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R18★俺を抱いて、先輩【涼視点】

数日ぶりに会った塁斗は、ふらついた足取りで玄関のドアを開けてくれた。 「ポカリとか買ってきたけど要る?風邪とかとは違うし、何が欲しいのかわかんなかったから……」 「ありがとうございます。助かります」 たった一本のペットボトルを持たせるのも忍びなく、それは俺が持ったままに塁斗の自室に向かう。 塁斗はベッドにもたれ、くたりと座り込む。理性を破壊してきかねないフェロモン、そして心身ともに弱りきって無防備な塁斗の姿。何もかもから意識を逸らすように、少し離れて床に腰を下ろす。 「せんぱい……すみません、せっかくのオフなのに急に呼んで」 「いいよ。久しぶりに塁斗の顔見られて……まぁその感じじゃ安心はできてないけど、とりあえず会えて良かった」 仮に塁斗の気持ちが藤沢に向いていたとしても、それでも俺は塁斗のことが好きだし心配だし、できる限り彼の身体も、そしてその夢も守ってやりたい。塁斗をこの夏のマウンドで輝かせる、それが俺の使命だ。 「そんで、LINE見たけど俺に何か頼み事あるの?」 「あ、はい……でも、やっぱ迷惑かもしれないなって思ってきちゃって……」 塁斗の返答は歯切れが悪かった。 「多少のムチャぶりなら聞くからさ、言ってみろよ。俺ら、ずっと一緒にやってきた仲じゃん。野球辞めそうな塁斗を止めたのも俺だし、俺はおまえがいるから野球が楽しいって、何度も言ってんじゃん」 塁斗への劣情はひた隠しにして、いちばんの理解者で頼れる先輩を演じる。藤沢でも他の誰でもなく、俺を呼びつけてくれたのが嬉しい。 「でも、涼先輩ドン引きするかもしれない」 「しねぇよ、塁斗にだったら何言われても。俺を信じなさい」 しばしの沈黙が続く。何だかわからないがここから先、この黄金バッテリーを保っていくために必要な何かが起こるんだろうか。 「俺……ね、Ωじゃないですか。今も発情期来てて、大会に向けての練習どころじゃないし」 「うん、まぁそれは俺も他の奴らもわかってるし、全力でサポートするよ」 「でも俺は……絶対に試合に出たい。投げたい。涼先輩と、一回戦も二回戦も三回戦もその先もずっと一緒に戦いたい……!」 塁斗の目はわずかに潤んでいた。発情期によるものなのか、感情的になっているのか。 「……ねぇ先輩、知ってますか?番(つがい)ってやつ」 「あ、ああ、知ってるよ」 野球や大会の話題から急に話が逸れて動揺する。 「番ができたΩはフェロモンが出なくなるんです。体調も安定するって主治医も言ってました。……まぁ、キミは高校生だからまだそういうのは早いねとも言われましたけど」 「塁斗お前……変なこと考えてんじゃねぇだろうな?もしお前がどっかのαとそういう関係になったら、死ぬまでそいつに縛りつけられるんだぞ」 たかが十七、八年しか生きていない俺たちには、目の前の野球のことしか見えていない。けれど、そこに悔いを残さないための選択で、残りの膨大な人生で計り知れない苦悩と後悔が待っているのかもしれない。 「番は解除できますよ。ただ、αの側からだけなんですけど」 聞いたことがある。αから一方的に番を解除されたΩは精神的に強いストレスを抱え、その後は新しく番を得ることは許されず、一生発情期に苦しめられると。 「お前マジで……!絶対バカなマネすんなよ……どっかのαに、野球したくて発情期止めたいから番になってくれって頼むのか?そんなの絶対ダメだ!俺が許さない!」 「涼先輩……」 「……俺は、塁斗に大好きな野球やらせてやりてぇけど……それで、その先お前がもっとしんどくなったり苦労したり……あと、好きでもない相手と番になるのは嫌だ……」 俺の方まで泣きそうになってきた。 野球の神様に、上達すること、試合で勝つことばかり祈ってきた。