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第10話

「ティト様、しっかり!」 「あと少しです!」 痛みで意識が朦朧となりながらも必死に踏ん張る エリオの時は初産なこともあり、なかなか出てきてくれなかったがこの子はそろそろ出てきてくれそうだ 何度目か息んだ時に、ずるりと出て行く感覚がしてそれと同時に元気な泣き声が響き渡った 「わあ、可愛い!」 「優しく触れてあげてね」 エリオが目をキラキラさせながら赤ん坊を見つめる 恐る恐る指先で触れる姿が可愛くて仕方がなかった 「ティト、よくやった」 「身に余る光栄で御座います」 赤ん坊が産まれたことが伝わったようでエリオを連れて陛下がやってきた 陛下はすぐに赤ん坊を抱いてくれて、名前まで授けてくれた 第二皇子のテオ 僕と同じ髪と瞳の色、陛下とエリオと同じ肌の色を持った男の子だった

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