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アキラ×拓海 0-3

子供っぽいと自分でも思うが止められなかった。 もしかしたら自分ばかりが好きなんじゃないか? とか、もう飽きてしまったんじゃないだろうかと不安になる。勿論そんな事をアキラに言える筈もなく、膝を抱えて抱き締めたクッションに顔を埋め小さく息を吐く。 「たく……可愛いな。ハル……そんなに寂しかったのか?」 「べ、別に……そう言うわけじゃ、ないけど……っ」 「ハール?」 「ぅ……っ」 耳元で低い声が名を呼び、腰に来る重低音が鼓膜を震わせる。それだけで身体が熱を帯びてゾクっと背筋が震えた。 「ハル……顔見せて」 「……っ、やだ」 「やだって、なんでだよ」 アキラはそう言うと、クッションを取り上げて床へと放り投げる。あっと思う間もなくアキラに正面から抱きしめられた。 久しぶりのアキラの体温に、顔が一気に火照るのを感じる。 「俺は寂しかったけどなぁ。目の前でイチャラブカップル見せ付けられてさ、すっげぇハルに会いたくて堪らなかった」 「……嘘ばっか。オレへの連絡忘れてたくせに」 ボソリと呟けば、アキラが一瞬しまった。と言うような顔をしたが直ぐににやりと口角を上げた。 「なんだよ。やっぱ寂しかったんじゃないか」 「……っ、そうだよ! 悪いかよっ! ずっと待ってたんだからっ!」 思わずムキになって反論すれば、アキラが嬉しそうな表情を浮かべてぎゅうと強く抱きしめてくる。

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