65 / 145
和樹×透 4日目?
「へぇ、そりゃまた随分と激しかったみたいだなぁ」
何かを察したらしい、アキラがニヤニヤと口角を上げながら透の肩に腕を掛ける。
「そうでしょう!? あれは絶対ポルターガイスト現象ですよ!!」
「……っ」
取り敢えず、隣の二人の耳が少し遠くてよかった。透は心の底からそう思った。
「いやぁ俺も聞きたかったなぁ。なぁ、透。お前もそう思うだろ?」
わざとらしくそんな事を言いながら、アキラが耳元で囁いてくる。
「……っ! 知るかっ!」
「お前も中々肝が据わってんなぁ、昨夜はそんなに盛り上がったんだ」
自分にしか聞こえない声でそう言ってくるアキラに、透はギロリと睨みを利かせる。
「……もう何も言うな」
あぁ、最悪だ。穴があったら入りたい。いや、今すぐこのまま埋まってしまいたい。
聞かれてしまっていたと思うと恥ずかしくて、居た堪れなくて仕方がない。
「アキラ……今晩泊めてくれないか」
「あ? 嫌だけど? まぁいいんじゃね? 一回聞かれてんなら2回も3回も同じだろ」
「いや、しないからな!?」
思わずツッコミを入れてしまってからハッとして口を噤む。
「マッス……」
「もうお前は何も言うな! それと残りの修学旅行中半径1メートル以内に近づくの禁止だからな!!」
「そ、そんなぁ~」
情けない声を上げる和樹にフンっと鼻を鳴らすと、透は足早にその場を後にした。
ともだちにシェアしよう!