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第9話
その日も前回の泊まりと同じように楽しく過ごした
前回と違うのはエリオが甘え続けることも癇癪を起こすこともなかったことだ
息子の成長に喜びを感じると共に、少し切なさも感じた
唯一以前と同じように強請られた寝かしつけをしてやると、エリオは僕と話をしているうちにウトウトと微睡み始めゆっくりと眠りについた
その姿を見て僕も少し眠気を感じ欠伸をすると陛下の動く気配
今回もエリオを寝台まで運ぶと、そのまま僕の隣に寝転ぶ陛下
抱き込まれ陛下の手が腹を撫でると、内側から反応が
陛下が驚いたように固まったのを背後に感じる
「ふふ、前回は寝ていたのか蹴り返しませんでしたね。元気いっぱいで、たまに痛いんです」
ぐにぐにと内側から蹴り上げてくる赤児の足を外から撫でてやる
痛みを感じる時もあるが成長した喜びに掻き消され、ついつい触れてしまう
「…そうか」
陛下は静かに呟くとまた腹を撫でさする
時折赤児が返事をするように蹴り返し
そんな姿を見ているうちに、いつしか僕の瞼は落ちていった
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