てマンションへ還ると言う烈を護衛の車に乗せて、兄達も護衛しつつマンションへ送り届ける マンションに着くと、エレベターに乗り最上階を目指す 最上階へ逝くエレベターは一基のみ 全員乗り込むのは不可能で、半分乗り込み、後の者は、エレベターが来るのを待ち、来たら乗り込んだ オリヴァーが烈の部屋に御影を連れて入ると、竜馬は強引にソファーに座らせた 兄達が座り、ちっこいのも行儀よく座る 烈はそれを見届けると、自分もソファーに座り話し始めた 「飛鳥井の家は転生者が何度も何度も転生して、家の為に生まれて………ってシステムがあるのよ ボクはその転生者だけどね、今世は顔見世の為に転生された方も多くいるのよ! そこのちっこいのは転生者なのよ!」と教えた 御影は何処か子供と違う雰囲気を持つ三人は、転生者だからなのだ………と理解した 烈は痛みに眉を顰めながらも、宗右衛門の声で 「転生者 飛鳥井レイモンド 彼はシングルマザーの親から生まれ育児放棄され親に暴力を奮われ、日々怯えの中で育つ レイモンドの母親は酒に逃げ、自分を捨てた男に似たレイに八つ当たりをして暴力を奮っていた レイは酷い怪我をして病院に送られ、医者が通報し施設に送られた 転生者 飛鳥井椋 彼は高校生になったばかりの女性が妊娠して中絶する期間はとうの昔に過ぎて、中絶出来なくて出産するしかなかった 彼女は男に騙され妊娠を告げたら音信不通になり、親が知った時には中絶出来なくなっていて出産、だが未熟な母は我が子が自分の人生を狂わしたと想い殺そうとした 殺されかけた椋は親には悪魔に見えたのか、名を亜久真と名付けられていた、そして彼は施設に送られた 転生者 飛鳥井凛 彼は戸籍もなく生まれた 彼は生まれた瞬間から土蔵で閉じ込められ過ごさねばならなかった 母親も土蔵に閉じ込められ、ロクな食事も与えられず凛がまだ小さい時に死した 保護した時には痩せ細り、言葉さえ話せなかった 助けに行くのが遅かったら確実に死んでいた!」 烈の言葉に御影は驚愕の瞳で烈を見た 「何故それを俺に…………」 宗右衛門は御影を睨み 「親に捨てられ戸籍もない可哀想な子はお前だけではない! 土蔵で生まれ外を知らずに育った凛は、眼の前で親が冷たくなり朽ちていく姿を見なければならなかった……… お前は、死して逝く兄弟を、凛は死して逝く母親を、眼の前で見て何も出来ずに生きて逝くしかなかった! 凛を助けに行ったのはまだ3年前、お前より傷は深く己の戸籍さえない過去は変わらない!」 宗右衛門がそう言うと竜胆は 「何故今 その話をするんだよ!」と大人の声で問い掛けた 「そこの男、東堂御影と言う男は名もなく戸籍もなく倉庫に閉じ込められ生きて来たからじゃよ!眼の前で兄弟が冷たくなって逝くのを唯見てるしか出来なかった後悔の中に身を置くからじゃよ!」 竜胆は言葉もなかった 御影は「俺の事を調べたのか?」と問い掛けた 「儂は星詠み、ホロスコープ、九星術、殆どの占いを網羅して百発百中、外しはせんよ! 御影に会った時、儂は主の頑なな心が気になった そして何故其処までは頑ななのかを不思議に想った……… だが竜胆を助け出し、今世の竜胆を傍に置くと、主と酷似した運命を感じた 儂は主の生きて来た人生を占って星を詠んだ そしたら竜胆と変わりのない生い立ちなのを知った、まぁ生まれた過程はどうであれ、儂は仕事さえしてくれれば別に構わなかった が、社員達の評判は悪い、話し掛けても話すらしない、葵の代わりに副社長業は卒なく熟すが、社員との軋轢は年々酷くなる セフレを作りスキャンダル出しそうな葵と、社員と軋轢ありまくりの御影 儂にとったらどちらも不要じゃよ! じゃがな主は竜馬の友人じゃから、手を打たず斬り捨てるのは礼儀にそぐわぬからな 竜馬に対しての礼儀を抱き一度だけチャンスを与えたのじゃよ! で、答えられよ、不幸なのは主だけか? 鳳城葵も東堂御影も変革期の真っ只中にいる 変わらねば見捨てられるしかない 変わらねば斬り捨てるしかない、それが現実なのじゃよ!」 