アキラが仕事に行っている頃、拓海は家事を終えてソファに寝そべりながら動画配信を見て時間を潰していた。 特に見たいモノがあったわけでは無いが、広告を避けながら何気なく眺めていると、気になるタイトルが付けられたサムネイルを見付けた。 『噂のポリネシアン〇〇〇を試してみたら凄かった』と言ういかにもなタイトルの動画だ。 （ポリネシアンって何だろ？） 興味本位でタップすると、画面いっぱいに肌色の映像が流れ始めた。 「うわっ」 突然の出来事に驚いて、拓海は反射的にスマホを放り投げる。 「ななな、なんでいきなりこんな……っ」 バクバクと心臓が脈打ち、拓海は動揺したまま落ちたスマホを拾い上げた。 「えーっと、つまりこれはアレだよ。エロ動画ってやつだ」 エロ動画とはモザイク越しとは言え、生々しい男女の営みの様子が映し出されている。その事に気が付いて、拓海の頬が一気に紅潮した。 何だかとんでもない物を開いてしまった。と慌てて閉じようとしたのだが、ついつい続きが気になって再生ボタンを押してしまった。 画面に映る女性の姿は刺激的すぎて直視できない。だがそれでも好奇心の方が勝ってしまい、拓海は薄目を開けてチラッチラッと何度もその場面を繰り返し追ってしまう。 「――っ、はー……なんか、……凄く……」 気持ちが良さそうに思えて、ごくっと唾を飲み込む。 拓海の頭の中に浮かんでいるのは勿論アキラの事で……。 「…………っ」 気が付けば画面に目が釘付けになってしまっていた。