24 / 50

第24話

「…も、出そう…」 「良いよ…出して」 「手、離して…」 「…離したくない」 そう小さく呟いた弘は、少し興奮気味に喉を鳴らした。 握っている手の動きを徐々に早め、快楽の頂点まで一気に追い詰めようとする。 この状況で今更ながら、男の手の中で果てることに抵抗を感じてしまった。 堪らなくなって、動かしている弘の腕を両手で掴んでも、やはり手を離そうとはしない。 「離せ…離せって……」 「だめ、離さない」 くそ、この野郎。 優しくするのかしないのか、どっちなんだ。 次第に顔が険しくなって来る。 「手、手が、汚れる…から…」 「大丈夫。もう汚れてる。嫌?」 「嫌…だ…」 「嫌じゃないよ、嫌がってないもん」 じゃあなんで聞くんだよ。 ほら、と言いながら、わざと湿った音を響かせるように手を動かしてくる。 反射で腰が浮いてしまう。 限界だった。 掴んでいた弘の腕を握る手に、力がこもる。 筋肉の凹凸が浮き上がる程に息を詰め、思い切り脱力した。

ともだちにシェアしよう!