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第15話
「うむ、ご懐妊ですな。三人目とは言え、出産は命懸けで御座います。無理せず、安静に」
「はい」
ゴート医師に診察を受けた結果妊娠していることがわかった
まだ膨れていない腹を撫でる
自分の子が増えるのは嬉しいことだ
けれど、
「よくやった」
「…有難いお言葉で御座います」
「テオは今月には連れて行く。エリオにもしばらく近づかぬよう伝えよう」
「っ、陛下」
「何だ」
陛下の言葉に思わず陛下に縋り付く
必死な僕の姿を見て陛下が少し驚いた顔を見せた
「ふ、二人とはいつからお会いできますか」
「お前が安定期に入ってからだ」
「そ、んな」
安定期は五月も先だ
それまで二人に会えないなんて
「テ、テオは僕の乳で育ちました。今も夜中に飲んでおります。急に乳離れなど、」
「本来皇族は乳母が育てる。母親の乳で育つのは稀だ。お前がテオは自分の乳で育てたいと言うから許したが、エリオと同じようにテオも後宮で育てることは知っていただろう。何を渋る」
そう言う陛下の表情は険しい
僕が我儘を言うから、怒らせてしまっている
それでも、
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