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第11話

その日は長居することなく二人は帰っていった それからしばらくは母子共に安静に、と言うことでエリオの訪問は許可されず 少し寂しく思いながらもテオとの時間を楽しんだ 胎にいる時から活発だったテオ 産まれてからもそれはそれは元気で よく食べよく泣き、なかなか寝ない子だった 痛いほど乳を吸って腹一杯になった筈なのに いくら寝かしつけてもテオは寝ない 唯一乳を咥えながらなら眠ったので、テオを潰さないよう気をつけ共に眠った 寝ながらも乳を吸うテオはすくすくと成長して3ヶ月前には首が座り驚かされた この頃にはエリオがまた遊びにくるようになり エリオは弟であるテオをとても可愛がってくれた 「テオ!こっち!」 「にに」 テオは成長が早い子のようで、八ヶ月頃には歩き始め一歳半になる現在では逃げるエリオをひたすら追いかけ回して楽しそうに遊んでいる 初めに話した言葉は何とにに、と言うエリオへの呼び方で 兄弟の仲の良さに喜びを感じると共に自身の名でないことへの悔しさを少しばかり感じたものだった 「ティト様」 二人を見つめていると変わらずエリオの護衛をしているギルバートに声を掛けられる 「陛下より、今夜準備をと」 その言葉に気持ちが沈んだ テオとの別れも近づいている

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