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橘×雪哉 4
「5日後、俺ら久々のオフだろ?」
「えっ? あぁ、はい。そう、ですね……」
警戒していたのに、全く予想外の言葉が飛び出してきて、雪哉は一瞬反応が遅れた。
確かに次の休みは5日後だが、それがどうしたというのだろうか?
まさか5日間の禁欲生活的な?
でも、お仕置きだと言っていたし、橘の性格上そんな生優しい事するだろうか?
時々変なものを買ったりする事があるから、それを試す気だろうか。
そう言えば以前媚薬がどうなと言っていたけど、まさかそう言う……?
頭の中でぐるぐると思考を巡らせているとそれを察した橘が意地の悪い笑みを浮かべて顔を寄せてきた。
「お前今、スケベな妄想してただろ?」
「なっ!? ぼ、僕は別に何も……っ」
慌てふためく雪哉様子が面白かったのか、橘はくくっと喉を鳴らして笑うと、更に顔を近づけて耳元に唇を寄せてくる。
「スケベな雪哉くんの期待に応えてやりたいけど、今回はちょっと趣向を変えようと思ってるんだ」
「ちょっと!人聞きの悪い事サラリと言わないで下さい。僕は別に期待なんてしてませんよ!」
ムキになって反論するも、橘は素知らぬふりで話を続ける。
「はいはい、そういうのいいから。話を聞けって。休みまでちょうど5日あるしさ……。ポリネシアンセックスを試してみようと思うんだ」
「ぽり……、なんです?」
聞いたことの無い単語に首を傾げると、橘が少し得意気に口角を上げた。
「ま、簡単に言えば5日掛けてするセックスの事だよ。5日目は1時間程度やって終わりってやつ」
「へ、へぇ……? え?」
サラリととんでも無いことを言われた気がして、雪哉の口から間の抜けた声が洩れた。
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