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第36話
「私が愛を囁けば、お前は無理にでも私に応えると思った。体は縛り付けてしまっても、心だけは自由でいてほしかった」
「そんなの、勝手です」
「そうだ、私は自分勝手で醜悪な男なんだ。皇后と皇太后と何ら変わらない」
「陛下」
「うん」
「僕は陛下を愛しています」
「は、」
「貴方のような勝手な男を、愛してしまったのです」
陛下は顔をくしゃりと歪ませると僕を抱き込み咽び泣いた
痛いほどの抱擁に僕は胸が熱くなって
陛下の体をゆっくり抱き返した
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