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アキラ×拓海 2-3

「ふぅん。じゃぁもう少し堪能しようかな」 「っ、ぁ……ん、ん」 意地悪く笑いながらアキラの熱い手の平が尖った胸元のギリギリのラインを掠めるようにして撫でる。触れそうで触って貰えない感覚が酷くもどかしい。むず痒くて拓海は身悶えたくなった。 しかし、無意識に揺れてしまう身体を誤魔化す為に唇を噛み締め耐えていると、背後でクツクツと笑い声が聞こえる。 どうしたのかと振り返ると、ニヤニヤと意地の悪そうな顔を浮かべたアキラがいた。 「……なんだよ……」 「なんでもないさ。ただ……、可愛くてエロいなって思っただけだよ」 「!?」 顔が一瞬にして火照る。羞恥に瞳を潤ませながらアキラを睨み付けると、その表情に興奮したようにアキラの喉が鳴った。 「可愛い……なぁ、もっと見せてくれよ」 「え、なにを……んんっ」 問い掛け終わるよりも先に、拓海の唇が塞がれた。 「……っ、ぁ……ン……っ」 直ぐに熱い舌が潜り込んで来るかと思ったのに、ちゅ、ちゅっと啄むようなキスが何度も唇に触れてもどかしくて仕方がない。 無意識のうちに自分から舌を差し入れようとしてしまうが、アキラの指に邪魔されてそれは叶わなかった。 「だーめ。今夜はそう言うのは無し。な?」 そう言って、困ったように笑うアキラの目はギラギラとしていて、まるで獲物を前にした肉食獣のようだと拓海は思った。 そんな目をしている癖に、触れるだけだなんて言ってる事と感情が矛盾している気がする。 「……ッそんな目で見るなよ……」 「ハハッ、うちの可愛い嫁さんは激しいキスがご所望だったかな?」 「ぅ……馬鹿っ! もーしらねっ!」 何とも居た堪れない気持ちになって、拓海はアキラを押し返すと脱兎のごとく寝室へと駆け込んだ。 どうせ共有の寝室だから、意味は無いのはわかっているけど、今は一人になりたかったのだ。 ベッドにダイブして枕に顔を押し付ける。 「……くそっ、アキラの奴……あんなの生殺しだっつの」 アキラの思惑通りなのは悔しいけれど、身体は正直だ。 拓海はズキズキと痛いくらいに主張してくる下腹部に視線を落とした。 「あぁもうっ! オレのバカ野郎!!」 拓海は思わず叫ぶと枕を掴んで頭から被り、そのまま暫く動けずにいた。

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