でももうどこの神様でもいいから、追い込まれすぎている塁斗をどうにか救ってやってほしかった。 「せんぱい、」 顔を伏せていたから塁斗がこちらににじり寄ってきていたのに気づかなかった。すぐ目の前に、泣きだすのを堪えたような表情の塁斗がぺたりと座っていた。 「……俺、涼先輩にお願いしようと思ってました。俺のこと、少しの間だけでいいから番にしてください……。お願いします……」 「るい、と……?」 「こんなこと、涼先輩にしか頼みたくないんです」 きゅっと、控えめに腕を掴まれた。 好きな奴に番にしてくれと、つまりセックスに誘われている。 塁斗には俺への恋愛感情なんてないだろう。ただ発情期から逃れて全力で大会に臨みたくて、ただそれだけの理由かもしれない。 「ちょっと待て塁斗。……ほんとにそれでいいんだな?」 「いいんです、お願いします」 窮地の塁斗を救ってやれるぞなんて俺の身勝手な綺麗事だ。もはや卑怯すぎる一石二鳥。お得感さえ感じている。 俺は塁斗を抱く権利を与えられた。だからもう外していい、がんじがらめに抑えつけていた性欲のリミッターを。 抱きたい。抱く。塁斗が欲しい。ずっと我慢してきたんだ。無垢な身体に俺を刻み込んでやりたい。 「わっ……!」 言葉もなく、塁斗を引き寄せ抱き締めた。怯えたような短い叫び。俺よりも細く、容易く腕の中に収まってしまう熱を帯びた身体。 「涼先輩……おれ、」 何か言いかけたところをキスで封じてしまった。塁斗の唇はかすかに震えていた。 大丈夫だから、俺に委ねろ。 頬と腰に手を添え、逃げ腰の身体を支える。 「ん……」 甘ったるく鼻にかかった声を漏らしながら、脚をもじもじとさせている。やわらかな唇。重ね合わせて、撫でて、食んで。それだけで塁斗は、ううんと仔犬のように弱々しく唸り、俺の身体を引き剥がそうとしてくる。 「何?キス、嫌だった?」 「違くて……その……せ、セックスしてうなじ噛んでくれるだけでいいから……」 淡白なことを言っているようで、かなりキワドイことを言っている。 「ん、わかった。塁斗がそれがいいなら。言う通りにする」 でもさ、と続け、塁斗の頬を手のひらで包む。 「せめて優しくさせてよ。俺、塁斗に優しくしたい」 潤んだ瞳が驚いたように見開かれる。それから俺の言葉を噛み締めるようにはにかんで、小さく、 「はい」 と。 こんなのは、こんな反応は。塁斗も俺を好きなんじゃないかと錯覚してしまう。 でも塁斗はとりあえずの番に俺を選んでくれただけ。もうそれだけで充分だ。俺は塁斗から信頼され、一定の好感は得ているんだ。 ベッドの上、一糸まとわぬ姿で塁斗が俺に背中を向け座っている。 「俺ばっかり恥ずかしいから……先輩も抜いでください」 そう言われ、慌てて制服を脱ぎ捨てる。ボクサーに手をかけて躊躇ったが、それも潔く取り払ってベッドの下に放った。 塁斗のフェロモンに、裸体に、それでなくても塁斗とセックスできるという状況だけでとっくに勃ち上がりきってしまっていた。 「先輩、俺で勃ちます?」 「実はもうめちゃくちゃ勃ってる」 「え、うそぉ?」 塁斗がちらりと振り返り、俺のそれを確認する。 「わ……おっきい……」 「そうかな。人と比べる機会とかないしわかんねぇけど」 「……俺、もう結構濡れてるけど、涼先輩のおっきいからすぐには入んないかも」 そうしてそろそろと、俺の方に尻を向けて四つん這いになる。白くなめらかな丸みの谷間から、内ももへとうっすらと愛液が垂れていた。 想像していたよりずっとエロくて綺麗で、同性であることへの嫌悪感など欠片もない。 「触っていい?」 「……はい」 壊れ物に触れるようにそっと太ももに手を伸ばし、やわらかな尻まで撫で上げる。 「んんんッ……」 塁斗はそれだけで甘くため息を吐いて、脚をがくりと震わせる。 「ちんこ触るのはダメ?」 「だめ……」 「わかった。