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橘×雪哉 昼 3

「お前、隠れて盗み聞きすんの趣味なのか?」 「ち、違いますっ! トイレに行こうと思ったらちょっとタイミングが悪かっただけで……」 結果的に盗み聞ぎしてしまうような形になってしまったが、そんなつもりは毛頭無かったし断じてわざとではないと言い訳を並べながら振り向くと意地の悪い笑みを浮かべた橘の顔があって、思わず言葉に詰まる。 「ふぅん? それにしても……クールで澄ました顔してんのに、頭ん中は今日帰ってヤる事しか考えてねぇって知ったらあの女どもどんな反応するかな」 耳に息を吹きかけるようにして囁かれ、鼓膜を震わせる声に身体の奥底から熱が湧き上がってくるようだった。 「……っ、そんなこと……っ」 「無いって言い切れるか?」 「っ、……五月蠅いですって!」 「ハハッ、いつものように馬鹿な事言うな、とか否定しないのかよ」 耳元で囁かれる度に腰が甘く痺れて堪らない。橘はニヤリと笑いながら腰を撫で回してきた。 その手付きに嫌でも昨日の事を思い出してしまい頬に朱が差す。 「っ……ちょ、こんな所で……っ」 「シッ。大きな声出すとそこの女どもにバレんぞ?」 だったら止めてくれればいいのに、と心の中で毒づきながら睨みつけるも橘は素知らぬふりで耳を甘噛みしてくる。 「っ、……ふ……っ」 そして、舌でねっとりと舐められると身体の力が抜けて膝が崩れそうになった。それを橘に支えられながら壁に背中を押し付けられ向き合うような形になって視線が絡む。

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