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橘×雪哉 5
「あの、今なんて?」
「最初の4日は前戯のみで挿入はなし。5日目はクセになるくらい快感なんだってさ」
「へ、へぇ……。そ、それはまた……」
なんだか話がおかしな方向に進んでいる気がするが……。結局のところ長い焦らしプレイという事か。5日も焦らされたら自分はどうなってしまうのだろうか。
「興味あるだろ?」
「あ、あるわけ無いじゃないですか!」
反射的に否定してしまったが、本気で嫌がっていないことを見抜いているのだろう。橘が楽しげな表情で顔を覗き込んでくる。
こういう時の橘は本当に意地が悪い。
「つー事で早速脱げ」
「え? いやいや、なんで脱ぐ必要が!?」
「お仕置きだつったろ。いいから脱げよ。全部」
有無を言わさないその口調に、雪哉は小さくため息を吐いた。こうなった橘は何を言っても聞かない。逆らえばもっと無理難題を突き付けて来るのは経験上わかっているので、雪哉は渋々服を脱ぎ始めた。
自分の裸なんて毎日、四六時中一緒に居るのだから飽きるほど見ているはずだ。もう何度も肌を合わせているが、流石に灯りのついた状態で裸を見られるのは恥ずかしくて堪らない。
「あ、あの……せめて電気を消してくれませんか?」
「なんでだよ。暗かったら見えないだろうが」
「……ッだ、だってこんなの……恥ずかしいし……」
「恥ずかしがるお前の姿を眺めるのがいいんだよ」
「……悪趣味」
「いいからほら、早くしろよ」
ニヤついた顔で急かす橘に、雪哉は小さく舌打ちをした。
もうどうにでもなれと覚悟を決めて下着に手をかけると、一気に足首まで引き下ろす。
露になった下半身を橘の視線が舐め回すように見ているのを感じて、雪哉は頬を赤く染めた。
「……僕だけ脱ぐのはフェアじゃないです。せ、千澄さんも脱いでよ……」
自分だけ全裸になるのは流石に恥ずかしい。羞恥に震える声でそう告げると、橘は仕方がねぇなぁと呟きながらシャツを脱ぎ始めた。
無駄なく鍛え上げられた筋肉質な上半身に思わず目が釘付けになってしまう。
この身体に抱かれていると思うと、それだけで身体の奥が熱くなるのを感じた。
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