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後日談 6

「そんな警戒するなよ。別に今更君達をどうこうしようなんて思ってないさ。今日はたまたまナギがどうしてもって言うから来ただけで……」 「ナギ?」 そう言えば、さっき店に入って来た青年もナギと呼ばれていたような気がする。 瀬名は怪しげに眉根を寄せると、何かを探るようにジッと蓮を見つめた。 そんな彼の様子に、蓮は困ったように肩をすくめる。 「本当に偶然なんだって。君達がここに居るなんて知らなかったよ」 嘘くさい笑顔を浮かべる男の言葉を信じるべきか否か、二人は互いに目配せをして黙り込む。 すると店の中から先ほどの青年がひょっこりと顔を覗かせ、蓮を見て不満げに唇を尖らせた。 「もー、いきなり電話切るなんて酷く無い? って、なに、どうしたのお兄さん……」 「ナギ! ごめん。 ちょっと昔の知り合いに会っちゃって驚いてうっかり電話切っちゃったんだ」 「昔の……? へぇ、そうなんだ……」 ナギと呼ばれた青年は少しだけ不思議そうに首を傾げ、ちらりと理人達に視線を投げて寄越す。 「あ……さっきの……」 「……」 さっき店ですれ違った事を思い出したのか、不躾にジロジロと無遠慮な視線を向ける彼に理人は思わずムッとして睨み返した。 一体何なんだと不快感を露にすれば、それを遮るように蓮が間に割って入る。 「ちょ、ナギ。何やってるんだ、遅くなったことは謝るから……。行こう」 「ねぇ、紹介してくれないの? お兄さんの知り合いなんでしょう?」 「……っあ、ぁあ。えっと……」 何か不都合でもあるのかと言わんばかりに戸惑って、チラリと蓮が視線を向けて来るので、仕方なく理人は口を開いた。 「鬼塚です。御堂さんとは高校の知り合いで……こっちは俺のツレだ」 「瀬名です。よろしく」 「……高校?」 なにがそんなに引っかかったのかはわからないが、ナギと呼ばれた青年が理人の顔をジッと見て、それから蓮と理人を交互に見比べた。

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