御影は俯き言葉もなかった 「黙っていても答えは誰も出してはくれぬぞ!」 御影は……ならば斬り捨てれば良い………とさえ想った が、言葉になんか出来なかった そうしたら【友】と呼べるべき存在がこの世から消えるのだ……… 友は無くしたくない 自分に友と呼べるべき存在がいるとしたら、それは鳳城葵と三木竜馬しかいないからだ…… 竜馬がある日突然、烈を連れて来た 自分は烈の眼が怖かった だけどそれ以上に烈に惹かれ………烈といたいと想った 自分の事を理解してくれる存在 それこそが飛鳥井烈だと想うからだ……… だが人と接してこなかった弊害がこんな風に出るとは………… こんな時何と謂えば良いんだ? 解らなかった……… そんな御影の焦りを、同じ様な生き方をして来た竜胆には良く解った 竜胆は耐えられなくなり「コイツ、俺に任せてくれよ!」と言った 「期限は?」 「一ヶ月!」 「何処で面倒を見る気じゃ?」 「飛鳥井の家で!」 「うし!面倒を見てやれ! じゃが使い物にならぬなら、儂は躊躇いもなく斬るつもりじゃ!」 「あぁそれで良い! 宗右衛門はそうじゃなきゃならねぇからな!」 「ならばオリヴァー、御影のパスポートとチケットを頼む! そして明日の我等の飛行機のチケットも頼む!」 「了解!」 「グッズスタン社には誰か回しといてくれ!」 「良いのがいるからさ回しとくよ!」 「頼むな!」 オリヴァーは「ねぇリーダー大丈夫なの?」と泣きそうな顔で問い掛けた 其処へけたたましく玄関ホールから来訪を告げる音が鳴り響いた 部屋番を呼び出す誰かがいて、竜馬はタッチパネルで来客を見た 「はい……えええ!!!クリス!どうしたんてすか!」 竜馬は叫んだ 「烈の無事を確かめさせてくれ!」とクリストファーが言うと竜馬は、即座にロックを外す するとヘンリーが「父様、放送見たから駆け付けて来たんだね………」と呟いた オリヴァーが「迎えに行くよ!」と部屋を出て行った 暫くするとクリストファーがやって来て、烈を見ると飛び付いて抱き締めた 「生きた気がしなかった………女王にはよしなに頼むと言ったのに………何故傷つかねばならないのだ?」 泣きながら言う 烈は「向こうが一枚上手だったのよ 試し打ちみたいに放たれた矢はボクに向かっていた!時計塔の魔術師も逝く手を妨害してくれたけどね、クーが弾けば観客に飛んで行き死者でも出しかねないから………受けるしかなかったのよ」と説明した 「なら誰かに………それは考えなかったのか?」 「考えないわよ!ボクの代わりに矢に刺さってと言う位ならば、ボクが刺さっていた方がマシなのよ!」 そう言う人を思いやれる子だから目が離せないのだ そしてまた部屋のチャイムが鳴り響く ヘンリーが応答ボタンを押すと「慎一!!」と叫んた ヘンリーは慌てて慎一を迎えに行った 烈は「え?慎一きゅん?」来る予定あったかしら?と想う 暫くして慎一が部屋へとやって来た 慎一は「俺は烈達のお迎えの為に元々来る予定でしたが、ボーガンの矢を撃たれるシーンを見て飛鳥井の家族は気絶しました! なので飛行機のキャンセルが出てないか?探しまくったんです! 聡一郎達も探してくれ、結構早い時間のキャンセル出たので早く来ました!」と説明した 兄達は張り詰めた気が緩み、慎一に抱き着いて泣いた 慎一は兄達を抱き締めて落ち着かせる様にキツく抱き締めた 堂嶋正義も雪哉も烈の部屋にいた オーディション会場から後を追う様に神野達と来たのだった 慎一はクリストファー・オーディションに深々と頭を下げた クリスは涙を拭うと秘書に「ヘルシーな料理と最高に美味しい料理とお酒を運びなさい!」と言った 秘書は直ぐに動きオブライエン家のシェフにご用命をした オブライエン家からメイドが駆け付け、シェフが作った料理を、オブライエン家から運び込み部屋へと向かう そしてテーブルの上に並べ、給仕して用意すると「御用意出来ました!」と言う 烈は肩から腕を吊っていたが左右両利きな烈には、生活に困る事はなかった 唯………お風呂に入ると身体洗えないわね………と、そこだけ不便に思っていた オブライエン家の料理はどれも美味しかった 烈は「最高に美味しいわね!」