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和樹×透 2日目
翌日、午前中いっぱい水族館を満喫した一行は、ホテルの近くにあるビーチで海水浴を楽しんでいた。
各々水着に着替えて海へと繰り出し、はしゃぎ回る生徒達を少し離れた所から眺めていると、女子生徒に囲まれ楽しそうに水の掛け合いをして遊んでいる和樹の姿が目に止まった。
(……あんなにはしゃいで……ガキかよ)
普段もそうだが、旅行となると尚更テンションが上がるらしい。教師としての本分を忘れてはいないかと注意すべきかもしれないが、あの笑顔を見ているとそれも憚られる気がする。
昨夜は結局、本当にキスだけで終わってしまった。別に、期待していたわけでは無かったし、サカられても困るけれど、啄むようなキスだけと言うのは物足りない。
もっと深くて激しいキスがしたい。いつもみたいに全身で愛して欲しい。なんて考えてしまう自分がいる事に気付いて、透はぶんぶんと頭を振って邪な気持ちを振り払った。
一体自分は何を考えているんだ! 今は修学旅行の引率の真っ最中で、ただの旅行とはわけが違うというのに。そんな透の葛藤など露知らず、和樹はキャッキャと楽しそうに騒いでいる。その姿がまた無性に腹立たしい。
自分の恋人が若い女と戯れてるのを見るのは何となく面白くなくて、脇に置いてあったトロピカルジュースを掴むと一気に飲み干した。
「何だ、機嫌悪いなぁ。透センセ」
背後から声をかけられて振り返れば、そこにはアキラが立っていた。
どこで買って来たのか派手めのアロハシャツに短パン姿で、頭にはサングラスを載せている。
「お前は随分浮かれた格好してるじゃないか」
目を引く格好なのに、何故か様になっているのが憎らしい。
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