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第3話
「顔色が悪い。具合が良くないのか」
僕の顔を覗き込み、不機嫌そうに眉間に皺を寄せる陛下
驚き言葉が出ない僕の代わりに、陛下の訪問を知らされ駆けつけて来たらしい主治医のゴート医師が答えた
「近頃御子様が胃を蹴り上げられるため、食事を戻されることが増えました。また、それを懸念され少しばかり食事量が減っております」
「何故報告しない」
「栄養は充分摂ることができておりますし、体調の変化もありません故。ご報告遅れたことお詫び申し上げます」
「次はない」
冷や汗を垂らしながら答えるゴート医師を一瞥すると、陛下はそう冷たく吐き捨てた
「痛むのか」
「…え、」
「蹴られるのだろう」
「あ、はい。ですが、元気に育っている証拠ですから」
「…滋養をつけろ。エリオ、時間だ。帰るぞ」
僕の言葉にあまり納得いかないようで暫し口を閉ざした陛下は、僕に一言告げてからエリオに声を掛け促した
エリオは陛下の言葉に、僕の服の裾を握りしめていた手にぎゅうっと力を込める
顔を覗き込むと目の縁にいっぱいの涙を溜めていた
息子のそんな姿に応えてやらない親が何処にいる
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