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第4話
「陛下、今日だけエリオを預けては頂けませんか」
エリオを抱きしめ涙を拭ってやってから、陛下に向き合い告げた
周りの者は息を呑み、陛下の動向を探っている
「今日だけでいいのです。お願い致します」
「止めろ」
膝をつき、両手をついて頭を下げようとすると腕を掴まれ立たされる
勢いにふらつき体制を崩したが、陛下の胸に簡単に抱き留められた
「申し訳ございません」
慌てて離れようとすると腰に腕が回り離れられなくなる
驚いて陛下の顔を見上げると陛下もじっと僕を見つめていた
「ゴート、ティトを後宮に連れて行くのと此処に泊まるのとではどちらが良い」
「は、は!妊娠中である為、馬車に乗るのは避けた方が良いかと。また環境の変化もストレスになることがあります故。こちらで泊まられるのが最善と思われます」
「良し。マルコに伝えてこい、エリオと私はここに泊まる」
ゴート医師の言葉に少し考える仕草をした陛下が下した言葉に屋敷にいた全員が固まった
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