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和樹×透 2-7

「――たく、なんなんだよ。馬鹿……」 消灯後、点呼を終え部屋に戻って来た透は、薄暗い部屋の中枕に顔を埋めて一人呟いていた。 部屋に戻ると和樹はおらず、同僚数人と部屋飲みしてくるという旨のメッセージだけが残されていて、思わずため息が洩れる。 別に、飲むなとは言わないし同僚と仲良くするのはいい事なので、全然構わない。一緒に来るか?と部屋番号が書かれたメッセージが届いていたが、とてもそんな気分にはなれずに断った。 折角二人きりになれたというのに、なんだか置いてけぼりにされたような気持ちになり、寂しさを感じてしまう。  昨日から散々焦らされて、中途半端に火をつけられた身体は熱を持て余していて、モヤモヤする。 ふと見れば、夕方まで和樹が身に着けていたジャージが無造作にベッドに放り投げられていてハンガーにでも掛けてやるかと手に取った。 「……」 ふわり、と香る和樹の匂いにドキリとする。少し躊躇ったが、誰も見ていないし、と思い直してそろりと鼻先を押し付けた。 こんな変態みたいな事してるのバレたら絶対引かれると分かっていたが、一度触れてしまえばもう止められなかった。 (やばい……これ……和樹に包まれてるみたいで、なんか凄く……興奮する……っ) 和樹の匂いを嗅ぐだけで下腹部がきゅんきゅんと疼いて堪らない。 気付けばベッドの縁に腰掛け、ズボンの中に手を入れて下着越しに自分のモノに触れてしまっていた。 「はぁっ、ん……っ」 自分で触るのとは違う、和樹の手の動きを思い出しながら擦るとすぐにそこは勃ち上がって先走りを滲ませた。 くちゅっ、と水音が響いて、いけないと思うのに手が止まらなかった。

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