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第28話

ルキーノが寝ついた頃、僕は赤ん坊を連れて小屋を出た 赤ん坊にはたっぷり乳をやったので気持ちよさそうに寝息を立てている スヤスヤと眠る赤ん坊の頬を一撫でし、山の方へ足を向けた 山の生き物も眠っているのか静かで、ある程度進んだところで疲れを感じ丁度いい切り株に腰を下ろす 赤ん坊はまだ眠っていて、寒くないよう布をかけ直し抱きしめながら僕も少し眠りについた 目を開けると山の中が騒がしい 眠る前は感じなかった人の気配がする それも大勢の気配 慌てて立ち上がり足を進めるが、運悪く腹を空かせて目を覚ました赤ん坊が大声で泣き出した 乳をあげる余裕などなく、必死にあやしながら進んでいくが泣き声は止まない 追っ手が泣き声を頼りにこちらに向かってきているのがわかる 「ティト!」 「っ、」 後ろから聞こえた声に必死に動かしていた足を止め振り返ってしまった 少し離れているが、目の前に陛下が立っている 彼らと別れて約一年 髪が伸びて、少しばかり痩せた様に見える 足が無意識に陛下の方に一歩踏み出したところで激しさを増した赤ん坊の泣き声にハッとさせられた 慌てて逆方向に足を進めると陛下も後を追いかけてくる 捕まったらこの子は

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