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瀬名×理人 3日目 夜 4

「この、酔っぱらい! 人の気も知らないで……」 力が抜けてくったりと身を預けてくる理人の腰を抱き寄せ、瀬名が忌々しげに吐き捨てる。 「もう、今日は何なんですか……襲って欲しいんですか?」 「…………別に……」 ふいっと視線を逸らして誤魔化すが、その行動は肯定しているようなものだ。 「……自分から後2日我慢とか言っといて……散々煽るし……。帰ったら覚悟してくださいよ?」 頭を引き寄せて耳の中に直接注ぎ込むように低く甘い声音で告げられ、理人はゾクゾクとした快感が駆け抜けるのを感じた。 「……なにヤる気になってんだ」 「据え膳食わねば男の恥ですしね。煽った責任は取ってもらいますから」 耳元に響く色を滲ませた声色に期待するように腹の奥がきゅんっと疼いて理人はもう何も言えなくなった。 ただ黙って、早くタクシーが家に辿り着くことを祈るしかなかった。 数分後、タクシーを降りた二人はお互いにソワソワ落ち着かない気持ちでエレベーターを待ち、部屋に入るなり貪るようにキスを交わした。 玄関先で靴を脱ぐ暇も惜しいとばかりに口付けて、性急に服を剥ぎ取る。 壁に押し付けられた状態のまま背中に腕を回してキスを強請ると、瀬名が応えるように舌を絡ませてくる。 口内に侵入され歯列をなぞられると、ぞくりと体が震える。舌を吸われ、軽く噛まれるとそれだけでもう堪らない。 「ンッ、ふぁ……ぁ、瀬、な……」 密着した腹のあたりに感じる熱が瀬名も興奮していることを伝えてきて、理人はそれだけで達してしまいそうになる。

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