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後日談

「――で? あの後どうなったの? やっぱり理人が襲っちゃった?」 数日後、再びナオミの店に出向いた理人達だったが、酒を差し出すなりニヤついた顔で言われて、カウンターの椅子から転げ落ちそうになった。 「っ! 襲ってねぇよ馬鹿っ!」 ひったくるようにして酒を受け取り一気飲みすると、空になったグラスをテーブルに叩きつける。 「んふふ、誤魔化したって無駄よ。アンタの顔にえっちしたーいって書いてあったんだから」 「んなわけあるか! 適当な事言うな!」 「えぇ~でもぉ……こないだ来た時とは別人みたいに幸せオーラ全開だしぃ。何か良い事でもあったのかしらと思って」 「…………」 図星を突かれて押し黙る。グラスを拭きながらにんまりとした笑みを浮かべるナオミを見て、理人は舌打ちをした。 「…………別に」 「ぶふっ」 「おい瀬名っ! てめっ笑うんじゃねぇよクソがッ」 隣でナオミとのやり取りを聞いていた瀬名が堪えきれずに噴き出したのを見て、理人は顔を真っ赤にして怒鳴る。 キッと睨み付けてみても効果は薄く、それどころかニヤニヤと笑いながらこちらを見て来るのが気に食わない。 ムッとした顔をした理人の視線に気付いたのか瀬名は困ったように頬を掻くと理人の肩を抱き寄せ、宥めるように頭を撫でて来た。 「ごめんなさい理人さん。理人さんがあまりにも可愛い反応するものだから」 「目、腐ってるんじゃないか? 一度眼科行って来いよ」 「ははっ、酷いなぁ」 本当にコイツは……っ。絶対に悪いなんて思って無いだろう。 全く反省の色を見せない瀬名の態度に思わず眉間に深い皺が寄る。

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