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アキラ×拓海 1-2
「――なに見てるんだ?」
「え、うわっあッ!!」
しまった。と思った時には既に遅かった。集中しすぎてアキラが戻って来たことにも気付かないなんて一生の不覚。しかも、最悪な事に驚きすぎて自分の手からスマホが滑り落ちるという失態まで犯してしまっていた。
「おいおい、驚きすぎじゃね? なんだよ、エッチな動画でも見て…………」
「あっ、わっ、ち、ちがっ! アキラっ、コレは違っ!!」
自分が拾うよりも早く、アキラにスマホを拾われてしまい、必死に取り繕おうと慌てふためく。
だがそんな事をしても無駄だった。アキラがスマホをタップすれば途端に大音量であられもない声が部屋中に響く。
「ち、ちょぉっ! わざわざ音量上げなくてもいいじゃん!」
取り返そうとソファに乗ってアキラに飛びつくが身長差があってスマホ迄手が届かない。
顔を真っ赤にして唸りながら取り返そうとしているうちに、アキラがフッと笑って動画を止め、サムネイルを見てふぅんと呟くとスマホを投げて寄越した。
「ポリネシアン……? へぇ、こんなのに興味があったのか。ハル」
ニヤリと意味ありげに口角を上げたアキラに、拓海は恥ずかしさと居た堪れなさで消え入りたくなった。
「へぇ、いやぁ丁度良かった。そっかそっか、提案する暇が省けたわ」
「……っ、へ?」
てっきり、からかわれるものだとばかり思っていたのに、予想に反した切り返しを受けて拓海がきょとんとする。
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