じゃあココ、触るよ?」 愛液で濡れた内ももを軽く開かせ、きゅんと閉じたアナルに軽く触れる。 「あ……!」 押し殺しきれていない声。それがもっともっと聞きたくなって、ぬめった入り口を指先で撫でる。 「あ、あ……やッ……やだっ、こわい……」 「やめる?」 「やだ、やめないで。 あの……涼先輩の挿(い)れられるくらい、指で軽く慣らしてくれませんか?」 もちろんそのつもりだった。大切な塁斗に痛い思いをさせて泣かせるわけにはいかない。 人差し指の先をとろとろの愛液でぬるつかせながら、そうっと押し込んでいく。 「平気?」 「ん……ぁ、だいじょぶ……」 塁斗は自分の腕に頭を押しつけ、小さく呻いている。様子を伺いながら指を奥へと進めるが、その度にナカからとぷんと愛液があふれ出してくる。それはもう無限に溢れてくるんじゃないかというくらいに。 「ね、塁斗。すごいよ、塁斗のココ。どんどん濡れてきてる」 「やだって……恥ずいから、やです……そういうの言わないでぇ……」 「ごめん……」 だって好きな子のこんなとろとろのアソコなんてそんな。 感じてる?気持ちイイの?えっちで可愛いね。 俺には言葉責めなんて上等技術はないけれど、感想のひとつやふたつ言ってみたくもなる。 結果、俺は無言で塁斗のアナルを解してやることになり、その静寂の中、吐息混じりの喘ぎ声とぐちゅぐちゅと愛液の絡まる音を聞かされることになった。 「んあッ……あ……あ……」 塁斗の了解を得て指を増やしていく。入り口は少しずつ解れ、ナカはもうずっととろとろにぬめっていてきゅうきゅうと指を締めつけてくる。 「あんッ……!も……うッ、だめッ……!」 「どっか痛かった?」 二本の指で壁を押し広げてやりながら問う。 「ち、ちがうんです……ぅ……あの……きもちくて……」 最後の方は蚊の鳴くような声でよく聞こえなかった。 「ごめん、何?」 「ぅ……きもちくて……ふっ、う、ぇ……」 気持ち良くて泣いてる? 状況としては燃えてしまいそうだけれど、それでも俺は塁斗を泣かせたくない。 「うん、気持ちイイなら良かったけど。それで、塁斗はどうしたらラク?」 指は突っ込んだまま、動きは止めておいてやる。塁斗は顔を伏せたまま、喘ぎの混じったようなしゃくり上げているような、荒い呼吸を繰り返していた。 「あの……う……もぉはやく、挿れて……くだ、さい……」 「えっ」 思わず絶句する。あのピュアで、部員同士の下ネタすら苦手な塁斗から、そんな過激に煽られるなんて。 「いや、だってまだ指やっと二本入るようになったとこだし、キツいかもしんないよ?」 「うぅぅ……だってわかんないもん……!お、お尻のナカうずうずして、どうしていいかわかんないもん……」 動きを止めた指を差し込まれたままの尻が、自ら快楽を求めるように艶めかしく揺れている。 ああ、俺は塁斗の言う通りにコトを進めると決めていた。だからもう、つまりはもう。 うつ伏せに丸まっていた塁斗の身体を、仰向けにひっくり返す。 「ひゃっ!?や、やだ!」 「こうしないと、塁斗がホントに嫌がってる時わかんねぇし、あと」 するりと細い首すじに手を這わせる。 「ココ、噛めないから」 そうだ、うなじを噛んで番になる。それが目的だ。塁斗もそれを改めて思い出したのか、緊張なのか覚悟なのか唇をきゅっと噛み締めた。 用意しておいてくれたゴムを着け、いよいよ塁斗の脚を抱えて割り開く。 「あ……りょおせんぱい……」 「ん?」 ぴとりと先っぽを這わせた興奮を、どうにか抑えながら相づちを打つ。 「お、おれ、変な声とかいっぱい出しちゃってキモくても、き、嫌いにならないでください」 何と的外れで愛おしいんだろう。セックス中の好きな子の声を聞きたくない男などいるものか。 「どんな塁斗を見せられても、俺らの関係は変わんないよ?ずっと、ちゃんと、塁斗は俺のいちばん大事で可愛い後輩で相棒」 本当は恋人にしたい。