とご機嫌たった 堂嶋と雪哉、そして神野、須賀、柘植、相賀もテーブルに着いて食べ始める ヘンリーは御影をテーブルに着かせ食べさせる ダニエルは「次は倭の国だね、その時はこんな妨害ない様にしてよ!」と謂う 「そーね、綺麗とえんちゃんと少し話し合わないと駄目なのね あの矢は時空を超えて放たれるし、ヤードが必死になっても矢の軌道は計算出来ないわよ!」 その話を聞きクリスは「あの場には時計塔の魔術師いたのだよね?」と問い掛けた 「いたわよ!」 「ならは何故、その魔術師で止められなかったんだい?」 「人間じゃ目にも止まらぬ速さだから捕まえたと想った瞬間、かなり先に行っちゃってるのよ! 高名な時計塔の魔術師でも魔法師でもそれは無理な次元の話なのよ!」 「それなら………どんなに警戒してても狙われて傷付くと言う事じゃないか…………」 「そうでもないわ、彼等はいるだけで心強いのよ オーディションの最中狙われなかったって事は、そう言う事なのよ!」 クリストファーは「烈………」と言いスリスリしていた 「さぁ楽しく食べて飲むわよ! クリスがまた倭の国へ来日して来た時は【おでん】作って貰うからね! 出来たら夏は避けて、秋から冬辺りが好ましいわね!そしたらボクの大好きなしみしみ大根と、レイたんの好きな揚げの中に入ったお餅増々にして作って貰うからね!」 烈が言うとレイは「やったー!」と喜んだ 雪哉はレイの頭を撫でた プーとデービットが「美味いわぁー!めちゃくそ美味いなぁ!」と言いながら食べる 烈は「プーたん、其処の外人と同じなら捨てちゃうわよ!」と脅す デービットは「酷いよ烈!!」と泣く プーも「それは堪忍やわ!」と泣く 烈は「にーに………ごめんね、こんなに煩い奴になるなんて思わなかったのよ!」と謝る 翔は笑って「大丈夫だよ、プーもクーも僕達の大切な家族だから!」と言ってくれた 太陽は「脱いじゃ駄目よ!」と言う 凛は「あちぇぼ、でりゅ!」と訴える 大空は「クーラー12度にしてみようかしら?」と言う 涙目で凛は「それらと、きょぎょえりゅ!」と訴えた わいわい楽しく食べる食事は美味しい 飛鳥井の兄達は何時だって笑っていた 御影は幸せそうな兄弟だな………と想いつつ 皆同い年で兄弟なんだよな? 両親は……男同士だったな??? だったらこの子達は何処の誰の子なんだ??? とやっと其処に考えが至った レイがお顔をカユカユすると、流生がサコッシュからウェットティッシュを取り出して拭いてやる そして薬を取り出すとヌリヌリしてやる 御影は流生と慎一は何処か似てるよな?と想う まさか親子なの?…………と、想った 夜 10時を過ぎた頃 烈は寝落ちした 竜馬は烈を抱き上げて寝室に連れて行く パジャマに着替えさせ布団を掛けると、皆の元に帰って来た 日付が変わる頃 クリストファーは還る事になった 帰宅前にクリスは兵藤に「シャルロットから正式な交際の申し入れがしたいとの事です!」と謂れ 兵藤は「はい、お受け致します!」と答えた クリスは「身分違いとか考えておいでもかも知れないが、王女が望むのであれば嫁がせる事は出来ると申しておる!心配せずに交際されるがよい!」と伝えた 兵藤は深々と頭を下げた クリスは「エミリアがあんなに【R&R】にご執心でファンだとは家族さえ知らなかったのだよ」とボヤく 兵藤は笑っていた クリスは【R&R】のメンバーや竜馬、兵藤を抱き締めて、神野達も抱き締め堂嶋を抱き締め、雪哉の頭を撫でて還って行った ヘンリーは「メンバーの部屋があるから晟雅達は泊まったら?」と言う 神野は「皆さんは?」と聞くと「僕等はイギリスにいるなら、家に還らないとねだから皆と還るよ!」と言いお迎えに来た車に乗って帰って行った 言葉に甘えてイーサンの部屋とサムエルの部屋を貸りた イーサンの部屋に神野と須賀が泊まり、サムエルの部屋に柘植と相賀が泊まった どちらの部屋も主寝室とサブの寝室があり、快適に泊まれる事となった ヘンリーの部屋に昨夜に続いて堂嶋と雪哉は泊まる 昼になったら雪哉は烈と共に帰国するのだ 堂嶋は「俺もそんなに長い間滞在する訳じゃないから………」と言う 雪哉は笑って「待ってるね、でもね今は烈ちゃんとかとお茶したりしててね、毎日淋しくないんだよ、だから大丈夫だから!」