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第26話

「ティト!踏ん張れ!」 息む僕の隣でルキーノが半泣きになりながら声を掛けてくる 僕は痛みでそれどころではなくて、医師や看護師の声に合わせて力を入れても子どもはなかなか出てこない 昼頃に産気づいて病院に担ぎ込まれた僕が病室から出たのは次の日の夕暮れだった 「いやあ、経産婦って聞いていたのになかなか出てこなくて焦ったよ。切ろうかどうしようか悩んだけど、切らなくて正解だったね。余程ママのお腹の居心地がよかったんだね」 疲れ切って寝台で横になる僕の元に赤児を連れてきた医師がほっとした様に笑い、僕の胸に赤児を下ろした 赤ん坊を抱いてやる 「元気な男の子だよ、おめでとう」 陛下によく似た、第三皇子の誕生だった

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