甘えられて、イチャイチャして、先輩大好きって言われたい。 けれど、俺は塁斗を抱いて番になる権利を与えられた。これ以上の高望みなんてできるわけもない。 「いくよ」 腕で目元を覆った塁斗の表情は見えない。にゅぷっと押し広げるように先端を差し込むと、 「んあぁ……」 決して苦しさだけではなさそうなため息を漏らした。 「痛くない?」 「う……いッ……たくないッ……」 ゆるゆると腰を進める度に、塁斗のナカの熱にやられそうになる。そこが俺を拒絶することはなかった。熱い壁が絡みついてきて、愛液のぬめりで奥へと誘(いざな)ってくる。 「塁斗、ゆっくり動いていい?」 相変わらず顔を見せてくれない塁斗は、小さく『うん』と答えた。 少し引き抜いて奥へ押し込む。また少し引き抜いて奥へと押し込む。塁斗が苦しくない程度に。 「ふぅッ……!ンンッ……、ふ、う、ンンッ……!」 大丈夫、ちゃんと感じてくれている。 塁斗の綺麗な色のちんこはもうずっと腹につきながら、俺が揺さぶるのに合わせてぷるぷる震えていて、間違いなく感度の良さそうな乳首も赤く熟れて俺の劣情を高めてくる。 俺ももう無我夢中でぬるぬるでとろとろの塁斗のナカを貪る。 「やっ……ふ……う、ン……ん、う?アアァ!?」 塁斗がひっくり返ったような声をあげ、身体を強ばらせる。 「大丈夫?痛かった?」 「あ……ちが……ソコ、変……」 「痛いの?」 「ちがくて……変になっちゃうから……」 イコール気持ち良すぎておかしくなる、だろうか。 「こわい?」 「うん、ちょっと……」 脚を抱えていただけの体勢から、そのまま上体を倒す。ピッチャーである塁斗の柔軟性なら、このひっくり返されたような格好は余裕だろう。 あとは。 「せ、せんぱい……」 さっきより格段に互いの顔の位置が近づいたことにどう反応されるか。塁斗は顔を覆った腕の隙間から俺を見つめている。 「必死なの、塁斗だけじゃねぇよ。俺ももうめちゃくちゃヤバい、塁斗のナカ良すぎて」 塁斗の目が驚いたように瞬く。 「こわかったら俺に掴まって。引っ掻いてもいいし、殴ってもいいから」 「できませんよ、先輩にそんなこと」 「まぁやるとしてもガチのケガはさせないでね。俺も大会出たいからさ」 もちろん最後のは緊張を解すための冗談だけれど、鍛えている俺とは言え、塁斗の利き腕に本気で殴られたらちょっとヤバいかもしれない。 そうして塁斗に覆いかぶさった姿勢で、律動を再開する。体勢が変わったからさっきの気持ちイイところに当ててやれるかわからないが、とにかく頑張らなくては。塁斗が感じまくって、できればイッちゃうところが見たい。 「はァ……ぁ、は……んんッ、は……ああ……ううぅ……」 見つからない、イイところ。 「あぁ……うぅ……は、は、はァ……」 どこだよ、さっきのところ。 「あ、は……はぁ……あッ!?う、あ、アアア……ッ!くッ……!うゥ……!」 「ココ?」 「ぁ……ソコ……あぁ、や、やッ……!」 ようやく再発見できたポイントを二度と見失うまいと、ちんこの先で、張り詰めた竿で擦ってやる。 「あッ!やッ、う、あんッ!やだ、やだ!だめになゆうぅ」 「はっ……だめになっていいよ」 「やぁだぁ!だめッ、あん!せんぱ……りょおせんぱい……!」 顔を隠していた塁斗の腕はいつしか解け、その両手は俺の腕にぎゅうと縋ってきていた。 先輩、やめて、やめないで、助けて、どうにかして。 そんな風に煽られているような。 「あ、あっ、はァ……」 目の前で塁斗の細い首すじが仰け反る。 「塁斗……塁斗……噛みたい。首、うなじ、噛んでいい?」 腰の動きは止めてやらない。 塁斗の潤んだ瞳から涙がひとすじ零れた。見なかったことにする。本当は望まれていないかもしれない番の契り。 「あ……かんで……おねが、します……」 塁斗の覚悟は変わっていなかった。