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第37話

「…途中から、ワケ、分からなくなって…ヤバかった」 天井に視線を移しながら呟くと、 目を細めて、ふふ、と笑われた。 弘は身体を浮かせると、密着していた腰をゆっくりと離していった。 欲望を吐き溜めたものが、ずるりと引き抜かれていく。 何故か少し、安心した。 自分の腹には、自分が吐き出した体液が飛び散っている。 男を相手に二度も果ててしまったことが、いまだに信じられない。 左の手の甲で額を拭うと、手の甲が汗でぐっしょりと湿った。 身体中の力が抜けて、心地良いひと時が訪れる。 手の甲の汗を見つめていると、その手を顔の横にずらされ、再び弘が唇を重ねてきた。 この男は、キスが好きなんだろうか。 気がつけば口を塞がれている気がする。 先ほどとは違いすっかり熱くなった舌を、ゆっくりと割り入れられた。 濃厚な絡み合いに持ち込まれるも、反応する力は残されていない。 「…少し、休憩しても、良いですか」 「うん。お風呂沸かして来る。寝てて」 頭をぽん、と優しく叩かれ、弘は身体を起こしてそのまま部屋の入り口近くのバスルームに向かった。

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