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第16話
「っ、ではこの子は僕に育てさせて下さいませ」
「何を」
「皇子が二人おります、この子は三人目です。三人目の皇子ならば後継になる可能性は低いと聞きました。それに、皇后様がご懐妊されればエリオとテオも後継にはならないのですよね。そしたら二人は僕の元に、」
「ティト」
僕の言葉を遮って陛下に声を掛けられる
ああ、やってしまった
ずっと堪えていたものが
一度口にしてしまうと止まらなかった
「ティトは子ども達と暮らしたいのか」
「っ、え」
叱られると思い身を固くしていたが陛下の声はとても穏やかだった
驚いて顔を上げると先程の険しさはなく、澄んだ目で見つめられていた
「そうか。うむ、わかった。テオは三歳まではここで育てて良い。ただし三つになったら教育を受けさせないといけない。エリオと同じようにここには通うこととなる」
「…」
「エリオは既に教育を始めている。ここに戻すことは難しい。エリオの希望と授業の進み具合でここに寄らせることにする」
「…は、」
「この国の皇位継承者は五番目の皇子までとなる。その子が皇子の場合、テオと同じ待遇となるだろう。だが皇女の場合はお前が育ててもよい」
「…お、」
「何だ」
「おこら、ないのですか」
陛下の言葉は僕に都合が良すぎて
耳には入ってくるのに頭で理解するのに時間がかかった
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