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和樹×透 4日目?

「へぇ、そりゃまた随分と激しかったみたいだなぁ」 何かを察したらしい、アキラがニヤニヤと口角を上げながら透の肩に腕を掛ける。 「そうでしょう!? あれは絶対ポルターガイスト現象ですよ!!」 「……っ」 取り敢えず、隣の二人の耳が少し遠くてよかった。透は心の底からそう思った。 「いやぁ俺も聞きたかったなぁ。なぁ、透。お前もそう思うだろ?」 わざとらしくそんな事を言いながら、アキラが耳元で囁いてくる。 「……っ! 知るかっ!」 「お前も中々肝が据わってんなぁ、昨夜はそんなに盛り上がったんだ」 自分にしか聞こえない声でそう言ってくるアキラに、透はギロリと睨みを利かせる。 「……もう何も言うな」 あぁ、最悪だ。穴があったら入りたい。いや、今すぐこのまま埋まってしまいたい。 聞かれてしまっていたと思うと恥ずかしくて、居た堪れなくて仕方がない。 「アキラ……今晩泊めてくれないか」 「あ? 嫌だけど? まぁいいんじゃね? 一回聞かれてんなら2回も3回も同じだろ」 「いや、しないからな!?」 思わずツッコミを入れてしまってからハッとして口を噤む。 「マッス……」 「もうお前は何も言うな! それと残りの修学旅行中半径1メートル以内に近づくの禁止だからな!!」 「そ、そんなぁ~」 情けない声を上げる和樹にフンっと鼻を鳴らすと、透は足早にその場を後にした。

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