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第33話

しばらくの間、乾いた吐息だけが部屋の中に響いた。 何度も行き来した場所が、ジンジンと痺れてきている。 ゆっくりと引き出されていく摩擦の方が、入れられるより幾分心穏やかでいられた。 それに気づいたのか、弘が俺のものを握って柔らかく撫で上げる。 この刺激にはどうしても、力が入ってしまう。 「大丈夫?」 「…なんとか」 「慣れてきた?」 「…出ていく、時が……」 「こっちの方が、好きみたいだね」 言っているそばから、入れられているものがゆっくりと 引き出されていく。 両膝が、大きく震える。 内腿で弘の胴体を挟み込むと、再び弘が身体を押し進めてきた。 次第に、戸惑う余裕すらなくなってきた。 少しずつ思考が快楽に引っ張られていく。 同じ場所を刺激され続けることに、身体が従っていってしまう。 摩擦された部分が、波打つように痙攣し始めた。 弘が小さく息を吐く。

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