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バトンタッチ ☆
「――と、言うわけでさ。あの後なんかハルが嵌っちゃって今二回目でさぁ……」
数日後、いつもの3人で飲んでいるとほろ酔い気分でアキラがそんな事を言ってきたので透は何とも複雑な気持ちになってしまった。
しかしそれは和樹も同じだったようで、話を聞きながら引きつった表情を浮かべている。
「アキラセンセー、それって俺らに話しちゃってもいいやつなのか? 拓海が知ったら超キレそうなんだけど」
アキラの向かいに座っていた和樹がそう尋ねれば、隣に座っている透が肩に手を置いてウンウンと何度も同意するように大きくうなずく。
いくら今は同僚のパートナーだとしても性生活を露骨に聞かされるのはやはり抵抗があるし、自分の知らない所で和樹がそんな事を言っていたら速攻でお仕置きが必要なレベルだろう。
だが当の本人はきょとんとしていて全く気にしていないようだ。
「って言うか、よく二回目もする気になったな……」
「俺、マッスーがエロすぎてそんなに我慢できる自信な――ぐふっ」
うっかりトンデモ発言をしそうな和樹の腹に肘鉄をかまし、黙らせてからビールを煽る。
「あらあら、なんだか面白そうな話してるわねぇ。アタシにも詳しく聞かせてちょうだいよ」
このバーのマスターであるナオミが、一通りの接客を終えて食い気味に会話に混ざって来た。今日も相変わらず男か女かわからない格好をしている。
「ポリネシアンが何とかって聞こえたんだけど、それって噂のアレの事よね? 透ちゃん達が失敗したって言う……」
ドキリとした。まさかいきなり自分の名前が出てくるとは思いもしなかったのだ。チラリと和樹に視線を移せば、明らかに様子がおかしい。
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