憐れで愛おしくて、本当は番なんて関係性よりも塁斗の気持ちが欲しくて、唇に触れるだけのキスをした。 「りょおせんぱい……」 「……」 何か言葉を発しようものなら、好きだと伝えてしまいそうだった。 安定して野球ができる身体が欲しい、この夏を戦いたい。そんな塁斗の夢を叶えるため。そのうなじに顔を埋め、何度か口づけてからついにがぶりと齧りついた。 「くうぅッ……」 塁斗が堪えるように呻く。 「ごめ……痛かったな?」 「ちが……ぁ……出ちゃ……!」 俺の腕を掴む塁斗の手に力がこめられ、 「うッ……く……ふ、うぅ……」 苦しげに顔を歪ませながら、甘ったるく吐息を詰まらせる。 イイところを突いてやりながらも、その健気でエロい表情から目が離せない。 「あッ、りょおせんぱ……あ、ああッ……んんんッ!」 塁斗が俺の名前を呼んで、びくんと身体をしならせる。途端に力の抜けた塁斗の顔と身体。とろりと互いの腹に塁斗の放った精液がかかっていた。 「あ……ごめんなさ……」 今にもはらはらと泣き出してしまいそうな顔で、塁斗は俺の反応を伺っている。 ああ、そんな気まずく思うことなんて微塵もないのに。 「塁斗」 腹の間で精液がぐちゃぐちゃになるのも厭わずに、塁斗を強く抱き締めた。 可愛い。 俺にうなじ噛まれて気持ち良くなっちゃったの? それで俺の名前呼んでイッちゃったの? ねぇ、何で。何でそんな可愛いことしてくれるの? ほんとは俺のこと好きなの? 至近で目が合った。荒い呼吸が触れ合う距離。 熱と潤みを湛えた瞳の塁斗は、さながら無力な小動物。俺は、今にもそれに喰らいつきそうな獰猛な肉食獣の目をしていると思う。 番になれた。塁斗の想いはどうであれ、もう俺のモノだ。 「ね、塁斗。俺もイっていい?ちょっと、もう我慢できねぇわ」 「はい……」 「優しくするって言ったけど、できなかったらごめん」 塁斗の身体を折りたたむように押さえつけ、挿入を一層深くする。 「あぁ!」 甲高い喘ぎに煽られ、自分がやりたいようにめちゃくちゃに貫きまくる。 「ひゃ、ぁ、あ、あ、は、あ、あ」 短くか弱い啼き声がひっきりなしにあがる。 塁斗のナカはずっとぬるぬるで、繋がった部分ではそれが泡立ちぐちゅぐちゅと音を立てる。 「は……はぁ……塁斗……」 突き上げながら、再び塁斗のうなじに顔を寄せた。やわらかな肌に俺がつけたばかりの噛み跡がくっきりと残っている。 俺のだ。俺のモノだ。 この上ない征服感に高揚して、ボルテージが極限まで上がる。 「あぁ……くッ……塁斗、イくよ?」 「ふッ?や、や、ああ、やだあぁ……!」 ついに耐えきれず、塁斗のナカでイった。その首すじに顔を埋めたまま。 しばらく余韻にひたって塁斗の上から退いた。 あまりにも大量に中身が詰まってカッコ悪いゴムは早々と始末して、広くはないベッド、隣に寝転ぶ。 「涼先輩」 「ん?」 「ありがとうございました。俺の無茶な頼み聞いてくれて」 塁斗はぼんやりと天井を見上げていた。首すじの噛み跡が生々しい。 「いいよ。それより、身体しんどくなかった?最後ちょっと無理させたかも」 ふるふると首を横に振る。 「涼先輩は優しくしてくれました。って他と比べようにも経験がないんですけど。……先輩で良かった」 塁斗がいつの間にかこちらをじっと見つめていたから、愛おしさ有り余って思わず抱き寄せた。おとなしく腕の中に収まってくる。 「これで涼先輩と一緒に戦える。そりゃ藤沢先輩もリリーフにいてくれるけど、ほんとは俺が一イニングでも多く投げたいです。涼先輩と組んで投げてたいです」 「今、他の男の名前出すの禁止」 「あ……はい……」 塁斗の想いの先はどこにある。野球か、藤沢か、それとも他の誰かなのか。 それでも塁斗はもう俺のモノだから。絶対に手放したりするもんか。

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