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第23話

「ほら、飯だ」 「…」 「胎に子どもがいるんだろう、食わなきゃ共倒れだぞ。毒は入ってない、ほら」 男は僕に手渡した粥を一口食べ、安全性を示してから僕に勧める 腹の子のことを考えると食べないわけにもいかず、渋々口をつけた 「皇帝と恋仲なのか?」 「そんな訳がない」 「その腹の子も、部屋にいた子も皇帝の子だろう。何故、」 「陛下が望まれたから」 僕の返答に男は目を見開き、言葉を無くしていた 「…お前は何者だ」 「ただの踊り子」 「…はは、宴の余興に来た踊り子に惚れ込んだ訳か」

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