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和樹×透 4日目……?

「――」 「マッスー、ごめんってば。調子に乗り過ぎた。反省してるって!」 「知らん! くっついてくんな馬鹿っ!」 「マジで悪かったって。だから機嫌直してよぉ……」 情けない声を上げながら付いてくる和樹を無視して部屋を出る。 すると、青白い顔をした御年60歳オーバーコンビ。佐藤と山田が盛大な溜息を吐いている所に出くわした。 「なんだ?」 「さぁ? えっと、山田先生、佐藤先生。おはようございます! どうかしたんですか?」 和樹が声を掛けると二人はハッとして振り返った。そして一瞬だけ顔を見合わせると「二人は大丈夫でした!?」と、縋り付いて来る。 大丈夫、とは一体何の話だろうか? 意味が判らずキョトンとしていると、山田が「昨夜……出たんですよ……」と蚊の鳴くような声で言った。 「はぁ?」 「幽霊ですよ、ゆ・う・れ・い!! 僕達、この耳でしっかりと聞いたんです!!」 そう言う佐藤に山田もウンウンと頷く。 確かに今自分達が泊まっているホテルは築年数も結構経っては居る方だし、近くに戦死者の共同墓地があるので無いとは言い難い所だが。 「ふぁあ……んだよ、何の騒ぎ?」 重たい瞼を擦りながらやって来たアキラを見て、透と和樹は思わず顔を見合わせる。 「いやぁ、この二人がさ……」 「幽霊が居たって言うんだけど」 「幽霊?」 「本当に出たんですよ! 僕ら聞いちゃったんです!! 夜中にすすり泣くような声で、許して~……苦しい……って声」 「そうそう。なんか凄くガタガタ言ってたし……」 「へ、へぇ……」 (それって……) 透達は瞬時に悟ったが口には出さなかった。代わりに和樹が笑いを堪えるように肩を震わせている事に気付き、何か言う前に腹に肘鉄を食らわせてやる。

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