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第34話

皇后にはすぐに情報が回り、踊り子の暗殺計画が進められた そこまでは予想できていたが、予想外だったのはそこからだった 踊り子の暗殺を持ちかけられた暗殺者が皇帝にその話を流したのだ そこから皇帝と暗殺者の計画が始まる 暗殺者は踊り子を攫い、皇后や皇太后に気づかれないところで踊り子を匿う 踊り子は殺したと皇后に報告した上で それから皇帝は皇后と皇太后の失脚のためひっそり動いた 皇后はネタがゴロゴロ溢れてきたが、皇太后はそうはいかない 悪事は全て人の手で行なっており証拠が集まらなかった 母親を恋しがって泣く二人の皇子をあやす夜、失脚は皇后だけでもよいのではと何度も心が折れそうになった 離れたところで踊り子が第三皇子を一人産み落とし、それに立ち会えなかったことを知り、諦めて迎えに行こうかとも思った だが、皇太后は踊り子を孕み腹としか思っていない 皇太后がいれば踊り子はきっと、辛い思いをするだろう 皇帝が皇后と皇太后を失脚できたのは踊り子と離れてからなんと十一ヶ月も経ってからだった

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