と言う 雪哉の健気さにやられてその夜、堂嶋が何時もより頑張ってしまったのは言うまでもなかった……… 昼を少し回った頃になると、烈は空港に行き一般の人に混じり飛行機に乗る 兄達もちっこいのもケントも慎一も隼人も雪哉も神野達も同じ飛行機に乗り帰国する 飛行機に乗ると烈は直ぐに寝てしまった レイも烈の横で寝て過ごしていた 御影は居た堪れない想いで一緒に飛行機に乗り倭の国へと逝く 慎一は飛行機に搭乗する前に、乗る飛行機の時間を知らせた そして烈の具合、等をラインで送信した 何事もなく飛行機は飛び立ち、倭の国へと還る 空港に到着すると税関を通り、諸々の雑務を終えて外に出る すると康太がバスを運転手ごとチャーターしてくれ迎えに来てくれていた バスに乗ると清隆や玲香も乗っていた 榊原は烈を見ると「久遠先生が連れて来いと言ってますから、病院へ行ってから帰りますね!」と言った 病院へ入り受付をして、烈の怪我の具合を診てもらう事にした その間に雪哉を自宅へと送って行く事にした 病院へ入って行くと、待合室に真矢と清四郎がいて「ばぁたん、じぃたん!」と声を掛けた 真矢と清四郎は振り返り、立ち上がると烈を抱き締めた 榊原は「何処か悪いのですか?」と問い掛けた すると清四郎は「飛鳥井の家族と離れたから……淋しくてね、ご飯を食べない日もあったから……二人して少し体調崩しちゃったんだよ」と言う 「今は何処に住んでるのですか?」 「今はねホテルに滞在しているんだよ でも体調悪い時は久遠先生の所へ来て見せると………約束したからね、所で烈は大丈夫なのかい? 真矢は気絶して………大変だったよ!」 清四郎が言うと榊原は「義母さんと京香が卒倒して倒れました!なので昨夜は診察受けたり大変でした…………」とゲッソリとした顔で言う 真矢は「やはりそうよね………愛する愛する孫が傷付くのは耐えられませんもの………」と泣いた 久遠がやって来て、烈を担ぎ上げると診察室に向かう 康太は「一緒に住みますか?」と問い掛けた 清四郎は「今 君達は何処に住んでるんだい?」と問い掛けた 榊原は「それは後で言います!何処に聞いてるヤツがいるか解りませんからね!」と返す 康太は「んとに……ボーガン好きだな………なら次はナイフか?んで次は突っ込んで来て、次はミサイルでも撃ち込む気か?何か使い回しのローテーションだな」とボヤいた 榊原は「嫌がらせの興味は倭の国のオーディションか、アメリカのオーディション、イベントの最中辺を狙っているんじゃないですか?」と言う 「まぁ何にしても対策考えねぇとな 烈の診察終えたら帰ろうぜ! 真矢さんと清四郎さんも一緒に逝こうぜ! 今はどうして受付にいるのよ?」 清四郎が「処方箋を貰う為に待っていたんです 処方箋が早ければ帰宅していました!」と言う 康太は「なら此処で逢う運命だったんだよ! って事で一緒に帰りましょう!」と言う 処方箋が烈の分も一緒に出されると、榊原は薬局に向かい薬を貰いに行った 薬を貰って戻ると烈も手当を終えて戻って来ていた 久遠は榊原を見ると「当分は消毒に通わせてくれ!烈は本当に皮膚が弱いからな、膿んだりするからな!」と注意事項を口にする 榊原は「解りました!」と答えた 「そして榊原の家族の面倒も見てやれ! 其の儘だと入院しねぇとならねぇ程弱ってるからな!」と注意した 「解ってます!それでは帰ります!」と言いバスへと戻った そしてバスは飛鳥井建設の前で停まると、家族は皆バスから降りた 烈が傷を負ったっと言う事で安曇が会社の近辺のパトロールを強化したと連絡を貰っていた その所為か、彷徨く人間はいなくて静かな雰囲気だった

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