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最終話

「は、母上ー!」 「母上!」 子どもの成長は早い 離れている間にすっかり大きくなってしまった二人の息子が、変わらない泣き顔を見せて駆け寄ってくる 僕も涙が止まらないまま両手を広げて待ってやると、二つの温もりが胸に飛び込んできた あの後馬車が向かったのは屋敷ではなく後宮で 初めて訪れた豪奢な場所に少し尻込みしていたが 陛下にエスコートされ案内された部屋で息子たちに会ってからは全て気にならなくなった ひとしきり泣いて再開を果たしてから母の側を離れようとしない二人の息子に挟まれ、家族水入らずでおやつを食べるうちに二人は次第に落ち着いてきて 今では僕から離れ、陛下の腕に抱かれた赤ん坊に興味津々だ 「うわあ、小さいですね」 「テオの弟?」 「そう。テオはお兄ちゃんになったんだ」 「「名前は?」」 二人のキラキラした目が見つめてくる そろそろ腹が減ったようでふえふえと泣き始める赤ん坊を陛下から受け取り、乳を食ませてから応えてやる 「この子の名前はね、マッテオだよ」

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