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第31話

陛下に告げられた話は寝耳に水だった なんと陛下はエリオの出産にもテオの出産にも立ち会ってくれていたと どちらも僕の意識が朦朧とした時に到着したらしく、僕は全く記憶に残っていなかったのだ 「そんな、」 「出産は命懸けという。記憶がないのも仕方がないが、あいつだけ覚えられているというのは癪だな」 陛下は僕を強く抱きしめると拗ねた様にそう言った そんな陛下が可愛らしく見えて 思わず背伸びをして唇を合わせてしまった 目を丸めて固まる陛下 不敬なことをしてしまったかと離れようとすると、顎を取られ力強く唇が合わさった すぐに唇の合わせから舌が入り込み、ねっとりと口内を嬲られ舌と舌とが絡みつく 長い長い口づけは僕の息が足りなくなるまで続いた 「何から話せば良いか」 あの後エリオとテオに早く会いたくて落ち着きのない僕を見かねて、陛下はすぐに馬車を出してくれた その馬車の中で陛下はことの顛末を話してくれた まず驚くことに、僕がルキーノには攫われたのは陛下の計画だったらしい

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