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アキラ×拓海 4日目 夜 13
「……ハル?」
気が付くとアキラが心配そうに覗き込んでいた。
「大丈夫か? ごめんな。ちょっと無理させたかも」
そう言って優しく頭を撫でてくれるから嬉しくなってしまう。思わず擦り寄るように頬を寄せればギュッと抱き寄せられる。肌に触れる素肌の感触に思わず笑みを浮かべた。
「ううん……」
そう言って微笑めばアキラはホッとしたように顔を綻ばせた。
「良かった。ハルが嫌がることはしたくないから……」
「別に……嫌がってない」
むしろもっとしたいくらいなのだが、そんな事はとてもじゃないが恥ずかしくて言えない。
拓海は誤魔化すようにアキラの胸に顔を埋めた。トクントクンと規則正しい鼓動を聞きながら、拓海の心は幸福感で満たされていく。
「アキラ……」
「何?」
「……好き」
そう言って腕を伸ばしてぎゅっと首に巻きつけば、アキラも同じように背中に手を回してくれる。
「っ……」
返事が無く、どうしてしまったのかと不思議に思って見上げてみると、アキラは真っ赤になって固まっていた。
「……アキラ?」
「……ッ、不意打ちはヤバいって」
「え? な、なに?」
よく聞こえなくて聞き返せば、アキラは苦笑いしながら拓海を抱き寄せた。
そして優しく髪を掻き上げると、露わになった額にチュッとキスを落とした。
それが何だかくすぐったいけれど、すごく幸せな気分になる。
そしてどちらからともなくクスクスと笑い合った後で、二人はもう一度唇を重ねた―――。
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